/ NIPT/

NIPTは35歳以下から対象?NIPTの特徴について

パートナーとの愛の結晶である赤ちゃんを授かった喜びはひとしおです。

とにかく無事に生まれてきてほしいと思うものです。

しかし、人によっては、お腹の赤ちゃんの状態が気になる場合もあります。

そんな時に受けられる新型出生前診断niptをご存知でしょうか。

この記事では、NIPTは何歳から受けられるのか、どんな特徴があるのか分かりやすく解説します。

niptをお考えの方、興味のある方ぜひ参考にしてみてください。

NIPTとは?

新型出生前診断のNIPTとは染色体検査のことです。

妊婦さんの血液を採取して、お腹の赤ちゃんに染色体異常が見られないか検査します。

母体にも胎児にも大きな影響がなく受けられるので、ここ数年受ける方が増えています。

NIPTを受けられるのは妊娠10週目の妊婦さんからです。

検査精度は、他の検査に比べて高いものですが、確定診断は行えません。

そのため、陽性診断を受けたら、羊水検査などの確定検査を受けましょう。

NIPTの特徴3つ

ここからは、NIPTの特徴を3つ解説します。

胎児のリスク、検査制度の高さ、妊娠10週から調査可能なことについてです。

胎児にリスクがない

NIPTはほとんどリスクのない検査です。

検査方法としては、妊婦さんの腕から血液を採取するのみのため、流産のリスクがない安全な検査と言えるでしょう。

ちなみに出生前診断である羊水検査の場合は300分の1、繊毛検査のリスクは100分の1の確率で流産のリスクがあります。

検査精度が高い

NIPTの検査精度の高さは、目を見張るものです。

とくに21番目の染色体が通常より1本多くなる21トリソミー(ダウン症候群)においては、感度99.9%、特異度99.90%です。

感度は検査の時に陽性で、出産後も陽性の確率です。

特異度は検査の時に陰性、出産後も陰性だった確率を表しています。

この数値が大きければ、精度が高いと言えます。

妊娠10週から調査できる

従来行われてきた非確定的検査は、母体血清マーカーやコンバインド検査です。

それらが可能になる時期は、早くて妊娠11週でした

しかしNIPTであれば、妊娠10週に入れば、すぐにでも検査を実施できます。

そのためお腹の赤ちゃんの状況を早めに知りたいと思う方におすすめです。

NIPTで検査できること3つ

検査できるのは、以下3つの染色体異常です。

  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトウ症候群)

これらについて、下記で詳しく説明します。

ダウン症候群

NIPTの検査によって、お腹の赤ちゃんが21トリソミー(ダウン症候群)かどうかがわかります。

ダウン症の原因は、21番染色体が通常より1本多く3本あることです。

この21番染色体は最小の常染色体です。

ダウン症がその他の染色体異常よりも、心奇形になる確率が少ないのは、そのためと考えられています。

多くのダウン症は、IQや運動機能の発達が遅れます。

その他、合併症が起こりやすいことも指摘されています。

しかし、その程度は個人差が大きく、ハンディがありながらも社会で活躍することも可能です。

エドワーズ症候群

エドワーズ症候群が報告されたのは、1960年のことです。

イギリスのジョン・H・エドワーズによる報告であったため、エドワード症候群と呼ばれるようになりました。

18トリソミーであるエドワーズ症候群は、18番目の染色体が1本多い染色体疾患です。

受精しても出産にまで至らないケースが多く、出産まで至っても、そのほとんどは生後1週間以内に亡くなってしまいます。生後1年を過ぎて生存する確率は10%未満とされていますが、その反面、成人になっても健在でいられる場合もあります。

