年子はいつから子作りすればいいの?妊娠のリスクや子育てのメリットやデメリットを紹介
赤ちゃんを妊娠・出産するのは、母体に大きな負担がかかり命に関わります。
しかし、自分の年齢や子育ての期間を一気に終わらせたいなどのさまざまな理由から、年子を望んでいる方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、年子のメリットやデメリット、子作りするタイミングを紹介します。
妊活に向けてやっておくべきことや年子を妊娠するリスクもまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
年子を望むならいつから子作りすればいいの?
出産を終えた母体は、「交通事故にあったくらいの負担がかかっている」「回復するまで約1年ほどかかる」といわれていますが、年子を望んだ場合はいつから子作りすればよいのでしょうか?
1度目の出産を経膣分娩で行った場合と、帝王切開で行った場合をそれぞれ見ていきましょう。
経膣分娩後の場合
自然分娩や無痛分娩、和痛分娩といった経膣分娩の場合、産後1回目の生理後から子作りを再開できます。
ただし、産後の体はまだ回復段階なので、生理が産後1ヶ月でくる方や1年以上もこない方がいるほど不安定です。
次の妊娠を早く望む場合は、産婦人科で一度相談してみるとよいでしょう。
帝王切開後の場合
帝王切開の場合は子宮に傷が残るため、子作りの再開は最低でも1年以上空けるように医師から指導されることが多いです。傷の部分はほかの子宮の壁よりも薄くなっているので、次の妊娠で子宮破裂のリスクが上がります。
妊娠前の検診を受けるのが望ましい
次の妊娠を考えている場合、子宮が回復しているのかを産婦人科で見てもらってから子作りを再開するのが望ましいです。
帝王切開の場合は子宮の傷が治っているのか、傷部分の厚さは妊娠に耐えられるのかといった体の状態を把握しましょう。
そもそも年子って?
生まれる月によっては、同学年や2学年差といった年子もいます。
ここからは、年子の定義とは何かを見ていきましょう。
年子は1歳違いのこと
年子とは、同じ母親から生まれた兄弟の年齢が1歳違いのことです。
上の子が2歳になるまでの間に下の子が生まれた場合は、次の学年差も年子になります。
- 同学年
- 1学年差
- 2学年差
上の子を4〜6月に出産してすぐに下の子を妊娠し、年度が切り替わる3月までの出産で同学年の年子になるんです。
また、上の子が1〜3月の早生まれの場合、翌々年の3月までに下の子を出産すると2学年差の年子になります。
年子育児のメリット
一度に子育てが終わるので、夫婦の時間を取りやすくなるのも年子の育児のメリットです。
ほかには、以下のようなメリットがあります。
- 近い年齢の遊び相手がいる
- 上の子が赤ちゃん返りをしない
- 赤ちゃんのお世話に慣れている
- 兄弟の性別が同じ場合、洋服を着回せる
1歳差だと上の子のおむつ替えやミルクのあげ方を引き続き下の子でも行うため、「やり方を忘れた」ということがなく、下の子のお世話がスムーズです。
年子育児のデメリット
年子の育児で大変なのは、上の子の出産後にまだ体力が回復していない状態で下の子を妊娠・出産することです。
ほかに、以下のようなことがデメリットとして挙げられます。
- 出費がかさむ
- 自分の時間がない
- ゆっくり食事をする時間がない
- 外出が大変
- 体力・精神的に負担が大きくなる
3時間おきの授乳や夜泣き、離乳食を立て続けに行わないといけないので、お母さんはゆっくりと自分の時間を確保できません。
妊活に向けてやっておくとよいこととは?
年子の妊娠を望む際は急なトラブルや病気のために、事前の準備を念入りに行っておきましょう。
夫婦で話し合ったり周りにサポートをお願いしたりと、周囲の協力が不可欠になります。
ここからは、妊活に向けてやっておくとよいことを順番に見ていきましょう。
結婚前からちゃんと夫婦で話し合う
年子を望む際は、どちらか一方のみでは実現できません。
また、1人で頑張ろうとすると子育て中に限界を迎えて、夫婦の仲が悪くなることもあります。
そうならないためにも、子育てのことは結婚前からパートナーとちゃんと話し合い、同じ方向性であることを確認したほうがよいでしょう。
周りにサポートをお願いする
年子の妊娠中や育児中は母体のトラブルや負担が多くなるので、周りのサポートが必要不可欠になります。
年子を妊娠する前は、妊娠中に急遽入院が必要になった場合の上の子の預け先や、出産時の預け先といった先を見据えた行動が重要です。
体調を優先して無理はしない
年子のことを考えていると、「早く妊娠しないと」と気持ちばかり焦ってしまいがちです。
しかし、上の子を出産して間もないことと、慣れない育児で疲れていることを忘れないようにしましょう。
アルコール・カフェイン・喫煙
アルコールやカフェイン、喫煙は、妊活を考えているときから控えましょう。
タバコは日頃から吸っている本数が多いほど妊娠しにくくなり、妊娠しても流産や早産の確率が上がります。
また、アルコールはおなかの赤ちゃんに強い影響を及ぼし、先天性異常や流産、死産を引き起こす可能性があるので絶対にやめてください。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは血行不良や不眠、流産などのトラブルを起こす可能性があります。
妊娠する前に受けておくべき検査とは?
