妊娠しているか早く知りたい!妊娠検査薬でフライング検査してもいい?
妊娠したかも?と思ったとき、いつ検査するかは迷うところではないでしょうか。
妊活中だと1日でも早く、妊娠している可能性を知りたいという方もいると思います。
そこで今回は、妊娠検査薬の使用方法やフライング検査について解説します。
この記事の内容
妊娠検査薬とは
まずは、妊娠検査薬の仕組みなどについて説明します。
妊娠検査薬とは
妊娠検査薬は、尿の中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)と呼ばれる妊娠ホルモンの濃度を検査することで、妊娠しているかどうか確認できるものです。
妊娠検査薬の仕組み
妊娠すると妊娠4週(生理予定日)頃からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の量が増えてきます。
一般的に生理予定日の1週間後、妊娠5週の頃に検査してhCGが50mlu/mLになると陽性になります。
判定部分には2本の線があります。
そのうち1本は「コントロールライン」という、検査が正しく行われているかどうかを確認する線です。線が見えれば、正しく検査が行われています。
もう1本が、「判定ライン」で線が浮かび上がってくれば陽性となります。
尿をかけて水平にして、終了の線が出るまで待ちます。
使用するときには説明書を読んで、正しい方法で使用しましょう。
どこで手に入る?
妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで購入できます。
ドラッグストアでは、体温計や血圧計など近くや、避妊具のコーナーで売られていることが多いようです。
1回タイプ、2回タイプ、早期妊娠検査薬などの種類があるので、購入時に確認してみましょう。
フライング検査をしてもいい?注意点は?
少しでも早く結果が知りたい、と考える方に知っておいていただきたい注意点について説明します。
フライング検査とは
一般的な妊娠検査薬では、生理予定日の1週間後から使えると説明書に書かれています。
それより前 (生理予定日〜その2、3日前)に妊娠検査薬を使うことを「フライング検査」といいます。
その場合は、「早期妊娠検査薬」を使用しましょう。
通常はhCGの量が50mlu/mL以上で検査できますが、早期妊娠検査薬ではそれよりも低い25mlu/mLで反応します。
hCGは、妊娠すると排卵日の1週間後から20~50mlu/mL分泌されるので、生理予定日や、それより2,3日前でも陽性になる可能性があります。
フライング検査を行う場合の注意点
一番気をつけていただきたいのは、検査する時期が早すぎて誤って「陰性」と判定が出る可能性があることです。
検査する目安の「生理予定日」がずれていることが考えられるからです。
毎月ぴったり同じ周期で生理になるという人は少なく、規則的に生理が来ている方でも2、3日生理予定日がずれることは珍しくありません。
ストレスや睡眠不足などの影響で1週間程度遅れることもあります。
生理予定日に陰性となっても、本当は生理予定日が1週間後ろにずれていて1週間後に検査した場合に陽性だったということも考えられます。
生理が遅れているなどの症状がある場合は再度検査を行いましょう。
妊娠検査薬を使うタイミングが早すぎるとどうなる?
通常よりも早く検査を行った場合はどうなのでしょうか?
陽性、陰性の場合それぞれ説明していきます。
陽性なら妊娠している可能性が高い
フライング検査であっても、妊娠検査薬の精度は99%のため、陽性ならば妊娠している可能性が高いでしょう。
ただし、すぐに産婦人科を受診してもまだ赤ちゃんの胎嚢(たいのう)が確認できないので、生理予定日の1週間後を目安に病院へ行きましょう。
陽性になっていても妊娠とは言い切れないので、検査結果を過信しない気持ちが大切です。
陰性でも妊娠していないとは限らない
フライング検査で陰性になった場合には注意が必要です。
検査する時期が早かったためにhCGが低く出てしまっただけで、数日後または1~2週間後に陽性になるということもあります。
陰性になったから、妊娠していない、と決めつけないようにしましょう。
薄く反応してうっすら陽性の場合はどうする?
