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受精日とは?正しい計算方法と誤差がでる理由を解説

妊活中や不妊治療では、妊娠したかどうかを判断する「受精」が重要ですが、受精日がいつか把握できていない方が多いのが現状です。

そこで本記事では、受精を正しく判断するために知っておくべき「受精日の基準」や「計算方法」についてわかりやすく解説します。

さらに受精日に誤差が生じる原因、着床後に起こりうる体の変化、妊娠検査薬で陽性がでた際にやるべきことについてお伝えします。

受精日とは性交日ではない?判断するための基準とは

「受精日=性交をおこなった日」と認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、これは間違いです。

受精日を判断する基準として「最終排卵日」と「妊娠2週0日目」があり、それぞれについて解説します。

受精日とは最終排卵日のこと

受精日とは、卵子の中に精子が入り込んだ(受精)した日を指しており、最終排卵日と同日の扱いとなっています。

排卵した卵子は約24時間で寿命が尽きるため、「排卵した日=受精した日」と判断して計算できるということです。

卵巣から卵子が排出される排卵日は、生理がはじまる約2週間前を目安に1ヶ月に1度のペースでくるのが正常です。

つまり、性交をおこなっただけで受精するわけではないため「受精日=性交日」が成り立たちません。

妊娠2週0日目が受精日にあたる

最終排卵日とは別に、受精卵ができたタイミングとなる妊娠2週0日目も受精日と同日の扱いになります。

いつ受精したか明確にわかるのは、不妊治療をおこなっている妊婦さんのみで、一般的には生理期間と被るためイメージが湧かない方も多いでしょう。

しかし、一般的な月経周期が28日間で、排卵から受精するのが14日間であることを踏まえると、2週目0日目が受精日と計算できます。

つまり、妊娠週数の計算も2週目0日目が基準となります。

受精日の計算方法について解説

受精日を正確に計算するためには、月経のタイミングと排卵のタイミングを把握する必要があります。

3つのポイントにまとめているので、普段から記録を残すようにしましょう。

最後の月経開始日を確認

受精日の計算をする際には、最後の月経開始日を把握する必要があります。

妊娠がはじまると月経がこなくなるため、普段から生理周期や体調の変化を知る目的で記録しておきましょう。

最後の排卵開始日を確認

受精日の計算をする際には、最後の排卵日を把握する必要があります。

排卵日は月経が終わって約2週間後とされていますが、個人差があり、日数だけで見極めるのは難しいかもしれません。

排卵が起こると体温が0.3〜0.6度ほど上昇するため、普段から体温を測る習慣をつけておくとよいでしょう。

最終月経から何日目か確認

妊娠が確定したら、最終月経の開始日を基準に妊娠週数を数えます。

生理周期が安定していることを前提とするならば、最後の月経開始日が0日目、排卵日が妊娠2週0日目です。

これらを基準に、妊娠週数を数えると受精日を推測することができます。

受精日にズレが生じる原因

従来の方法で受精日を計算してもズレが生じるケースがみられますが、それらは主に不正出血、生理不順、排卵のタイミングの遅れが原因です。

それぞれの原因について解説します。

不正出血

ホルモンバランスの乱れや性器周辺の炎症などにより不正出血が起こると、受精日にズレが生じます。

不正出血と月経は判別がむずかしく、最後の月経開始日をまちがって認識すると計算ミスにつながります。

不正出血の可能性がある場合、早めに医師に相談しましょう。

生理不順

正常の生理サイクルは25〜38日間であり、24日より早い場合は「頻発月経」、39日より遅い場合は「揮発月経」と呼ばれています。

慢性的な生理不順の方、一時的な身体へのストレスによる生理不順が起きている方などさまざまなケースがありますが、基礎体温に乱れが生じる可能性が高いです。

