妊娠10ヶ月 臨月の妊婦さんの身体の変化と胎児の成長
妊娠10ヶ月に入り、出産まであともう少しです。
この時期のお母さんの身体の変化と赤ちゃんの成長、日常生活で注意すべき点を確認しておきましょう。
この記事の内容
妊娠10ヶ月は臨月
妊娠10ヶ月は妊娠36週0日から妊娠39週6日までのことをさします。
妊娠37週0日からは正期産ともいわれ、いつ出産になってもいい時期になります。
臨月という言葉をよく聞くと思いますが、これは医学的な用語ではありません。
一般的に、妊娠10ヶ月の時期のことをさすことが多いようです。
妊娠10ヶ月 お母さんの身体の変化
出産が近づく妊娠10ヶ月。お母さんの身体はどのように変化していくのでしょうか。
子宮の大きさ
子宮底の高さは、剣状突起と臍の中間くらいになりますが、出産が近づくにつれ赤ちゃんの位置が下がるので子宮の位置も少しずつ下がってきます。
妊娠する前には卵よりも小さかった子宮がとても大きくなりました。
子宮が大きくなることによって不快症状も出てきます。
※子宮底の高さは、「恥骨結合上縁から子宮底最高点の直線距離」のこと
胃の圧迫感がなくなる
出産が近づくと赤ちゃんが骨盤におりていき、子宮の位置が下がります。
このことから、胃の圧迫感が軽減されて、食欲が増加するお母さんもいるようです。
食欲が増えてきたかな?と思ったら出産が近づいているサインかもしれません。
母乳が出てくることも
妊娠中期以降、乳汁分泌の準備が完了しています。
37週以降に母乳育児の準備として、乳頭マッサージを指導されることも多いと思いますが、そのマッサージ中に母乳が出てくる人もいます。
黄色っぽいものが出てきてびっくりするかもしれませんが、母乳の成分なので焦らなくて大丈夫です。
一方で乳頭マッサージをしているのに母乳がでない…と思う方もいるかもしれませんが不安にならなくて大丈夫です。
出産が終わるとホルモンバランスが変わり、母乳が出るようになります。
妊娠10ヶ月 起こりやすい症状
出産が近づくにつれて、お母さんが感じる症状も今までとは変わってきます。
ここでは、よく感じる症状を紹介していきます。
恥骨痛、股関節痛
赤ちゃんが出産に向けて骨盤の中へ降りてくることに伴って、恥骨や股関節に痛みを感じることがあります。
出産が近づいている証なので、心配になりすぎずに普段通り生活しましょう。
便秘
大きくなった子宮が腸を圧迫することにより、便秘になりやすくなります。
水分摂取や適度な運動、食事バランスに気を付けて過ごすようにしましょう。
便秘が続くときには、妊婦健診のときに主治医に相談するのも大切です。
おりものが増える
妊娠に伴いエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が増加することによっておりものが増えます。
においが気になるときやかゆみが増えてきたときには、受診するようにしましょう。
食欲が増す
胃の圧迫感が軽減されることで、胃のスペースに余裕ができて食欲が増してくるお母さんも多いようです。妊娠後期は体重増加に気を付けたい時期なので、食べ過ぎには注意しましょう。
前駆陣痛
前駆陣痛は不規則でしばしば痛みを伴う子宮収縮のことで出産に備えて子宮頸部を柔らかくする働きがあります。
妊娠36週頃から感じる人が多いようです。
「陣痛かな?」と思ったら、間隔や痛みの程度を記録してみて、前駆陣痛かどうか判断しましょう。
妊娠10ヶ月 赤ちゃんの成長具合
もう少しで赤ちゃんに会えると思うとワクワクする時期です。
この時期の赤ちゃんの成長はどのようになっているのでしょうか。
赤ちゃんの大きさ
赤ちゃんの身長は45~50cm、体重は2000~3000gに成長しています。
妊娠36週の終わりには皮下脂肪も蓄えられ、全体的に丸みを帯びた体型になっています。
赤ちゃんの身体の機能は完全に成熟して、子宮の外での生活も自力でできるようになっています。
お腹の中で呼吸やおっぱいを吸う練習もしています。
妊娠10ヶ月 臨月の過ごし方と注意点
いよいよ出産間近です。この時期に注意してほしいことを紹介していきます。
遠出は避けましょう
外出先で破水や陣痛となることもあるので、遠出は避けるようにしましょう。
なにか感じたあとすぐに病院に行けるように遠出は控えて、近所でゆったりと過ごすことをおすすめします。
適度に運動する
適度な運動は腰痛や便秘などのマイナートラブル予防や、出産時の体力保持のために必要です。
また、妊産婦体操などは安全で安楽な出産に対するための準備としてすすめられているので、体調を見ながらおこなうといいでしょう。
注意点として、運動の際などにお腹が大きくなり、重心バランスが変わることから腰痛になりやすくなります。
また、大きくなったお腹によって足元も見えづらくなるため重いものを持ち運ぶことは控えましょう。
妊娠10ヶ月 臨月にしておくべきこと
この時期は出産がいつになるかと緊張してくる時期で、身の回りのことに気が向かなくなるかもしれません。
しかし、確認しておくべきこともいくつかあるので、最後にチェックして、安心して出産に臨めるようにしましょう。
入院バッグの最終確認
入院のときにもっていく荷物の準備は済んでいますか?
破水や陣痛がきたらすぐに持っていけるように荷物を確認しておきましょう。
入院時に持っていく荷物の置き場所は家族に共有しておき、すぐに病院に向かえるようにしておくとスムーズです。
また、「いつ病院に行けばいい?」と緊張してしまうと思います。
夫/パートナーや里帰り先の家族と入院するときのシュミレーションを確認しておくようにしましょう。
出産に関する書類の確認
産前産後休暇や育児休暇をとるお母さんは、産後に会社に提出する書類がいくつもあります。
産後は忙しく、書類の確認をする余裕がないかもしれないので、今のうちに確認して産後すぐに提出できるようにしておきましょう。
また、赤ちゃんの出生届の提出や保険に関しては夫/パートナーと書類提出について確認しておくことが必要です。産まれる前に一緒に確認しておきましょう。
赤ちゃん用品の準備
赤ちゃんの用品は揃っていますか?
おむつ、おしりふき、沐浴グッズ、衣類は退院後に必ず使うものです。
そのほか家庭に合わせたものを用意して、安心して赤ちゃんとの生活がスタートできるようにしておきましょう。
出産内祝いの準備
出産内祝いの準備は済んでいますか?
内祝いは、1か月以内にお返しすることがよいとされています。
産後の忙しいなか、探すのはなかなか大変です。
予算別にいくつかピックアップしておくことがおすすめです。
まとめ
今回は臨月とも呼ばれる妊娠10ヶ月のお母さんの身体の変化、赤ちゃんの成長とこの時期に気を付けてほしいことについて紹介していきました。
出産間近でドキドキしてしまう時期ですが、残りの妊婦生活を楽しんでリラックスして過ごすようにしてください。
参考文献
・公益社団法人 日本産科婦人科学会・公益社団法人 日本産婦人科医会 – 産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2020