パトウ症候群

パトウ症候群はパトウによって発見された遺伝疾患です。

13トリソミーとも言われるパトウ症候群は、13番目の染色体が1本多いか、一部が重なっている状態です。

パトウ症候群の赤ちゃんは体格が小さく、成長や発達が遅いことなどで知られています。

身体的な特徴は、口蓋裂、心臓の欠陥などが考えられます。

そんなパトウ症の約8割は、重い心臓疾患を患っているとされています。。

また、男の子の精巣位置の異常、女の子の子宮異常なども見られます。

そして、重い知的障害が多いことでも知られています。

NIPTで検査できないこと4つ

残念ながら、NIPTで全ての障害を検査できるわけではありません。

なかには、検査できない障害もあるので、覚えておいてください。

ここでは、niptで検査できない障害を4つご紹介します。

  • 視覚障害
  • 聴覚障害
  • 自閉スペクトラム
  • ADHD

視覚障害

胎児の視覚障害は判断不可能です。

NIPTの検査でも発見されることはまずありません。

そんな視覚障害には程度があります。

まったく見えない全盲、視力を矯正できない弱視、視覚範囲が狭い視野狭窄です。

多くの自治体では、3〜4ヶ月健診で初めて視覚検査を行います。

つまり多くの場合出生後3~4か月経ってようやく視覚に障がいを持っていることが判明するということです。

聴覚障害

聴覚障害もNIPTでは検査できません。

そんな聴覚障害は音の伝達がうまくできない障害です。

聴覚障害は、まったく聞こえない全聾、音を聞きにくい難聴に分かれます。

また新生児聴覚検査で聴覚の異常が発見されることがあります。

自閉スペクトラム

発達障害の一つである自閉スペクトラムも検査不可能です。

発達障害は、子どもが成長していく課程でわかるようになります。

自閉症やアスペルガー症候群などを総称して自閉スペクトラムと呼びます。

こだわりの強さ、コミュニケーション力の欠如等が多く見られるのが特徴です。

ADHD

発達障害の一種であるADHDもNIPTではわかりません。

ADHDは落ち着きがない、衝動的な行動、集中力が続かないなどの症状があります。

脳のドーパミンにおける機能障害とも言われています。

NIPTに年齢制限はない

NIPTにはかつては35歳以上という年齢制限がありましたが、2022年に日本医学会で公布された指針により、現在は35歳以下でも検査可能となっています。

なぜ今までは35歳が基準であったかというと、高齢出産によるリスクのためです。

35歳を基準に、ダウン症を始めとする染色体異常の赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。

ダウン症児のデータによると、妊婦の年齢が40歳の場合は84人に1人です。

それが35歳になると338人に1人になります。

さらに若い30歳でも959人に1人、25歳でも1383人に1人はダウン症児がいます。

このように染色体疾患を持つ赤ちゃんは、35歳未満の妊婦でもあり得ることです。

こういった経緯を踏まえ、35歳未満のNIPTが可能になりました。

ただし、NIPTを受けられる医療機関は限られています。

NIPTを受検した方の中絶率とは?

こちらはNIPTを受検した方の中絶率です。(2013年~2018年)

  • 782例の21トリソミーで643例→およそ87%
  • 396例の18トリソミーで208例→およそ60%
  • 120例の13トリソミーで47例→およそ68%

これらの例は、NIPTの陽性がわかった後に、羊水検査などの確定検査を受けた後です。

いずれも高い中絶率を示していることがわかります。

NIPTを受検した妊婦の声/受けなかった妊婦の声

NIPTを受けた妊婦さんの声、受けなかった妊婦さんの声を聞いてみることは大事でしょう。

NIPTを受けた妊婦さんだからこそ抱く意見があります。

また、受けなかった妊婦さんならではの意見もあるものです。

それにあわせ、NIPTを受けて妊婦さんが感じたこともご紹介します。

NIPTを受験した妊婦さんの意見

以下はNIPTに関する主な意見です。

  • 出生前調査は、リスクの有無で区別せず、平等に提供されるべき
  • 遺伝カウンセリングがある施設で受けるべき
  • 年齢制限がない方が良い

意見が割れているのは、NIPTは国や学会による一定の制限が必要か否かについてです。

必要という意見26.7%に対し、どちらでもないと必要ないという意見は同程度で、39.2%と34.1%でした。

NIPTを受検しなかった妊婦さんの意見

こちらはNIPTを受けなかった妊婦さんの意見です。

・染色体疾患のマイナス面だけではなく、プラス面も出してほしいと思う。自分自身は検査を受けず、ダウン症の赤ちゃんを出産したが、後悔していない。

・NIPTで異常がわかるだけでなく、胎児から治療できるようになってほしい。

このように、NIPTを受けなかった妊婦さんにも、それぞれの意見や考えがあることがよくわかります。

NIPTを受検で妊婦さんが感じたこととは?

実際NIPTを受けた妊婦さんは、胎児の染色体疾患を心配している方です。

その中にもそれぞれ思いがあります。

たとえば、迷いながら家の状況を考え夫婦で話し合って決めた、たとえ障害があっても受け入れたいと思ったという複雑な気持ちで受けた妊婦さんもいらっしゃいます。

また、結果がどうであれ、万全な体制で赤ちゃんを迎えたいと思ったという前向きな気持ちの方もいらっしゃいました。

まとめ

NIPTを受けることでお腹の赤ちゃんの染色体疾患などがわかります。

以前は35歳以上が対象だった検査ですが、現在は年齢を問わずに受けられます。

やり方は妊婦さんの腕から血液を採取するのみで胎児に悪影響はまずありません。

そして陽性であった場合は確定検査を受けないと詳しい状況はわかりません。

高齢出産の妊娠さんなど、気になることがある方は、確定検査を検討してみましょう。

かかりつけのお医者様に相談してみることも重要です。