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着床について知りたい!受精から着床まで最短何日?

妊娠を望んでいる方は、「着床しているのか」「いつ着床するのか」とそわそわすることもあるのではないでしょうか?

「お腹が少し痛い気がする」「おりものの色がちょっと違う気がする」など少しの体の変化に敏感になる方もいるでしょう。

そもそも着床とはいったい何日でおこなわれるものなのでしょうか?着床したことがわかる目印はあるのでしょうか?

今回は、そんな目に見えないからこそ知りたい着床の時期や症状について解説いたします。

着床とは

着床とは、子宮内膜に受精卵が潜り込むことをいいます。潜り込んだ後も受精卵はその場所で成長を続けていきます。着床が完了すると妊娠が成立したとみなされます。

では、どのように着床するのでしょうか?

受精卵が着床するまでの流れを、排卵から時間を追ってご説明します。

排卵

排卵とは、ホルモンの働きにより成熟した卵胞から卵子が飛び出し、卵巣から卵管へ移動することを指します。

受精

膣内に射精された精子が移動し、卵管で卵子と出会うことで受精し、受精卵となります。

その後、受精卵は成長をくり返しながら子宮へと移動します。

着床

卵子の抜け殻である卵胞から分泌されたプロゲステロンにより、受け入れる側の子宮内膜はふわふわのベッドのように厚くなります。

そして子宮にたどり着いた受精卵はその子宮内膜に潜り込みます。これが着床です。

着床した受精卵は、子宮内膜の中でさらに細胞分裂を繰り返し発育しながらより深く潜り込み、母体の血管から赤ちゃんへ栄養を受け取るようになります。これが、着床が完了したという状態です。

この状態で妊娠成立となりますが、妊娠検査薬で確認できるのは月経予定日から1週間ほど経ってからになります。

着床はいつ起こる?

排卵から着床までの流れについては解説させていただきましたが、それでは具体的に着床はいつ頃完了するのでしょうか。

また自然妊娠・人工授精・体外受精によって違いはあるのでしょうか?

自然妊娠

受精卵となってから着床するまでには約7日、着床が完了するまでに約12日かかるとされています。

妊娠は最終月経の初日を「妊娠0週0日目」と考えるため、着床が終わるのは妊娠4週目頃となります。

人工授精

定期的な検査により卵胞の状態を確認し、排卵日を予測します。

排卵の前日から当日に採取した精子を子宮内に注入します。精子は卵管へ移動し受精卵となり、子宮へと戻ります。

自然妊娠同様7日目に着床、着床完了が12日目といわれています。

体外受精

採取した卵子と精子を体外で受精させ、できた受精卵を子宮内に戻します。受精卵を体外で培養する期間の違いで、初期胚移植と胚盤胞移植に分けられます。

初期胚移植

受精した胚を2~3日培養した初期胚を子宮に戻します。

着床は移植後4~5日です。

胚盤胞移植

受精した杯を5~6日培養すると、胚盤胞まで成長します。これを子宮に戻します。

着床は移植後1~2日です。

受精卵を戻すタイミングに違いはありますが、着床に関しては、自然妊娠、人工授精と同様に受精から7日ほど経った後といわれています。

着床すると起こる症状

着床したか待ち望んでいる方にとって、着床した際の症状は見逃せない目印となります。

しかし、誰もが必ずしも着床時の症状を確認できるわけではなく、なかには変化が小さいために見逃してしまうということもあるでしょう。

そこで、着床時に確認できる症状にはどのようなものがあるのか解説していきます。

着床出血

着床のサインのなかでも特にわかりやすいのが着床出血です。

着床の際、受精卵が子宮内膜に潜り込もうとすると子宮内膜が傷つきます。その影響でおりものがピンク色になる程度の出血をすることがあります。

時期は、着床の2日前後とされています。

着床痛

生理に似たチクチクとした痛みが下腹部に出ることがあります。これは受精卵が子宮内膜にはいり込む時の痛みだといわれています。

この痛みには個人差があり、痛みを全く感じない方もいます。

風邪のような症状

着床すると、基礎体温の高温期が続き微熱を感じる方もいます。

この時期はホルモンの関係で眠気やだるさを感じることも多く、風邪のような症状が出ます。

風邪薬の中には、服用することで胎児への影響を及ぼすかもしれないものもあるため、妊娠の可能性を感じている場合は薬の服用は避けましょう。

情緒不安定

女性ホルモンの影響でイライラしたり、強い眠気が出たり、やる気が起きないなどの症状が出ることがあります。

おりものの変化

着床すると、ホルモンの影響や腟内環境の変化により、おりものの量が増えたり、色が白っぽい色や薄い茶色に変わりやすくなったりします。

着床のために気を付けること

ここまで着床の時期や、着床時にみられる症状などを解説してきましたが、実際に着床を待ち望んでいる方は、着床の時期や症状だけではなく、着床のために気をつけるべきことについてもきちんと把握しておきましょう。

葉酸を摂る

葉酸はビタミンB群の一種であり、胎児の中枢神経障害(二分脊椎)を防ぐために重要な栄養素でもあります。

厚生労働省も妊娠がわかったら早めに葉酸を取るよう推進しているということからも、巷の俗説などではなく、本当に大切なことであるのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

また葉酸には貧血を予防する効果もあります。妊娠中は貧血になりやすいため、赤ちゃんだけでなくお母さんにとっても重要な栄養素でもあるのです。

葉酸が多い食べ物

野菜類ブロッコリー、ほうれん草、枝豆、芽キャベツ
果物類いちご、アボカド、さくらんぼ
肉類レバー(鶏・牛・豚)、卵黄
魚介類うなぎの肝、うに
そのほか焼き海苔、抹茶、わかめ

葉酸は食べ物にも含まれますが、国が推進している1日の必要量400μgを満たすためにはかなりの量を摂取しなければなりません。そのためサプリメントの活用もおすすめです。

睡眠

睡眠不足は正常なホルモン分泌を妨げることにもつながります。

着床のためには、睡眠をしっかりとり、ストレスをためない生活を送りましょう。

運動

着床までの時期に行っていた運動は続けても問題ありませんが、妊娠に気がついたら激しい運動は控えましょう。

またウォーキングやストレッチ、ヨガは血液の流れを促し、ストレス解消にもなります。体に負担がかからない程度に行うのがおすすめです。

喫煙、飲酒を控える

妊婦の喫煙や受動喫煙は、乳幼児突然死症候群(SIDS)や、低出生体重児、早産、流産のリスク増大につながるとされています。飲酒も赤ちゃんの発育に影響すると言われています。

着床の時期には、気づかずに飲酒・喫煙をしてしまうこともあるかもしれませんが、妊娠に気づいた時点で、なるべく早く止めるようにしましょう。

まとめ

今回は、着床について解説いたしました。

着床時期は排卵後7日程度、着床が完了するのは月経終了から約3週間となります。この期間、着床したことが確実にはっきりと分かるサインはありません。

そのため「薬を飲んでしまった」「お酒を飲んでしまった」など、不安な気持ちを持つ方もいるかもしれません。

しかし、この時期はまだ胎児への影響は少ないと言われています。

妊娠が分かった時点で生活習慣を見直し、赤ちゃんの発育のために食事、睡眠などの日々の生活に気を付けていきましょう。

参考文献

・一般社団法人日本生殖医学会ー妊娠はどのように成立するのですか?人工授精とはどういう治療ですか?

・日本産婦人科学会ー人工授精

・日本産婦人科学会ー流産・切迫流産

・厚生労働省ー妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~