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羊水検査はいつ受ける?NIPTからのスケジュールや検査で分かること

「羊水検査をいつ受けたらいい?」「検査でどんな病気が分かる?」

元気な赤ちゃんが生まれるか不安な気持ちから、羊水検査を受けるべきか迷っている方も多いでしょう。

羊水検査は妊娠15週から受けられる出生前検査であり、主に染色体異常の疑いを確定する目的で行われます。

この記事では、羊水検査を検討する際に知っておきたいポイントをお伝えします。

  • 検査の概要とスケジュール
  • NIPT(新型出生前診断)との関係
  • 検査で分かること
  • 年齢制限
  • リスク

羊水検査を受けるべきか悩んでいる方は、穏やかな気持ちで出産を迎える準備にぜひお役立てください。

羊水検査の概要と検査を受けるスケジュール

羊水検査は出生前検査の1つです。

お母さんのお腹に針を刺して羊水を取り、胎児の染色体に異常があるか調べます。

まずは、羊水検査へ疑問を持つ方に向けて、検査の詳細を以下の3つのポイントで解説します。

  • 羊水検査は染色体異常の診断を確定する
  • 受けられるのはいつ?
  • 結果はいつ分かる?

順番にみていきましょう。

羊水検査は染色体異常の診断を確定する

羊水検査を行うと、染色体の変化にもとづく異常が分かります。

多くの場合、非確定的検査であるNIPT(新型出生前診断)や超音波検査などで赤ちゃんの異常が疑われた場合に、診断を確定する目的で受ける検査です。

検査では、超音波でお腹の様子をチェックしながら細い針を子宮に刺し、約20mLの羊水を取ります。

羊水には赤ちゃんの皮膚や膀胱表面などからはがれた細胞が入っています。

その採取した羊水中の赤ちゃんの細胞を調べると、染色体や遺伝子の変化を見つけられるのです。

受けられるのはいつ?

羊水検査を受けられるようになるのは、妊娠中期に当たる妊娠15週以降です。

羊水量は、妊娠初期から妊娠32週頃にかけて徐々に増えつづけ、妊娠40週を過ぎると減っていきます。

妊娠して間もない時期は、羊水の量が不十分なため検査時期としてふさわしくありません。現在の臨床現場では、妊娠15週~18週頃に行われるのが一般的です。

結果はいつ分かる?

検査を受ける施設によって多少異なるものの、羊水を採取して結果が分かるまでは約3週間~4週間かかります。

採取した細胞のままでは赤ちゃんの細胞数が少ないため、細胞を培養して量を増やします。

培養にかかる時間は約2週間です。

そのあと、顕微鏡下で細胞を見れるよう染色処理し、目視で異常を見つけ出します。

このように“細胞培養・染色・判定”と段階を踏む必要があるため、結果の判定まで3週間~4週間ほどかかるのです。

たとえば、妊娠16週に羊水検査を受けると、妊娠19週~20週頃に結果が報告されます。報告まで時間がかかると認識しておきましょう。

NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の関係

出生前検査には、非確定的検査と確定的検査があります。

非確定的検査は、確定まではできない検査で、確定的検査は診断を確定できる検査です。

NIPTは非確定的検査、羊水検査は確定的検査に該当します。

非確定的検査にはいくつか種類があります。

なかでもNIPTは、精度の高さや採血で行える利便性から近年注目されている検査です。

ここでは、NIPTと羊水検査の関連性をみていきましょう。

NIPTは胎児でよくある染色体異常の可能性を判定する

NIPTは、採血にて以下3つの染色体疾患の疑いを陽性・陰性で判定する検査です。これらの疾患は、染色体疾患の約7割を占めるといわれています。

  • ダウン症候群(21トリソミー)
  • 18トリソミー
  • 13トリソミー

お母さんの血中には赤ちゃんのDNA断片が流れています。

NIPTは、赤ちゃんの各染色体におけるDNA断片の量を調べ、染色体の数が変化していないか調べる検査です。

たとえば21番染色体の量が通常の1.5倍量すなわち2本が3本になっていると推察されると、ダウン症候群が疑われます。

NIPTの検査結果日数と陽性だった場合のスケジュール

NIPTは妊娠9週~10週以降に受けることができ、1週間後~2週間後に結果が出ます。

一方、羊水検査の時期は一般的に、妊娠15週~18週頃です。

そのため、NIPTに引きつづき羊水検査を受けるには、遅くとも妊娠15週にはNIPTを受けられるよう予約しておく必要があります。NIPTを受けるのが遅くなるほど羊水検査を受ける期日がせまるため、ご注意ください。

