妊娠がわかったらやるべきことは?妊娠初期に気をつけたい基本情報も紹介
「妊娠がわかったら、まずやるべきことは?」
「お腹の赤ちゃんのために、気をつけるべきことは何だろう?」
初めての妊娠は、喜びも大きいけれど不安も多いと思います。
妊娠がわかったら、まずは妊娠の届出を行い、母子手帳をもらわなければなりません。
妊娠がわかったら他にもやるべきことや、気をつけたいことなど、妊婦さんが知っておいたほうがいい正しい情報や知識は多いです。
この記事では、初めて赤ちゃんを迎える妊婦さんとそのパートナーさん向けに、妊娠がわかったらやるべきことを解説します。
また、妊娠初期に気をつけたい基本情報も総まとめで紹介するので、初めてのマタニティライフの参考にしてください。
この記事の内容
妊娠がわかったらやるべきこと
妊娠がわかったら、やるべきことは以下の通りです。
- 産婦人科を受診して妊婦健診を受ける
- 妊娠が確定したら母子手帳をもらう
- 自治体ごとの助成・支援制度を確認する妊婦健診を受ける
- 定期的に歯科検診に行く
- 出産する病院を決める
- 職場に伝える
産婦人科を受診して妊娠の診断を受けよう
月経予定日を過ぎて妊娠の可能性を感じたなら、まずは市販の妊娠検査薬で検査してみましょう。
妊娠している場合は、妊娠4週(受精してから2週間)ほど経過していれば陽性反応(+)が出ます。
2週間より早く検査し陰性(−)だった場合でも妊娠していないとは言い切れないので、数日置いて再度検査してください。
妊娠検査薬で陽性が出たら、産婦人科を受診して妊娠の診断を受けに行きましょう。
産婦人科では、胎嚢が子宮の中にあることを確認することが必要です。
通常、妊娠4週〜5週頃には胎嚢を確認することができ、遅くとも妊娠6週までには確認できるようになります。
妊娠が確定したら母子手帳をもらおう
妊娠が確定したら、お住まいの市区町村窓口で妊娠届けを行い、母子手帳をもらいましょう。
母子手帳の交付、妊婦健診の補助券や保健師相談など、妊娠に関する情報提供も受けることができます。
自治体ごとの助成・支援制度を確認する
国や自治体では出産・育児のために、さまざまな助成や支援制度を設けています。
助成や支援制度などの公的保障を利用することで、出費を抑えたり給付金を受給したりできますが、所定の要件を満たすことと申請が必要です。
妊娠・出産・子育てで、申請をすることでもらえるお金は少なくありません。
ご自身が対象となる公的保障を確認して最大限に活用しましょう。
妊婦検診を受ける
妊娠中の女性の体は、赤ちゃんを育むためさまざまな変化が起こります。
そのため、妊娠前よりも健康に気をつけて過ごさなければなりません。
お腹の中の赤ちゃんの成長や、妊婦さんの変化を定期的に確認することが大切です。
妊娠中の定期検診は、お腹の赤ちゃんと妊婦さんの健康を保つためにも必ず受診しましょう。
定期的に歯科健診に行く
妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりなど、身体のさまざまな変毛によって口内環境が悪くなりやすいです。
さらに、妊婦さんの虫歯菌や歯周病菌は、早産のリスクが高まると言われています。
それに加え、出産後は赤ちゃんのお世話に追われて歯医者に行く時間の確保は難しくなるでしょう。
そのため、つわりが過ぎた安定期〜妊娠中期頃には歯科検診に行き、検診や治療、歯磨き指導などアドバイスを受けてください。
妊娠中期であれば、一般的な歯科治療はほとんど支障なく行えます。
出産する病院を決めておこう
妊娠がわかったら、出産する病院を決めます。
出産をする病院は、妊婦健診から出産まで同じ病院で行う方や里帰り出産を希望する方もいるでしょう。
病院によって、雰囲気や特徴、受けられるサポートや費用もさまざまなので、自分に合っていて納得ができる病院を選びましょう。
希望する産院があっても、すでに予約が埋まっていたり、里帰り出産を受け付けていなかったりする場合もあるので、早めに出産を希望する産院に確認をしましょう。
体調に不安があるときには職場に伝えておこう
仕事をしている方は、妊娠がわかったら職場への連絡が必要です。
