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子宮の中に筋腫があっても妊娠できるのか?出産への影響と気をつけること

働く女性の4割近くが持っていると言われる子宮筋腫は、良性の腫瘍です。

良性とはいっても、妊活になにかしらの影響があるのではないかと不安になるでしょう。

本記事では、子宮筋腫は妊娠や出産に影響があるのか、どのような点に注意すべきかを解説します。

子宮筋腫のほとんどが筋層内筋腫

子宮筋腫は、発生する場所によって、漿膜下筋腫・筋層内筋腫・粘膜下筋腫の3種類に分類されます。

7割近くの女性が患うのが、この筋層内筋腫で、無症状のため無自覚で過ごしている方がほとんどです。

筋層内筋腫とは

子宮筋腫の中でもっとも多いとされている筋腫で、子宮内部の筋層にこぶのような腫瘍ができます。

良性なので治療が必要とはしませんが、人によっては大きくなってしまったり、複数の筋腫ができたりしてしまいます。

筋層内筋腫の原因

子宮筋腫は病気ではありませんが、生理が始まった女性がなりやすい病気で、閉経すれば小さくなっていきます。

日本でも多くの女性が悩む疾患ですが、欧米諸国に多いことからも、食生活が関わっているのではないかとも考えられています。

遺伝性はありませんが、食生活が同じ家族にも同じように筋層内筋腫が発症するケースは多いです。

また、社会人女性の多くが筋層内筋腫に苦しんでおり、ストレスがホルモンに影響を与えているとも言えます。

筋層内筋腫の症状

サイズが小さい筋層内筋腫では、無自覚なことが多くがん検診などで発見され、本人が知るケースがほとんどです。

筋腫が大きく成長したり、複数できてしまったりすると、筋層に厚みが生まれるようになり子宮が肥大化していきます。

下腹がポッコリ出てくる・経血量が増える・レバー状の固まりがある・生理が1週間以上続くなどの症状があらわれます。

中には、性交痛や性交後に出血するケースもありますので、早めの受診がおすすめです。

子宮筋腫が妊娠に及ぼす影響

子宮筋腫は良性の腫瘍なので、症状が重くない限りは経過観察しながら過ごします。

赤ちゃんが成長する子宮内に腫瘍があれば、少なからず妊娠を希望する女性にはリスクがあります。

妊娠しにくくなる

子宮筋腫があるから妊娠できないことはありませんが、着床がしにくくなるリスクを抱えることになります。

サイズが大きい・筋腫が複数散らばっていると、筋層が厚くなり着床が上手くいきません。

受精卵が着床しても育ちにくいので、化学流産のリスクも高くなります。

早産や流産しやすい

妊娠すると赤ちゃんの成長に合わせて、子宮は大きく膨らんでいくものです。

それと同時に、卵巣ホルモンを受けて筋腫も成長していきますので、赤ちゃんが育つはずの場所が奪われます。

全ての妊婦さんが、子宮筋腫によって早産や流産しやすいとは限りませんが、注意が必要です。

卵巣からホルモンが過剰に分泌されると、筋腫が肥大し血栓症を起こしやすくなります。

妊娠高血圧症候群になるなど、母子共に危険な状態になるケースもあります。

合併症リスクがある

子宮筋腫の場所や大きさによっては、内臓が圧迫され便秘や頻尿などの症状があらわれます。

腰痛や生理痛が重いなど、女性にしか分からないつらい症状は、ホルモン治療や漢方などで抑えられます。子宮筋腫だけでなく子宮内膜症や卵巣嚢腫も、女性ホルモンの影響を受けて発症しやすい病気です。

合併症を起こしてしまうと、治療が制限されるので時間がかかり妊活を中止しなければなりません。また、妊娠しても尿路感染が起こり膀胱炎になると膣内から子宮に細菌が入り込み流産する危険性が高まります。

子宮筋腫がある中での生活

子宮筋腫は、摘出しない限りは長く付き合っていかなければならない病気です。

妊娠を希望する女性は、どのような生活をしながら過せばいいのでしょうか。

日常生活のなかで注意したいことを考えてみましょう。

定期健診で経過観察

若い女性にとって、婦人科を診察することは勇気が必要なことではないでしょうか。

内診台で診察を受けることを考えると、自覚症状がなければ必要ないと考える女性が多いでしょう。

近年では、子宮頸がんの発症率が上がっており、ワクチン接種を積極的に推奨しています。

多くの女性は、自覚症状がないと婦人科の定期検診を受けません。

そのために、子宮頸がんや子宮筋腫の発見が遅れ、妊活と同時に治療しなければならないケースも増えており、なかには妊娠して始めての検診で子宮筋腫が発見される方もいます。

