エコーで性別はいつ頃分かる?見分け方やエコー以外の方法もご紹介!
妊婦検診では赤ちゃんや子宮の様子をエコーで確認します。妊娠週数が進むにつれ、赤ちゃんの性別が男女どちらなのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、性別が分かる時期や見分け方、エコー以外で性別を調べる方法などをご紹介します。
エコー画像の見方が分かれば、赤ちゃんがすくすくと育つ様子を、毎回の検診時により身近に感じられます。ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
妊娠12週目の赤ちゃんは何センチ?
妊娠12週(妊娠4か月)の赤ちゃんは頭からお尻までが5cm〜6cmほどで、大人の小指と同じくらいの大きさです。妊娠9週ごろの2倍近くの大きさに成長し、手や足がはっきりした人間らしい体つきになります。
筋肉の発達にともない、体の伸び縮みや、パンチやキックをする元気な姿をエコーで見られるケースも珍しくありません。しかし、まだ赤ちゃんが小さいため、元気な動きを胎動として感じられるのはもう少し先になります。
性別が決まるのは受精時
赤ちゃんの性別が決まるタイミングは受精した瞬間、つまり妊娠超初期です。精子と卵子が持つ染色体の組み合わせと、赤ちゃんの性別を示す以下の表を確認してみましょう。
赤ちゃんの染色体 | 精子の染色体 | 卵子の染色体 | |
男の子 | XY | Y | X |
女の子 | XX | X | X |
女性由来の卵子はX染色体を持つため、性別を決めるのは男性由来の精子であることが分かります。赤ちゃんの体が作られる前から、男女どちらになるかは決まっているのです。
エコーで性別はいつ分かるの?
実際にはずっと前に決まっているのですが、エコーで性別が分かるのは外性器の男女差が見られる妊娠12週以降です。この章では、エコーで性別がわかる時期を男女別にご説明します。
エコーで「男の子」と分かるのは14週〜15週ごろから
男の子は足の間にある「陰茎」がうまくエコーに写れば、妊娠4か月の後半(14週〜15週ごろ)に性別が判明します。しかし、小さな陰茎がうまくエコーに写らなかったり、へその緒と区別しづらかったりするケースも珍しくありません。
妊娠20週を越えると外性器が見やすくなるため、14週〜15週ごろの検診で性別が分からなくてもがっかりせずに次の妊婦検診を待ちましょう。
エコーで「女の子」と分かるのは17-18週ごろから
女の子は妊娠5か月の中盤(17週〜18週ごろ)から、木の葉やコーヒー豆にたとえられる「真ん中に線の入った会陰部」が見られ、性別が分かり始めます。また、エコーで膀胱と子宮が一緒に見えて、足の間に明らかに陰茎が確認できないケースも女の子です。
ただし、会陰部は陰茎よりエコーで確認しづらいため、女の子の性別判明は男の子よりも遅い傾向があります。
エコーは性別以外に何が分かるの?
妊婦検診で、主治医は性別以外に何をチェックしているのでしょうか。この章では、妊婦検診のエコーのチェック項目を説明します。
次の診察時、今までよりもエコー内容が分かるようになるので、順番にみていきましょう。
1.成長・向きは順調か
エコーでは赤ちゃんの大きさを測定し、妊娠週数に応じて順調に成長しているかを確認します。また、子宮内の赤ちゃんの向きを確認し、逆子の判定も行います。エコーで測定する項目は、以下のとおりです。
AC | お腹まわりの長さ |
AGE・GA | 妊娠週数 |
BPD | 頭蓋骨の横幅 |
CRL | 頭の先からお尻までの長さ |
FL | 太ももの骨の長さ |
SD | 平均との差 |
上の測定値はエコー画像のモニターや写真に表示されるため、次の検診時に確認してみてはいかがでしょうか。
2.骨や内臓の発達は正常か
赤ちゃんの大きさに加えて、骨や内臓の発達具合も大切な確認項目です。赤ちゃんに異常が見つかった場合、周産期医療センターや大学病院などで専門的な検査や治療の準備を行います。
また、毎回の妊婦検診に加えて、妊娠20週や30週ごろに脳や心臓などを細かく確認する「胎児スクリーニング」をする医療機関が多いです。産科医はエコーにより、赤ちゃんの成長を体の内部までチェックします。
3.胎盤やへその緒の状態は安全か
エコーでは赤ちゃんだけでなく、同じ受精卵から作られる「胎盤」や「へその緒」の状態も確認します。へその緒や胎盤の状態を確認する理由は、以下のとおりです。
前置胎盤・低置胎盤 | 出産時の出血リスクが高い |
へその緒のねじれが大きい | 赤ちゃんの成長を妨げるおそれがある |
安全な出産のために、主治医は胎盤やへその緒の状態もしっかりと確認しています。
エコーでダウン症の可能性は分かるの?