もしNIPTで陽性判定が出ると、そのあと羊水検査を受けるべきか判断するのは簡単ではないでしょう。納得して決めるには、十分な遺伝カウンセリングを受け、夫婦や家族で話し合う必要があります。

遺伝カウンセリングでは、遺伝専門医や認定カウンセラーから、医学的な根拠にもとづいた情報をもとに、悩みを解決できるようサポートを受けられます。

落ち着いて考えられる時間をとるために、時間に余裕をもってカウンセリングや検査をスケジューリングしてください。

羊水検査で分かること・分からないこと

診断を確定できるとお伝えした羊水検査にも、分かることと分からないことがあります。

誕生する赤ちゃんの3%~5%はなんらかの疾患を持ち、そのうち染色体に起因する疾患は4分の1程度といわれています。すなわち羊水検査で分かる疾患はごく一部ということです。

ここでは、羊水を検査して分かる疾患と分からない疾患をそれぞれ解説します。

染色体の数や構造の異常が分かる

羊水検査では、主に染色体の数や構造異常を幅広く検出できます。

数の異常には2本あるべき染色体が3本または1本になっている疾患、構造の異常には染色体の一部が欠けたり入れ替わったりする疾患があります。

具体的な疾患例は以下のとおりです。

染色体の数異常ダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミー・ターナー症候群・クラインフェルター症候群 など
染色体の構造異常ウォルフヒルシュホーン症候群・スミスマギニス症候群・ディジョージ症候群 など

また、家系や超音波検査で特定の疾患を疑うケースでは、その疾患に特化した解析も可能です。

染色体の微細な構造異常や発達障害などは分からない

羊水検査は、染色処理した染色体をもとに、目視にて異常を見つけ出す検査です。

そのため、目で見て分からないような細かい構造異常は発見できない可能性があります。

また、以下のような疾患は染色体を調べる検査では見つけられません。

  • 自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害などの発達障害
  • 聴覚障害や視覚障害
  • 心臓や腎臓など臓器の疾患

臓器の疾患は超音波検査で分かる場合もありますが、脳の機能障害による疾患は羊水を検査しても見つけられません。

結果が正常でも、疾患を持つ赤ちゃんが生まれる可能性もあると理解しておきましょう。

羊水検査・NIPTに年齢制限はない

羊水検査やNIPTには年齢制限がありません。

そのため、高齢出産でない方も検査が受けられます。

特にNIPTの場合、遺伝カウンセリングを受けても赤ちゃんの病気への不安が解消されない方は、年齢・リスクにかかわらず検査が受けられるため安心です。検査方法も腕からの採血のため、赤ちゃんへの侵襲性もありません。

なお、万が一結果で異常が見つかると、さまざまな選択や決断をせまられます。

後悔なく出産を迎えるためには、遺伝カウンセリングを受けて検査の必要性をよく考える必要があるでしょう。

羊水検査には流産や破水のリスクがある

身体への負担があまりないNIPTに比べて、お腹から子宮まで針を刺す羊水検査には知っておくべき危険性があります。

具体的には、約300人~500人に1人の割合で赤ちゃんが亡くなる可能性があるのです。

また、破水・出血・子宮内感染などを合併するおそれもあります。

検査を検討する際は、わずかながらリスクもあるということを十分理解しておきましょう。

まとめ

羊水検査は、染色体の変化に由来するさまざまな異常が分かる確定的検査です。

一般的に羊水検査は、NIPTなどの非確定的検査で異常が疑われた場合、診断を確定する目的で妊娠15週~18週頃に行われます。

NIPTを受けられるのは妊娠9週~11週以降です。羊水検査の時期からさかのぼってNIPTの時期を考えてください。

羊水検査を検討する際、結果が正常でも疾患を持つ赤ちゃんが生まれる可能性や、流産する可能性など、検査を受けて生じる心配事やリスクもあると認識しておきましょう。

検査を受けるべきか的確に判断するためには、余裕を持ったスケジュールで遺伝カウンセリングを受けてください。

カウンセリングで些細な心配事も相談しながら、穏やかな気持ちで出産を迎えられるよう準備しましょう。

参考文献

・厚生労働省 厚生科学審議会-NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会報告書

・日本産科婦人科学会 倫理委員会-母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針

・日本医学会-医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン

・出生前検査認証制度等運営委員会-お腹の赤ちゃんの検査の種類

・難病医学研究財団 難病情報センター-病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧 疾患群別索引(染色体または遺伝子に変化を伴う症候群)

・厚生労働省 e-ヘルスネット-発達障害