妊娠の報告は安定期に入ってからでも遅くはないのですが、体調に不安がある場合は妊娠がわかった妊娠初期の時点で伝えておくといいでしょう。
妊娠の報告をする際は、仕事への影響が出るかもしれない点と、体に無理のない範囲でしっかり働く意思があることを伝えます。
職場に妊娠の報告ができたら、通常の業務にプラスして仕事の整理や資料の作成など、産休に入るまでの準備を整えましょう。
妊娠超初期に気をつけること
妊娠初期に、特に気をつけるべきことをお伝えします。
- タバコ・アルコールをやめる
- カフェインを控える
- 日常生活で無理をしない
- 薬の服用は医師に相談する
- 風邪や感染症に注意する
タバコ・アルコールをやめる
妊娠がわかったら、タバコとアルコールはすぐにやめましょう。
妊娠中の喫煙は、赤ちゃんの発育に悪影響を与え流産や早産、低体重児、周産期死亡のリスクが高まります。
妊娠中のアルコールも流産や早産、胎児性アルコール症候群などの危険性が高まり、赤ちゃんに奇形が起こる危険性があることは明らかです。
また、出産後にもタバコとアルコールは赤ちゃんに悪影響を与え、呼吸器の病気になったり、乳幼児突然死亡症候群により亡くなってしまったりなど危険性が指摘されています。
少量でも赤ちゃんへ影響を及ぼす可能性があるので、妊娠がわかったらタバコとアルコールは絶対にやめてください。
カフェインを控える
妊娠中のカフェイン摂取は制限をする必要はないとされています。
しかし、カフェインの過剰摂取は赤ちゃんの低体重など成長を阻害するリスク可能性があるため、妊娠がわかったらカフェインを控えるようにしましょう。
また、妊娠中はカフェインが体内へ長時間とどまるため注意が必要です。
カフェインには神経を高ぶらせる興奮作用があり、カフェインの過剰摂取は、焦りや不安を誘発したり、不眠や高血圧を引き起こしたりする可能性があります。
紅茶やコーヒー、お茶やチョコレートにもカフェインが含まれているので、1日のカフェイン摂取量の上限を超えないよう、妊娠中は水やノンカフェインの飲み物などを飲むよう心がけましょう。
日常生活で無理をしない
体調が安定しない妊娠初期は、無理は禁物です。
妊娠がわかったら体に負荷がかかる行動や、激しい運動は避けましょう。
- 重いものは持ち上げない
- お腹を圧迫しない
- 体を冷やさない
など、日常生活でも無理をしないように心がけてください。
パートナーや周囲の人に協力をしてもらいながら、お腹の赤ちゃんを守っていきましょう
薬の服用は医師に相談しよう
病気療養中や持病で、妊娠前から薬を服用している人もいるかもしれません。
妊娠を意識し始めた時点で、薬の服用を主治医に相談しましょう。
妊婦さんの飲んだ薬は、胎盤を通して赤ちゃんの体内に入り、悪影響を与える可能性があるので薬の服用には注意が必要です。
手軽に手に入る市販薬だから大丈夫と自己判断での服用や、今まで服用していた薬を勝手に中断してしまうことも良くありません。
妊娠がわかったら、薬の服用について主治医に相談し主治医の指示に従ってください。
風邪やインフルエンザなどの感染症に注意
妊娠すると免疫力が低下するので、感染症にかかりやすくなります。
そのため、普段では症状が出ない弱い感染症でも合併症を引き起こす可能性や、インフルエンザが重症化するなどの可能性があるので気をつけなくてはなりません。
- 手洗いうがいの徹底
- 人が多いところは避ける
- 体は冷やさない
- 睡眠をしっかりとる
妊娠中は風邪や感染症予防対策を心がけましょう。
妊娠中パートナーに気をつけてほしいこと
子育ては一人でするものではありません。
妊娠中、パートナーに気をつけてほしいことをまとめました。
- お母さんと胎児の健康に配慮する
- タバコやアルコールに注意
- 性行為は控えて
お母さんと胎児の健康管理に配慮をする
妊娠すると、ホルモンバランスが乱れ、身体の変化も大きく、情緒不安定になったり、突然体調不良を起こしたりすることがあります。
パートナーが理解してくれていると、妊婦さんは安心感もあり、いざという時にも頼りになるでしょう。
また、妊婦さんは免疫力が低下するので、人との接触率の高いパートナーも気をつけなければなりません。
