おしるしがあったらすぐ出産になるの?正常なおしるしと気をつけること
赤ちゃんの誕生を心待ちにしている方にとって、出産の兆候は気になるものです。
「おしるしがあったらすぐに産まれるの?」「予定日より早く来たけど大丈夫?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、おしるしとは何か、妊娠後期におしるしがあったら気をつけることについてわかりやすく解説します。
おしるしがきた後の対応について知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
おしるしとは
出産の兆候としておしるしがあることは、ご存じの方も多いでしょう。
まずはおしるしとは何かについて、具体的に解説します。
おしるし
おしるしとは、臨月近くに子宮口が開き始める際に出る粘液状の分泌物です。
これは赤ちゃんの出産準備が進んでいるというサインで、しばしば血が混ざってピンクや茶色をしています。
色や量の特徴
おしるしの色は一人一人異なっており、通常は薄いピンク色から茶褐色となっています。
量も月経のような量の人から、下着に少しだけつく人と様々です。
中には少なすぎて気付かない人や、陣痛が先で、病院について初めて看護師におしるしがあると言われて気づく人もいます。
おしるしの量についてはこちら
破水との区別
尿のような水分の中にピンク色の出血が混じっている場合は、破水の可能性もあるので病院へ連絡しましょう。
おしるしが少量の場合は判別が難しいかもしれませんが、そういった場合は、躊躇わずに病院へ連絡することをお勧めします。
28週から35週までの出血で考えられる原因
妊娠後期である28週以降でもおしるしはあります。
しかし、出産の兆候であるおしるしとしては、28週は少しタイミングが早めです。
ではなぜ28週~35週で出血が起こるのか、その原因について解説します。
前置胎盤
前置胎盤とは、本来子宮の上方に位置するはずの胎盤が何かの理由で下にあることで、子宮口を塞いでしまう状態です。
前置胎盤は無症状が多いですが、お腹が張りやすくなる32週頃に胎盤と子宮の間の血管が傷つき、出血することがあります。
早産・切迫早産
早産とは、妊娠22週以降、37週未満に生まれることを指します。
一方、切迫早産とは、胎児がまだ37週未満であるにもかかわらず、子宮頸管の短縮や拡張、または陣痛の兆候がある状態を表します。
いずれも、早い段階で子宮口が開いたり陣痛が出現したりして、出血を伴います。
常位胎盤早期剥離
常位胎盤早期剥離とは、本来ならば出産時に剥がれるはずの胎盤が、出産前に子宮壁からはがれてしまう症状のことを指します。
これは母体にとっても胎児にとっても重大な病態となり、早急な対応が必要です。
原因は特定されていませんが、32〜34週がピークとされており、妊娠期高血圧や双子妊娠、切迫早産などが原因の一つと考えられています。
36週以降のおしるしでも気をつけること
36週以降は、出産の準備としておしるしが見られる場合がほとんどです。
しかし、36週以降のおしるしでも気をつけることはあります。
36週以降のおしるしで気をつけることと、経産婦・切迫早産・予定帝王切開・前置胎盤・低置胎盤の状況別の対応方法について解説します。
おしるしがきた時の過ごし方と注意点
いよいよ出産が近づいてきたという印がおしるしです。
おしるしが見られたら、数日から数週間後に出産を迎えることになりますので、慌てずに行動しましょう。
入院の最終確認
入院前に、母子手帳や必要なものの再確認をしておきましょう。
陣痛がくると確認も困難になるため、すぐに入院ではなくても、この時期に再確認を済ませておくことをお勧めします。
上の子の預け先に連絡する
いつ入院することになっても大丈夫なように、経産婦さんは上の子の預け先に連絡しておきましょう。
コロナ流行後、突然の陣痛でも子供の同伴ができない病院が増えています。
あらかじめ余裕を持って預け先に連絡しておきましょう。
2人目の妊娠についてはこちら
慌てずにゆっくり行動する
おしるしがきた後は、極力遠出を避けて自宅でゆっくり過ごしましょう。
散歩は大丈夫ですが、異変があればすぐに帰宅してください。
また、破水するとお風呂に入ることができなくなるので、今のうちにお風呂を済ませておくのもお勧めです。
出産は体力勝負なので、休めるうちにゆっくり休んでおきましょう。
下記に該当する方は、週数に関係なくすぐに医療機関へ連絡を!
切迫早産で入院していた
切迫早産で入院していた方は、子宮口が開きやすくなっています。
おしるしの後、必ずしもすぐに出産に繋がるわけではありませんが、子宮口が開きやすい状態ということを認識してください。
おしるしがあれば可能な限り安静にし、すぐに医師や助産師に連絡しましょう。
予定帝王切開
予定帝王切開を控える方でおしるしがあった場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。
おしるしの状態により分娩が進行している可能性があるので、場合によってはすぐに帝王切開になる可能性もあります。
病院へ連絡する際は、おしるしの程度を具体的に伝えるとより適切な指示を受けられます。
経産婦
経産婦は子宮口が開きやすくなっているため、おしるし後にすぐ陣痛になる可能性があります。
お腹の張りがない状態でも、おしるしがあれば病院へ連絡しましょう。
前置胎盤・低置胎盤と指摘されている
低置胎盤とは、胎盤が子宮口を塞いではいないものの、子宮の下の方に位置している状態のことです。
陣痛がくることで子宮と胎盤の間の血管が傷つき大量出血につながる可能性があります。
おしるしから陣痛はどのくらい?
おしるしがくると、すぐに陣痛が始まるのでしょうか?
おしるしから陣痛までの時間について説明します。
おしるしは陣痛の前触れとは限らない
おしるしから実際の陣痛までの期間は、通常は数日から数週間程度とされています。
しかし、個々の体調や体質により実際にかかる日数は大きく変動します。
1日~2日後など、おしるしから日をおかずに陣痛が始まることもあれば、逆に1週間以上陣痛が始まらないこともあります。
おしるしは、あくまでも出産が近づいていることを示すサインの一つであり、必ずしも直後に陣痛が始まるというわけではありません。
だからこそ、おしるしがきた場合は慌てず、適切な休息を取りつつ医療機関と連絡を取り、必要に応じて対応することが重要です。
まとめ
おしるしは出産の兆候ですが、必ずしもおしるしの直後に陣痛が来るわけではありません。
陣痛がない場合はすぐに病院へ連絡する必要性はありませんが、破水と同時におしるしがある場合は、慌てず病院へ連絡しましょう。
妊娠36週未満の出血は、様子を見ずに病院に相談しましょう。
気になることがあれば、出産する病院へ問い合わせするのが一番です。
不安な時は病院に問い合わせましょう。
参考文献
・日本産婦人科医会ー妊娠中の生活
・日本赤十字社ー第一章妊娠中の過ごし方