【妊娠11週】流産の確率と原因は?気になる兆候をチェック|流産を防ぐためにできること
妊娠初期は流産の確率が高いといわれていますが、「妊娠11週の流産の確率はいくつ?」「原因は何?」と気になることが多く、不安ではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠11週に起こりえる流産の確率や原因、気になる兆候を徹底解説します。
流産を防ぐためにできるポイントや妊娠11週の適正体重もまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
妊娠11週の流産の確率は?原因もチェック
医療機関で確認した妊娠のうち、約15%が流産するといわれています。
数字で見ると低い確率のように感じますが、妊娠初期の流産率は妊娠期間中で1番高いです。
ここでは、妊娠11週の流産の確率や原因について解説します。
12週未満の流産率は約80%
妊娠中に起こる流産のなかで、妊娠12週未満の流産率は約80%です。
妊娠12週未満に起こる流産のことを「早期流産」といいます。
そのため、妊娠11週で流産する確率は心拍を確認する前よりも低いですが、ゼロではありません。
12週以降の流産率は約10%
妊娠12週以降の流産率は、約10%です。
妊娠12週以降に起こる流産のことを「後期流産」といい、流産率は一気に下がります。
妊娠11週までに心拍を確認できていれば流産の確率は低いですが、流産の確率がゼロになるわけではないので注意が必要です。
妊娠初期の流産のほとんどは、染色体異常が原因
妊娠初期に起こる流産は、ほとんどが胎児の染色体異常や遺伝子異常が原因で起こります。
受精の段階で流産するかどうかが決まっているため、妊婦さんが生活に気をつかっていても避けられません。
妊娠11週に起こりえる流産の兆候
妊娠12週までに流産が起きやすいと説明しましたが、流産が起こる前に妊婦さん自身が気づける兆候はあるのでしょうか?ここからは、妊娠11週に起こりえる流産の兆候を見ていきましょう。
鮮血や出血、激しい腹痛
流産の進行が進むと鮮血や出血、激しい腹痛が起こります。
妊娠11週で1時間に3回以上の痛みがある場合は、横になってすぐ病院に電話をしましょう。
また、月経と同じくらいの量やそれ以上の出血、レバーのようなものが出ている場合も要注意です。
基礎体温が下がった
基礎体温が下がったら、流産の兆候と考えてよいでしょう。
妊娠してから胎盤が完成する妊娠14週頃までは、黄体ホルモンの影響で基礎体温が高い状態が続きます。
しかし、途中で基礎体温が下がるということは、何らかの理由で妊娠が継続できていないことを示しています。
もし妊娠11週で基礎体温が下がったら、焦らず医師に聞いてみるとよいでしょう。
つわりが急になくなった
つわりが急になくなるのも、流産の兆候です。
つわりが起こるのは、体内で起きている急激な変化やホルモンの分泌量、代謝の変化に体がついていけていないからといわれています。
まだつわりのピークを迎えている妊娠11週でつわりがなくなった場合や、落ち着いてきた場合は医師や助産師に相談するとよいでしょう。
エコー検査で流産の恐れがあるかわかる?
流産の兆候は、進行しないと気づけない場合がほとんどです。
医師の反応や説明で「流産なのかな」と感じる場合がありますが、エコーで流産の可能性を知ることはできるのでしょうか?ここからは、流産の兆候をエコーで知れるのかを解説します。
心拍数や成長の度合いで判断できる場合がある
胎児の心拍数や成長の度合いを見て流産の判断をする可能性があります。
心拍を確認できたけど心拍数が通常より低い場合や、先週からあまり成長をしていない場合は、翌週にもう一度受診するように促されることもあるでしょう。
医師の反応や説明で不安なことがある場合は、その場で直接聞いておくと心の準備もしやすくなるでしょう。
特徴があることなら判断できる場合がある
先天性異常であれば、エコーで判断できる可能性があります。
例えば21トリソミー(ダウン症)の場合、首のうしろにむくみがあったり手足が短かったりといった特徴がエコーで確認可能です。
しかし、「むくんでいるから」「手足が短いから」といって全員が21トリソミーかというと、そうではありません。
エコーで確認できたとしてもあくまでも目安なので、産まれてみないとわからないことがほとんどです。
エコーで流産の判断は難しい
流産の主な原因である染色体異常はエコーには映し出されないため、エコーで流産の判断は難しいとされています。
さまざまな値から推測できる可能性はありますが、確実ではありません。
流産にならないとわからないため、気になる症状がある場合は我慢せずに医師に相談するとよいでしょう。
妊娠11週 流産を防ぐために気を付けるポイントとは?
