つわりで性別が決まる?つわりが始まる時期や妊娠悪阻についても解説
妊娠中の女性や赤ちゃんに関連するジンクスは多く、「つわりの症状によって赤ちゃんの性別が分かる」とされているものもあります。本記事では、つわりで性別が判別できるかどうかや、つわりのメカニズム・代表的な症状・つわりがひどい場合の対処法などをご紹介します。赤ちゃんの性別が気になっている妊娠初期の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
つわりで性別が分かるのか?
つわりの症状の程度やあらわれ方には個人差があります。ほとんど症状があらわれない方もいる一方で、日常生活に深刻な影響が出る方もいるでしょう。実は、つわりで性別が分かるとされている俗説があります。ここでは、つわりと性別の関係や胎児の性別が分かる週数などをご紹介します。
つわりで性別が分かるのはジンクス
つわりの強弱や種類によって性別は分かりません。
現在は、エコー検査で性別を判定できますが、昔は、赤ちゃんの性別は生まれるまで分かりませんでした。そのため、妊婦さんの体調やお腹の様子などから、性別を判定するジンクスが生まれたとされています。「つわりで性別が分かる」と言われているのもジンクスの1つです。
このようなジンクスは広く流布しているぶん、現在も年配の方を中心に信じている方もたくさんいます。妊婦さんのなかには、まわりの方から性別についていろいろいわれ、気にしている方もいるかもしれません。しかしあくまで迷信なので、ジンクスは気にせず、ゆったりと過ごしましょう。
性別は受精した瞬間に決定
胎児の染色体がXXだと女の子、XYだと男の子が生まれます。卵子はXの染色体しか持っていないので、精子の染色体がX染色体であるか、Y染色体であるかによって性別が決まるのです。
また、胎児の性別は外性器で判断しますが、外性器が形成されるのは妊娠11週目くらいからです。妊娠4か月後半~5か月前半くらいになると、どちらの性別なのかエコー検査で判別がつくようになります。医師から性別が告げられるのもこの時期です。
なお、特定の日に性交をおこなえば男の子、もしくは女の子が生まれるといったジンクスもありますが、こちらも決して正しくありません。
性別が分かるのは妊婦健診時のエコー
妊婦健診時にエコー検査を行なえば、胎児の性別は分かります。妊娠4か月後半~5か月前半の検診で告げられるケースが多いでしょう。ただし、エコー検査の精度も100%ではありません。赤ちゃんが後ろを向いていたり、へその緒がちょうど股間にかかっていたりしている場合は、臨月近くまで性別が分からないケースもあります。
また、へその緒が男性器のように見えたり、男性器を股の間に挟んで見えなかったりした場合などは、性別が勘違いされるケースもあるでしょう。なお、妊婦さんが希望しない限り性別を告げない方針の病院もあります。
性別が早く分かれば赤ちゃんグッズも性別に合わせてそろえやすいですが、生まれるまで分からないワクワク感を楽しみたいと考える方も少なくありません。
つわりのメカニズムや対処法
妊娠すると多くの方が悩まされる症状がつわりです。ここでは、つわりが発生するメカニズムやつわりの種類、対処方法をご紹介します。
つわりには個人差が大きいので、症状もさまざまですが永遠に続くものではありません。リラックスして過ごすよう心がけましょう。
8割の妊婦が体験しピークは8~10週
つわりとは、妊娠4週目の終わりから5週目ごろより始まる、体の不調の総称です。つわりの主な症状は以下のようなものです。
- 吐き気
- 食欲不振
- 眠気
- 味覚の変化(特定のものしか食べられないなど)
- 食べていないと気持ち悪くなる
- よだれが出続ける
- 匂いに敏感となる
つわりが起こる原因やメカニズムは、はっきりと分かっていません。つわりは妊婦の8割が経験し、妊娠8~10週にピークを迎え、12週~16週程度になるとだんだんとおさまってくるのが一般的です。
ただし、つわりの時期は個人差があり、人によっては臨月まで続く場合もあります。つわりがひどいときは無理をせず、安静にして過ごしましょう。
つわりの代表的な症状
つわりには、代表的な症状ごとに名前がつけられています。
