妊娠11週で性別はわかる?この時期にするべき健診についても解説
妊娠11週になると、胎児はミニトマト1個分の大きさに成長します。
ある程度大きくなってくるときになるのが、胎児の性別ではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠11週で胎児の性別が分かるのかを徹底解説します。
また、流産の可能性や妊娠11週に受けておくべき健診・検査もまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
妊娠11週で胎児の性別がわかる?
妊娠11週になると、胎児の大きさは4〜6cmに成長します。
エコーではギリギリ全身が映るでしょう。
大きくなってくると気になるのが、胎児の性別です。
ここでは、妊娠11週の妊婦健診で性別が分かるのかを解説します。
妊娠11週で性別を判別するのは難しい
まだ外性器が完成していない妊娠11週は、性別を判断するのは難しいです。
早くに性別を知りたい場合は、ベビーナブがおすすめです。
ベビーナブは、胎児の外性器となる部分の突起を見て性別を見分けます。
エコーの撮り方や胎児の姿勢によって判断しにくい場合がありますが、目安として性別を知っておきたい方にはよいでしょう。
性別判断ができるようになるのは妊娠14週以降
エコーを使用して性別の判断ができるようになるのは、妊娠14週以降になるでしょう。
胎児の外性器は妊娠12〜23週までに完成するといわれています。
妊娠14週でも胎児の大きさや姿勢などから性別を判断できない可能性があるので、もう少し大きくなった頃の妊婦健診で医師に聞いてみるとよいでしょう。
胎児の体勢によっては産まれるまでわからないことも
妊娠の週数が進むと胎児が成長するため、外性器の確認がしやすくなります。
しかし、エコーで確認する際の胎児の体勢次第では、産まれるまで性別を判断できないケースも少なくありません。
妊娠中に性別を知れたとしても、産まれたら違う性別だったということもあるため、産まれるまでの楽しみにしておくのも一つの手です。
妊娠11週の流産の可能性は?
妊娠をすると流産や早産といったトラブルが心配ですが、妊娠11週は流産の可能性があるのでしょうか?ここからは、妊娠11週の流産の可能性や兆候を解説します。
12週までは「早期流産」の可能性がある
妊娠11週では、まだ早期流産の可能性があります。
早期流産とは、妊娠12週までに起こる流産のことです。
心拍が確認できると妊娠を継続できる確率が上がりますが、まだ安心できません。
心拍確認後も何らかの理由で、胎児の心臓が止まってしまう可能性がゼロではないんです。
妊娠12週をすぎると流産の確率がグッと下がるため、「12週の壁」と呼ばれることがあります。
体調の変化や腹痛に注意
流産の兆候として、出血や腹痛があります。
妊娠11週で月経時のような出血や鮮血、腹痛を伴った出血には要注意です。
また、おなかがギューっと締め付けられる痛みを感じるときは、子宮収縮を起こしているサインなので、すぐにかかりつけの病院に相談してください。
忙しく生活をしていると体調の変化に気づきにくいため、ゆとりを持って過ごすのがよいでしょう。
気にしすぎは体調を壊す原因に
妊娠11週はまだ流産の可能性があるからといって、気にしすぎには注意してください。
妊娠中はさまざまなリスクがあるため、妊娠初期はどうしても流産のことばかりを気にしがちです。
しかし、ずっと不安を抱えていると不眠やストレスで母体に負担がかかるので、不安なことは医師や助産師に相談し、あまり考えすぎないようにしましょう。
妊娠11週のエコー検査で分かる21トリソミーの特徴
妊娠11週になると胎児の体の状態まで把握できるので、この時期のエコーで21トリソミー(ダウン症)かどうかを判断しやすくなります。
ここからは、妊娠11週のエコーでわかる21トリソミー(ダウン症)の特徴を解説します。
