妊娠したかも?と思った場合の妊娠初期症状や検査薬の使い方などをご紹介します!
生理が遅れていたり、女性ならではの体調不良が続いていると「もしかしたら妊娠?」と驚きや心配を感じる方が多いでしょう。
そういった方の不安や心配を解消するために、妊娠初期におこりがちな症状や妊娠の可能性がある場合にどのような点に注意すべきかについて解説していきます。
この記事の内容
妊娠したかも?と思ったらこんな症状がないかを確認しよう
もしかして妊娠?と思ったときには、体や心に何らかの変化を感じていることでしょう。
そんなときには、まず自分の体や心に出ている症状を確認しましょう。
そして、妊娠初期症状と比較することで、セルフチェックを行うことができます。
妊娠が疑われたときのチェックリスト
妊娠が疑われる症状が現れる時期は、早い方では妊娠3週から妊娠5週くらいとなります。
毎月の生理周期が一定な方の場合には、生理が遅れて1週間くらいが妊娠5週の時期となりますが、生理不順の場合やストレスや体調不良といった妊娠以外にも生理が遅れる原因はあるため、あくまでも一つの目安として捉えましょう。
初期症状がない場合もあり
妊娠初期症状は大変幅広く、また症状の大小もさまざまです。
さらに、風邪症状などそのほか体調不良の症状と重なる部分も多かったり、体調を気にしている余裕がなかったりと、さまざまな理由で症状に気が付かない方も多くいらっしゃいます。
したがって、初期症状の有無にかかわらずに妊娠の可能性はあるということは理解しておく必要があるといえるでしょう。
妊娠初期症状か生理前の症状か
実際、妊娠初期症状と生理前の症状は似ているものが多く、見分けがつきにくくなっています。
似ている症状及び妊娠初期特有の症状をご紹介しますので、見分ける際の参考にしてみてください。
妊娠初期症状と生理前の症状の似ている点
頭痛や下腹部痛、体のむくみや気持ちの不安定といった症状は、生理前に起こるPMS(月経前症候群)の症状と類似しているものです。
そのため、下腹部痛などの症状が出たからと言って必ずしも妊娠しているとは判断しにくい症状だといえます。
妊娠初期ならではの症状
次に、妊娠初期ならではの症状をご紹介していきましょう。
生理がこない
先にもお伝えしたとおり、生理の遅れは妊娠初期症状以外が原因の場合もあります。
しかしながら、毎月一定の生理周期であり、妊娠が考えられる場合には、生理予定日から1週間経っても生理が来ない場合には一度妊娠検査薬で確認してみることをおすすめします。
おりものの変化
妊娠初期には、おりものの量が増えるまたは減るという変化があります。
また、おりものに血が混ざったり茶色の色がついているという変化が見られる場合もあります。
出血
生理のように数日間続くのではなく、少量の出血が1日ほどある場合には、着床出血の可能性が高いです。
着床出血とは、妊娠初期に起こる出血ではありますが、必ずしも妊娠した方全員に起こるものではありません。
高い体温が続く
生理の場合であれば、生理が始まるタイミングで体温が下がる傾向にありますが、妊娠している場合には高温期と呼ばれる体温が高い時期が長く続きます。
病院の受診も早めに視野に入れる
妊娠初期症状はなかなか明確に判断することが難しいものとなっています。そのため、体調不良が続いたり、妊娠が疑われる場合には早目に病院を受診することをおすすめします。
とはいえ、あまり早すぎるタイミングで病院を受診しても妊娠を確認することができません。
病院受診の目安は、生理予定日の一週間後以降です。
特に妊娠を希望している場合には、早く病院で確かめたいという気持ちが高まることかと思いますが、正しく妊娠を確認するためには、焦らずに時期を見て病院にかかるようにしましょう。
妊娠超初期に気をつけることは?