年子の妊娠を考えている際は、妊娠前に検診を受けて子宮の状態を確認したほうがよいと説明しましたが、できれば同時に母体に関わる病気の検査を受けておくのがよいでしょう。
ここでは、妊娠前に受けておくべき検査を3つ紹介します。
子宮頸がん・乳がんの検査
妊娠前に受けておくべき検査の1つ目は、子宮頸がんと乳がんの検査です。
子宮頸がんの検査は妊娠初期に行いますが、がんの進行が進んでいる場合には妊娠を中断して手術を行わないといけません。
また、妊娠中は乳腺が発達するので乳がんを見つけにくく、発見が遅れてしまう可能性があるため、妊娠前に乳がんの検査を受けておきましょう。
風疹の抗体検査
妊娠前に受けておくべき検査の2つ目は、風疹の抗体検査です。
風疹は、妊娠中にかかると赤ちゃんも感染します。
妊娠中は風疹の予防接種を打てないため、妊娠前に抗体の検査と予防接種を受けておくとよいでしょう。
性病検査
妊娠前に受けておくべき検査の3つ目は、性病の検査です。
性行為によって、知らないうちに以下の性病に罹っている可能性があります。
- HIV(エイズ)
- クラミジア
- 梅毒
- 淋病
- トリコモナス
- カンジダ
など
性病に感染すると流産や早産のリスクが高まり、おなかの中の赤ちゃんも感染する可能性があるので、パートナーと一緒に検査を受けるとよいでしょう。
年子の妊娠にはどんなリスクがあるの?
母体が完全に回復する前に妊娠をする年子は、さまざまなリスクが伴います。
なかでも、赤ちゃんの命が危険に晒される「切迫流産」や「切迫早産」、母子ともに危険な状態に陥る「子宮破裂」です。
ここからは、年子の妊娠に伴うリスクについて見ていきましょう。
切迫流産
切迫流産とは、妊娠22週までの間に「まだしていないけど、流産しそうな状態」のことです。
妊娠12週までの流産と違い、切迫流産の場合はほとんどの妊娠を継続できるといわれています。
主な症状は出血や腹痛で、治療法は仕事や家事を控えて休むことです。
年子を妊娠すると休む暇なく家事や育児を行うため、切迫流産になる可能性があります。
切迫早産
切迫早産とは、妊娠22〜36週6日までの間に「出産しかかっている状態」のことをいいます。切迫早産は感染症やストレス、多胎妊娠などが原因です。
1時間に5回以上のおなかの張りがある場合は、すぐに産院に電話で相談しましょう。
子宮破裂
子宮破裂とは、分娩時や妊娠後期に子宮が裂傷することをいいます。
赤ちゃんだけでなく、母体の命にも関わる危険な状態です。
経膣分娩であればリスクは低いですが、帝王切開や子宮頸がんといった子宮の手術を行っている場合は子宮破裂のリスクが高まります。
年子の育児で気をつけるべきポイントは?
年子の育児は目まぐるしく1日が終わり、時間に余裕がなくなります。
ここからは、年子の育児で気をつけるべきポイントを3つに分けて解説します。
上の子のお世話
年子の育児をする際は、下の子のお世話をしつつ上の子との関わりも大事にしましょう。
下の子が寝ている間に上の子のお世話をしたり遊んだりと、特別感を出してあげてください。
母体の回復を優先する
子育てに体力は必要不可欠です。
日々の忙しさにイライラして、上の子やパートナーに強く当たってしまうかもしれません。
年子の子育てで忙しくても自分の体調を優先して寝られるときに一緒に寝る、ゆっくりと過ごす時間を見つけるといった工夫が必要です。
夫婦の時間を大事にする
年子の育児で忙しいときこそ、夫婦の時間を大事にしましょう。
年子の育児をしていると毎日が忙しくて、会話やスキンシップといった夫婦の時間が少なくなります。
寝静まったあとの時間やご飯の時間に少しでも会話やスキンシップを楽しみましょう。
まとめ
年子の妊娠・出産は切迫流産や早産、子宮破裂といったリスクが高いですが、パートナーや家族の協力を得られれば不可能ではありません。
しかし、年子の妊娠・出産・子育ては母体に大きな負担になります。
まずは母体の回復を優先し、体調が整ってから妊活を検討しましょう。
参考文献
・公益社団法人日本産婦人科医会-流産・切迫流産
・公益社団法人日本産婦人科医会-早産・切迫早産
・公益社団法人日本産婦人科医会-(4)子宮破裂