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妊娠中期の妊婦さんが寝れない原因とは?胎児に与える影響や安眠対策3選をご紹介

妊娠中は「なかなか寝れなくて睡眠不足」「寝れないけど赤ちゃんは大丈夫かな?」など、悩みがつきないものです。「なんで寝れないんだろう」と疑問に思っている方もいるでしょう。

この記事では、妊婦さんが寝れない原因や安眠できる3つの方法をご紹介します。

妊娠中の理想の睡眠時間や、質の良い睡眠をするための注意点も併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

週数別(初期・中期・後期)の不眠の原因

妊娠中は週数によって身体の変化や不眠の原因が変わります。

ここでは初期、中期、後期の週数別に不眠の原因を解説します。

妊娠初期

妊娠初期(~13週6日)は妊娠したことにより、hCGホルモンやエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)の3つのホルモンが分泌されます。3つのホルモンは妊婦さんのホルモンバランスに大きく影響します。

妊娠前に比べて、子宮内膜を厚くするエストロゲンや基礎体温を促すプロゲステロンが増加することで、ホルモンバランスが変化し不眠になるのです。

妊娠中期

妊娠中期(14週0日~27週6日)は少しずつお腹が大きくなり安定期に入ります。

お腹が大きくなると睡眠時の姿勢に変化があったり、子宮が大きくなることで頻尿になったりします。そのため、寝心地が悪くなったり、頻尿で目が覚めてしまったりして、寝つきが悪くなる方がいるかもしれません。

また胎動が始まる時期ですので、お腹の赤ちゃんが頻繁に動くことで眠れなくなる方もいるでしょう。

妊娠後期

8ヶ月目に突入する妊娠後期(28週0日~)にみられる症状はお腹の張り、こむら返り、頻尿などです。

さらに後期になるとむずむず脚症候群を引き起こす妊婦さんがいます。むずむず脚症候群とは下肢に不快感があったり、かゆみがあったりと脚に違和感を覚える症状です。

夕方から夜にかけて症状が出たりするため、妊婦さんの睡眠障害を引き起こすといわれています。

妊婦さんの理想の睡眠時間

妊娠中に睡眠不足になると、血流が悪くなり赤ちゃんの発育に影響が出る可能性があるため注意が必要です。

ここでは睡眠不足が身体に及ぼす影響と理想の睡眠時間を解説します。

9時間以上の睡眠が良い

妊婦さんの睡眠時間が9時間以上10時間未満の睡眠だと、低出生体重児や子宮内胎児発育不全児が産まれにくくなるという調査結果があります。

統計によると、6時間以上8時間未満の睡眠は、9時間以上10時間未満の睡眠をした妊婦さんより、約0.9倍の確率で低出生体重児や子宮胎児発育不全児になると報告されています。

睡眠時間が短いと、疲労回復しなかったり、血流が悪くなったりと、赤ちゃんの成長にとって良いことはありません。

妊婦さんは9時間以上の睡眠をとって、赤ちゃんの発育を促しましょう。

妊婦さんの睡眠不足が赤ちゃんに及ぼす影響

前述の通り、妊婦さんは9時間以上の睡眠をとれると良いと言われています。妊婦さんが睡眠不足の場合、赤ちゃんに影響が及ぶ場合があります。

ここでは母体の精神状態や、深刻な睡眠不足が引き起こす赤ちゃんへの影響について解説します。

胎児に栄養が行き届かない

妊娠中は十分に睡眠をとらないと、疲労回復しないうえに血流不足を招きます。血液量が不足すると子宮や胎盤に送る血液量が低下し、赤ちゃんへの血流が減って大きく成長できません。

