妊娠5か月で飛行機に乗っても大丈夫?注意すべきポイントを解説
妊娠5か月は妊娠中期に入り、つわりが治まり胎盤が完成するため「安定期」と呼ばれる時期です。
体調が安定して、飛行機に搭乗する予定を検討する場合もあるでしょう。
しかし、「安定期とはいえ飛行機に乗っても大丈夫?」と不安に感じている妊婦さんも多いでしょう。
そこで、今回は妊娠5か月で飛行機に乗る際の注意点や日常生活で気をつけたいポイントを紹介します。
ぜひ、最後までご覧ください。
この記事の内容
妊娠5か月ってどんな時期?
妊娠5か月では、お母さんと赤ちゃんにどのような変化があるのでしょうか。
まずは、下記の時期での変化についてそれぞれ紹介します。
- 妊娠中期(14週0日~27週6日)
- 妊娠後期(28週0日~)
妊娠中期、後期でどのような変化があるのか具体的にみていきましょう。
1.妊娠中期(14週0日~27週6日)
妊娠5か月は、妊娠中期に区分されます。
妊娠中期は、胎盤の基本構造が完成し、体内のホルモンの状態が安定してくる時期です。
また、胎児の動きが活発となり、胎動を感じられるようにもなります。
体調が安定してくるため、妊婦さんにとっては少し安心する時期といえるでしょう。
2.妊娠後期(28週0日~40週6日)
妊娠28日0日〜は、妊娠後期に区分されます。
妊娠後期は、お腹が非常に大きくなり、歩くたびに肩で息をするお母さんも多くなる時期です。
胎児の身体は、内臓が完成して爪ができ、皮膚に張りが出てきます。
妊娠5か月頃のお母さんの様子は?
妊娠5か月のお母さんは、妊娠初期の頃よりも心身のコンディションが整いやすくなります。
妊娠5か月のお母さんの様子で、特に把握しておきたいのは以下の点です。
- 妊娠2か月頃から続いたつわりが治まる
- 妊娠初期より流産の確率は低くなる
- 外見からお腹のふくらみが分かる
どのような変化が生じるのか、詳しく確認してみましょう。
妊娠2か月頃から続いたつわりが治まる
妊娠5か月は、妊娠初期から続いたつわりが治まる時期です。
個人差はありますが、つわりは妊娠5週頃に始まり、妊娠16週頃には治まります。
しかし、胎児の成長がお母さんの胃腸を圧迫し、一度落ち着いたはずのつわりがぶり返してしまう場合も少なくありません。
なかには出産直前までつわりが続いてしまう方もいます。
もしも、つわりのぶり返しがある場合は、食べる量を調整して胃腸に負担をかけないようにして、無理せず過ごすようにしましょう。
妊娠初期より流産の確率は低くなる
妊娠5か月での流産の確率は、妊娠初期と比較すると低くなります。
流産は発生時期により、下記のように分類されます。
- 早期流産(妊娠12週未満)
- 後期流産(妊娠12週以降)
流産は妊娠した方のおよそ15%に起こり、そのうち13.3%は早期流産です。
後期流産は1.7%と発生確率は大幅に減少しますが、危険性が全くなくなるわけではありません。
流産の兆候となる症状としては性器出血や下腹部痛があるので、普段から体調の変化に気を配りましょう。
外見からお腹のふくらみが分かる
妊娠5か月頃になると、子宮が大人の頭くらいの大きさになるため、外見からもお腹のふくらみが分かるようになります。
お母さん自身にとっても、赤ちゃんの成長を実感しやすいでしょう。
胎児に栄養を送るために、お母さんの身体は皮下脂肪を蓄え、お腹だけではなく全体的にふっくらします。
妊娠中は身体に負担をかけないように、ゆったりとした服を着るようにしましょう。
妊娠5か月の胎児の様子は?
