着床出血はいつごろあるの?着床したかわかる方法
妊娠を心待ちにしている方にとって、出血があると生理が来たと思いますよね。
この記事では、着床出血について、生理との違い、気をつけるべきポイントなどを、着床から妊娠成立までの流れとともに解説します。ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
着床出血とは?
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる軽度の出血現象を指します。妊娠初期に多く見られ、通常は痛みを伴わない軽い出血です。受精卵が子宮内膜に入り込むことで、毛細血管が破れて出血が起こるため、これが着床の兆候とされることがあります。
ただし、個人差があり一部の女性にしか現れず、出血がない場合でも着床がうまくいっている可能性があります。
着床出血はいつあるの?
着床出血がどのタイミングで起こるかについて詳しく解説します。
着床出血の時期
着床出血の時期は、女性の月経周期や個人差によって変わりますが、一般的には受精後7〜10日ほどで発生することが多いです。
月経周期の中間あたりに排卵が起こり、受精卵は約1週間かけて子宮内膜へと移動します。その過程で子宮内膜に組み込まれる際に、わずかな出血が生じることがあります。この出血は、通常の月経とは異なり量が少なく、短期間で止まるのが特徴です。
ただし、着床出血はすべての妊娠で必ず起こるわけではなく、一部の女性に現れる現象です。また、似た症状が他の原因(例えば生理不順や子宮内膜症)で起こることもあるため、出血があったからといって必ずしも妊娠であるとは限りません。
着床出血を自覚する人は11%
着床出血は、妊娠の兆候の1つとされていますが、多くの人が実際にそれを自覚することはありません。実際に、自覚する人の割合は約11%とされており、その他の約89%の人はこの症状に気づかないか、他の理由での出血と混同してしまう可能性があります
着床出血と思われる出血があった場合でも、必ずしも妊娠であるとは限りません。生理不順やホルモンの影響、子宮内膜症などの要因も考慮する必要があります。また、出血が続く場合や痛みが伴う場合は、緊急な対応が必要な場合がありますので、医療機関を受診することをお勧めします。
着床出血に特徴はある?
着床出血の特徴について、色や量、痛みの有無について説明します。
着床出血の色
色は、通常、淡いピンク色から茶色がかった赤色まで変化します。受精卵が子宮内膜に定着する際に、細い血管が損傷を受けることで発生します。この過程により、少量の出血が生じ、その結果として色が変化するのです。
着床出血の量
量は個人差がありますが、一般的には非常に軽い出血で、月経と比べるとかなり少ないのが特徴です。具体的には、ショーツが少し汚れる程度とされています。
着床出血に伴う症状
一部の女性は着床出血に伴い、お腹の奥がチクチクするような、軽度の生理痛のような痛みを感じることがあります。
着床出血と生理の違い
着床出血と生理の違いは、原因、出血の量、期間、性質です。
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に生じる出血で、妊娠の兆候の一つです。通常、排卵後約10日から14日頃に起こります。出血量は少なく、ほんのわずかな滲出血程度で、色は薄いピンクや茶色がかった赤色です。また、持続期間は数時間から2日程度で、生理と比較して短期間で終わります。
一方、受精卵の着床がなかった場合、子宮内膜が剥がれ落ちて出血する現象が生理です。周期的に繰り返される女性の生殖器官の自然な機能で、通常28日周期ですが、個人差があります。出血量も個人差がありますが、一般的には中程度の量で、数滴からカップ一杯程度まで幅があります。生理はおおよそ3日から7日間続きます。色は鮮やかな赤から濃い赤茶色までさまざまです。
着床出血と排卵期出血の違い
着床出血と排卵期出血は、原因や起こる時期が異なります。
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する過程で、血管が破れることによって引き起こされる軽度の出血です。通常、受精後10日程度で起こり、出血量は少なく、数時間から数日続くことが一般的です。色はピンクまたは茶色がかったり、時には赤や茶色の少量の血液が出ることもあります。