続いては、妊娠が疑われる場合に気を付けるべきポイントについてご紹介します。
妊娠5週目に気を付けるべきこと
妊娠5週目は妊娠初期の症状に気が付き始める方が増えてくる時期でもあります。
少しでも妊娠かも?と感じる兆候があれば以下のことに気を付けましょう。
薬の服用
妊娠5週は器官形成期と呼ばれ、既に赤ちゃんの体の基本部分が作られていく時期になります。
妊娠した場合、薬の種類によって服用を避けるべきものがあることから、安易に市販薬を服用することは避けましょう。
また、特に常用している薬がある方の場合には、早目に医師に相談するようにしましょう。
飲酒・喫煙をやめる
妊娠中の喫煙は胎児の命を危険にさらす可能性があり、飲酒は早産や流産の原因となる可能性があります。
どちらも、妊娠が疑われる場合には早目にやめることでそのリスクを回避することができます。
少しでも胎児の健康や早産・流産の防止を考えるなら、自主的な行動でやめることができる飲酒・喫煙は控えるようにしましょう。
検査薬が使える時期はいつ?
妊娠検査薬の使用時期の目安は、生理開始予定日から1週間となります。
早すぎると、正確な結果が出なくなってしまうため、確実に反応が出る時期に使用するようにしましょう。
妊娠に気が付かないままだとどうなる?
妊娠初期症状には個人差があり、気が付かないというケースも多くあります。
しかしながら、妊娠に気が付かずに飲酒喫煙を続けたり、体に負担がかかる作業をしていたりすると、母体や胎児に悪影響を及ぼします。
早い段階では気が付かないという場合でも、体調不良や生理の遅れなど、何かしら初期症状に該当する症状があった場合には、できるだけ早めの病院受診をおすすめします。
すぐには難しいという場合には、飲酒喫煙を辞めたり、重いものを運ぶような作業は避けるなど、体への負荷ができるだけかからないような、生活を送ることを心がけましょう。
望まない妊娠であった場合
もしも望まない妊娠が分かった場合にはどのように対処するべきなのでしょうか?
妊娠を継続する場合も、中絶する場合であっても、妊娠を見て見ぬふりをすることは出来ません。
中絶という選択
望まない妊娠であったり、何らかの理由により出産が困難である場合、中絶という選択もあります。
想定外の妊娠に焦ったり不安を感じたりするかもしれませんが、まずは妊娠が分かった段階で早めに病院を受診しその後の流れやパートナーとの話し合いなど、必要なことをきちんと順を追って進めていかなければなりません。
中絶にはリミットがあります。そのことを忘れてはなりません。
いつまでにどのような流れで進めていくか
中絶が可能であるのは、妊娠21週6日までと法律で決められています。
22週を超えるといかなる理由であっても、中絶という選択を選ぶことはできないため、確実にそれまでの期間内に判断する必要があります。
妊娠12週未満の中絶を「初期妊娠中絶」と言います。
この手術は、ソウハ法もしくは吸引法でおこなわれます。
胎児がまだ小さい初期妊娠中絶の手術は日帰り手術が可能であり、肉体的金銭的な負担が少なく済みます。
続いて、妊娠12~22の週の中絶を「中期中絶」と言います。
中期中絶は、人工的に陣痛を起こして流産させるという方法でおこなわれます。
5日前後の入院を必要とし、肉体的な負担が大きくなるほか、費用面での負担も高額になります。
また、中絶後は死産届及び死産証書の提出が必要となり、精神的な負担も大きくなるといえます。
中絶という選択肢を選ぶ場合には、よく考えたうえでの決断はもちろんですが、さまざまな負担の増大を考えると、できるだけ早い選択が求められると言えるでしょう。
まとめ
以上、妊娠したかも?とおもったらどのようにして対処すべきなのか、妊娠初期の症状と自分の症状との比較や病院を受診するタイミング等について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
妊娠症状を自覚した場合には、放置せずに早目のセルフチェックと適切なタイミングでの病院受診が重要であることを理解していただければ、幸いです。
参考文献
・メディックメディア-「病気が見えるvol.10産科編」(第4版)p.86
・医学書院-「標準産婦人科学」(第4版)p.300-302
・医学書院-「標準産婦人科学」(第4版)p.326
・医歯薬出版-「ムーア人体発生学」(原著第8版)p.4
・日本産科婦人科学会 ・日本産婦人科医会-産婦人科診療ガイドライン 産科編2020