/ 妊娠中/

双子妊娠で知っておくべきトラブルは?お腹の張りの原因や流産の確率を解説

妊娠がわかり喜びを噛み締める一方で、双子であるとわかると不安や疑問を抱くケースが多くあります。

母子ともに健康な出産を迎えるためには、マイナートラブルや体の変化を理解し、適切な対処をすることが重要です。

この記事では、双子妊娠中に注意すべきマイナートラブルやお腹の張りの原因と危険性、流産の確率について解説します。

単胎児の妊娠とは異なる部分も多くあるため、初めて双子妊娠をする方は参考にしてください。

双子妊娠中に起こるマイナートラブルとは?

双子妊娠は、お腹の中に2つの命を宿すことになります。

そのため、単胎児の妊娠では引き起こされない双子妊娠特有のマイナートラブルが起こり得ます。

具体的な症状をみていきましょう。

お腹が張って眠れない

双子の妊娠中に起こりうるマイナートラブルとして、お腹の張りによる睡眠障害が報告されています。

双子妊娠は2人の胎児を授かるため、単胎児よりもお腹が膨れるペースが早いです。

皮膚が急激に伸びるとかゆみや痛みを引き起こし、睡眠の妨げにつながります。

通院回数を増やしたり入院したりすれば、張りを抑えるための点滴ができます。

効果には個人差がありますが、睡眠障害に悩む方は担当医に相談しましょう。

頻尿になる

双子の妊娠中に起こりうるマイナートラブルとして、頻尿症状が報告されています。

もともと頻尿は妊娠初期に起こる症状として知られています。

子宮が大きくなるとすぐ下にある膀胱が圧迫され、トイレに行く頻度が増えるというメカニズムです。

双子の場合は単胎児よりも子宮が大きくなりやすく、膀胱をより圧迫しやすくなります。

トイレの頻度が増えても身体的に不調があるわけではありませんので、安心してください。

足が浮腫む

双子の妊娠中に起こりうるマイナートラブルとして、足の浮腫が報告されています。

妊娠で子宮が膨れると、やがて足の付け根にある血管まで到達して圧迫し血流の流れを悪くします。

双子の場合は、子宮が大きくなるペースが早いため、単胎児の妊娠よりも早く足の浮腫みを感じやすいです。

さらに、圧迫度合いも大きくなるため、浮腫みの感覚も強くなります。

水を飲んだり、足を高くしたりするなど血流の流れを促進する対策をとりましょう。

双子妊娠中にお腹が張る原因とは?

双子妊娠中にお腹が張る原因はお腹が大きくなること、体の冷え、疲れやストレスの3つの原因があります。

それぞれの原因について解説します。

お腹が大きい

双子妊娠中にお腹が張るのは、お腹が大きくなる点が原因のひとつです。

単胎児よりもお腹が膨れるペースが早くなり、皮膚が伸びてお腹の表面の張りを感じやすくなります。

また内臓や血管が圧迫されて、食べ過ぎたときのような気持ち悪さに近いお腹の張りを訴える妊婦さんも多いです。

食事管理や適度な運動でお腹が大きくなる速度をコントロールできれば、お腹の張りも最小限に抑えられます。

体が冷える

双子の妊娠中にお腹が張る原因として、体の冷えが考えられます。

寒い時期の妊娠やクーラーに当たりすぎ、末端冷え性を持つ方は、低体温になりやすいです。

体温が低下すると子宮が硬くなり、圧迫感が生じたり、子宮周りの筋肉や血管の収縮による張りにつながったりします。

慢性的な体の冷えによるお腹の張りは、早産の原因になるといわれています。

基礎体温を高く保つための食事、お腹周りを温める服装などで工夫しましょう。

疲れやストレス

双子の妊娠中にお腹が張る原因として、疲れやストレスが考えられます。

妊娠するとホルモンバランスが大きく変化しますが、この変化とともに自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。

自律神経の乱れによる症状のひとつが妊娠中のお腹の張りです。

双子妊娠では睡眠障害やつわりが強く、普段の生活以上の疲れやストレスが溜まりやすいです。

周りの手を借りながら無理のない妊娠生活を送りましょう。

双子妊娠に起こりやすいトラブルとは?