うっすら陽性で判断に迷う、というのもよくある悩みです。
お酒や薬の影響などについても解説していきます。
うっすら反応しても陽性
判定ラインに線が見えれば、それが濃くても薄くても陽性です。
もし線が薄すぎて、見えるかどうか判断に迷うくらい薄いのであれば、後日もう一度検査をしてみましょう。
薄い線が出る原因としては、尿が薄かった、受精卵が着床できずに妊娠が継続できなかった、流産を経験した後でhCGが体内に残っていた場合があります。
お酒や薬の影響で陽性になることもある?
お酒の成分で反応することはありません。しかし、お酒を飲むことで尿が薄くなり、本当は陽性なのに陰性になることがあります。
風邪薬やピルなどを内服していても影響はありませんが、不妊治療などでhCGを含む薬を投与している場合は、妊娠していなくても陽性になることがあるので気を付けましょう。
妊娠していても陰性になることもある
検査をする時期が早すぎた場合、本当は妊娠していたとしても陰性になることがあります。
また、タイミングは正しくても、間違って陰性になる場合もあります。
たとえば、異所性妊娠といって本来妊娠すべき場所以外(卵管や子宮外など)に妊娠してしまっていることも1~2%あります。その場合はhCGの値が低く陰性になるかもしれません。
双子や三つ子以上の多胎妊娠の場合は、逆にhCGが高くなりすぎて偽陰性になってしまうことがあります。
このようにさまざまな可能性が考えられるので、生理がいつもより遅れているなど体調に変化を感じているならば、病院を受診することをおすすめします。
陽性=妊娠しているとは限らない?
妊娠検査薬陽性で考えられること
妊娠検査薬の精度は99%と言われていますが、尿をかけすぎることで誤って陽性になることがあります。しっかり説明書を読んでから使いましょう。
また、糖尿病で尿中に多く糖が含まれている場合や、膀胱炎などで、尿中にタンパクや血液が混ざってしまう場合、また子宮頸がんや卵巣がん、肺がんなどhCGの分泌が増える病気にかかっている場合にも陽性となる可能性があります。
不妊治療でhCGの注射をしている場合は、その成分と反応して妊娠していなくても陽性になることが考えられます。不妊治療をしている方は自己判断せず、病院で相談しましょう。
化学流産とは妊娠検査薬で陽性が出ても、赤ちゃんの胎嚢(たいのう)が見つからないまま妊娠が終わることを言います。本来妊娠検査薬を使わなければ、生理がちょっと遅れたかな?という認識で、妊娠とは気付かなかった可能性のある流産です。
化学流産など流産の場合もhCGが上がることで陽性になることがあります。
陽性になったらどうすればいい?
妊娠検査薬陽性といっても、正常な妊娠をしているとは限りません。
超音波の検査で赤ちゃんの胎嚢が確認されて初めて、妊娠が成立しているとわかります。
検査で陽性になったら、必ず産婦人科を受診しましょう。
思いがけない妊娠で驚いてしまう方や、妊娠の継続が難しいと考えている方もいるかもしれませんが、まずは正しい妊娠をしているかどうかを確かめることが大切です。
まとめ
妊娠しているかどうか、1日でも早く知りたいという方もいるかもしれません。
フライング検査自体は悪いことではありませんが、正しい結果が出ないことがあるので判定を過信しすぎないことが大切です。
また、妊娠検査薬で陽性でも正常な妊娠をしているとは限らず、異所性妊娠など異常妊娠の可能性も考えられるので、陽性が出たら必ず産婦人科を受診しましょう。
参考文献
・公益社団法人日本産婦人科医会ー 1.生化学的妊娠(Biochemical pregnancy)の扱い方
・産婦人科診療ガイドラインー産科編 2020
・公益社団法人東京都薬剤師会ー医薬品管理センター/妊娠検査薬による自己検査