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妊娠中期の特徴は?マイナートラブルへの対応ややることリストも紹介

妊娠中期は心身のコンディションが整いやすく、安定期ともいわれますが、体や赤ちゃんは日々変化しています。

その影響により、心身ともにトラブルを抱えるケースは案外多いものです。

本記事では、妊娠中期に起こる体の変化や注意したい症状について詳しく解説します。

今後、どのような経過をたどるのか心配、自分に起こっている症状は異常ではないか不安など、妊娠中期の体の変化についてお悩みの方は参考にしてください。

妊娠中期はどんな時期?

妊娠中期は妊娠14週~27週の約3か月間の期間を指します。

この3か月間は母体・赤ちゃんともに変化の大きい時期です。

ここでは妊娠中期の主な特徴を3つ紹介します。

つわりが落ち着き安定期に入る

妊娠中期では、お腹の中にいる赤ちゃんの成長に重要な働きを持つ胎盤が完成し、つわりも徐々に落ち着いてきます。

妊娠初期の不安定な時期を過ぎ、母子ともに状態が安定してくるため、妊娠中期は「安定期」とも呼ばれます。

しかし、妊娠中期は胎児の成長に伴いお腹も大きくなるため、つわりのぶりかえしやむくみ、腰痛などの症状に悩む妊婦さんも多いです。

安定期といっても妊娠中の症状は個人差が大きいため、状態に合わせて無理をしないようにしましょう。

お腹のふくらみが目立ち胎動を感じる

個人差はありますが、多くの妊婦さんが胎動を感じ始めるのが妊娠中期ごろです。

実際、妊娠8週ごろから赤ちゃんは動き始めています。

しかし、この頃の赤ちゃんは、まだ力が弱く胎動を感じません。

赤ちゃんの手足が発達し、筋力がついてくる妊娠中期ごろに初めて胎動を感じる方が多いです。

ただし、体型や日中の過ごし方、羊水量などの影響により、胎動の感じ方にも個人差があります。

定期検診をしっかり受けて問題がなければ、胎動を感じるのが遅くても問題はありません。

赤ちゃんの聴覚が発達しコミュニケーションがとれる

妊娠中期になると赤ちゃんの脳の発達も進み、体の動きをコントロールしはじめます。

聴覚も発達し耳は聞こえているため、この時期の赤ちゃんは音や声に反応して動き、胎動を感じることもあるでしょう。

この時期は、音楽を聞かせたり赤ちゃんに話しかけたりして、コミュニケーションをとるのも楽しい時期です。

そのため、胎教をスタートさせるご両親も多くいます。

胎教に赤ちゃんが反応してくれるとモチベーションも高まるでしょう。

妊娠中期に起こりやすいマイナートラブルと対処方法5つ

妊娠中期は安定期とされ、妊娠期の中では比較的状態が落ち着いている時期です。

しかし、体の変化・赤ちゃんの成長は進んでおり、それによる妊娠期の不調、いわゆる「マイナートラブル」も少なくありません。

ここでは、起こりやすい症状と対処方法についてご紹介します。

腰痛・背中の痛み

お腹が大きくなると、反り腰や骨盤への負担が原因で、腰痛や背部痛が起こりやすくなります。

対策としては、骨盤ベルトの使用・腰に負担がかからない姿勢・適度な運動などが挙げられます。

ストレッチや簡単な筋トレをするのも効果的です。

日常生活に支障が出るほどの腰痛であれば、一度かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

腰痛だと思っていたのがお腹の痛みで、切迫早産の兆候である可能性もゼロではありません。

また、日常生活の注意点や骨盤ベルトのアドバイス、必要であれば妊婦さんを施術できる接骨院や整形外科を紹介してもらえる場合もあります。

むくみ・こむら返り

妊娠中期は以下のような原因でむくみやこむら返りが起こりやすいです。

  • 血行不良 
  • 筋肉疲労
  • 急激な体重増加
  • ミネラル不足
  • ホルモンバランスの変化

妊婦さんにとってはなかなか改善が難しい原因もありますが、まずは足への負担を減らし血流を良くすることが大切です。

なるべく立ったままの状態を避け、お風呂や足湯などで血流改善を促してください。

急激な体重増加やミネラル不足の予防には、食事調整が大切です。

カット野菜や冷凍食品、ミールキットなどを上手に活用すれば、料理の負担を減らせます。

かかりつけの産婦人科でアドバイスを求めるのも良いでしょう。

便秘・痔

妊娠中期になると、大きくなったお腹が血管を圧迫し、肛門周囲にある静脈の血流が悪くなり痔が起こりやすくなります。

