/ 妊娠にまつわる疑問/

正確な「妊娠週数」と「出産予定日」の計算方法について解説

妊娠していることが分かると、次に気になるのは出産予定日ですよね。

一般的に、病院では12週6日までに出産予定日が確定します。

超音波検査を通じて胎児の成長と大きさに問題がないことを確認した後に出産予定日を設定します。

しかし、この期間は妊婦さんやご家族にとっては待ち遠しいものですよね。

実は、妊娠週数はご自身でも計算することができます。

ここでは、簡単に出産予定日を算出できる方法を詳しく説明します。

正確な出産予定日の計算方法とは?

出産予定日を計算する方法は、最後の月経の初日からの経過日数や妊娠週数を基にして、妊娠期間の終了予測日を算出してきます。

出産予定日の特定は、妊娠の進行を管理する医療スタッフと、妊婦さんや家族が出産に向けて準備するための重要な目安にもなります。

最終月経開始日からの出産予定日の計算方法

一般的に、最終月経開始日から出産予定日を推定するために使用している計算方法は、ネーゲル法となります。

最終月経予定月に9を加えて13以上になる場合は、最終月経のあった月から3を引きます。

(例)9月1日→(9-3)月 (1+7)日=6月8日

つまり、9月1日が最終月経開始日とすると、出産予定日は 2023年6月8日となります。

ただし、ネーゲル法は月経周期が28日の場合に最終月経開始日から出産予定日を比較的正確に予測できる方法とされています。

実際には妊娠周期や個人の月経周期によって微妙なずれが生じることがありますので、ネーゲル法はあくまで出産予定日の目安として参考にする程度に留めておくべきです。

出産予定日は医療機関での詳細な検査や診断によって確定してもらいましょう。

排卵日計算は避けましょう

出産予定日を算出する際には、排卵日計算は「避けるべき」です。

排卵日計算は「受精後胎齢」と似ているため、混同されることがありますが、受胎後胎齢は受精した日を妊娠期間の1日目として計算します。

妊活の際には、排卵日を特定し性行為のタイミングを合わせることが重要ですが、排卵した日や受精卵が着床した日、つまり、妊娠の開始時点を正確に特定するのが難しいため、出産予定日の算出には使用されません。

病院では、赤ちゃんの大きさでも判断します

病院受診後に出産予定日が確定する目安があります。

日本産婦人科医会のガイドラインによれば、分娩予定日は妊娠初期(妊娠10週6日まで)は頭臀長の大きさによって確定されるべきと記載があります。

妊娠14週以降の予定日確定では、1〜3週間の誤差が生じ、胎児の発育などの正確な評価が困難になり、生後の新生児の成熟度評価が必要になることもあります。

ですので、通常、初回の妊婦健診前に、出産予定日を算出し、妊娠8週から12週目の間に初回の妊婦検診が行われることが多いです。

最終月経日が不明な場合の病院での判断方法

最終月経日が分からない場合でも、妊娠週数をおおよその目安として計算する方法があります。

 ①妊娠8週目~10週目の胎児の頭臀長(CRL=頭からお尻までの長さ)から決定する。

超音波で計測されたCRLの値は、妊娠8週~11週2日(CRL:14~41㎜)の範囲で誤差も±3.9日といわれており、実際の妊娠周数との差が最も少ないとされています。

これにより最終月経日が不明な場合でも、妊娠8~10週のCRLから予定日を決定するとしています。

②妊娠11週目以降の場合は、大横径(BPD=頭部の横幅)から決定する。

妊娠11週を超えると胎動などの影響でCRLの誤差が大きくなるため、頭部の横幅の長さであるBDPを計測して予定日を決定します。

妊娠11週以降でも予定日は計算できますが、週数の経過とともに、誤差が大きくなります。

正確に胎児の発育を評価するため、妊娠8週~10週に妊娠健診を受けることをおすすめします。

妊娠週数や産前産後育児休暇の計算方法

妊娠の週数や出産予定日が分かると、妊娠中の計画が立てやすくなります。

そんな時に役立つのが自動計算サイトです。

妊娠週数や月数の自動計算、産前産後育児休暇の自動計算を行ってくれるサイトをご紹介します。

妊娠週数・月数の自動計算

「労働者の健康応援サイトである妊娠出産・母性健康管理サポート」では、出産予定日、または最終月経の開始日のどちらかを入力すると、妊娠週数・月数の自動計算を行ってくれます。