また赤ちゃんに栄養が行き届かないと、赤ちゃんが小さく生まれる低出生体重になる恐れがあります。

うつ病のリスクが高まり、赤ちゃんの成長を妨げる場合がある

睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが崩れやすい状態になります。

妊婦さん特有の浮き沈みにより不安感や気分が落ち込む、イライラ感などの症状が出る方もいるでしょう。

また、症状がひどくなると、心身の不調がうつ病へ移行するケースもあります。さらに、妊娠中のうつ症状は、早産や胎児発育不全などのリスクがあります。

妊婦さんが睡眠の質をあげるために気を付けること

妊娠中の睡眠不足はホルモンバランスの崩れや身体の変化が原因です。とはいえ、少しでも睡眠の質をあげるためにできることがあります。

ここでは睡眠の質をあげるための対策を3つご紹介します。

  • カフェインをとりすぎない
  • 寝る前のスマホやテレビを避ける
  • 就寝前に水分をとり過ぎない

1つずつ順番にみていきましょう。

カフェインをとり過ぎない

カフェインとは、コーヒーやお茶などに含まれる食品成分です。カフェインには、神経を高ぶらせる興奮作用や利尿作用があります。

カフェインをとり過ぎると、神経が興奮することによって眠気抑制効果をもたらし、眠気を妨げてしまいます。

とはいえ、妊婦さんの1日のカフェイン摂取量は200mg以下であれば問題ありません。

しかし、睡眠不足に悩まされている方は、ノンカフェインのお茶を飲むなどカフェイン摂取を控えましょう。

寝る前のスマホやテレビを避ける

スマホやテレビ、パソコンなどの電気機器から出るブルーライトは、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑える作用があるため不眠の原因になります。

またブルーライト以外にも、スマホやテレビを見ていると、脳を刺激します。脳が刺激された状態ではリラックスして入眠できません。

就寝する何時間前にはテレビやスマホをやめるなど、独自のルールを決めて、質の良い睡眠を確保できるよう努めましょう。

就寝前に水分をとり過ぎない

妊娠中期は腎臓を通過する血液量が最大となるため、血液は腎臓でろ過され余分な水分として排出されます。

水分補給は大切ですが、寝る前に飲み過ぎると夜中に尿意で目覚めてしまう可能性があります。寝る前は水分のとり過ぎに注意しましょう。

妊娠中期の妊婦さんが睡眠不足以外に気を付けること

ここまで睡眠不足の対策について解説してきました。

妊娠中期は安定期に入ってつわりが徐々におさまり、体調が安定してくる週数です。とはいえ、貧血の心配や体重コントロールなど気を付けるべきこともあります。

ここからは妊娠中期の妊婦さんが睡眠時間以外で気を付けることについて解説します。

貧血

妊娠すると赤ちゃんの血液をつくったり、赤ちゃんに栄養や酸素を運んだりと、非妊娠時より多くの血液が必要になります。

妊娠中は胎盤を通して、お母さんの体から鉄分がどんどん運ばれます。妊娠中期は血液量が増える時期ですが、赤血球はそれほど増えないため、血液は薄い状態です。

赤血球などの細胞が血液中に足りない状態が「貧血」です。貧血を防ぐには鉄分の摂取が必須で、妊娠中期は21.0mgの摂取が推奨されています。

またヘム鉄や非ヘム鉄、葉酸を含んだ食べ物は貧血予防になります。さらに鉄分の吸収を助けるビタミンCやタンパク質を一緒に摂取するなどして貧血を予防しましょう。

適度な運動

体重コントロールの一環として、適度な運動が有効です。

妊娠経過が順調なら、ウォーキングやマタニティヨガ、マタニティスイミングのような有酸素運動がおすすめです。

また外出するのが不安な方は、自宅で簡単にできる足踏みを取り入れてみましょう。足を動かすことで血行促進につながり、十分な運動効果を得られます。

まとめ

妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮が圧迫されることによる頻尿などで寝つきが悪くなります。

また、妊娠中は9時間以上の睡眠が良いとされており、睡眠不足は場合によって赤ちゃんの発達に影響するので要注意です。

とはいえ、睡眠の質を妨げるカフェインや寝る前のスマホをやめれば、安眠につながります。

ぜひ今日から実践して安眠を手に入れましょう。

参考文献

・厚生労働省-日本人の食事摂取基準(2020 年版)

・バイオメカニズム学会誌 – 女性の睡眠とホルモン ,渋井佳代

・日本神経治療学会 – 標準的神経治療:Restless legs症候群(IV 二次性Restless legs症候群 4.妊娠とRLS)

・日本産科婦人科医会 – 妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル

・日温気物医誌第 78 巻 1 号 – ヒトの体温調節と睡眠 内山 真、降籏隆二

・日本助産学会 – マタニティヨガの介入が妊婦の睡眠およびストレスに及ぼす効果

・市立長浜病院産婦人科-精神疾患合併妊娠における新生児予後についての検討

・福島ユニットセンター-妊婦の睡眠時間と新生児の出生体重の関連

・厚生労働省-「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」

・厚生労働省-「日本人の食事摂取基準」策定検討会 – 日本人の食事摂取基準(2020年版)

・日本産婦人科・新生児血液学会-産婦人科・新生児血液Q&A