妊娠16週 安定期に入った妊婦さんの身体の変化と胎児の成長
妊娠16週(妊娠5ヶ月)から妊娠中期に入ります。
つわりが治まり、体調が落ち着いてくるため、一般的には安定期と呼ばれる時期です。
安産に向けて健やかなマタニティライフが過ごせるよう、妊娠16週の妊婦の身体の変化と胎児の成長、日常生活の過ごし方や気をつけたいことを解説します。
この記事の内容
妊娠16週の妊婦さんの身体の特徴
妊娠16週の妊婦さんの身体には、どんな変化が起きているのでしょうか。
自分の身体のことを知っておくことは、不安の軽減や体調管理につながります。
ここでは、妊娠16週の妊婦さんの身体の特徴について解説していきます。
お腹の大きさ
妊娠16週に入ると、子宮の大きさは幼児の頭くらいの大きさになります。
見た目も下腹部が少しふっくらとしてきて、妊婦さんらしさが見えてきます。
下腹部に触れてみるとお腹の膨らみを感じますが、お腹の大きさは体型によって個人差があります。
お腹の出具合が気になることがあるかもしれませんが、妊婦健診で問題がなければ心配する必要はありません。
妊婦さんの身体の変化
お腹の膨らみが目立ってくる以外にも、妊婦さんの身体にはさまざまな変化がみられます。
乳腺が発達してくる
妊娠16週頃から乳腺が発達し、産後の授乳に向けての準備で母乳を作り始めます。
乳房が大きくなることで、張りや痛みを感じることがあるかもしれません。
乳房のサイズは、出産までに1〜2サイズ大きくなる可能性があります。
ブラジャーは、乳房の変化に応じてサイズにあったものを選びましょう。
つわりが落ち着く
個人差はありますが、妊娠16週に入るほとんどの妊婦さんは、つわりが落ち着いてきたと感じます。
つわりが終わると食欲が増すことがあります。
体重が急激に増加しないように体重管理を心がけましょう。
体重増加の目安
お腹の赤ちゃんに栄養を送るために、妊娠中はある程度の体重増加が必要です。
しかし、妊婦さんの体重が増え過ぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高めてしまいます。
逆に痩せることは、低出生体重児が生まれるリスクや将来生活習慣病になりやすいことも分かっています。
妊娠16週以降は、つわりから開放され食欲が増すことで、食べ過ぎて急激に体重が増加することがあります。
妊娠中の体重増加は0.5kg/1週間を目安に、体重管理に取り組んでいきましょう。
妊娠初期と安定期の違い
妊娠15週までを妊娠初期と呼んでいます。
妊娠初期は、つわりや出血、初期流産の可能性もあり、体調や気分が不安定な時期です。
安定期は一般的に妊娠16週(妊娠5ヶ月)に入ったころを指しています。
安定期は医学用語ではいため、いつからいつまでと決まっているものではありません。
つわりが落ち着き、初期流産のリスクが減ってくる時期のため、安定期と呼ばれています。
妊娠16週の胎児の成長
妊娠16週の赤ちゃんを超音波検査で見ると、だいぶ人間らしくなった様子を確認することができます。
お腹の赤ちゃんの大きさと様子
妊娠16週の赤ちゃんの大きさは、頭からお尻までの長さの平均身長は約10cm、平均体重は約113gです。
筋肉や骨がどんどん発達していき、身体の動き自体が大きくなり活発になってきます。
超音波上では、赤ちゃんが手を口に持っていき、指を吸う動作を確認できることもあります。
これは、赤ちゃんがお腹の中でおっぱいを飲む練習をしており、生まれたときに手に吸いだこが出来ている赤ちゃんもいます。
胎動はいつから感じるか
胎動をまだ感じなくても、お腹の中で赤ちゃんは活発に動いています。
胎動を感じるのは、早くて妊娠16週、遅くて妊娠22週くらいといわれています。
感じ方には個人差がありますが、最初は子宮のあたりがポコポコと動くように感じます。
