つわりとの上手な向き合い方は?吐き気があるのにえづくだけで吐けないつわりの対処法
つわりの症状には個人差がありますが、なんとなく吐き気があるものの吐けないつわりでお悩みの方も多いのではないでしょうか。
えづくだけでずっと気持ち悪いのが続くと、気分的にも滅入ってしまうものです。
そこで今回は、吐けないつわりの対処法や、仕事中はどうしたら良いのかといったことについて解説いたします。
仕事を続けているお母さんもいると思うので、是非参考にしてみてください。
この記事の内容
つわりの基本情報
まずは、つわりについての基本的な情報です。
つわりのメカニズム
妊娠すると、女性の体内では血液中のカリウムとマグネシウムが減少し、カルシウム値が高くなります。
これが原因となって胃液の分泌が盛んになり、胃のムカつきや吐き気につながるのです。
また、妊娠初期には血糖値とインスリン値が低下したり、腸のぜんどう運動が弱まったりするため、食生活にも悪影響があり、つわりの症状が悪化する場合もあります。
なぜつわりには個人差がある?
つわりの症状は人それぞれ違いがあり、女性ホルモンのエストロゲンや胎盤から分泌されるhCG(妊娠時のみ産生されるホルモン)値が高い方ほど症状はひどくなる傾向にあります。
特に妊娠初期はhCG値が高くなり、カルシウム値が上がることで腸の働きが悪くなるため、吐き気の原因となります。
また、高カルシウム血症や循環血液量の増加なども、吐き気の原因となります。
つわりの種類
つわりの症状にはいくつか種類があります。
吐きたくても吐けないつわりのほかに「吐きつわり」「食べつわり」「においつわり」「眠りつわり」などです。
つわりの期間
つわりの期間には個人差がありますが、だいたい妊娠5週目頃から始まり、8〜10週目くらいにピークとなるケースが多いです。
12週〜16週くらいまでには症状がおさまるケースが多く、ほとんどの場合、遅くとも16週までにはおさまることが多いです。
吐き気があるのに吐けないつわりの原因とは
そんなつわりの中でも、吐きたくても吐けないつわりの原因は以下のようなことが考えられます。
胃の中が何もない状態になっている
吐き気がしても、胃の中が空っぽの状態では出すものがなく、胃酸ばかり出て普通に吐くことができないものです。
とはいえ、吐くために無理に食べる必要はありません。
大事な体に負担をかけないように、食べたい物があれば、少しずつ食べるようにしましょう。
水分が足りていない
脱水症状は、つわり期でなくても胃がムカムカする原因となります。
えづくだけのつわりの場合は、水分不足だとなおさら吐き気が続いてしまうので、できる限り水分を摂るようにするのがおすすめです。
オエッとなるからといって何も飲まないと、脱水症状となり負のスパイラルに陥ってしまうので、少量ずつでも水分補給をしましょう。
吐くことに慣れていない
吐くという行為は、決して一般的なものではありません。
普段から体調が悪いと吐いてしまう方もいれば、吐くことなどめったにないという方もいます。
後者については、つわりで気分が悪く吐き気があっても、うまく吐けない場合もあります。
吐き気があるのに吐けないつわりにおすすめの対処法
では、吐き気が1日中続く辛いつわりの時はどうしたら良いのでしょうか?
