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羊水検査の精度は高い?染色体異常である確率は年齢によりどう変わる?

羊水検査は出生前診断の1つであり、赤ちゃんの染色体異常症などを正確に調べるための確定検査としても用いられます。

特に高齢出産にあたる方々は、赤ちゃんが染色体異常症になる確率も高まるとされており、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、羊水検査について知っておきたい内容や、出産時の年齢で染色体異常の赤ちゃんが生まれる確率についてご紹介します。

羊水検査とは

妊娠中に、赤ちゃんや子宮の状態などを診ることを、出生前診断と言います。羊水検査もその1つで、その他にもいくつかの検査を受けることは可能ですが、目的や状況に応じて医師と相談しながらすすめていくこととなります。

羊水検査ってどういう検査?いつ頃受けることができる?

赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときは、子宮を満たす羊水に守られて育ちます。羊水によって子宮との間に空間ができ、クッションのような役割を果たすほか、自由に動いて筋肉や骨格を育てたり、肺呼吸の練習をしたりしています。

この羊水には、赤ちゃんの細胞が含まれており、採取して調べることで染色体の異常を知ることができます。これが、羊水検査です。

羊水検査の方法とリスク

羊水検査は、妊婦さんのお腹に針を刺して子宮内の羊水を20mlほど取り出して検査をします。結果が出るまでには約3週間~4週間程度を要し、多くの場合事前の予約が必要となります。

この検査にはリスクもあり、流産や早産、赤ちゃんを傷つける可能性があるため、十分に理解して検討しましょう。全国的な統計で、検査後に流産などの異常が報告されるケースは0.3%~0.5%ほどだと報告されています。

羊水を採取しても、その中に含まれる赤ちゃんの細胞だけでは十分に検査できないことから、約2週間は培養して数を増やすこととなります。この培養がうまくいかないケースもあり、必ずしも結果を出るとは限らないことも覚えておきましょう。

羊水検査の目的とは?

羊水検査は、赤ちゃんの染色体異常や特定の遺伝性疾患、遺伝子変異などを調べるために行われます。検査は任意のため、希望しなければ受けることはありません。

羊水検査を受ける前に知っておきたいこと

羊水検査は、妊娠15週~18週くらいで受けられる検査です。受けられる時期は限られているため、注意しましょう。

もし、検査の結果で異常が見当たらなかったとしても、まれにその後異常が見つかることもあります。また、異常が見つかったとしても、染色体の異常を根本的に治療することはできません。

結果を受けて、妊娠を継続するかどうかの非常に重い選択に迫られることがあります。産むことを決めた場合には、安全な出産や赤ちゃんの治療に速やかに移行できる病院で出産するように手続きをするなど、多くのリスクを想定して準備をするために役立ちます。

羊水検査とNIPT(新型出生前診断)の違い

羊水検査も、NIPT(新型出生前診断)も、妊娠中に行うことのできる検査です。しかし、その方法や検査で調べることのできる内容は違います。

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症候群である21トリソミーをはじめ、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べるための出生前遺伝学的検査です。

調べることができるのは、妊娠10週~14週の妊婦さんであり、採血で行います。NIPTで陽性反応であった場合、確定検査を行うかどうかの判断材料として活用されることが多いです。

羊水検査との違い

NIPTと羊水検査の大きな違いは、以下のとおりです。

・検査ができる時期

・検査対象となる疾患の種類

・流産や死産になるリスク

NIPTができるのは妊娠10週~14週であることをご紹介しました。しかし、羊水検査は妊娠15週以降にならないと検査ができません。また、その検査方法が違うのは先程ご紹介したとおりです。

NIPTは血液検査のみで行う検査のため、赤ちゃんへのダメージはほとんどなく、流産や死産につながるリスクも低いとされています。一方、羊水検査の場合は0.3%~0.5%の割合で流産や死産などの異常が起こり得るため、その点についても知っておく必要があるでしょう。