一方、排卵期出血は、排卵の際に卵胞が破れることで生じる出血です。これは生理周期の中間にあたり、通常は月経開始後の14日前後に起こります。出血量は少量でわずかなスポッティングか、軽度の出血が2〜3日続くことが一般的です。色は灰褐色から薄いピンク、または赤になることがあります。
着床したかわかる方法
着床のサインとして以下のような体の変化があげられます。
1. 基礎体温の変化
着床により基礎体温が高くなることがあります。毎朝同じ時間に体温を測って記録し、グラフを作成することで変化を確認できます。
2. 乳房の変化
着床後には乳房が張ったり、乳首が敏感になることがあります。
3.おりものの変化
着床すると、粘りの少ないサラッとした織物に変化します。色は半透明〜乳白色で、着床出血が混じるとピンクや薄茶色に見えることがあります。
これらのサインだけでは確実に着床を確認することは難しいため、妊娠検査薬や産婦人科で検査をすることが重要です。
着床出血かなと思った時に気をつけるポイント
着床が疑われたときに気をつけるポイントについて、解説します。
気をつけるべきこと
着床出血があった場合、妊娠初期の兆候として捉え、食べ物や生活習慣に注意して過ごすことが重要です。
1.趣向品
趣向品とは、特定の好みに合わせて作られた食品のことを指します。これらの食品は一般的な栄養素以外にも、人工的な添加物や保存料を含んでいることがあります。
着床出血は、妊娠初期の兆候とされることが多く、この期間は胎児の成長や健康に大きな影響を与えるため、食品の選択が特に重要になります。以下の点に注意して食事を選ぶことが望ましいです。
1. 添加物や保存料が多く含まれる食品は避ける
2. 高カフェイン飲料は摂取量を制限する
3. 高脂肪や高糖質の食品はバランスを考慮する
4. 生の魚介類や肉類、卵に注意して調理する
妊娠初期には、ビタミンやミネラル、葉酸などの栄養素が十分に摂取できるバランスの良い食事が大切です。新鮮な野菜や果物、高品質のたんぱく質、適度な炭水化物など、栄養価の高い食材を選び、加工食品や趣向品に依存しないよう心がけましょう。不安がある場合は、助産師や栄養士と相談することもおすすめです。
2.生活
着床出血があった場合、妊娠初期において注意が必要な時期となります。まず、適切な休息をとり、無理な肉体労働や運動を避けましょう。仕事や家事のストレスも影響を与えるため、適度なリラクゼーションを取り入れることが大切です。
また、タバコやお酒は胎児への影響があるため、禁止することが大切です。カフェインについても過剰摂取を避けるよう注意しましょう。
不安や悩みはストレスとなるため、信頼できる人や医師と相談し、適切な対処法を見つけることが大切です。
旦那さんが気をつけるべきこと
着床出血があった場合、旦那さんが気をつけるべきことについて解説いたします。
1. 妻の体調に配慮する
着床出血は妊娠初期の兆候であることが多いため、妻の体調に気を配り、できるだけ無理をさせないように心掛けましょう。また、妻がつわりや疲労を訴えた場合は、その原因になるストレスを減らすためにできる限りのサポートをしましょう。
2. 緊急時の対応を確認する
出血が多くなる場合や過剰な痛みが伴うようであれば、すぐに医療機関に連絡しましょう。また、詳しい症状や持病などを医療スタッフに伝えられるように、必要な情報を把握しておきましょう。
3. 常にコミュニケーションを大切にする
不安な症状に対して、妻は心身ともに多くのストレスを感じていることがあります。積極的に妻とコミュニケーションを取り、感じている不安や心配を共有し、適切なサポートを行いましょう。
旦那さんが上記のような点に気をつけてサポートし、二人で乗り越えていくことが大切です。
妊娠検査薬を使うタイミング
着床出血が疑われた時に、いつから妊娠検査薬が使えるのかについて説明します。
妊娠検査薬とは
妊娠検査薬は、女性が妊娠しているかどうかを判定するための医療用品です。主に尿中に存在するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンを検出することで、妊娠の有無を確認します。妊婦の場合、hCGの濃度が高くなるため、検査薬が陽性反応を示します。
