母子手帳の使用方法とは?赤ちゃんの成長を記録しよう
妊娠すれば必ず必要となる母子手帳ですが、何のために使用するのかわからない妊婦さんもいると思います。
母子手帳は赤ちゃんの成長を記録するだけでなく、診断や予防接種の際に必要な手帳です。
診断時には必ず提出しなければいけないため、妊婦さんにとって重要な手帳です。
赤ちゃんの成長を確認したり、子供が大きくなったときに見返したりするために必要なので、使い方をご紹介いたします。
この記事の内容
母子手帳の役割や受け取り方法
母子手帳は、「母子保健法」に基づき各市町村から交付される手帳です。
役割としては、診断(健康診査)・医療(予防接種など)の際に使用することや母子の健康を保持・増進させるため、また保健指導のために活用されます。
母子手帳の活用によって、乳児死亡率や妊産婦死亡率が減少したという記録もあるほど重要な手帳です。
母子手帳の受け取り方について、表に簡単にまとめたので見ていきましょう。
いつもらうのか | 赤ちゃんの心拍が確認できれば、医師から母子手帳をもらうように言われる |
どこでもらうのか | 各市町村の役所、または保健センター |
もらうために必要なものは | 身分証明書、マイナンバーカード(通知カード)、妊娠届書(市によって必要なものは異なります) |
母子手帳には何が書かれているの?
母子手帳には、妊婦さんの健康状態や赤ちゃんの記録、育てるための知識など、さまざまなことが記載されています。
どのようなことが書かれているのか表を参考に見ていきましょう。
記載項目 | 記載内容 |
【妊婦】体重、血圧、尿検査 | 血圧や尿蛋白は、妊娠高血圧症候群を判断するために診断ごとに検査 |
【胎児】身長、体重 | 赤ちゃんの身長や体重など発育状態を記録 |
出産時の詳細 | 出産日時や出血量、分娩の種類、生まれたばかりの赤ちゃんの身長、体重を記載 |
出産後の詳細 | 赤ちゃんの健康状態や予防接種歴を記載 |
妊婦健診 | 出産後、1週間、2週間、1ヶ月と定期的に健診が必要で、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を検査 |
自由欄 | 赤ちゃんの様子や感情、伝えたいことなど、何を書いてもいい自由欄 |
成長を図るグラフ | 発育曲線、成長曲線といった身長や体重の平均値が一目でわかるグラフ |
その他 | 赤ちゃんのうんちの色から健康を判断する表や6歳までの育て方など |
母子手帳の使い方
出産前から出産後まで幅広く活用する母子手帳の使い方をご紹介いたします。
妊娠中
まずは基本情報として、保護者の名前や赤ちゃんの名前を記入します。(赤ちゃんの名前は決まってからで大丈夫です。)
「妊婦の健康状態等」や「妊婦の職業や環境」というページが最初にあるので記入しておきましょう。
妊娠中は主に医療機関が、検査結果や妊婦さんの健康状態を記入することが多いです。
妊娠8週~40週まで「妊婦自身の記録」という、気持を書き留めておく自由欄があるので自分の気持ちや今日あった出来事などを記入しておきましょう。
出産後
出産後は2週間、1か月と定期健診があり、母子ともに健康状態に問題がないか確認します。
そのときの赤ちゃんの記録を記入したり、予防接種の記録を記入したりするために使用します。
産後から6歳までの記録を残すことができるので、すぐに捨てるのではなく大事に保管しておきましょう。
母子手帳の上手な活用方法
母子手帳を使いこなすには、医療機関が記入した情報を把握したり、自分で書き足したりすることが大切です。
どのように使いこなせばいいかご紹介いたします。
まずはお母さんの基本情報を記入
まず表紙に「交付日」、「保護者の氏名」、「子の氏名・生年月日」を記入します。
次に、妊婦さんの健康状態や職業を記入します。
詳細に書くことで医師と自分の健康状態を共有できるので、何か異変があった際に気づきやすいため重要な項目です。
健診や受診の記録を記入
自由に記入できる欄があるため、検査の記録や胎動の様子など出来事を記しておくことが大切です。
自分や赤ちゃんの様子を記載しておくことで、切迫早産や妊娠高血圧症候群などの早期発見の手助けになります。
自分の妊娠経過を把握しておく
定期健診で医療機関が記載した検査結果を、自分でも把握しておくことが重要です。
検査結果は、医療機関が情報を共有するときに必要な項目となるので、自分で何か書き足すことはしてはいけません。
今の気持ちや赤ちゃんへのメッセージを書こう
赤ちゃんが大人になって出産の様子を伝えやすくするため、今の気持ちやメッセージを自由欄に記入しておくといいでしょう。
2人目を出産する場合にも、どんな様子だったのかわかると参考にもなるため、積極的に記入しておくことをおすすめします。
母子手帳と一緒にもらえるもの
母子手帳以外に、もらえるものがあるのでご紹介いたします。
妊娠・出産についての案内
妊娠や出産に関するガイドブックや育児についてなど、妊娠~育児まで情報をまとめた案内がもらえます。
初産の人は、この案内をよく読み妊娠や出産に関する知識を深めましょう。
マタニティーマーク
「おなかに赤ちゃんがいます」と書かれたマタニティーマークがもらえます。
おなかに赤ちゃんがいることを周囲に知ってもらうために、カバンなどにつけておきましょう。
妊婦健康診査受診票
妊婦健診の費用の一部を負担してもらえる助成券です。
市ごとに少し異なるため、引っ越した場合には変更しなければいけません。
母子手帳に関するQ&A
こんなときどうすればいいの?という悩みごとを解決するQ&Aコーナーです。
気になる質問を見ていきましょう。
引っ越した場合、母子手帳はどうするの
引っ越して住所が変わってしまっても、母子手帳はそのまま使用できます。
母子手帳と一緒にもらえる「妊婦健康診査受票」は市ごとによって異なるので、変更しなければいけません。
母子手帳はいつまで使用・保管するの
産後に母子手帳を使用するタイミングは、定期健診と予防接種です。
定期健診は6歳まで記載する項目があるので、少なくとも6歳までは必要です。
予防接種は、小学校や高校生まで使うこともあり、かかりつけ医によって異なります。
いつ予防接種を受けたか把握するためにも、ずっと保管しておくことをおすすめします。
母子手帳を紛失してしまった場合
母子手帳を紛失してしまった場合は、交付してもらった自治体(役所)に再交付の手続きをすれば問題ありません。
再発行してもらっても、今までの記録が記載されていない状態になってしまいます。
妊婦健診の記録などは、受診している病院にお願いすれば再記入してもらえる場合があるので、一度聞いてみましょう。
まとめ
母子手帳は、産前から産後まで長い期間使用するため大切に扱わなければいけません。
母子の健康状態や赤ちゃんの成長記録など、成長していくにあたって重要な記録を記載しています。
出産前には、「今の感情や赤ちゃんに向けてのメッセージ」など記録に留めておくと、赤ちゃんが大きくなった時に、一緒に出産状況を振り返ることができるのでおすすめです。
本記事を参考に、母子手帳の使い方を学び赤ちゃんの成長を記録しましょう。