子宮筋腫を早くに発見すれば、大きくならないように治療をするなど、妊活の方法を工夫できます。

肥大させないためにも、定期検診を受けて子宮筋腫の状態を把握しておきましょう。

大きさによっては手術が必要

子宮筋腫は良性の腫瘍ですから、経過観察が一般的です。

ただし、筋腫によって日常生活に支障がでたり、生理痛が重く学業や仕事を遂行できなかったりする場合には手術が検討されます。

閉経すると小さくなっていきますので、定期検診を続けますが、妊娠を希望する女性で7~8cm以上の場合には手術が行われます。

子宮筋腫がある中での妊活

子宮筋腫があっても妊活はできますが、妊娠してから産後までの身体にはさまざまな変化があります。

無理なく出産するには、体の変化をしっかりと感じつつすごしましょう。

子宮筋腫がある中での妊娠

子宮筋腫があるから妊娠できないと落ち込むことはありません。

無理はせずに、お腹のハリがあったら横になって休むなど、妊娠を継続できるように穏やかに過ごします。

筋腫が邪魔して、エコー検査では赤ちゃんが隠れて見えないこともありますが、心拍で確認できるので安心してください。

子宮筋腫がある中での出産

高齢出産で子宮筋腫があると、産道が硬かったり赤ちゃんが上手く出てこられなかったりするケースもあります。破水より出血してしまうケースもありますから、母体の安全と赤ちゃんを確認しながら、分娩方法を検討します。

帝王切開になるケースが多いのですが、経腟分娩ができるママさんもいますので、医師に任せましょう。帝王切開と子宮筋腫の手術は同時には行えませんので、出産後は経過観察を継続していきます。

子宮筋腫がある中での産後

妊娠・出産はもちろん経過をしっかり観察することが大切ですが、出産後は特に出血に注意が必要になります。

赤ちゃんが生まれた後の子宮は、元に戻ろうと収縮が始まっていき、出血もおさまっていきます。ただし、子宮筋腫があることで出血が止まらないケースもあるようです。

産後は出血も含め子宮の状態を確認し、収縮は上手くいっているのか、感染や貧血などは問題ないか経過観察を続けます。

子宮筋腫がある方が気をつけること

一度できた筋腫は、大きくなっても治療をしなければ消えることはありません。

妊活にとって大切なことは、筋腫の有無よりも現状を把握し、大きくならないように周囲しながら過しましょう。

食生活の改善

忙しいから朝食を抜いたり、ダイエットと称して食べずに出かけたりしてはいないでしょうか。朝食はエネルギーとなり、新陳代謝を活発にして体中に酸素や栄養を届ける役割があります。

租借せずに急いで食べて出かける・コーヒーしか飲まないような食生活では、健康な体つくりができなくなります。朝食べない分を昼食や夕食で摂取しても、栄養が偏りますし、体に良いとは言えません。

食事は3食バランスよく、ゆっくりと噛んで食べるようにしましょう。

生活習慣の改善

肥満気味の方は、脂肪細胞からエストロゲンが分泌されやすくなるので、子宮筋腫が大きくなりやすくなります。

適度な運動で血流もよくなれば、冷え性も改善しますし妊娠しやすい体になっていきます。

ストレスをためない

骨盤内には子宮や卵巣、腸や膀胱とたくさんの臓器が複雑におさまっており、冷えやすく血流が悪くなりやすい状態です。

ストレスによって、血液の循環や水分代謝が悪くなると、むくみや肥満にも直結します。

健やかに妊活を始めるためにも、ストレスをため込まないような生活を送りましょう。

まとめ

子宮筋腫は成人女性の多くが悩む病気で、原因はいろいろ考えられますが、はっきりしたことはわかりません。

妊娠しにくい、流産や早産の危険性があると聞くと不安になってしまうでしょう。

大切な事は自分の体を知ることであり、子宮筋腫と向き合ってどう過していけば良いのかを考えることです。

妊活を始めるのであれば、定期的な検診で状態を把握し、妊娠しやすいような生活リズムにしていきましょう。

参考文献

・国立情報学研究所-中隔子宮における流産メカニズムの解明