妊娠2か月はどんな時期?妊娠初期の体の変化と胎児への影響を解説
妊娠2か月は、多くの方が妊娠に気づく時期です。
つわりの症状が出始め、体の変化に戸惑う方もいるでしょう。
体の変化とともに気持ちが不安定になる場合もありますが、お腹の中では赤ちゃんが着実に成長しています。
この記事では、妊娠2か月のお母さんと赤ちゃんの状態、妊娠2か月の過ごし方について解説します。
妊娠初期に現れるさまざまな症状を知り、正しい知識を得て、少しでもストレスを軽減して過ごしましょう。
この記事の内容
妊娠2か月はどんな時期?
妊娠2か月は週数でいうと妊娠4週~7週にあたり、本来であれば次の月経が始まる時期です。
妊娠にともなって以下のような症状が現れ始めるので、妊娠に気づく方は少なくありません。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 眠気
- 唾液の増加
- イライラ
- 下腹部の張り
妊娠に気づいたら産婦人科で診察を受けます。
妊娠の診断を受けたら、お住まいの市町村に届け出を行い、母子健康手帳や妊婦健診の補助券を交付してもらいましょう。
また、妊娠初期に以下のような症状が現れたら、母体や胎児に問題が生じているかもしれません。
- むくみ
- 性器出血
- 腹痛
- 普段と違うおりもの
- 強い頭痛
妊娠の継続に支障をきたす可能性もあるので、できるだけ早くかかりつけの産婦人科に相談してください。
【妊娠4週】母体と胎児の変化
妊娠4週目には、人によっては「体がだるい」と感じたり、早いとつわりの症状が出始めたりします。
排卵日から高温相が続くので、もともと基礎体温をつけている方は妊娠に気づくかもしれません。
しかし、この時期は、妊娠検査薬の反応が薄い場合もあります。
一方、赤ちゃんは、子宮内に胎嚢が見え始める頃です。
胎嚢は妊娠4週の後半からエコー(超音波検査)で確認できることが多いですが、個人差があるので必ずしも確認できる週数とは限りません。
【妊娠5週】母体と胎児の変化
妊娠5週目には、月経の予定日から1週間が経ち、多くの方が自身の妊娠に気がつき始めます。
妊娠検査薬でもしっかりと反応が出る場合が多いでしょう。
多くの方が体や気持ちの変化を経験しますが、妊娠によって現れる症状は人それぞれです。
子宮の血流量増加による頻尿、ホルモンバランスの変化によるニキビや肌荒れなどが見られる場合もあります。
エコーではまだ赤ちゃんの心拍は確認できないとされていますが、この頃から「器官形成期」といわれる時期に突入し、赤ちゃんの器官の原型が作られていきます。
【妊娠6週】母体と胎児の変化
妊娠6週目は、つわりや疲労感、味覚の変化、喉の渇きなど、さまざまな体の変化が顕著に現れる時期です。
個人差はありますが、妊娠初期の症状を経験する方が多いでしょう。
また、体だけでなく、気持ちの変化が現れる方もいます。
集中力の低下や気分の浮き沈みを感じやすい時期で、これはホルモンバランスの急激な変化によるものです。
一方、赤ちゃんは、手や足となる部分が突出したり、耳や口となる部分にくぼみが見られたりするようになります。
エコーで心拍が確認できる時期ですが、はっきりと確認できなくても7週頃までは心配しなくていいでしょう。
【妊娠7週】母体と胎児の変化
妊娠7週目は、つわりが本格的につらくなる時期で、妊娠2か月の最後の週にあたります。
「しっかり睡眠をとっているのに眠い」「便秘がちになる」などの症状が現れやすくなります。
ホルモンの影響によってさまざまな症状を自覚するものの、見た目には変化がないので周囲につらさが伝わりづらいのが難点です。
人によってはストレスに感じてしまう場合もあるので、つらいときには無理をせず、周囲に伝えるようにしましょう。
また、赤ちゃんは頭と胴体の区別ができ、いわゆる2頭身になるなど、徐々に人間らしい見た目になる時期です。
経過が順調であれば、通常妊娠6週~7週には心拍の確認ができるでしょう。
妊娠2か月の初期症状とPMSは見分け可能?