安心して出産に向けて準備を進めるために、妊娠週数・月数の把握は重要です。

妊娠週数・日数を調べたい特定の日付を入力して計算すると、その日の妊娠週数・日数が表示されます。

さらに、先ほどのサイトでは、時期に関する一般的な身体の状態、注意事項、法律や制度についてもご案内しています。

表示される妊娠週数は、妊娠5週(2か月)から39週(10か月)までの範囲となっています。

妊娠週数早見表を利用することで、妊娠の進行状況を把握し、出産に向けて適切な準備を進めることができますし、働きながら安心して出産に臨むために、ぜひ参考にしてみてください。

また、出産と仕事の両立に関する法律や制度についても説明があるので、安心して働きながら出産を迎えることができます。

産前産後育児休暇の計算方法

同じく「労働者の健康応援サイトである妊娠出産・母性健康管理サポート」では、出産予定日や希望する育児休業の開始日を入力することで、育児・介護休業法に基づいた申請時期と休業期間を自動計算し表示しています。

産前休業は、女性社員が請求した場合には、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から取得することができます。

この期間は、労働者が仕事を行うことが制約される期間です。

産後休業は、女性社員を強制的に休ませなければならない期間です。

ただし、産後6週間が経過し、医師が仕事に復帰しても支障がないと認めた場合には、仕事に復帰することが可能です。

労働者の権利を保護するため、育児・介護休業法に基づいて産前産後の休業期間が定められています。

具体的な休業期間の計算や申請に関しては、妊娠出産・母性健康管理サポートのサイトを利用することで、法令に基づいた正確な情報を入手することができます。

出産予定日のずれ

出産予定日に合わせて、赤ちゃんの洋服や身の回りの準備をしたり、パパは、産前産後の生活環境をイメージしたりと出産予定日を基準にして計画をたてることができます。ただ、出産予定日に赤ちゃんが産まれるとはかぎりません。

どうして出産の予定日にずれが生じるのかという疑問を解消していきましょう。

出産予定日に生まれる確率

出産予定日に生まれる確率は、妊娠状況や胎児の発育状態によって異なります。

一般的には、出産予定日前後に生まれることが多いとされていますが、具体的な確率を特定することは困難です。

出産予定日に生まれる確率は、妊娠の進行具合や胎児の発育状態、妊婦さんの体質や健康状態、妊娠中の合併症や医学的な介入の有無、母体の年齢などの要素が考慮されます。

これらは個人差があるため、確率を一概に述べることはできません。

一般的な傾向としては、出産予定日に生まれる確率は「20人に1人」とかなり低い確率です。

実際の妊娠では、この値よりも高くなる場合や低くなる場合があります。

妊娠中は、医療専門家との適切な相談や定期的な妊婦健診を受けることでトラブルがあった際にも早期に対応ができ安心して出産を迎えることができるでしょう。

出産予定日のずれの原因

妊娠期間は通常、約40週間(280日)とされていますが、妊婦さんによって実際の出産日は異なる場合があります。

出産予定日は、最後の月経の初日や妊娠週数を基に計算されますが、生物学的な要因や体質などにより、ずれが生じることがあります。

出産予定日のずれの主な原因は以下の通りです。

周期のばらつき

女性の月経周期は個人差があり、28日周期ではない場合があります。

そのため、最後の月経の初日を基に計算しても、実際の受精日とのずれが生じることがあります。

受精時期の不確実性

受精が確実に起こった日時を正確に特定することは難しいため、受精後の胎齢を基にした出産予定日の計算でも、実際の受精日とのずれが生じることがあります。

胎児の成長の個人差

胎児の成長は個人差があり、予定日よりも早く発育が進む場合や、逆に遅くなる場合があります。

これにより、出産予定日と実際の出産日とのずれが生じることがあります。

その他の要因には、妊娠中の健康状態やストレスの影響、出産方法の選択など、さまざまな要因が出産予定日と実際の出産日とのずれに関与することがあります。

出産予定日は目安であり、妊婦さんの状況や胎児の発育状態によって変動することがあります。

出産予定日のずれには柔軟な対応が求められるため、医療機関との相談や適切なケアを受けることが重要です。

まとめ

出産予定日は、妊婦さんだけでなく、一緒に子育てをするパパや家族の環境整備も大事になってくるかと思います。

妊娠中は、ストレスを溜めやすく環境の変化に適応しづらいですが、パパや家族を信頼してお腹の中の赤ちゃんとゆっくり過ごしてくださいね。

参考文献

・日本産婦人科医会ー分娩予定日決定法の変更

・日産婦誌64巻 9 号ーガイドライン解説 産科編1)CQ009 分娩予定日の決定法については?

・働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポートーいつ、何に気をつければいい?妊娠週数・月数の自動計算