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年子とは?年子育児のメリットやデメリット、年子妊娠のリスクについても解説

1歳差の兄弟姉妹を俗に「年子」といいますが、意外にも年子の定義は幅広いのです。

今回は年子の定義をはじめ、年子育児のメリットとデメリット、年子妊娠の際に覚えておきたい母体リスクについて解説します。

2人目が年子の方、年子育児に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

年子の定義とは?

年子とは同じお母さんから産まれた1歳差の兄弟姉妹を指します。しかし、年子にはほかのパターンも存在するのです。

ここでは年子になる3つのパターンを解説します。

1学年差

まずは一般的な年子のパターンです。

上の子が4月〜翌年の3月生まれの場合、下の子が次の年度の4月〜翌年3月までに産まれると年子となります。学年でいえば1学年違うだけです。

たとえば2023年6月に上の子が産まれ、下の子が2024年10月に産まれた場合が「1学年差の年子」となります。

1学年差の年子にする場合、上の子が1歳になる前に妊娠する必要があります。

2学年差

年齢の差は1歳でも学年が2つ違うケースも存在します。

たとえば上の子が3月誕生日の早生まれで、下の子が翌年の5月生まれの場合です。

年齢でいえば1年2か月の差なので年子ですが、上の子が早生まれのため、2学年の差が生じています。

同学年

非常に珍しいケースですが、同学年の年子というパターンもあります。

たとえば上の子が4月生まれで、下の子が翌年の3月生まれの場合です。

年齢は1歳離れていますが、下の子が早生まれのため、同学年となるのです。

上の子が産まれてすぐに妊娠しなければこういったケースにはなりません。

年子育児のメリットは?

年子は大変そうという声がある一方で、年子だからこそのメリットもあります。

ここでは年子育児のメリットについて紹介します。

育児の負担時期が短く済む

一般的な育児の場合、上の子と下の子の年齢が数年離れているため、上の子が少し大きくなっても下の子のお世話に手がかかります。その点、年子であれば大変な時期が短く済むのがメリットです。

目が離せない時期は大体3〜4年程度で終わるでしょう。保育園や学校行事もまとめて参加できるため、行事が重なってお母さんの予定が付けられないなんてトラブルともほぼ無縁です。

上の子が遊び相手になってくれる

年子の場合、きょうだいというより友達のような感覚で育ってくれます。

年齢が離れていると、上の子が下の子のお世話をするのが一般的ですが、年子の場合は遊びや好きなおもちゃが大体同じで、見るアニメも一緒なので、2人がテレビを見ている間に家事を済ませられるのがメリットです。

また、トイレトレーニングやしつけなども同時にできる意味でも手がかかりません。

ベビー用品を買い替えなくて済む

経済的な負担が少ないのも年子ならではの利点です。

たとえばサイズアウトしてしまったおむつを捨てずに置いておけば、数か月ほどで下の子に使えるようになります。

年齢が離れたきょうだいだと「あれ捨てなければよかった」と後悔することもありますが、年子なら使う機会がすぐに訪れるでしょう。

社会復帰が早くできる

共働きが当たり前の時代、お母さんが社会復帰できるのは何よりも有難い条件ではないでしょうか。

育休を例に挙げて考えてみましょう。

上の子のお世話が終わって復帰したと思ったら、数年でまた育休を取る羽目に……。

年子であれば育休期間は連続となりますが、間が空かない分早い段階で社会復帰が可能です。

年子育児のデメリットは?

育児の負担期間が短かったり、上の子が遊び相手になってくれたり、メリットがある一方当然デメリットもあります。

ここでは年子だからこそのデメリットについて解説します。

経済的負担が集中する

ベビー用品を買い替える必要がないという意味では経済的なメリットですが、ほかの費用面ではかえって負担になるパターンがあります。

学校の入学と卒業です。2学年差の年子であれば別ですが、同学年や1学年差の場合、イベントにかかる費用負担が集中します。

おむつのように家庭で使い回せるものならいいのですが、学校で使うものは新調しなければいけません。上の子にかかった費用が翌年にそのまま必要となります。

外出に気を使う

小さい赤ちゃんを1人連れて外に出るだけでも大変なのに、年子の場合はその苦労が単純に2倍です。

上の子にベビーカーが必要なら、当然下の子にも必要です。チャイルドシートも2人分同時に装着しなければなりません。また、外出時のおむつや着替えやタオル、飲み物なども2人分必要です。

外食などしようものならば、お母さんがゆっくり食べる時間などないでしょう。年子育児はこのような負担も倍になります。

同時にお世話をしなければいけない

年子育児の大変さは下の子を妊娠したときから始まります。つわりがひどい、貧血がひどいからといって休むわけにはいきません。上の子もまだまだお母さんのお世話が必要な時期だからです。