妊娠2か月頃に現れる心身の変化は、PMS(月経前症候群)の症状に似ています。
PMSは女性ホルモンの変化によるものだと考えられていますが、原因ははっきりと分かっていません。
主に次のような症状が見られます。
- 倦怠感
- 眠気
- イライラ
- 不安
- 食欲不振
- 頭痛
- 腰痛
- お腹や乳房の張り
PMSは妊娠初期に現れる症状と似ているので、症状から見分けるのは困難です。
しかし、PMSは月経開始後には症状が軽快するので、出血後に症状が和らいだらPMSの可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、「いつもの月経と症状が違う」と感じたら、医師の判断を仰ぎましょう。
妊娠初期のストレスと胎児への影響
妊娠初期は体調が優れないと感じやすく、慣れない妊娠生活に戸惑う方も少なくありません。
妊娠初期は体調や気持ちの変化だけでなく、以下のような状況に対してもストレスを感じるので注意しましょう。
- つわりがひどくても家事や仕事をしなくてはならない
- まわりがつわりについて理解してくれない
- お酒が飲めない・好きなものが食べられない
妊娠初期のストレスは、赤ちゃんの発育を妨げる可能性があります。
ストレスを感じるとアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、子宮への血流量が減るためです。
しかし、心配し過ぎるとかえってストレスを感じてしまうので、適切なストレス対策を行うのが大切だといえるでしょう。
妊娠初期のストレス対策
妊娠初期である妊娠2か月頃はストレスを感じやすく、赤ちゃんに影響を与えてしまわないか心配に感じてしまうかもしれません。
しかし、考え過ぎたり不安になったりすると、余計にストレスにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
ここでは、妊娠初期をできるだけリラックスして過ごせるように、ストレスを軽減するための対策を紹介します。
1.仕事や家事などの調整をする
妊娠2か月頃はさまざまな変化が現れ始めますが、見た目には妊婦であると分かりにくいです。
特に仕事をしている方は、つわりなどで業務に支障が出る場合もあるでしょう。
男女雇用機会均等法では、事業主が講じなければならない措置が定められています。
- 妊娠中の通勤緩和
- 妊娠中の休憩に関する措置
- 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置
主治医が仕事の調整などが必要だと判断した場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」を用いて事業主に申し出ることができます。
体調が優れないときには無理をせず、妊娠中に使える制度を活用しましょう。
2.無理をせずまわりに相談する
妊娠2か月頃はまだお腹が大きくなっていないものの、心身の不調をともないやすい時期です。
そのため、心身の不調によるつらさや、日常生活で支障が生じていることはきちんと周囲に伝えましょう。
不安を和らげることも、ストレス対策においては重要です。
また、妊娠初期に起こりやすい症状に対しては、内服薬を処方できるケースもあります。
「妊娠中だから我慢するしかない」と思い込まず、つらいときには主治医に相談しましょう。
3.リラックスできる時間を作る
妊娠2か月頃は、ホルモンバランスの変化によって精神面にも影響があります。
特に現れやすいのは以下のような症状です。
- 気持ちが落ち込む
- 涙もろくなる
- 普段は気にならないことが気になる
深刻に考え過ぎず、妊娠中の症状の一つであると気持ちを切り替えることで、ストレスの軽減につながります。
また、好きな音楽を聴く、ゆっくりお風呂に入るなど、できるだけ自分がリラックスできる方法で過ごしましょう。
妊娠2か月の過ごし方で注意すべきポイント
妊娠中に現れる症状は人それぞれです。
また、1人目を妊娠した際の症状と2人目を妊娠した際の症状が異なる場合も少なくありません。
ただし、妊娠2か月の過ごし方で気をつけたいポイントは共通しています。
詳しく解説していくので、妊娠中の過ごし方に不安を感じている方は確認してみましょう。
生活の注意点
妊娠2か月は体調が不安定になりやすいので、妊娠前と同じような生活を続けるのは難しい場合が多いでしょう。
そこで、妊娠2か月の生活における注意点は以下のとおりです。
- 感染症の流行時期はなるべく人混みを避ける
- 自己判断で薬を服用せず、主治医に相談する
- 体調がよく、妊娠の経過が順調であれば、ウォーキングなどの軽い運動をする
- 受動喫煙に注意する
妊娠中は自分だけでなく、家族やパートナーの協力が重要です。
また、生活習慣の改善もストレスの軽減につながるので、これを機に見直してみるといいでしょう。
食事の注意点
妊娠中は母体や赤ちゃんの健康のために、食事内容に注意する必要があります。
特に注意したいのは以下の点です。
- 飲酒は避ける
- 生ものは避ける
- 魚は水銀の含有量に注意する
- 葉酸、ビタミンAは摂り過ぎに注意する
生ものはトキソプラズマといった感染症のリスクがあります。
また、魚類を摂取する際は水銀の含有量に配慮してください。
さらに、つわりで食事が進まない時期は、無理をせずに食べられるものを食べる程度でも大丈夫です。
ただし、水分さえ受けつけないようであれば、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
まとめ
妊娠2か月は、心身にさまざまな変化が現れ始める時期です。
週数によっては赤ちゃんの胎嚢や心拍を確認できないなど、不安を感じてしまう方は少なくありません。
しかし、過度な心配はストレスにつながりやすく、赤ちゃんの発育に影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、妊娠中は適切なストレス対策や自分に合ったストレス解消法を取り入れるようにしましょう。