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妊娠初期の症状とは?生理前症状の違いと気をつけるべきことをご紹介

妊娠初期にみられる症状と生理前の症状は非常に似ているため、妊娠しているかを自分で区別するのは難しいものです。一人で抱え込むよりも、早めに婦人科で検査を受けましょう。

本記事では、妊娠初期症状についてや生理前症状との違い、妊娠初期に起こる関節痛の原因などについてご紹介します。妊娠初期で悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

妊娠初期症状が起こる時期は?

妊娠初期症状が起こる時期は人によって異なるものの、多くのお母さんは妊娠3週目頃に症状が出る方が多い傾向にあります。

ただし、妊娠初期症状が起こったとしても、月経前生理症候群であるPMSや風邪のひき始めと症状が非常に似ているため、妊娠しているとはっきり区別するのは困難です。

また、妊娠しているか判断するためにすぐに妊娠検査薬を使用する方もいますが、検査が早すぎると正確な診断結果が出ない可能性があります。妊娠検査薬で反応が出るのは、直近の性行為から約2週間ほど経過してからです。妊娠しているか判断するためには、体の変化や症状で判断する必要があります。

妊娠初期に身体に起こる症状

ここからは、妊娠初期に身体に起こる症状を詳しくみていきましょう。

妊娠初期症状には個人差があり、起こる体の変化や症状は一人ひとり異なります。多くの妊婦が経験する代表的な妊娠初期症状は、以下のとおりです。

  • 関節痛
  • つわり
  • おりものの変化
  • 匂いに敏感

妊娠が疑われる方は、自身に当てはまるか考えながらみていきましょう。

関節痛

妊娠期間はリラキシンといわれるホルモンの影響で、関節、骨盤まわりの筋肉が弛緩します。この弛緩によって、膝痛や関節痛が引き起こされます。ほかにも体重増加も関節痛が起こる原因です。

なお、関節痛のほかに高熱の症状がみられる場合は、腎盂や腎臓の髄質が細菌によって炎症を引き起こしてる状態、腎盂腎炎の疑いがあります。放置していると敗血症になるリスクが高まってしまうため、関節痛のほかに高熱が出た場合はすぐに病院を受診しましょう。

つわり

妊婦の一番の悩みといっても過言ではないのが、つわりです。代表的な症状は下記のとおりです。ただし、つわりの症状には個人差があることを理解しておきましょう。

  • 吐き気
  • 寝ても治まらない眠気
  • 食欲不振

酷いつわりになると嘔吐してしまったり、メンタルが不安定になったりする妊婦もいます。

また、つわりを経験する方が多くなるのは、一般的に妊娠5週目からといわれており、さらに症状がつらくなるのが8週〜9週頃です。その後、5か月目に突入しはじめ、妊娠15週〜16週頃になると落ち着いてきます。つわりが落ち着いてくると食欲が戻り、気持ちも安定してきます。

おりものの変化

おりものの変化も妊娠しているサインの1つです。おりものの変化は人によって異なりますが、サラサラしてきたり、ネバネバしてきたりと変化が見られます。このようにおりものが変化するのは、妊娠によってエストロゲンというホルモンが増加するためです。

また、生理前はエストロゲンの分泌が減っていくため、おりものの量は少なくなる傾向がありますが、反対に量が増えているのであれば妊娠の可能性があります。

おりものの量が増えている場合は、妊娠の可能性があるため妊娠検査薬で検査してみましょう。ただし、妊娠超初期の場合は正しい反応が出ないため、注意が必要です。

匂いに敏感

妊娠して匂いに敏感になるのは、つわりの症状の1つです。妊娠するとホルモンの影響によって、今まで不快に思わなかった匂いが突然苦手になります。

今まで好きだった香水や柔軟剤、何も感じていなかったスーパーのお惣菜が妊娠を機に突然苦手になるケースも多いです。また、時間帯や空腹状態によっても匂いへの敏感さは変化します。

どのような匂いが苦手になるか、いつ頃、このにおいつわりが出てくるかは人によって異なります。ただし、つわりが落ち着いてくる12週目頃には徐々に治まる方が多いでしょう。

妊娠初期症状についてはこちら

妊娠初期の関節痛は何が原因?

