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自閉症は出生前診断で事前に調べることは可能?検査方法と対象者について解説

妊娠をして体の変化に不安を感じながら、おなかの赤ちゃんの心配が尽きないでしょう。

そんな中、出生前診断で「胎児に自閉症があるか」の判断ができるのか、知りたい方は少なくありません。

そのため、出生前診断に関心がある方や自閉症について知るには、検査方法やリスクの知識はとても重要です。また、出生前診断のうち、NIPT(新型出生前診断)では採血だけで検査ができるというメリットがあります。

この記事では、出生前診断の検査方法とリスクはもちろん、年齢制限・対象者・検査費用について解説します。

出生前診断の検査対象者とは

出生前診断は従来のものより精度が良く、結果に信頼性が高いうえに、母体への負担が少ないNIPT(新型出生前診断)という検査です。

これは胎児の発育具合を確認して、異常の有無を検査します。

年齢が35歳以上の妊婦さん

従来の出生前診断では、出産予定日に35歳をこえた妊婦さんが対象と定められていました。

しかし2022年に日本医学会が公布した指針によって年齢制限は廃止され、現在は希望者の年齢に関係なく受診ができます。

過去にダウン症・エドワーズ症・パトウ症の赤ちゃんを妊娠・出産した妊婦さん

すべての胎児のうち、3〜4%には何らかの異常があります。

それは超音波検査で見つかる形体による診断や染色体疾患、遺伝子配列の変化などです。

そして、日本産婦人科学会の指針により、過去にダウン症・エドワーズ症・パトウ症の胎児を妊娠・出産した妊婦さんは出生前診断の検査を定められています。

しかしトリソミーやがん患者の方や、過去1年間で輸血をしたり幹細胞治療や免疫療法、臓器移植を受けたり異数性が見られる方はNIPT(新型出生前診断)を受けられません。

出生前診断でわかること

NIPT(新型出生前診断)で胎児の異常の有無が診断されますが、どんな異常が分かるのでしょうか。

出生前診断では、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーや性別などが分かります。

21トリソミー

21番目の染色体が通常よりも1本多くなることから21トリソミーと呼ばれます。

胎児の染色体異常症で割合的には多く、ダウン症候群のことで、IQは50以下や特別支援学校や支援学級での教育が必要と考えられる知的障害があると言われているのです。

18トリソミー

18番目の染色体が3本存在することから18トリソミーと呼ばれています。

18番トリソミーは3500〜8500分の1くらいの割合で発症すると言われており、出生時低身長や先天性心疾患や小頭症などがあると言われているのです。

13トリソミー

13番目の染色体が本来2本なのに1本多くある状態、またはもう1本の一部が重複してある状態になっていることから、13トリソミーと呼ばれています。

5000〜1万2000分の1くらいの割合でパトウ症候群であると言われて、顔や脳に外見的な特徴が見られたり、約8割に重い心臓の病気を持っていたりすると言われているのです。

性別

NIPT(新型出生前診断)を受けると、その結果と同時に性別が分かります。

正常な細胞は合計46本の染色体があり、22対の常染色体と1対の性染色体が存在します。

23番目の対が性染色体で、その2本がXまたはYで決まり、判断基準はYがあるのかどうかです。

出生前診断でわからないこと

NIPT(新型出生前診断)は、それぞれの染色体を検査して異常を確認することが分かりました。

しかし、NIPT(新型出生前診断)で染色体を検査しても、分からないこともあります。

発達障害

発達障害とは、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症や学習障害(LD)、チック症や吃音などの生まれつき脳の働き方に違いがあることです。