対処法をいくつかご紹介します。
水分を摂る
妊娠すると、女性ホルモンが急激に増えたり、血液中のミネラルのバランスが崩れたり、腸の運動が鈍くなったりします。
それにより、なんとなく気持ち悪いのが続いたり、ゲップがでたりするのが吐き気の原因です。
そんな時は、冷えた炭酸水を150mlくらい飲むと、腸の働きが活発になります。
ただし、あまり沢山の量を一気に飲むと胃が膨らんで気持ち悪くなることもあるので気をつけて下さい。
食べ方を工夫する
妊娠初期は、腸のぜんどう運動が鈍くなる傾向があります。
しかし、水分と同様に食物も一気に沢山食べると、胃もたれの原因となり吐き気が増すことがあります。
空腹になると気持ち悪くなるつわりもありますが、食事の量を控えめにして回数を増やすなど、工夫をしながら吐きつわりと付き合っていきましょう。
横になる
吐き気がある時は、可能であれば少し横になると楽になります。
人間の胃の形状からすると、右側を下にして横向きに寝ると胃から腸に食べ物がスムーズに流れます。
逆流するといつまでも気持ち悪いので、仰向けではなく横向きに寝てみて下さい。
ゆとりのある服装を心がける
吐けないつわりで1日中気持ち悪い時は、締め付けの少ない洋服を身に付けた方が良いでしょう。
普段よりもワンサイズアップして、ウエストがゴムになっているボトムがおすすめです。
特に下着は、出産後も使えるようなサイズを選んで、なるべくストレスを軽減すると気分的にもスッキリします。
また、靴もスニーカーやサンダルなど、歩きやすいタイプが良いでしょう。
気が紛れる方法を見つける
吐けないつわりによるストレスは相当大きいはずです。
そんな毎日を乗り越えるには、リラックスできる時間を作って、心身共に休息をとる必要があります。
例えば、好きな映画や海外ドラマを観たり、赤ちゃんのグッズを手作りしたり、楽しいことに没頭できる時間があると気が紛れます。
ただし、長時間映像を観ると酔ってしまうこともあるので、気分が悪くなりそうであればやめておきましょう。
また、散歩に出かけて外の空気に触れるのもおすすめです。
リラックスと言えば、アロマなどの香りで癒される方も多いですが、吐き気があるつわりの場合は逆効果になりかねません。
家で使う洗剤やシャンプーなどを、無香料に変えるのも吐き気の原因を取り除く対策の一つと言えるでしょう。
吐けないつわりが辛い時、仕事はどうする?
働く女性にとって悩みの種となるのが、つわり時の仕事問題です。
一日中気持ちが悪い場合は、以下のようなポイントをおさえて仕事に臨むようにしましょう。
可能であれば休暇を取る
吐き気があるのに吐けないつわりの時は、可能な限り仕事は休んでゆっくりすべきですが、職種や立場によってはなかなか難しい場合もあるでしょう。
しかし、実際つわりによって休暇を取ったことが原因となる解雇や不利益取扱いは禁じられています。
本来であれば難しい事例になることなく、休暇を取ることができるのが理想ではありますが、不当な扱いを受けて辛い思いをする場合は、弁護士さんなどに相談する方法もあります。
必要な対策を取る
企業は、つわりの症状がある女性に対して柔軟な対応をとる義務があります。
吐き気があるつわりの場合は、上司や同僚と必要な対策について話し合い、仕事環境を整えるのも対策のひとつです。
たとえば、辛い吐き気を催した時にすぐに化粧室に行けるようにするなど、服装や靴に関して規則がある場合も申告しておいた方が良いでしょう。
また、何か口にすれば症状が和らぐのであれば、いつでも軽く飲食をできるようにするのもおすすめです。
会社側に医師の指導内容を伝える時は、特定の用紙に医師が必要事項を記入する「母性健康管理指導事項連絡カード」を提示する方法もあります。
吐き止めを処方してもらう
吐き気が1日中続いて辛い時は、あらかじめ婦人科を受診して吐き止めを処方してもらうのも得策です。
仕事中に急変して吐き気がひどくなった場合は、早退して点滴治療を受ける方法もあります。
まとめ
つわりは妊婦にとっての試練とも言えるかもしれません。
さまざまな症状がありますが、一日中気持ち悪いだけで吐きたくても吐けないタイプのつわりは、肉体的にはもちろん、精神的にもつらいものです。
今回ご紹介した対処法や仕事との向き合い方が、出産に向けて前向きな気持ちになるきっかけになれば幸いです。
参考文献
・厚生労働省ー妊娠等を理由とする不利益取扱い について