妊娠初期に起こる身体に起こる症状でも述べたように、妊娠初期の関節痛はリラキシンと呼ばれるホルモンが分泌される影響です。リラキシンホルモンは出産の際に赤ちゃんが出てきやすくなるように、関節を緩める働きがあります。

人によって痛みを感じる部位は異なるものの、腰・恥骨は痛みを感じやすい部位です。また、痛みの強さは人によってはさまざまで、なかには歩くのが辛いほどの関節痛が起こる方もいます。

関節痛が酷い場合は体を温めて血行を促進させたり、楽な姿勢で安静にしたりしましょう。どうしても酷い場合はかかりつけ医に相談するのも1つの手段です。

妊娠初期と生理前の症状の違い

妊娠初期にみられる症状と生理前の症状はよく似ているものの、大きな違いとして下記の2点が挙げられます。

  • 体温が高くなる
  • 生理が止まる

ここでは、妊娠初期と生理前の症状の違いをさらに詳しくみていきましょう。

体温が高くなる

妊娠すると、体温を上げる効果のあるプロゲステロンというホルモンが多く分泌されます。そのため、妊娠すると高温期が2週間以上続きます。

妊娠していないときは低温期と高温期が2週間ずつ続きますが、高温期が2週間以上続いて月経がない場合は妊娠を疑ってみてもよいでしょう。

なお、基礎体温を計るには婦人体温計が必要です。朝起きて布団から出ない状態で基礎体温を正しく測る習慣は、生理日の予測や妊活においても役立つでしょう。

基礎体温についてはこちら

生理が止まる

環境の変化やメンタルの状態によって生理が遅れるケースはよくあるものの、生理が止まるのは妊娠しているサインの1つです。特に、いつも生理周期が安定していて環境の変化がないにも関わらず、突然、生理が遅れている場合は要注意です。

また、生理が止まると同時におりものの量が増えたり、強い眠気を感じたりした場合は、妊娠している可能性がより高まります。

生理が止まるイコール必ず妊娠とは限りませんが、大幅に遅れている、眠気やおりものの変化がみられた場合は妊娠を疑ってみてもよいでしょう。

妊娠初期に早く性別や健康状態が知りたければNIPT

妊娠初期に起こる流産のほとんどの原因が、胎児の染色体異常です。現在の医療技術では、染色体異常による流産の治療法は確立されていません。しかし、染色体異常自体は妊娠10週0日よりNIPT(新型出生前診断)で調べられます。

流産の8割以上が妊娠12週未満の早い時期であるため、妊娠初期に出血が起こると「流産では?」と不安になる方もいるでしょう。

どうしても不安が強く、赤ちゃんの状態を知りたい場合は、染色体異常を把握できるNIPTを検討してください。NIPTは性別も把握できるため、早めに準備を行いたい方に適しています。

ただし、日本産科婦人科学会は性別の告知を推奨していないことから、施設によっては性別を教えてくれないケースもあるため下調べをしておきましょう。

なお、流産が起こる原因はストレスや飲酒・煙草などだと思う方も多くいるでしょう。しかしながら、実際は受精卵の時点で流産が決まっているケースがほとんどです。多くの場合原因は赤ちゃん側にあり、母体側に問題がある可能性は決して高くありません。

まとめ

妊娠初期と生理前の症状は非常に似ているため、はっきりと区別できないケースが多いといわれています。ただし高温期が2週間以上続く、生理が来ないといった場合は、妊娠を疑ってみてもよいでしょう。まずは基礎体温を測り、自身の基礎体温の変化を把握することからはじめてはいかがでしょうか?

ぜひ本記事を、快適な妊婦生活にお役立てください。

参考文献

・流産・切迫流産|公益社団法人 日本産科婦人科学会 – 流産・切迫流産

・NIPT | 国立成育医療研究センタ– NIPT

・厚生労働省–【妊娠中・産後の症状等に対して考えられる措置の例】

・女性にやさしい職場づくりナビ – 妊娠中の身体の変化と対応ポイント