双子妊娠中には胎児発育不全、双胎管輸血症候群、胎児発育不均等の3つのトラブルが起こりやすいです。

それぞれの症状について解説します。

胎児発育不全になりやすい

胎児発育不全とは、妊娠中の胎児に何かしらの理由で成長が遅れたり止まったりしてしまう状態を指しています。

疾患や喫煙など原因がわかるケースもありますが、原因不明なことも多いです。

治療法はありませんが、慎重な管理のもと安静に過ごすのが効果的です。

双胎間輸血症候群になりやすい

双胎管輸血症候群とは、双子の胎児の成長ペースが崩れることで、疾患が生じたり死亡につながったりする状態を指しています。

成長ペースが崩れると、片方の胎児の血液循環量が増えすぎて、もう片方の胎児の血液循環量が不足します。

何もしないと死亡率は80%以上のため、羊水吸引やレーザー治療などを検討しましょう。

胎児発育不均等になりやすい

胎児発育不均等とは、双子の胎児が同じペースで成長できずに、片方の胎児に疾患が生じたり死亡につながったりする状態を指しています。

片方の胎児が徐々に弱っていく場合もありますが、急死するともう片方の胎児に大量の血液が送られ2人目も危険です。

定期的に検診をして胎児の状況を把握しましょう。

双子と単胎児では流産の確率が違う?

1回の妊娠で流産する確率は平均15%とのデータがあります。

年齢とともに流産する確率は高くなりますが、双子と単胎児で変化があるのか解説します。

双子の流産の確率

結論からお伝えすると、双子の流産の確率について明確なデータはわかっていません。

ただし単胎児と比べると双子の妊娠は、マイナートラブルが多かったり妊娠症状が重かったりする傾向にあります。

流産するリスクも高くなると推測できるため、リスクや症状に対する対処法を適切に把握しておきましょう。

単胎児の流産の確率

結論からお伝えすると、単胎児の流産の確率について明確なデータはわかっていません。

ただし全体の流産率が15%ですので、約6〜7人に1人ほどの妊婦さんが流産を経験しています。

決して少ない数字ではないため、定期検診と生活習慣に気を配りましょう。

双子妊娠中のお腹の張りの危険性

妊娠すると自然とお腹の張りは生じるため、深く心配する必要はありません。

しかし、母体と胎児が危険を伴うお腹の張りもあるため、注意が必要です。

出血を伴う場合

双子妊娠中に、お腹の張りに加えて出血を伴う場合は、早産や流産の可能性が考えられます。

胎児の生死に関わるため、早急に担当医に診療してもらいましょう。

お腹の張りが強い・痛みがある

双子妊娠中に、お腹の張りがカチカチになるほど強かったり痛みが激しかったりする場合、常位胎盤早期剥離の可能性があります。

滅多にない症状ですが、胎盤が剥がれて母子ともに危険です。

早急に担当医に診療してもらいましょう。

まとめ

この記事では、双子妊娠中に注意すべきマイナートラブルやお腹の張りの原因と危険性、流産の確率について解説しました。

双子の妊娠は単胎児の妊娠以上に、マイナートラブルやお腹の張りの症状が多く出る可能性があるため注意が必要です。

母子ともに健康で出産を終えるため、さまざまなリスクと対処法を理解して妊娠生活を送るのが懸命です。

ただし、出血や激しい痛みを伴う場合は、我慢せず病院を受診しましょう。

参考文献

・東邦大学医療センター大森病院 総合周産期母子医療センター(母体・胎児部門)-双胎間輸血症候群について | 患者さんへ 

・一般社団法人日本生殖医学会-一般のみなさまへ – 生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A):Q23.女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?