妊婦健診のエコー(超音波)はいつから?初診のタイミングや内容・費用も解説
妊娠の可能性のある場合、産婦人科を受診し妊婦健診を受けます。
妊婦健診ではエコー検査をはじめとしたさまざまな検査が行われますが、健診の内容について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
妊婦健診は、お腹の赤ちゃんの様子を確認できる大事な検査です。
この記事では産婦人科を初めて受診する時期や、エコーを中心とした検査の内容について解説します。
また、初期の妊婦健診にかかる費用についても説明していますので、妊娠初期の方や妊娠を考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
妊婦健診とは
妊婦健診は、赤ちゃんやお母さんの健康状態を観察する大切な機会です。
市販の妊娠検査薬で陽性反応が出たり、月経の遅れがあったりして妊娠が考えられる場合は産婦人科を受診する必要があります。
まずは産婦人科を受診するタイミングと、初診の持ち物について詳しく説明します。
妊娠がわかったら受診するのはいつ?
妊娠の可能性がある場合、最後の月経が始まった日から6週間前後で産婦人科を受診しましょう。
妊娠週数は最終月経が始まった日を0週0日として数えます。
早期妊娠検査薬では妊娠4週で陽性反応が出る製品もありますが、産婦人科を受診するのが早いと胎嚢が確認できません。
早く妊娠を確認したいと思う気持ちがあるかもしれませんが、早すぎるともう1度受診することになってしまい、時間的にも金銭的にも負担がかかります。
逆に受診が遅れてしまうと子宮外妊娠などの場合に発見が遅れ、大変危険です。
初診は早すぎず、遅すぎない適切なタイミングで受診することが大切です。
もちろん激しい腹痛や出血など、異常を感じたら妊娠6週前後でなくても産婦人科を受診しましょう。
また、妊娠初期には避けた方がいい薬や検査もありますので、産婦人科以外を受診する場合でも妊娠の可能性があることを医師に伝えるようにしましょう。
初診のときの持ち物
妊婦健診のために初めて産婦人科を受診するときは以下のものを持っていきましょう。
- 現金1万円〜2万円
- 健康保険証
- お薬手帳
- ナプキン
- 基礎体温表(あれば)
妊婦健診は保険適用外のため、初診で1万円程度必要になる場合もあります。
病院やクリニックによってはキャッシュレス決済に対応していない場合があるため、現金を持って行くと安心です。
また内診で出血した場合に備えて生理用のナプキンも用意しておくと良いでしょう。
妊婦健診のスケジュール
妊婦健診は妊娠週数によって受診の頻度が違います。
多胎(双子や三つ子)ではない場合の、一般的な受診スケジュールは以下の通りです。
妊娠週数 | 妊婦健診の頻度 |
妊娠判定〜妊娠11週ごろ | 1~2週間に1回 |
妊娠12週〜23週 | 4週間ごと |
妊娠24週〜35週 | 2週間ごと |
妊娠36週〜出産まで | 1週間ごと |
上記のスケジュールに沿って、それぞれの妊娠時期に合った検査を行います。
妊婦健診では何をする?
続いて妊婦健診ではどんなことが行われるのかを説明します。
妊婦健診で行う検査
妊婦健診では以下のようなことが行われます。
- 尿検査
- 血圧測定
- 体重測定
- エコー検査
- 採血
- 医師の診察、内診
- 腹囲測定
妊婦健診を受ける週数や医療機関によっては、ほかの検査が追加されたりすべてを行わなかったりすることもあります。
妊婦健診を受けない場合のリスク
妊婦健診を受けないとお母さんや赤ちゃん、医療従事者に大きな危険が生じます。
出産時に病院から受け入れ拒否されるケースもあり、受け入れてもらったとしても感染症の有無がわからず医療者にとってもリスクのある出産になります。
さらに赤ちゃんやお母さんの妊娠経過が把握できないため、妊娠中から適切な治療を受けていれば回避できる合併症なども回避できません。
妊娠が考えられるときは、妊婦健診をきちんと受けることが大切です。
家庭的・経済的な理由などで産婦人科に行くのが難しい場合は、保健所や住んでいる地域の女性センターに相談しましょう。
妊婦健診で経腹エコーになるのはいつから?
妊婦健診ではエコー検査が行われることが少なくありません。
続いてはエコー検査について説明します。
妊婦健診で行われるエコーは2種類ある
妊婦健診のエコーは、「経膣エコー」と「経腹エコー」の2種類に分かれます。
経膣エコーでは、膣にエコー器具を挿入し、赤ちゃんの心拍や胎嚢の確認、子宮や卵巣の状態の診察を行います。
経腹エコーは、超音波の通りをよくするためお腹にゼリーを塗った上で、エコー器具を当てる方法です。
経腹エコーでは、赤ちゃんの心臓などの臓器や指の本数などを医師が確認します。
妊娠12週ごろからは経腹エコー
妊娠初期は主に経膣エコーが行われ、12週ごろからは経腹エコーが行われます。
赤ちゃんが小さく経膣ではないと見えにくい妊娠初期や、子宮頸管の長さを測るときに行われるのが経膣エコーです。
12週ごろからは赤ちゃんがお腹の上からエコーを当てても確認できる大きさになるため、経腹エコーも行われます。
経腹エコーは内診台に乗る必要がなく、お腹の表面に器具を滑らせる検査なのでお母さんにとって心理的・身体的なハードルの低いと言えるでしょう。
経腹エコーの服装
経腹エコーが予定されているときは、ワンピースではなく上下に分かれた服を着ていくのがおすすめです。
トップスはピッタリしたものを避け、まくりやすいものにしましょう。
妊婦健診に服装の決まりはないため、お腹が出しやすいかどうかを考えれば大丈夫です。
エコーの見方
医療機関によっては妊婦健診時のエコー写真をもらえることがあります。
エコー写真には赤ちゃんの画像の他にもアルファベットや数字が記載されており、それらは赤ちゃんのさまざまな場所のサイズを表しています。
代表的な略語は以下の通りです。
CRL:頭殿長。頭の先からお尻までの長さ
GS:胎嚢のサイズ
BPD:頭の横幅
FL:太ももの付け根からひざまでの長さ
AGA/GA:赤ちゃんのサイズから想定される妊娠週数
EDD:赤ちゃんの大きさから算出される分娩予定日
妊婦健診にかかる費用
妊婦健診は保険適用外のため、基本的には全額自己負担です。
ただし地域ごとに妊婦健診の補助券や無料券が発行される場合もあります。
では妊婦健診の費用について詳しく説明します。
基本的に初診は全額自己負担
妊娠しているかどうかを調べる初診は、基本的には全額自己負担です。
医療機関にもよりますが、1万円前後かかるケースが少なくありません。
妊娠は病気ではないため、健康保険が適応されないためです。
ただし何らかの症状や治療を行っている場合などは、一部に健康保険が適応される場合もあります。
母子手帳をもらうと自治体によって補助が出る
多くの自治体では母子手帳を受け取るときに、妊婦健診の補助券や無料券をもらえます。
基本的に14回分の助成で内容は自治体によって異なりますが、全額無料や一部の補助などです。
母子手帳をもらうと自己負担は少なくなりますので、妊婦健診は必ず受けましょう。
まとめ
妊娠の可能性がある場合、妊娠6週ごろが産婦人科を受診する目安です。
妊婦健診のエコー検査には経膣エコーと経腹エコーがあり、経腹エコーを行うのは妊娠12週ごろからになります。
妊婦健診は赤ちゃんとお母さんの身体の状態を正しく知るために大切です。
自治体の補助券なども活用しながら、しっかり健診を受けるようにしましょう。