一般的に、生理予定日が過ぎた後に使用することが推奨されています。検査は朝の尿を使うことで精度が高まります。検査結果は陽性・陰性の2つに分かれ、通常、陽性の場合は線が2本、陰性の場合は線が1本表示されます。ただし、誤った方法で使用すると、偽陽性や偽陰性の結果が出る可能性もあります。
妊娠検査薬が有効な時期
妊娠検査薬の使用は、通常、最後の月経開始日から約4週間後(受精後2週間程度)が最適です。これは、受精卵が着床し、hCGが十分に生成されるまでの期間を考慮したものです。ただし個人差があるため、最初の検査で陰性であっても、疑いが残る場合は1週間後に再度検査することが望ましいでしょう。
また、妊娠検査薬の性能によっても検出できる時期が異なります。高感度のものであれば、遅くとも月経予定日の1週間前から有効とされています。
着床出血以外でも起こる不正出血
不正出血の可能性となる疾患について、解説します。
着床出血以外の不正出血の原因
不正出血の原因は、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体癌、子宮頸管ポリープ、子宮内膜ポリープ、性交時の刺激、子宮膣部びらんなどが挙げられます。それぞれの主な症状について解説します。
1.子宮筋腫
子宮筋腫は、女性の子宮にできる良性の腫瘍で、主に子宮の筋層で発生します。
出血は主に月経時期に増加することが一般的で、通常よりも出血量が多くなったり、痛みが強くなったりすることがあります。
2.子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部に発生するがんで、世界的に見て女性が罹患するがんの中で非常に多いものです。主な原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染で、免疫力が低下すると発症リスクが高まります。初期症状は特になく、進行すると出血が現れることがあります。
3.子宮体癌
子宮体癌は、主に女性の子宮内膜(子宮の内側を覆う組織)から発生する悪性腫瘍です。一般的に閉経後の女性によく見られますが、若い女性も罹患する可能性があります。典型的な症状は不正出血で、通常の月経周期とは関係なく出血が起こります。早期発見が重要であるため、不規則な出血が見られた場合は速やかに医師の診察を受けることが推奨されます。
4.子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ
子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープは、共に女性の生殖器に発生する良性の腫瘍です。
子宮頸管ポリープは、子宮頸管(子宮の入り口)に起こる腫瘍です。一般的に痛みはありませんが、出血や不正出血の原因となることがあります。特に性行為後の出血が多く報告されています。
一方、子宮内膜ポリープは、子宮内膜(子宮の内側を覆う組織)にできる腫瘍です。子宮内膜ポリープは、子宮内膜が肥厚して発生し、月経量が多くなったり、不正出血を引き起こすことがあります。
5. 性交渉時の刺激
性交渉時の刺激で出血する可能性があります。久しぶりの性行為の際に、膣内の粘膜が傷ついたり乾燥していることが原因で起こることがあります。また、妊娠初期には子宮頸管が敏感になり、性交渉による刺激で出血が生じることがあるため、注意が必要です。
6.子宮膣部びらん
子宮膣部びらんとは、子宮頸管外口周辺の粘膜に炎症や損傷が生じることで表れる症状です。主な原因は、性行為や性感染症(STD)などの感染症が挙げられます。
自覚症状がないこともありますが、一般的な症状としては、性交後の出血や無理な姿勢の際の出血、不正出血などが考えられます。また、痛みや不快感もあることがあります。
まとめ
この記事では、着床出血について、生理との違いや気をつけるべきポイントについて解説しました。着床出血は自覚がある人の割合が少ないため、着床出血の有無だけで妊娠したかどうか判定するのではなく、適切な時期に妊娠検査薬を使用してくださいね。
参考文献
・日本整形外科学会:変形性股関節症診療ガイドライン2016.
・一般社団法人日本生殖医学会 – Q1. 妊娠はどのように成立するのですか?