産まれてくる赤ちゃんがダウン症ではないか、心配な方もいらっしゃるでしょう。この章では、エコーでダウン症の可能性を調べる方法を4つご紹介します。赤ちゃんのダウン症が心配な方は参考にしてください。
1. 首のうしろのむくみを見る
妊娠12週ごろにNTという赤ちゃんの首うしろのむくみをエコーで測定し、ダウン症を始めとする染色体異常の可能性を推測します。
NT=3.5mmが1つの基準とされますが、赤ちゃんの大きさにより主治医の判断が異なるケースや、NTが大きくても赤ちゃんに障害がないケースも珍しくありません。NTの値でダウン症の確定診断はできないため、心配な方は主治医に相談してほかの検査を検討しましょう。
2.頭の大きさや手足の長さを見る
ダウン症の赤ちゃんはBPD(頭蓋骨の大きさ)が大きく、FL(太ももの骨の長さ)が小さいケースが多いのが特徴です。そのため、頭の大きさや手足の長さからも、ダウン症の可能性を推測できます。
ただし、赤ちゃんの体型には個人差があるため、気になる場合は抱え込まずに主治医に相談しましょう。
3.鼻の形や顔の特徴を見る
ダウン症の赤ちゃんには、以下の特徴が顔に見られるケースがあります。
- 鼻骨の発達が遅い
- 唇が小さく、口の形があいまい
鼻骨の測定は条件が厳しく、通常の妊婦検診での実施は困難です。顔の形は遺伝や個人差もあるため、エコー写真からの自己判断は避け、不安な点は主治医に相談しましょう。
4.心臓の疾患があるかを見る
ダウン症の赤ちゃんの50%が先天性の心臓疾患を持って産まれます。そのため、心臓の状態もダウン症の可能性を判断する1つの要素です。
ダウン症では、心臓内を区切る壁に穴があるケースがよくみられます。成長に従って自然に穴が閉じる方もいますが、穴が大きいケースでは出産後に薬による治療や手術を行います。
エコー以外で性別やダウン症を調べる2つの方法
お腹の出方や胎動などで赤ちゃんの性別を占うジンクスがありますが、科学的な根拠はありません。
この章では、性別やダウン症が確実にわかるエコー以外の方法をご紹介します。希望しないと受けられない検査のため、事前に確認しておきましょう。
1.妊婦の血液を調べるNIPT(新型出生前診断)
NIPTは、赤ちゃんの染色体異常や性別を妊婦さんの血液から調べる検査です。妊娠10週ごろから受けられるため、エコーよりも早い時期に性別を判定できます。NIPTの特徴は以下のとおりです。
調べられる項目例 | 21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー13トリソミー性別 |
特徴 | 検査による流産リスクがない精度が高い |
実施時期 | 妊娠10週ごろから |
NIPTでは染色体異常のみを検査し、性別を知らせない方針の医療機関もあります。性別を知りたい方は、事前に性別判定の有無を確認してから検査に臨みましょう。
2.妊婦の羊水や胎盤を調べる羊水検査・絨毛検査
羊水検査・絨毛検査は羊水や胎盤の一部である絨毛を採取し、染色体異常の有無を調べる検査です。検査による流産リスクはありますが、ダウン症や性別をほぼ100%判定できます。
検査の特徴は以下のとおりです。
羊水検査 | 絨毛検査 | |
検査時期 | 15 週~16 週以降 | 11 週以降 |
流産リスク | 0.3%~0.5% | 1% |
検査時期によっては、エコーよりも早く性別が分かるケースもあります。性別判定のために受ける検査ではありませんが、もし羊水検査・絨毛検査を受ける場合は性別を確認するのもよいでしょう。
出産前に赤ちゃんの性別を確認する?
現在はエコー技術の発達によりほとんどのケースで出産前に性別が判明し、妊婦検診で赤ちゃんの性別を確認する妊婦さんが8割〜9割を占めるといわれています。しかし、性別を知りたくなかったのに主治医が伝えてしまい、残念に思った妊婦さんもいるようです。
希望する出産ができるよう、赤ちゃんの性別を知りたくない場合は主治医にあらかじめ伝えておきましょう。
まとめ
妊婦検診のエコーにより男の子は妊娠14週ごろ、女の子は妊娠17週ごろから性別が判明し始めます。
一方、エコー以外では遺伝子疾患を調べる検査によりほぼ100%の性別判断が可能です。検査を受ける方は、一緒に性別を確認するのはいかがでしょうか。
男女どちらでも、赤ちゃんがかけがえのない宝物であることに変わりはありません。穏やかな妊婦生活を送り、赤ちゃんの誕生を楽しみに待ちましょう。
参考文献
・日本産科婦人科学会-産婦人科診療ガイドライン産科編2020
・日本産科婦人科学会-臍帯過捻転・過少捻転
・日本産科婦人科学会-前置胎盤
・日本産科婦人科学会-Nuchal Translucencyについて
・日本心臓財団-ダウン症に合併する先天性心疾患の病型