母子手帳って何を書いたらいいの?
「妊娠したら母子手帳を受け取り、持ち歩くもの」となんとなく認識されている方も多いかもしれません。でも、どんなことが書いてあるのか、妊婦自身何かを書くことがあるのか、など詳しくは知らない方も多いと思います。
今回は、妊娠し母子手帳を受け取ったばかりの方、母子手帳を受け取ってしばらく経つが、使い方がよくわからない方のために、母子手帳について詳しくお伝えし、母子手帳の活用方法までお伝えしていきます。
この記事の内容
母子手帳の意味
ここでは、母子手帳の歴史についてご紹介していきます。
母子手帳の始まり
母子手帳の原型は、戦時中の1942年に「妊産婦手帳」として始まりました。第二次世界大戦後も妊産婦の健康に役立つため利用が続けられました。
この手帳の対象を子どもまで広げ、1948年に「母子手帳」へと変化し、1965年に「母子健康手帳」と名前を変え、現在まで使われ続けています。
妊娠中の母子手帳の必要性
妊娠中は持病の有無に関わらず、体調が大きく変化することがあります。急な貧血で倒れたり、腹痛で動けなくなったりすることもあるかもしれません。
母子手帳を持つことで妊婦とわかる
母子手帳を持っていることで、週数が浅かったり、お腹が目立ちにくい妊婦さんでも、妊娠していることがわかります。妊婦さんであれば、使えるお薬、実施できる検査が変わってくることもあります。
母子手帳の記載から妊娠週数や状態がわかる
また、母子手帳から現在の週数や、これまでの妊娠経過を知ることができます。素早く状態把握ができるため、命に関わる場合などは早急な対応ができます。
母子手帳の記載から緊急連絡先やかかりつけの病院がわかるので連携できる
母子手帳の緊急連絡先から夫や家族へ連絡を取ることができます。また、妊婦健診に通っているかかりつけの病院の印鑑などが押されているため、必要時に医療機関同士の連携も可能です。
緊急時の適切な対応・治療のためにも、妊娠中は必ず母子手帳を持ち歩きましょう。
自宅での健康記録管理
ここでは、母子手帳の記録方法や出産後の使用方法についてまとめています。
母子手帳への記録(出産時の記録、健康状態の把握)
医療機関では、妊婦健診時に母子手帳へ妊婦健診記録を残していきます。妊婦さんの体重・血圧・尿検査、胎児の体重などの発育状態が記載されます。
また、出産時には、出生日時、分娩方法、出血量、赤ちゃんの身長・体重などが記載され、分娩時の状況を簡単に知ることができます。
出生後はどのように使うか
赤ちゃんが生まれてからは、主に赤ちゃんの成長発達や予防接種の記録に使用されます。予防接種歴、乳児健診での計測値や発達状態が記録されます。
子どもがある程度大きくなり、予防接種等が不要になった際も保管しておきましょう。医療機関への実習や海外旅行に行く際など、予防接種歴は大人になって接種歴を確認する場面もありますので、大切に保管しておいてください。
妊娠中の記載(妊婦の健康状態等)
母子手帳を受け取ったら、記入できる箇所はできるだけ早めに記入しましょう。母子手帳の始めの、「妊婦の健康状態等」、「妊婦の職業と環境」のページは妊婦さん自身が記入する場所です。
妊婦自身の記録の書き方
妊婦自身の記録については、妊娠初期から1ヶ月おきに記載する欄があります。こちらは何を書いても良い自由なスペースで、妊娠中の気持ちなどを記録として使用している方が多くいます。
産後の記載
産後は乳児健診の際に、保護者の記録という欄に記載します。その段階で子どもの発達・発育を知るための質問が記載されています。
母子手帳をもらったら受けられる公的サービス
母子手帳が交付されたことにより受けられる公的サービスもあります。
妊婦健康診査受診票
妊婦健診や出産は「病気ではない」ため健康保険の適応外となります。しかし、母子手帳発行時にもらえる補助券が発行されます。受診する施設や自治体によって多少の違いはありますが、妊婦健診の負担をかなり減らすことができます。
妊娠中は、1週間〜1ヶ月に1度の間隔で妊婦健診を受ける必要があるので、必ず使用していきましょう。
両親学級
地域自治体で行われている両親学級や離乳食講座なども受けることができます。母子手帳交付時に案内があることが多いので、こちらも確認して活用してください。
子育て支援サービス
母子手帳を提示することで、地域や企業からのサービスや特典を受けられることがあります。これは地域や自治体、企業によってさまざまあるため、お住いの地域でのサービスを交付時に聞いてみると良いです。
また、子育て支援サービスの一環として、母子手帳アプリ「母子モ」というものもあります。これは母子手帳をアプリとして携帯することができるサービスです。忘れがちな予防接種や乳児健診のスケジューリングやアラート機能もあり、忙しいママには便利なサービスです。
母子手帳がギフトになること
母子手帳がただ単に記録としての役割だけでなく、子どもにとってのギフトとなる場合もあります。
大きくなった時に見せてあげたり、小学校などの授業で使うこともある
小学校などで性教育や命の教育をする際、母子手帳を使用したり、親と一緒に見て話を聞いたりすることがあります。その時に、妊娠中から産後の記録を見ていきます。
メッセージが書ける
妊婦自身の記録や乳児健診のページに、両親からのメッセージが書かれている方もいます。上記の通り、授業などで使うこともある母子手帳に子どもへの思いを綴っておくと、両親、子どもそれぞれの記念になり、家族で大切にしていきたい手帳になるでしょう。
父子手帳も登場
近年、全国それぞれの自治体から父子手帳というものも登場しています。これは、父親に対して、育児への参加を促すとともに、子どもへのメッセージなどが書けるものもあります。お住まいの地域に父子手帳があれば、そちらも活用するとさらに子どもへのギフトが増えますね。
母子手帳を受け取った後の流れ
母子手帳は、妊娠が確定したら産婦人科で妊娠届をもらい、お住まいの役所などに提出します。本人確認を行ったのち、母子手帳や妊婦健康診査受診票、自治体によっては子育て支援金の書類を受け取ることができます。母子手帳を受け取ったあとは、産婦人科で指定された週数に妊婦健診を受けに通ってください。妊婦健診を定期的に受け、母児ともに健康に過ごせているのか確認していきましょう。
まとめ
母子手帳の記録で健康が保たれたり、命の危険から救われたりすることがあるため、妊娠中に母子手帳への記載をしておくこと、持ち歩くことは非常に重要です。
母子手帳の歴史からもわかるように日本での母子手帳の普及により、世界へも広がりを見せ、母子の健康を守っていると言えます。
また、子どもが大きくなった際の子どもが両親からのメッセージを改めて受け取るツールにもなっています。
母子手帳をもらって記載をしていない場合は、今日から書けるページに記載を始め、活用していってください。