身体を動かしているときよりも身体を休めてリラックスしているときの方が感じやすいようです。
妊娠16週の妊婦さんの過ごし方
つわりが終わり、体調が落ち着いてくる時期に入ってきます。
出産は産み方に関係なく備えが肝心です。
今から安産に向けて準備をしていきましょう。
体重コントロールやリフレッシュのための運動
体調が良いと感じる日があれば、体重コントロールやリフレッシュのために運動を始めてみましょう。
妊娠中は身体を動かすのが面倒に感じることがあるかもしれません。
そんなときは、運動経験がなくても手軽に始められるウォーキングをおすすめします。
運動効果を得たい場合は、軽く息切れするくらいのスピードで大股で歩き、
気分転換をしたい場合は、五感を使いながらゆったりとした気持ちで歩きましょう。
バランスの良い食事を心がけましょう
妊娠中の食事は、出産や産後の生活、赤ちゃんの健康に影響します。
妊婦さんが健やかな身体で、健やかな命を育むためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。
食事の内容は、身体のエネルギー源となる主食、血液や筋肉を作るタンパク質を多く含む主菜、野菜などビタミンやミネラルを含む副菜が揃うことが理想です。
まずは1日1食からでも始めましょう。
妊娠16週の妊婦さんの気をつけたいこと
妊娠16週以降、どんどんお腹が大きくなっていきます。
それにともない、妊婦さんは身体の不調を感じることも出てきます。
主なマイナートラブルとその対処法について解説します。
腰痛
妊娠16週以降、お腹が大きくなり身体がバランスをとろうとするために、反り腰となります。
反り腰になると腰に負担がかかり、腰痛を引き起こします。
対処法としては、背筋を伸ばし正しい姿勢でいることや、日常の動作で腰に負担がかからないように、ゆっくりとした動作を心がけましょう。
また、腰を温めて血行を促すと、血液循環がよくなるので腰痛が和らぎます。
便秘・痔
つわりによる食生活の変化、ホルモンの影響や運動不足などによって、便秘になりやすくなっています。
また、便秘の悪化によって痔を引き起こすことがあります。
便秘は、日ごろの食事や生活習慣の見直しで解決することもあります。
食事では、ゴボウやきのこなどの食物繊維を含む食品や、納豆や味噌などの発酵食品を摂ることを心がけましょう。
生活習慣では、ストレッチなどの軽い運動をする、決まった時間にトイレに行く、などもおすすめです。
食事や生活習慣の見直しをしても便秘が改善しないときは、かかりつけの病院に相談しましょう。
お腹の張り
お腹の張りとは、子宮の筋肉が収縮していることです。
この時期のお腹の張りは、感じ方には個人差はありますが、「下腹部が重い」「お腹が突っ張る」といった感じを自覚することが多いです。
妊娠中のほとんどのお腹の張りは生理的なものなので大きく心配する必要はありません。
お腹の張りを感じたら、まずは安静にすることが大切です。
動いていたら座る、座っていたら横になり休みましょう。
横になって休んでも治らない場合、痛みや出血を伴うお腹の張りの場合には、かかりつけの病院に相談しましょう。
まとめ
この記事では、妊娠16週の妊婦さんの身体の変化と胎児の成長、日常生活の過ごし方と気をつけたいことについて解説してきました。
妊娠16週は一般的には安定期と呼ばれ、体調が落ち着いてきたと感じる時期です。
また、これからお腹がどんどん大きくなって、見た目にも妊婦さんらしさが出てきます。
妊娠による変化によって、体調や気分の不調を感じることがあるかもしれませんが、正しい知識があることは不安の軽減や体調管理につながります。
この記事を参考に、安産に向けて楽しみながら、健やかなマタニティライフを送りましょう。
参考文献
・厚生労働省ー「妊娠期の至適体重増加チャート」
・Omron Q&A – 妊娠何ヵ月から安定期に入るのでしょうか。