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【出生前診断】リスクの少ない方法で赤ちゃんの病気を調べる方法について解説!

出生前診断は、高齢出産や夫婦やその親族に持病を持つ妊婦さんが胎児の状態や持病の見込みを知る目的でおこないます。

赤ちゃんへの影響がまったくない検査から流産の危険性が伴う検査までさまざまです。

この記事では出生前診断の種類、NIPTから分かること、検査をするベストタイミング、正確性について解説します。

これから出生前診断を検討している方は、参考にしてください。

出生前診断にはどのような種類があるのか

出生前診断は、出産前に胎児の持病の見込みや成長の過程を調べる検査です。

持病がわかれば、妊娠期間で治療したり、育て方についてカウンセラーからアドバイスをもらいます。

準備期間が長いほど、心の余裕やさまざまな選択肢が生まれるため、出生前診断をうける方が増えているのが現状です。

確定検査と非確定検査がある

出生前診断には、持病の有無を決定づける確定検査と、持病の見込みをみる非確定検査があります。

それぞれの違いについて解説します。

非確定検査

非確定検査は、赤ちゃんの持病の確率を評価するための検査です。

母子の負担とダメージがなく、妊娠初期でうけられます。

ただし持病を有無を断定できないため、陽性反応がでれば確定検査をうけなければなりません。

クアトロ検査

クアトロ検査とは、妊娠15週〜17週の間に、採血で持病の確率を評価します。

的中率はダウン症87%、解放精神経管奇形83%、エドワーズ症候群77%です。

年齢と血液検査の結果で数値が高ければ、確定検査をうけるか検討しましょう。

コンバインド検査

コンバインド検査は、妊娠11〜13週の間に、エコーと血清マーカーを組み合わせて持病の確率を評価します。

的中率はダウン症83%です。

エコーでは、赤ちゃんの首の後ろ部分に超音波をあててむくみの度合いを測ります。

血清マーカーでは、母体の採血でタンパク質やホルモンの量が適正かみます。

2つの検査で持病の見込みがある場合は、確定検査をうけるか検討しましょう。

NIPT

NIPTは別名で新型出生前診断で、妊娠10週目以降、血液検査で持病の確率を評価します。

的中率は感度99.9%で特異度99.9%です。

クアトロ検査やコンバインド検査よりも早期に検査ができて、精度の高さが魅力です。

ただし確定検査ではないため、陽性反応がでた場合は確定検査をうけるか検討しましょう。

確定検査

確定検査は、赤ちゃんの持病の有無とその詳細を診断する検査です。

子宮の状態をみるため、母子に多少の負担があるため流産などの危険を伴います。

近年では、母子への危険を最小限に抑えるために非確定検査を先にうける方が増えています。

非確定検査で持病の見込みがあると評価された妊婦さんは、担当医と相談したうえで、確定検査をうけるか検討しましょう。

絨毛染色体検査

絨毛染色体検査は、妊娠11〜14週の間に胎盤の絨毛をとって、染色体の形と数から疾患の有無を確定します。

胎盤の絨毛を取るには母体の腹部に注射針を刺すため、約100人に1人の割合で流産や赤ちゃんの死亡リスクがあります。

同じ確定検査の羊水染色体検査よりも検査できる期間が早く、危険性の割合が低い点が魅力です。

羊水染色体検査

羊水染色体検査は、妊娠15〜16週以降に羊水を吸い取り、細胞の染色体の形や数から疾患の有無を確定します。

羊水を吸い取るには母体の腹部に注射針を刺すため、約300人に1人の割合で流産や赤ちゃんの死亡リスクがあります。

同じ確定検査の絨毛染色体検査よりも検査可能な期間が長い点が魅力です。

NIPTでは何がわかる?