妊娠初期の流産は、妊娠したことがある女性の約40%が経験するといわれています。
妊娠11週を迎えた今、これからの流産を防ぐためにできることはあるのでしょうか?
できるだけ無理はせず、安静に過ごす
妊娠11週はまだつわりがピークということもあり、無理は禁物です。
動きすぎてしまうと、おなかの張りや出血といったトラブルを引き起こす可能性があります。
少しでも体調に異変を感じたら、座ったり横になったりと体を休めましょう。
食生活を見直す
妊娠中は胎児に栄養を与えるためにも、バランスのよい食事が大切です。
とくに、妊婦さんは自分の血液のほかに胎児の血液を作っているため、貧血になりやすくなっています。
鉄分がとれるほうれん草や大豆、ひじきなどの食材を意識して取り入れましょう。
性行為をするときは避妊具を使用する
妊娠中に性行為をするときは、感染症対策のためにも避妊具を使用しましょう。
医師から止められていない限り、基本的に妊娠中の性行為は問題ありません。
しかし、性器や精子に触れることにより、感染症にかかってしまう可能性があります。
妊婦さんが感染症にかかると流産や早産の危険性が高まるので、清潔を保つためにも避妊具を使用するのは大切です。
妊娠11週の妊婦さんの適正体重とは?
妊娠中は、出産までに増加してよいとされる適正体重があります。
この適正体重は、妊娠前の体重と身長を計算して導き出しますが、どのように計算するのでしょうか?ここからは、妊娠中の適正体重について見ていきます。
適正体重は妊娠前のBMI数値から導き出す
妊娠中の適正体重は妊娠前の体重と身長を計算し、BMI数値を導き出します。
BMI数値の計算方法は、体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}です。
BMI数値が分かったら、以下の適正体重の基準に当てはめます。
妊娠前のBMI数値 | 適正体重の目安 |
18.5未満 | 12〜15kg |
18.5以上25未満 | 10〜13kg |
25以上30未満 | 7〜10kg |
30以上 | 個別対応 |
適正体重が判明したら、なるべく範囲内までの体重増加で抑えましょう。
体重が増えすぎると起こること
適正体重よりも体重が増えた場合、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 巨大児
- 分娩時の大量出血
- 帝王切開
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
体重が増えすぎると、胎児の体重も増加して分娩時の大量出血の危険性があります。
また、過度な体重増加は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になりやすく、母子ともに命の危険があるので体重の増えすぎには注意してください。
体重が増えないと起こること
適正体重よりも体重が増えない場合は、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 貧血
- 低出生体重児
- 早産
体重が増えないことで貧血になると、妊婦さんの体に十分な栄養と酸素が行き届かないだけでなく、胎児にも悪影響を及ぼす危険性があります。
母子ともに健康な状態で出産するために、適正体重を意識した生活を送りましょう。
まとめ
妊娠11週はまだ流産の確率が高く、心拍確認後も気が抜けません。
しかし、少しでも流産の確率を下げるために、食生活を見直したり休息の時間を確保したりと体のことを1番に考えて行動しましょう。
また、適正体重を守ることも流産を防ぐために大切です。
参考文献
・日本産科婦人科学会 – 産婦人科診療ガイドライン―産科編―2020
・医学書院 – 週数別 妊婦健診マニュアル
・日本産科婦人科学会 – 人工妊娠中絶について教えてください。