月経のサイクルや基礎体温が乱れると、最後の排卵日を正確に把握することが難しくなってしまい、結果として、受精日の計算に狂いが生じてしまいます。

排卵のタイミングが遅れた

本来、排卵日と受精日は同日と認識しても問題ありませんがホルモンバランスや体調に乱れが生じると、正しい受精日を割り出せなくなってしまいます。

そのため、排卵のタイミングの遅れが心配な方は、排卵検査薬の使用がおすすめです。

排卵検査薬の使い方は、妊娠検査薬とよく似ており、キットに尿をかけるだけで排卵の近さを段階的に示してもらえます。

排卵日を的確に把握したい方は、定期的に排卵検査薬を用いる方法も検討しましょう。

着床後の体の変化

妊娠が確定すると女性の体には妊娠によるさまざまな症状がみられるようになりますが、その一つが着床後の特徴的な変化です。

そこで着床後にみられる3つの特徴的な変化について解説します。

おりものの量が変化する

着床後の体の変化として、おりものの量の変化が挙げられます。

おりものは、エストロゲンとよばれるホルモンの一種が分泌されることで排出されていますが、受精後は一時的におりものの量が増えやすくなり、着床後はおりものの形状も変化するのです

着床すると膣内のpH量が変化するため、おりものがサラサラになったりネバネバになったり、普段とは違うおりものが排出される可能性が高まります。

風邪のような症状がでる

着床後の体の変化として、風邪のような症状を引き起こす妊婦さんが多く見受けられます。

通常であれば生理前の3〜4日前に体温が低下し月経がはじまりますが、着床後は高体温の状態が17日以上続き妊娠成立となります。

ここで高体温が続くのには、プロゲステロンとよばれる女性ホルモンの一種が分泌されることが関係しており、これが、微熱やだるさ、眠気などの症状を引き起こす原因となっています。

胸の張りや痛み

着床後の体の変化としては、胸の張りや痛みも挙げられます。

妊娠が確定すると、妊婦さんの体は子宮が妊娠体制に入るため、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが急増します。

エストロゲンは胸の乳管・乳腺組織の働きを活性化し、プロゲステロンは乳腺組織を活性化する作用を持ち合わせています。

2つの女性ホルモンの活性化が、胸の張りを感じたりズキズキやチクチクする痛みを感じたりする原因です。

妊娠検査薬で陽性が出た後について

妊娠検査薬で陽性反応がでた場合、妊婦さんとその家族は妊娠と出産に向けて早急に準備をはじめる必要があります。

具体的に何をするべきかを順を追って解説します。

産婦人科を受診

生理が遅れているなどの理由で妊娠検査薬を使用して陽性反応がでたら、まずは1週間ほど待ち、月経が2週間ほど遅れたタイミングで産婦人科を受診しましょう。

月経周期が28日間であれば、月経開始から6週目が目安です。

母子手帳を貰いに行く

産婦人科によって異なりますが、基本的には胎児の心拍が確認できると妊娠届出書が発行されます。

妊娠届出書を持って役所に行き、母子手帳を受け取ります。

母子手帳は、出産までの記録を残すために必要なため、次回以降の妊娠検診までに用意しておきましょう。

出生前診断を受ける

妊娠10週を過ぎたら、胎児の先天性疾患が判定できる出生前診断(NIPT)が受けられます。非確定検査ではあるものの、血液検査のみで診断できるため、母体と胎児へのリスクはありません。

出産前に胎児の状況を把握したい方は、出生前診断を検討しましょう。

まとめ

この記事では、受精を正しく判断するために知っておくべき受精日の基準や計算方法について解説しました。

結論として、受精日は最終月経から2週0日目を指していますが、妊婦さんのホルモンバランスの乱れや体調の変化により個人差が生じます。

排卵日や月経がズレたり、不正出血がある場合は、排卵検査薬などを用いて正確に日程を把握することも可能です。

受精日について正確に理解したうえで、妊娠準備に臨みましょう。

参考文献

・厚生労働省-厚生労働省:生殖補助医療研究目的でのヒト受精胚の作成・利用の在り方について