羊水検査の精度と検査で分かる染色体異常

羊水検査は確定検査であり、その精度は非常に高いとされています。確度で言えばほぼ100%、非常にまれですが、羊水検査で染色体が正常と判断されてもその後ダウン症であるケースもあるものの、信頼度は高い検査です。

羊水検査で分かる染色体異常とは

羊水検査で分かる染色体異常の種類を見てみましょう。なお、染色体に異常があっても、日常生活が難しくなるような障害などとして表に出ないケースもあります。

21トリソミー(ダウン症)

染色体は、常染色体22組44本と性染色体1組2本の計23組46本であることが正常ですが、21番目の染色体が3本あると「21トリソミー」、つまりダウン症であるということです。ダウン症の方は、顔つきや体つきに同じような特徴が見られ、発育や知能の遅れ、心臓の障害が見られることもあります。ただし、その程度は個体差があり、大人になって社会人として自立している方も少なくありません。

13トリソミー・18トリソミー

13番目の染色体が3本あると「13トリソミー」、18番目の染色体が3本あると「18トリソミー」となります。これらは、残念ながら流産になることも多く、生まれても障害の程度が重かったり寿命が短かったりする傾向にあるようです。

ターナー症候群

女性のみに見られる染色体異常で、性染色体が1本なかったり、一部足りなかったりします。生まれてから明らかになるケースも多々あり、中には結婚後に不妊症になって発見されることも少なくありません。

クラインフェルター症候群

男性のみに見られる染色体異常で、性染色体にX染色体が1つあるいは複数余分に見られます。不妊症、小さな精巣、長い腕と脚、学習障害などが発覚することもあるようです。

妊婦さんの年齢で染色体異常が起こる割合はどう変わる?

多くの方がご存じのとおり、妊婦さんの年齢が高くなればなるほど、さまざまなリスクにも注意が必要になります。染色体異常についてはどうなのか、確率について見てみましょう。

染色体異常の発生率について

ダウン症の発生率は、25歳の妊婦さんなら約1250人に1人という、かなり少ない割合です。しかし、30歳の妊婦さんの場合は952人に1人、35歳の場合は385人に1人と、だんだんとそのリスクが高くなっていきます。45歳の妊婦さんの場合は、30人に1人の割合です。したがって、染色体異常の発生率は妊婦さんの年齢によって大きく異なるということが分かります。

35歳以上の妊婦さんには羊水検査の意思を聞く病院が珍しくない

羊水検査にはリスクが伴います。しかし、妊婦さんの年齢が高くなればなるほど染色体異常の発生率が増すため、35歳以上の妊婦さんには羊水検査の意向を確認する病院が増えているようです。

羊水検査の結果を聞いたあと、みんなはどうしてる?

羊水検査を受けて、結果が問題なければ安心です。しかし、もし結果に異常が見られたら、その後はどうなるのかについても考えておく必要があります。

羊水検査を受けた妊婦さんの気持ちと心構え

羊水検査の結果が明らかになるまでの間、妊婦さんやその家族などは大きな不安を抱えることも珍しくありません。この検査を受ける目的として、「もし何らかの病気や障害があることが分かったら、今のうちから準備をしておきたい」と考える方もいますが、産むかどうかの判断をあらためて行うことを覚悟している方もいます。

検査を受けて、その結果によっては厳しい選択をしなければならなくなるかもしれない、ということも含めて、パートナーとよく話し合うことが重要です。

人によっては、「検査を受けなければ良かった」と後悔するほど、結果が出るまでに不安が募ることもあります。検査そのもののリスクよりも、結果を待つ間やその結果次第で心に大きなダメージを受ける可能性があるため、相談できる方やカウンセリングを活用しつつ、正しい知識をもって今後について考えていきましょう。

まとめ

羊水検査は受けられる時期が限られていて、結果を受けたあとは決断を迫られることもあります。検査を受けたことを後悔しないためにも、事前にパートナーと十分に話し合いながらすすめていきましょう。

参考文献

・KOMPAS慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトー羊水検査

・国立研究開発法人 国立生育医療研究センターーNIPT