NIPTでは染色体異常の有無、性別、特定の疾患が分かるのが特徴です。

それぞれの項目について解説します。

染色体異常の有無

NIPTでは21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの染色体異常の確率を評価できます。

母体の血液には赤ちゃんを構成するDNAが含まれているのです。

DNAを抽出して断片を解析した結果、通常よりも染色体の数が多いものがあれば疾患の可能性が高いです。

性別

NIPTでは母体の血液から赤ちゃんの染色体異常を調べるため、性別を判断できます。

なぜなら性染色体の組み合わせによって赤ちゃんの性別が決まるからです。

XとYで構成された染色体であれば男子、XとXで構成された染色体であれば女子です。

性別判定の精度は99.9%ですが確実ではないため、性別の公表をしない病院もあるでしょう。

特定の疾患

NIPTでは、染色体の数や形の異常をみつけることで疾患の確率を評価できます。

ただし、NIPTですべての疾患や異常をみつけられるわけではありません。

NIPTで陰性となっても出産後に赤ちゃんに疾患がみつかる可能性があることを理解しておきましょう。

NIPTを受けられる認定施設と非認定施設がある

NIPTをうけつけている病院は増えていますが、大きく分けて認定施設と非認定施設があります。

まず知っておくべき点として、非認定施設が悪いというものではありません。

それぞれの違いや特徴を正しく理解して、どちらを利用するか検討しましょう。

認定施設について

認定施設とは、日本医学会に認可されている病院です。

認可されるためには、臨床遺伝専門医の資格を持つ医師の在籍有無やアフターフォローする環境などの条件を満たす必要があります。

検査をうける環境は整っていますが、妊婦さんの年齢や既住歴など検査対象が厳しいです。

誰でも検査をうけられるわけではありません。

検査対象に該当していて、かつ安心安全の保証された病院を探している方におすすめです。

非認定施設について

非認定施設とは、日本医学会に認可されていない病院です。

ただし認可されていないからといって、違法性があったり安全性が保証されていないわけではありません。

在籍している医師の実績や病院の評判、陽性がでた場合の対応について問題がないか確認しましょう。

若い妊婦さんやはじめて出産する方で認可施設の検査対象に該当しない方におすすめです。

非認定施設は何歳でも受けられる

非認定施設のNIPTでは年齢制限がありません。

以前は「出産時の年齢が35歳以上が原則」となっていましたが、医学会から交付された指針によって、2022年2月18日からは、その年齢制限も撤廃されています。

NIPTを受ける最適な時期は?

NIPTは、妊娠10〜16週に採血をして検査結果を待つのが最適です。

早すぎると、母体の血液中に赤ちゃんの染色体が混ざりきらない症例があります。

また、遅すぎると確定検査に間に合わず、持病の有無を確定できません。

確定検査までのことを考えるのであれば10〜12週までに済ませるのが賢明です。

確定検査のそれぞれの実施時期

確定検査は、絨毛染色体検査が11〜14週の期間、羊水染色体検査が15〜16週以降に実施しています。

早すぎると、赤ちゃんの染色体が十分に抽出できず検査結果が乱れやすいです。

一方、遅すぎると陽性と判断された際に、出産するのか中絶するかなど妊婦さんとその家族の決断に使える時間が限られます。

非確定検査をうけてから確定検査を検討しているのであれば、逆算して余裕のある検査計画を立てましょう。

非確定検査のそれぞれの実施時期

非確定検査はクアトロ検査が15〜17週、コンバインド検査が11〜13週、NIPTが10週以降に実施しています。

注意点として、非確定検査の結果のみでは赤ちゃんの染色体異常を確定できません。

あくまで持病の見込みを評価するだけですので、確定検査をうけることも想定して早期に検査をうけましょう。

中絶をする場合は21週6日までに決断しなければいけない

中絶手術ができるのは、母体保護法により21週6日までです。

2013年にNIPTが導入され6万人以上の妊婦さんが検査をうけていますが、陽性が確定すると約9割が中絶を選択しています。

ただし、中絶は簡単に決断できるものではありません。

妊婦さんとその家族で話し合う時間を持つためにも、出生前検査は早期にうけましょう。

NIPTの精度は完璧?

NIPTの精度は完璧ではありませんが、数ある出生前診断の中でも精度の高さが認められています。

また、血液検査のため母体の負担の少なさも評価されているのです。

NIPTは99.1%だが、偽陽性が0.03%

具体的に、NIPTの精度は99.1%と発表されています。

ただし偽陽性、つまり持病がないにも関わらず持病があると診断される確率が0.03%あります。

偽陽性の結果を覆すためにも、NIPTで陽性反応がでたら確定検査をうけましょう。

まとめ

この記事では出生前診断の種類、NIPTから分かること、検査をするベストタイミング、正確性について解説しました。

NIPTは数ある出生前検査の中でも、検査できる時期の早さと精度の高さ、母体への負担の少なさが評価されています。

まずはNIPTをうけて、陽性反応がでてから確定検査をうけるか検討するのが最適でしょう。

病院によってNIPTがうけられる条件などが異なるため、お近くの病院に相談してみてください。