また、妊娠中は黄体ホルモンの分泌により腸の動きが悪くなったり、普段より運動量が減少したりするため、便秘にもなりやすいといわれています。

便秘になると痔を引き起こすリスクも高くなるため、食事と運動で便秘を予防しましょう。

食事で食物繊維や水分を十分に摂取すると、便が固く出にくい状況を緩和します。

また、適度な運動は、腸の蠕動運動を促してくれます。

運動が苦手・できない場合には、お腹を冷やさず温めるのも大切です。

つわりぶり返し

妊娠中期には、以下が原因で終わったはずのつわりがぶり返すケースもあります。

  • 胎児の成長
  • ホルモンバランスの変化
  • ストレスの増加

また、つわりのぶり返し以外にも、つわりと似た症状が起こる場合があります。

  • プロゲステロンの影響で食道括約筋がゆるみ、胃の内容物が逆流する
  • 精神的なストレスで胃酸が過剰に分泌される

症状が似ているため、つわりがぶり返したと思う方も多いでしょう。

どちらが原因によるものなのか判断するのは困難です。

ただし、症状が重く、体重の急激な減少や尿の回数・量が少なくなったなどの自覚がある場合は、健診を待たずに受診しましょう。

お腹の張り・痛み

妊娠中期のお腹の張りは、体調が良くなり活動的になったために起こる生理的なものが多い傾向にあります。

そのため、少し横になると治まる場合がほとんどです。

そのほかにも、身体の冷えやストレス、性行為、便秘などが原因でお腹に張りや痛みを感じることがあります。

1時間ほど安静にしていても張りが治まらなかったり、痛みが徐々に強くなって持続したりする場合は、切迫早産やほかの病気の可能性も考えられます。

不安に感じたら、夜中であってもかかりつけの産婦人科に相談し、指示を仰ぎましょう。

安定期の妊娠中期にやっておきたいこと

妊娠中期は、妊娠期の中でも状態が安定しており活動しやすい時期です。

可能ならば、この時期に必要な手続きや準備を済ませておくと、後々焦らず安心して過ごせます。

ここでは、妊娠中期にやっておきたい3つの準備をご紹介します。

歯科検診を受ける

妊娠中は、つわりによるブラッシング不足や唾液分泌量の低下、ホルモンバランスの変化などにより虫歯や歯周病になりやすいとされています。

特に注意が必要なのは「歯周病」です。

妊娠中に歯周病がある場合、早産や低出生児のリスク上昇が分かっています。

母子ともに健康な出産にするためにも、歯科検診は必ず受けましょう。

歯科検診は比較的つわりが落ち着き、状態も安定した妊娠中期の受診が最適です。

自治体によっては、妊婦さんの歯科検診が無料で受けられたり、費用の一部を負担してもらえたりするところもありますので、一度ご自身の自治体ではどうなのか確認してみましょう。

自治体の子育てサポートや保育園情報を集める

出産後は、子連れでの外出が難しくなります。

特に周囲に両親や知り合いがいない場合は、近くに子育てサポートが受けられる場所や環境があると大変便利です。

妊娠中から、場所や交通アクセス・施設情報などをチェックしておけば、産後さまざまな場面で役に立つでしょう。

また産休中の方は、早めに保活を始めた方がよいケースもあります。

自宅からの距離、園の雰囲気や保育方針など少しずつ情報を集めておきましょう。

ベビー用品の準備とスペースの確保をする

出産直前は何かと忙しくなるため、妊娠中期から余裕を持ってベビー用品などの準備をしておきましょう。

本や雑誌を参考にする以外にも、両親や先輩ママからの実際の意見も大変貴重です。

また、おむつや衣類・お布団など準備するものが多く、自宅に収納スペースがなかったり、ベビースペースが確保できなかったりするケースもあります。

そのためベビー用品の準備だけでなく、収納場所やスペースの確保も必要です。

短期間しか使わないものや、大きなベビーベッドなどは、レンタルを利用するのも良いでしょう。

まとめ

妊娠中期はつわりが落ち着き、状態が安定する時期です。

しかし赤ちゃんの成長や自身の体の変化は確実に進んでおり、安定期とされる妊娠中期にも、腰痛や便秘などのマイナートラブルを抱える妊婦さんは大勢います。

上手に対策をしながら、無理せずかかりつけである産婦人科へ相談することも大切です。

また、自分の体調も整えながら、活動しやすいこの時期にやるべき準備を進めておくとよいでしょう。

無理をせず、今しかできない妊婦生活を楽しみながら妊娠中期をお過ごしください。

参考文献

・日本産科婦人科学会 ー妊娠中の体重増加指導の目安について

・厚生労働省ー妊産婦における 口腔健康管理の重要性