妊娠中に無理はしてはいけないと分かっていても、上の子からも目が離せず大変などのデメリットもあります。

年子妊娠の注意点

「とにかく大変!」「体が2つ欲しい!」と余裕をなくしてしまいそうな年子育児ですが、コツさえつかんでしまえば体も心も楽になります。

コツとは、年子育児のメリットやデメリットを踏まえた上で、自分を追い込まないルールを作ることです。

ここでは年子妊娠における注意点を解説します。

上の子と過ごす時間を作る

下の子を妊娠中でも上の子から抱っこを要求されることがあります。ここで大切なのは上の子と過ごす時間を作ることです。

「赤ちゃんがいるから抱っこは無理」と拒否してしまうと、上の子が下の子に対して嫌悪感を示すようになってしまいます。

ポイントは無理しない程度にがんばることです。抱っこがつらいなら座ったままスキンシップを取るなどの工夫をしてみましょう。

体調が悪いときは無理をしない

年子妊娠はとにかく無理だけは避けましょう。

そうはいってもお腹の中の赤ちゃんは日々育ちますし、上の子もお母さんに構ってほしくて仕方がないときもあります。

そんなときに体調不良が重なってしまった場合は無理せず休みましょう。

近くに両親がいれば頼るべきですし、夫に家事を任せるか食事は出前にしてしまうのがおすすめです。

福祉サービスを利用する

福祉サービスに頼るのも手段の1つです。

  • 精神的に参っている
  • 疲れが取れない
  • なかなか眠れない

上記の様に心に限界を感じたら遠慮なく福祉サービスを利用しましょう。

地域のファミリーサポートや一時保育など、妊婦さんが使えるサービスをぜひチェックしてみてください。

タンデム授乳を覚える

下の子が産まれたら、上の子と同時に授乳しなくてはいけない時期があります。そんなときにおすすめなのが「タンデム授乳」を行うことです。

まず下の子から授乳することがポイントとなります。下の子は母乳からしか栄養が取れません。そのため、上の子がたくさん飲んでしまうのを防ぐ意味でも下の子から授乳しましょう。

下の子の授乳が終わったら、ウイルスなどの感染予防のためにおっぱいの消毒を。消毒が終わったら上の子に授乳します。

このようにルーティンを決めてしまえば、先にどっちにあげようと考えなくていいので楽になります。

年子妊娠における母体へのリスク

妊娠は母子ともにリスクを背負っています。

なかでも年子妊娠ならではのリスクも。ここでは年子妊娠における母体へのリスクを解説します。

早産のリスク

まず考えられるのは早産のリスクです。年子妊娠は早産のリスクを高めるといわれています。

ブリティッシュ・コロンビア大学とハーバード公衆衛生大学院は、カナダで15万件近くの出産事例について協同で調査しました。

その結果、出産から6か月以内の妊娠は早産の可能性がおよそ8.5%上昇するという結果を報告しています。

一方で18か月間を開けての妊娠は、早産のリスクが3.7%低下したという報告も。決して少ない数字とはいえないため、年子妊娠の際は注意が必要です。

母体への負担リスク

出産によるお母さんの体へのダメージは短期間では回復しません。とくに1年未満では回復とは程遠い状態です。

そのため、年子でない妊娠のパターンと比較すると、年子妊娠の母体の死亡率は高くなります。

ブリティッシュ・コロンビア大学とハーバード公衆衛生大学院の共同研究では、母体への負担リスクについても研究を発表しています。

前回の出産から6か月後に妊娠した35歳以上の女性の場合、死亡・危害リスクは1.2%上昇。反対に前回の出産から18か月後に妊娠した場合は0.5%まで減少します。もちろん100%安全な出産などありません。どのお母さんも出産は命がけです。

あくまでもデータ上での報告ですが、年子妊娠にはこのようなリスクが発生することを覚えておきましょう。

帝王切開経験者や高齢出産のリスク

また、帝王切開経験者と高齢出産であること。この条件が重なった年子妊娠の場合も注意が必要です。陣痛や子宮増大が確認された場合、子宮が破裂する恐れがあります。

子宮が破裂すると胎児の死亡率は80%、母体死亡率1〜2%と、赤ちゃんもお母さんも危険です。

いずれの条件が重なって年子を妊娠した場合は、産婦人科医に相談しながら出産に備えましょう。

まとめ

年子には一般的な1学年差のほか、産まれたタイミング次第では2学年差になったり、同学年になったりとさまざまなパターンがあります。

経済的な負担や年子妊娠のリスクなど不安なことが多いかもしれません。

それでもきょうだいが友だちのように育ってくれると、お母さんも育児が楽しくなるでしょう。

家族みんなが笑顔で過ごせるよう、まずはお母さん自身が無理せず年子育児を楽しんでください。

参考文献

・日本産科婦人科学会 – 早産・切迫早産

・MSDマニュアル – 多胎妊娠

・国立成育医療研究センター – 多胎妊娠外来

・日本産科婦人科学会 – 妊娠高血圧症候群

・ACOG Clinical – Interpregnancy Care

・WHO – Report of a WHO Technical Consultation on Birth Spacing