手洗いやうがいによる基本の予防対策の徹底や、感染症対策のワクチン接種などを受けましょう。
パートナーが率先して、お母さんとなる妊婦さんと赤ちゃんの健康管理に配慮してください。
タバコやアルコールも要注意
妊婦さん本人が喫煙していなくても、受動喫煙によって胎児に悪影響が生じることがあります。
- 流産・早産のリスクが高まる
- 乳幼児突然死症候群
- 低出生体重
- 胎児発育遅延
妊娠を機にタバコをやめる、もしくは妊婦さんのいる場所ではタバコはやめるようにしましょう。
お酒が好きな妊婦さんは妊娠から産後も禁酒をするので、お酒が好きな人は、パートナーが飲んでいてずるいと感じる人もいます。
また、アルコールを摂取してしまうと車の運転ができなくなってしまうので、何かあった時にすぐに車が出せないという事態も無きにしも非ずです。
妊娠中の飲酒については、話し合って納得できるルールを決めるといいでしょう。
性行為は控えて
妊娠中の性行為は、できれば控えた方が望ましいです。
性行為で流産や早産に直接繋がることはありませんが、性行為によってお腹が張り、妊婦さんが不安になることもあります。
また、妊娠中は「赤ちゃんを守る本能」によって、「その気になれない」こともあるので気持ちを話して理解してもらえるといいでしょう。
また、性行為は感染症にかかり早産や流産になるというリスクはあるので、妊娠中の性行為はゴムが必須です。
お腹の張りや出血、体調不良や胎盤位置の異常など、安静にしなければならない時の性行為はNGです。
お互いを尊重し、思いやりのあるコミュニケーションと関係を築けるといいですね。
妊娠がわかったら用意しておくといいものは?
妊娠がわかったら用意しておくと便利なアイテム7点を紹介します。
- 母子手帳ケース
- 葉酸サプリ
- ボディケア用品
- 妊婦帯
- ゆったりとした服
- ヒールの低い靴
- 抱き枕
母子手帳ケース
母子手帳は妊娠中の経過、出産の記録、子どもの成長の記録や予防接種の状況を記載する大事なものです。
妊婦健診や出産時はもちろん、産後も使うので、使い勝手が良いお気に入りのデザインのケースに入れておきましょう。
葉酸サプリ
葉酸は、妊活・妊娠中・授乳中の女性にとって大切な栄養素の一つです。
葉酸の摂取が不足すると、赤ちゃんに神経管閉鎖障害という先天性異常の発症率が高まります。
食事でも葉酸は摂取できますが、葉酸は調理すると栄養素の効力が失われてしまうため、普段の食生活からでは摂取しにくい栄養素です。
そのため、葉酸サプリメントで効率よく摂取することを厚生労働省でも推奨しています。
ボディケア用品
妊娠中は肌が敏感になったり、乾燥したりと肌トラブルも増加します。
また、お腹が大きくなるなど体型の変化もめまぐるしいです。
自分にあったボディケア用品を選びましょう。
妊婦帯
妊婦帯は、お腹を冷えから守り赤ちゃんをさまざまな衝撃から守ってくれます。
だいたい5ヶ月頃から使用する人が多いです。
デザインも豊富なので、生活スタイルに合わせて選ぶといいでしょう。
ゆったりとした服
妊娠中、赤ちゃんの成長に合わせて体型も徐々に変化していきます。
締め付けのきつい洋服は体調不良の要因にもなるので、お腹を締め付けないゆったりとした服がおすすめです。
出産までに必要なものを少しずつ準備していきましょう。
ヒールの低い靴
ヒールの高い靴を履くこと自体が、赤ちゃんに悪影響があるというわけではありません。
しかし、妊婦さんの体の変化によってバランスが取りにくくなり転倒したり、体に痛みが出たりすることがあります。
妊娠中は、ヒールが2〜3cmで、ヒール部分が太く安定感があるローヒールがおすすめです。
ヒールの低い靴は、ふくらはぎの負担を減らしこむら返りの軽減になる可能性があります。
サイズ感や着脱のしやすさ、疲れにくさも考慮して選びましょう。
抱き枕
抱き枕は、妊娠中の不快感や寝苦しさを軽減してくれるアイテムの一つです。
産後は授乳クッションとしても活用できるものなど、デザインも豊富なので自分のニーズに合う、気に入ったデザインを選ぶといいでしょう。
妊娠がわかったら食生活はどうすべき?