吐きづわり | 吐き気が強く出る食事が摂れない場合もある |
食べづわり | 空腹感を覚えると気分が悪くなる常に何か食べていないとつらい |
においづわり | においに敏感になるにおいで嘔吐感を覚える場合も多い |
眠気づわり | 眠気やだるさが強く出る |
よだれづわり | 粘つきがあるよだれが多く出る口の中が気持ち悪く感じる |
なお、つわりの症状が単独で出る場合もあれば、複数の症状が同時に出る方もいます。また、週数によって症状が変わり、吐きづわりがおさまったら眠気づわりが出るような方もいます。10人の妊婦さんがいれば、10通りのつわりの症状が出ると考えましょう。
つわりで苦しい場合の対処法
つわりに明確な治療法はありません。つわりの症状が強く出たら、まずは無理をしないようにしましょう。妊娠中でも、仕事を続ける女性も珍しくありません。しかし、ストレスを強く感じるとつわりの症状が強くなる方もいます。
「つわりでも頑張らないと」と自分を追い詰めず、「つらいから休もう」といった気持ちで日々を過ごしましょう。食べられるものを食べられるときに食べても、問題ありません。
栄養バランスを気にする方もいらっしゃいますが、無理をして食べるとつわりが悪化する恐れもあります。また、食欲がないときでも、水分だけは摂取するようにしましょう。
病院に行くべきつわりの症状
つわりは妊娠中の一時期に発生する症状です。リラックスしたり自分で過ごしやすい方法で日々を過ごしたりして対処しましょう。
しかし、食事や水分が過度に摂れなくなったり、尿の成分にケトンが出る代謝障害になったりすると、「妊娠悪阻」と診断されて治療の対象になります。ここでは、病院を受診するつわりの症状の目安をご紹介します。
吐き気が酷い
吐き気は、つわりの中でも最もあらわれやすい症状です。毎食後に吐いてしまう方も珍しくありません。食べられるものを食べられるときに食べるのが、つわりを乗り切るコツですが、人によっては水分すら受け付けなくなる方もいます。
病院に行く目安としては、水を飲んだだけでも吐く状態が数日続いたときです。水を飲んでもすぐに吐いてしまうと、脱水症状に陥る可能性があるでしょう。以下のような症状が出た場合は、至急病院を受診しましょう。
- 喉は渇いているのに水分は受け付けない
- 疲労感が酷い
- 頭がぼんやりする
脱水症状は夏場だけでなく冬にも起こります。水も飲みにくくなったら、早めに医師に相談しましょう。
日常生活が困難になった
吐き気、眠気、だるさなどつわりの症状は人さまざまですが、日常生活が困難になるほど症状が酷い場合は、病院を受診しましょう。漢方によって症状の軽減を図ったり、落ち着いて休める空間を提供したりとさまざまなアプローチを行っている病院があります。
つわりがつらくて困っている方は、「つわり外来」がある病院を探して受診してみるのも一つの方法です。つわり外来とは、つわりのつらさを軽減する治療が受けられる診療科で、大阪や東京などの都市部を中心に増えています。
つわりが急になくなった
つわりは、ある日急になくなる場合もあります。特に、12週以降につわりが急におさまった場合は、ごく自然なことだと考えましょう。ただし、つわりがピークとなる6週~9週の頃、ある日急につわりがおさまった場合は、注意が必要です。
妊娠12週未満の頃は、初期流産が発生しがちな時期でもあります。初期流産は誰にでも起こる可能性があり、兆候なく発生する場合も珍しくありません。流産すると女性ホルモンの分泌が減少するので、つわりがなくなるケースもあります。
しかし、つわりがなくなったからといって必ずしも流産とは限りません。つわりがなくなったのと同時に、周期的な腹痛や不正出血があったら、できるだけ早く病院を受診しましょう。
まとめ
つわりのひどさや症状で性別は分かりません。性別はエコー検査が最も正確であり、妊娠15週以降になればはっきりと分かります。また、つわりの症状が軽減する明確な治療法はありません。いつか終わるものと考えて、できる限りリラックスして過ごすように心がけましょう。
参考文献
・MSDマニュアルプロフェッショナル判-妊娠悪阻
・日本生殖医学会-年齢が不妊・不育症に与える影響