首のむくみ
妊娠11週で分かる21トリソミー(ダウン症)の1つ目の特徴は、後頭部や首の後ろのむくみです。
むくんでいる場合、エコーでは黒い影として写し出されます。
むくみ自体は通常の胎児にも起こりえることなので、むくんでいるからといって全員が21トリソミー(ダウン症)とは限りません。
また、むくみが少ないからといって、21トリソミー(ダウン症)ではないとも言い切れないのです。
21トリソミー(ダウン症)の判断は難しく、ほとんどが産まれてからわかります。
手足の長さ
21トリソミー(ダウン症)の2つ目の特徴は、手足の長さです。
妊娠11週のエコーを見た際に、通常の胎児に比べて手足が短い場合は21トリソミー(ダウン症)の疑いがあります。
しかし、胎児の成長が遅れていたりエコーの撮る位置がずれていたりする場合も、手足が短く映るため、判断は難しいです。
心臓の疾患
21トリソミー(ダウン症)の3つ目の特徴は、心臓の疾患です。
染色体異常を持つ胎児は心臓に疾患を抱えている場合が多く、血液の逆流があると21トリソミー(ダウン症)の可能性が高まります。
しかし、妊娠15週未満である妊娠11週はまだ胎児が小さいため、心臓病の判断は困難です。
専門の医師による診察や胎児心臓エコー検査を行い、慎重に判断します。
妊娠11週に受けておくべき健診や検査について
妊娠中は妊娠糖尿病や妊娠高血圧といった、さまざまな病気になりやすいとされています。
事前に検査をして危険性を知っていれば、病気を予防できるかもしれません。
そこで、妊娠11週に受けておくべき健診や検査はどのようなものがあるのでしょうか?
妊婦健診
妊娠11週前後の妊婦健診は血液検査も行うため、必ず受けてください。
この時期に行う血液検査は体内の水分バランスや栄養状況、血糖値などを調べます。
検査結果次第で、食事管理の指導や点滴の治療を行う可能性があるでしょう。
また、抗体検査も同時に行うため、医師の説明をよく聞いて、抗体が少ない感染症にかからないための対策が必要です。
血糖値の検査
妊娠中期の妊婦健診で行う血糖値の検査ですが、家族に糖尿病を患っている方がいる妊婦さんは妊娠糖尿病を発症しやすいため、妊娠初期にも行うと安心です。
血糖値の検査(血糖負荷検査OGTT)は、規定量のブドウ糖を混ぜた炭酸水を飲んで行います。
一度引っかかると、2回目の検査も行わなければなりません。
妊娠糖尿病になると、インスリン注射を打たないといけなかったり食事制限がかかったりと、大変な妊娠生活を送ることになります。
そうならないためにも、妊娠11週に血糖値の検査(血糖負荷検査OGTT)を受けておくとよいでしょう。
NIPT(新型出生前診断)
NIPT(新型出生前診断)は、胎児の先天性異常や母体の状態を事前に把握できる検査です。
妊娠11週頃であれば採血のみで検査できるため、妊婦さんの負担が少ない検査として人気があります。
また、NIPT(新型出生前診断)を実施している施設によっては、胎児の性別を検査できる場所もあるようです。
検査の費用は、保険適用されず実費になります。
施設によって費用に差があるため、検査を受ける前に電話して聞いておくと安心です。
まとめ
妊娠すると胎児の性別が気になりますが、妊娠11週ではまだ胎児の外性器が完成していないため、エコーで性別の判断はできません。
しかし、ベビーナブやNIPT(新型出生前診断)といった方法であれば、胎児の性別を早くに知れる可能性があります。
性別ばかり気にしてしまい、ストレスや不眠といった母体に悪影響を及ぼす状態にならないことが重要です。
健康的な妊娠生活を送るためにも、紹介した妊娠11週で受けるべき健診と検査を行いましょう。
参考文献
・日本産科婦人科学会 – 産婦人科診療ガイドライン―産科編―2020
・医学書院 – 週数別 妊婦健診マニュアル
・日本産科婦人科学会 – 人工妊娠中絶について教えてください。