妊娠がわかったら、食生活に気をつけたいものです。
- 積極的に意識して食べたい食材
- 妊娠中に気をつけたい食べ物
- 妊娠中に避けたい食べ物
妊娠中の食生活についてお伝えします。
積極的に意識して食べたい食材
妊娠中は、お母さんと赤ちゃんに摂って欲しい必要な栄養素がたくさんあります。
積極的に摂取して欲しい栄養素を含む食材の一例を以下にまとめたので参考にしてください。
栄養素 | 期待できる効果 | 食材例 |
葉酸 | 神経管先天異常のリスクを下げる | ブロッコリー、ホウレンソウ、小松菜など |
鉄分 | 貧血予改善 | あさり、切り干し大根、納豆など |
ビタミンC | 鉄分の吸収をサポート | パプリカ、レモン、キャベツなど |
ビタミンB12 | 貧血改善 | しじみ、ハマグリ、にんじんなど |
カルシウム | 骨粗しょう症予防 | 牛乳、ヨーグルト、しらすなど |
ビタミンD | カルシウムの吸収をサポート | しいたけ、きくらげ、サケなど |
食物繊維 | 腸内環境を整えて便秘を予防する | おくら、そら豆、押し麦など |
乳酸菌 | 腸内環境を整えて便秘を予防する | ヨーグルト、味噌、納豆など |
食品の食べ方や食べる量も考えて、バランスよく食べましょう。
妊娠中量に気をつけたい食べ物
妊娠中はさまざまな栄養素が必要です。
必要な栄養素も含む食材もありますが、過剰摂取に気をつけなければいけない食べ物もあります。
食べる量に気をつけたい食べ物 | 理由 | 摂取量の目安 | 例 |
カフェインを含む食べ物 | 赤ちゃんの発育を害する場合がある | 1日2〜3杯まで | 珈琲、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど |
水銀を含む魚 | 赤ちゃんの中枢神経に影響する場合がある | 1回80gを週1回まで | キンメダイ、メカジキ、本マグロ、メバチマグロ、クジラなど |
ヨウ素を含む食べ物 | 赤ちゃんの甲状腺機能が低下する場合がある | 昆布:だし汁150mlほど水戻しわかめ:12gほど | 昆布、わかめ、めかぶ、ズワイガニ、シシャモなど |
無機ヒ素を含む食べ物 | 赤ちゃんの脳の発達への影響、脳障害、催奇奇形を引き起こす場合がある | 乾燥ひじき5g(煮物で小鉢1杯程度)週2回まで | ひじき、昆布、乗り、玄米、わかめなど |
ビタミンAを含む食べ物 | 赤ちゃんの形態異常を引き起こす場合がある | レバー:串焼き週1本までうなぎ:蒲焼を週1回 | レバー、うなぎ、アンコウ、フォアグラ、ホタルイカなど |
妊娠中避けたい食べ物
妊婦さんが避けたい食べ物には、アルコール、生物、リステリア菌を持っている食べ物やトキソプラズマを含む可能性がある食べ物が挙げられます。
妊娠前は何気なく食べていたものでも、免疫力が低下している妊婦さんと赤ちゃんには悪影響を与える可能性があるので気をつけましょう。
まとめ|マタニティライフを楽しんで
妊娠がわかったら、やるべきことや、妊娠初期に気をつけたいことなどの基本情報と知識を総まとめお伝えしてきました。
やるべきことや注意すべきことが多いように感じると思いますが、マタニティライフは約8ヶ月間です。
長いようにも思えますが、あっという間にすぎてしまいますよ。
ご自身の体調管理に気をつけながら赤ちゃんを迎える準備をし、ぜひマタニティライフを楽しんでくださいね。
参考文献
・JAM – エビデンスに基づく助産ガイドライン 妊娠期・分娩期・産褥機2020
・日本産科婦人科学会 ・日本産婦人科医会- 産婦人科診療ガイドライン 産科編2020