妊娠5か月の胎児はめざましく成長していく時期です。
ここでは、妊娠5か月の胎児の様子について下記の3つに分けてご紹介します。
- 大きさの目安
- 性別が分かる
- 動きが活発化し胎動を感じる
胎児がどのように成長し、変化していくのか具体的に確認してみましょう。
大きさの目安
「妊娠5か月の胎児はどのくらいの大きさに成長するの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
胎児の大きさの目安は、下記の表のとおりです。
週数 | 体重 |
16週 | 約105g |
17週 | 約145g |
18週 | 約126~247g |
19週 | 約166g~328g |
妊娠16週の胎児の大きさはリンゴ1個くらいで、羊水を飲んだり、おしっこをしたりします。
胎盤よりも大きく成長し、足の5本の指が見え、手や足を動かすようになる頃です。
性別が分かる
妊娠5か月頃には性別が分かります。
骨や筋肉が発達してきて胎児らしい体つきとなり、超音波検査で外性器がよく見えれば性別が判別できるようになる時期です。
女の子の場合は、子宮と膣、卵管などが作られます。
なかには「産まれてくるまで性別を知りたくない」と考えるお母さんやお父さんもいるかもしれません。
産まれるまで性別を知りたくない方は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。
動きが活発化し胎動を感じる
妊娠5か月頃には胎児の動きがより活発化し、胎動を感じられるようになります。
この時期にはお母さんの声が聞こえるようになり、お腹の赤ちゃんが反応する場合もあります。
お腹をさすりながら、声をかけてみるのもよいでしょう。
胎動がなかなか感じられず、不安になっているお母さんもいるかもしれません。
ただし、胎動の感じ方には個人差があります。
妊婦検診での超音波で、胎児の元気な姿が見られている場合は特に心配はいりません。
妊娠5か月での飛行機搭乗によるリスクはある?
妊娠5か月での飛行機搭乗によるリスクは下記の2つです。
- エコノミークラス症候群になりやすい
- 気圧の変化によるトラブル
それぞれ母体や胎児にどのようなリスクがあるのか、具体的にご紹介します。
エコノミークラス症候群になりやすい
エコノミークラス症候群とは、長時間座ると血流が悪くなって血栓ができ、立ち上がった際に肺の静脈に詰まって呼吸困難を引き起こす状態です。
大きくなった子宮に腹腔内の静脈が圧迫され、より血流が悪くなります。
非妊娠時よりもリスクが高くなるため、注意しなければなりません。
気圧の変化によるトラブル
妊娠5か月頃になると体調が安定し、旅行や出張などで飛行機への搭乗を検討する方もいるでしょう。
しかし、気圧の変化によってつわりが悪化したり、子宮が圧迫されたり、頭痛や頻尿の症状が出る可能性があります。
飛行機に乗る場合は、事前にかかりつけの医師へ相談しましょう。
日常生活で気をつけたいポイント
日常生活で気をつけたいポイントは2つあります。
- 不調を感じたら無理をしない
- 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高くなるため注意する
対処法を知っておかなければ、母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
気をつけたいポイントをそれぞれ具体的にご紹介します。
不調を感じたら無理をしない
もしも妊娠中、不調を感じたら無理をせず心身を休ませましょう。
安定期とはいえ、胎児の成長で胃が圧迫されたり、貧血で立ちくらみが出たりといった不調が生じます。
さらには、ホルモンバランスの変調や子宮が大きくなると、便秘や痔、腰痛などに悩まされるお母さんも少なくありません。
ただし、妊娠中は自己判断で薬を服用すると、胎児に影響を及ぼすおそれがあります。
なかなか不調が解消されない場合は、妊婦健診時にかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高くなるため注意する
妊娠5か月頃は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まります。
体がふっくらする時期ですが、太り過ぎはさまざまな病気を発症するリスクがあるため、注意しましょう。
場合によっては胎児への悪影響、流産となる可能性があります。
適正体重は非妊娠時の体格によって違いますが、体重管理のためには適度な運動も必要です。
医師に相談したうえで、ウォーキングやスイミングなど息が上がらない程度の運動を行いましょう。
まとめ
妊娠5か月は妊娠中期に入り、つわりが治まり胎盤が完成する時期です。
流産の危険性は低くなり、飛行機に乗って旅行などを検討する方も少なくありません。
しかし、飛行機への搭乗は、エコノミークラス症候群や気圧の影響によるリスクがあります。
また、胎児は成長過程の途中であり、お母さんは立ちくらみなど起きやすい時期です。
そのため、飛行機への搭乗を検討している方は、一度かかりつけ医に相談しましょう。
参考文献
厚生労働省ー2 対象特性
日本産婦人科学会ー妊娠中の体重増加の目安について