発達障害の根本的な理由が分かっていないため、確認は難しいとされています。

自閉症

自閉スペクトラム症と呼ばれることもあり、原因が不明であることから診断はできません。

この発達障害には独自のこだわりや行動が目立ち、言葉の発達に遅れがあったり、コミュニケーションがうまくとれなかったりするのが特徴です。

これは小さなうちから、個別や小集団で専門家の療育を受けて発達を促していくことで成長していきます。

デイサービスなどの療育施設があり、発達障害者支援センターが各都道府県に設置されているため相談しましょう。

視覚障害・聴覚障害

NIPT(新型出生前診断)は、それぞれの染色体を検査して異常を確認するため、視覚障害や聴覚障害の診断はできません。

しかし、出産後すぐに行われる新生児診断において診断されます。

視覚障害は、早期発見することで治療ができて、視覚発達の影響が最小限にできるのです。

聴覚障害は新生児の1000人に1人くらいの割合で両耳に難聴があると言われています。

こちらも早期発見により人工内耳手術などの治療ができるのです。

出生前診断の検査項目とは

先ほどもお伝えしたように、正常な細胞は合計46本の染色体があり、22対の常染色体と1対の性染色体を確認して検査します。

その際に行う項目は、22ペア全ての常染色体検査と性染色体検査と微小欠失検査です。

全ての染色体検査

染色体の異常は21トリソミーが全体の約50%で18トリソミーが約15%、そして13トリソミーが約5%と言われていて、この3つが全体の約7割を占めます。

残り3割は、21・18・13トリソミー以外の常染色体異常と性染色体異常です。

しかし、その3割は妊娠継続が困難な場合が多く出生例は稀となりますが、可能性がない訳ではないので全ての染色体の検査をすることはメリットであると考えられます。

性染色体検査

性染色体の異常は、全体の約5%で常染色体異常ほどの影響は大きくないと言われ、代表的な疾患は3つあります。

1つ目はターナー症候群で、症状はリンパ浮腫や翼状頸、広い胸郭や低身長などです。

2つ目はクラインフェルター症候群という疾患で、出生男児の500分の1くらいの割合に見られ、症状は高身長や硬い精巣や女性化乳房などがあります。

3つ目のXXY症候群は出生男児の1000分の1くらいの割合で、身体的問題はなく症状は軽度の行動障害や多動性や注意欠如などです。

微小欠失検査

染色体の一部が欠けることによっておこる染色体異常のことです。

この検査では、数ではなく染色体の構造の異常を調べます。

代表的な微小欠失症候群には、1p36欠失症候群やウォルフ・ヒルシュホーン症候群、5p欠失症候群やアンジェルマン症候群やDiGeorge症候群があります。

1・4・5・15・22番目に染色体の欠失が確認されると微小欠失症候群で、何番目が欠失しているのかによって、症状はさまざまです。

出生前診断の検査費用とは

実際にNIPT(新型出生前診断)で染色体を検査をしようと検討する際に、多くの方が気になるのが費用面ではないでしょうか。

NIPT(新型出生前診断)といっても検査方法が異なったり、実施時期やリスクも違います。

羊水検査の費用

費用は約10〜20万円くらいですが、入院する際には費用が別途必要です。

そして、その方法はおなかの中の羊水を採取して検査をします。

検査実施時期は妊娠15週目からで、流産のリスクは約0.2〜0.3%です。

羊水検査についてはこちら

胎児ドックの費用費用は約3〜5万円の基本料金と、数千円〜5万円くらいの精密検査料が必要です。

そして、方法はおなかに超音波を当てて検査をするため、リスクはありません。

検査実施時期は基本妊娠10週目からですが、10週以下でもできる病院もあります。

胎児ドックについてはこちら

母体血清検査費用

費用は約2〜3万円くらいで、方法はお母さんの血液を採血して、血中に含まれている成分を検査します。

検査実施時期は妊娠16週目からで、血液を採取するだけなのでリスクはありません。

まとめ

NIPT(新型出生前診断)で染色体を検査をしても、現時点の技術では自閉症の診断は難しいです。

自閉症を含む発達障害は、根本的な原因がまだ不明な部分が多く、複数の要因があるのではないかとも言われています。

しかし、現代において発達障害への理解が広がっていて治療法も増えています。

小児神経内科などでカウンセリングを受けたり、投薬治療をしたりと方法もさまざまです。

また、療育施設もゆっくりではあるものの増えているので、不安を感じ過ぎないようにしてください。

参考文献

・DNA先端医療-NIPTで発達障害は分かる? NIPTでは分からない障害について