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中絶ができる期間は?中絶後の対応もあわせて解説

中絶ができる期間は?中絶後の対応もあわせて解説

経済的な理由や望まない妊娠などの理由で中絶を選択する場合、いつまでに病院を受診して手術を受けることが必要なのか、どのような処置をするのかについてあらかじめ理解しておくことで、少しでも冷静に対処していくことができるでしょう。中絶には期限があること、また中絶を選択するともちろん出産はできないということを理解し納得したうえで、選択する必要があります。

人工妊娠中絶とは

妊娠を望んでいないのに妊娠した場合に、妊娠の継続を断ち切ることを人工妊娠中絶と言います。

望まない妊娠の理由は、経済的な理由、思いがけない妊娠、未婚などパートナーとの問題等さまざまです。

人工妊娠中絶は令和2年の数値でおおよそ15万件となっています。

この数値だけを聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、単純計算で1日当たり400件近い人工妊娠中絶がおこなわれていると考えると、いかにその数が多いのかが実感できるでしょう。

中絶できる期間について

中絶が認められている期間は妊娠22週未満までとなっています。

これは「母体保護法」と呼ばれる法律で定められているものです。

妊娠22週を過ぎると、中絶手術を受けることができなくなるため、中絶を検討している場合には、妊娠が発覚した段階で出来るだけ早い決断と行動が必要とされます。

初期中絶とは

妊娠12週未満までの中絶のことを初期中絶と呼びます。

静脈麻酔をかけて、子宮から組織をかきだすソウハ法という方法で手術が行われます。

ほとんどの場合日帰りで処置を受けることができる手術です。

中期中絶とは

妊娠12週以降におこなわれるのが中期中絶手術です。

この時期の中絶では、陣痛を起こして子供を産み下ろす方法が取られます。

入院日数は陣痛の進み具合により前後がありますが、長い場合には5日ほど要する場合もあります。

小さいながらも実際の出産と同じ流れで進むことから、精神的にも金銭的にも大きな負担がかかる手術です。

また、中絶後には胎児の火葬、死産証明書の提出をしなければなりません。

22週以降の場合はどうなる?

お伝えしている通り、母体保護法に基づき妊娠22週を過ぎた場合に中絶手術をおこなうことはできません。

したがって、期間を過ぎたら出産をするしか方法がないということになります。

もし、22週を過ぎてしまったものの、子育てする環境になかったり経済的に難しいという状況が変えられなかったりする場合には、産んだ子供を養子や里親に出すという選択肢があります。

仮にそのような状況になった場合には、産んだ責任として子供にとって最善の選択をしてあげるべきだといえます。

中絶を決めたらどうするべきか

続いては、実際に中絶すると決めたらどのように動くべきなのかについてお伝えします。

先ほど初期中絶と中期中絶について解説しましたが、中絶は時期が遅くなるほどさまざまな負担が大きくなります。

したがって、決断後は速やかに行動すべきだといえます。

病院受診

まずは、中絶前に病院で各種検査が必要となります。

具体的には、問診のほかエコー検査や血液検査、性感染症検査といったものです。

中絶前の検査に関しては、さほど時間を要するものではありませんが、産婦人科は混んでいたり予約が希望日程でとりづらかったりするケースもあります。

早めに予約をして受診するようにしましょう。

堕胎手術の流れ・方法

次に、堕胎手術の流れについてです。

初期中絶の場合は、先にご紹介したソウハ法と呼ばれる、子宮から組織を書き出す方法のほか、近年では吸引法も広く普及しています。

吸引法は、ソウハ法に比べて子宮への負担が少ないというメリットが挙げられます。ただし、妊娠週数が進んでからの手術の場合には、吸い込みがしにくくなるというデメリットもあります。

中期中絶の場合には、陣痛を促したうえで出産同様に生み下ろすという方法です。

対象週数によって、処置が全く異なってきますので、その点はあらかじめ正しく認識しておきましょう。

中絶にかかる費用

中絶の費用は、病院によって大きな差がありおおよそ10~15万円程度が相場となっています。

保険適用外で基本的に全額自己負担となるものですが、中絶であっても場合によっては出産育児一時金の対象になるものがあります。

それは、健康保険に加入しており、妊娠12週を超えた中期中絶の場合です。この場合、申請をすれば出産育児一時金50万円が支給されます。

ここで間違ってはいけないのは、お金目当てに中絶を遅らせるという行為です。

お伝えしているように、中期中絶は初期中絶以上に母体に負担がかかるものであり、赤ちゃんが小さいとはいえども、実際に子供を産んで諦めるというものです。その精神的な負担は計り知れません。

もし中絶という選択をするのであれば、出来る限り早めにおこなうことが求められます。

中絶手術が母体に与える影響

つづいては、中絶をおこなった場合、後遺症などどのようなリスクがあるのかについてお話していきましょう。

後遺症については人によって症状の有無や大小は異なってきます。

起こりやすい症状としては、慢性的な腹痛、微熱や吐き気、少量の出血などです。これらの症状は数日程度で収まるものであり、長く続く場合には病院を受診しましょう。

その他、感染症や子宮が傷ついてしまうなどのリスクは、中期中絶に起こり得る重い後遺症として挙げられます。

中絶を選ぶ理由

中絶を選ぶ理由は人それぞれ十人十色でしょう。

「若いうちにまだ妊娠など考えていないところ思いがけない妊娠をした」

「同意がない性交渉の上に妊娠してしまった」

「子供は欲しいけれど育てていく自信や余裕がない」

いずれの場合も、中絶を選択せざるを得ないという状況に置かれており、後悔や罪悪感などさまざまな感情にかられることもあるでしょう。

しかしながら、産んだ後に後悔するのはもう遅いです。

どんな決断を下す場合であっても、自分と胎児にとって最善の方法を取ることで、その気持ちが報われるのではないでしょうか?

中絶を選択した方々のさまざまな思い 

中絶は若い人ばかりのものではありません。

実は40代の中絶の件数も多いのです。その背景には、予期せぬ妊娠、年齢的な問題、仕事と育児の両立の難しさといった理由があります。

特に40代の中絶では、まさか妊娠するとは考えてもいなかったという想定外の妊娠であることが理由であることが多くあります。

今の生活スタイルが確立している中で、ここから出産して子供を育てていく自信がないという声もあります。

年齢が上がるにつれて確かに妊娠率は下がっていきますが、妊娠しなくなるということではありません。

年齢に関わらず、妊娠を望まないのであればきちんと避妊すべきです。望まぬ妊娠はこれ以上増やすべきではありません。

中絶を選択した場合の精神的負担

中絶をした場合、身体的だけでなく精神的な負担も大きなものです。

具体的には、精神的に不安定になる、不眠が続く、うつ状態になる、精神病を患うなどの症状が引き起こされる場合もあります。

出来る限り中絶の事実を一人で抱え込むのではなく、パートナーや信頼できる方、必要に応じてカウンセリングを受けるなどして、共有して支え合ったり理解を得たりすることで、精神的な負担軽減につなげてください。

まとめ

今回お伝えしたことで、中絶に関する理解を深めることができたら幸いです。

中絶は心身ともに大きな負担がかかるものであり、出来るのであれば避けたいものです。

しかしながら、さまざまな理由により中絶せざるを得ない状況があります。

そういった場合には、自身の納得のいく判断と速やかな行動をとり、中絶した後には前を向いて進んでいただきたいです。

参考文献

厚生労働省令和元年度 衛生行政報告例 概況

公益社団法人 日本産婦人科医会人工妊娠中絶について教えてください。