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高齢出産は気持ち悪い?高齢出産のダウン症リスクや気をつけるべき点を解説|高齢出産ならではのメリットも!

何歳であっても赤ちゃんを授かるのは嬉しいことです。

しかし、高齢での妊娠ともなると「気持ち悪い」と眉をひそめる方が一定数いるのも事実です。

今回は高齢出産が嫌悪される理由や気をつけるべき点などを解説します。

高齢出産ならではのメリットも紹介しているので、悩んでいる方は参考にしてみてください。

高齢出産の定義

そもそも高齢出産の定義とは何なのでしょうか。

一般的には35歳以上で妊娠した方を「高齢出産」としています。

女性は30歳を過ぎた頃から妊娠や出産に何らかのリスクが生じます。注意喚起を伝える意味で日本産科婦人科学会では、35歳を過ぎての妊娠は「高齢出産」として定義づけているのです。

とはいえ、平均初婚年齢が晩婚化していることもあり、高齢出産は決して珍しいものではありません。

そのため過剰に恐れなくて大丈夫です。

また、はじめて出産を迎える方だけではなく、2人目以降を妊娠時に35歳を超えている経産婦についても高齢出産としています。

高齢出産が気持ち悪いと言われる理由

子どもを授かることは喜ばしいことなのに、一部では「高齢出産なんて気持ち悪い」と否定的な意見も聞かれます。

ここでは高齢出産が気持ち悪いと言われる理由について解説します。

子どもと過ごせる時間が短くてかわいそうだから

赤ちゃんが産まれたときに「この子が成人になったら自分は何歳だろう」と、恐らく大半の方が考えることだと思います。

35歳で出産した場合、子どもが20歳になると55歳です。

40歳なら60歳と還暦を迎えています。

子どもが独立した頃には還暦を迎えてしまうことを考えると、一緒にいられる時間が限られてしまいかわいそうと周囲は感じるようです。

親の介護と重なる可能性があり大変だから

子育ては何歳で産んでも大変なものですが、高齢出産の場合、子育てと親の介護の時期がかぶることがあります。

赤ちゃんのお世話と親の介護。

どちらも体力や精神力を要しますが、どちらも放置するわけにはいきません。

また、自分の親の介護を「する」のではなく、自分が介護「される」可能性もあるのです。

高齢出産の場合、子どもがいざ独立となったタイミングで介護とならないよう、健康に気を配る必要があります。

孫と間違えられて恥ずかしい思いをするから

「○○ちゃんのおばあちゃん」と言われて気まずい思いをすることもあります。

出産した年齢が高いほど、孫と間違えられてしまうでしょう。

参観日などの学校行事に参加したとき、周りの若いお母さんと比べて浮いてしまうことも。

自分のお母さんが悪目立ちしてしまい、子どもも恥ずかしいと感じてしまいます。

子どもへのしつけが甘いと見られるから

長年かけてやっと授かった我が子だからこそ余計にかわいい。

これは昔から言われてきたことです。

そのため、「しつけが甘い」と噂されてしまうこともあります。

実際に高齢出産の家庭は経済的に余裕があり、実際に何でも買い与えてしまうケースも。

このことから周囲から白い目で見られるようになってしまいます。

高齢出産で理解しておくべきリスクは?

前述したように30歳を過ぎると、妊娠や出産にはリスクが伴うようになります。

ここでは理解しておくべきリスクを詳しく解説します。

ダウン症のリスク

ダウン症とは

ダウン症とは染色体異常を伴う疾患のことです。

細胞の中にある両親からの遺伝子やDNAを含む染色体に異常が生じて発症します。

通常の染色体は父親から23本、母親から23本受け継ぐので合計で46本あります。

しかし、ダウン症では21番目の染色体が1本多くなってしまうのです。

この異常が知的・身体障がいを引き起こすことがあります。

染色体異常の中では頻度が高く、600〜800人に1人は発症する疾患です。

ダウン症の特徴

ダウン症は顔に一定の特徴が現れやすくなります。

たとえば頭が小さかったり、広く扁平な鼻であったり。

また眼が細く吊り上がり気味、舌が大きいのもダウン症の特徴です。

あくまでも「現れやすい」というだけで、必ずしもこういった特徴が出るとは限りません。

身体的な特徴では、全身の筋緊張の低下や指が短くなっているほか、低身長も挙げられます。

運動量が乏しく、食にも偏りがあるため肥満のリスクが高くなる傾向があります。

性格は明るく人懐っこいのが特長で、学校や職場でも上手に人間関係を築くことができるでしょう。

高齢出産とダウン症

赤ちゃんがダウン症になる確率は、高齢であるほど高くなります。

たとえばお母さんの年齢が20歳に対して、ダウン症の赤ちゃんが産まれる確率は1667人に1人。

お母さんの年齢が35歳だと385人に1人、40歳になると106人に1人におよびます。

障がいを持って生まれるリスク

高齢出産は赤ちゃんが障がいを持って生まれるリスクも伴います。

35歳で妊娠した場合、赤ちゃんが障がいを持って産まれる確率は0.52%。192人に1人の割合です。

また、お母さんが41歳の場合だと1.88%と、53人に1人の割合です。

35歳と比べると約3倍近くまで跳ね上がります。

流産・早産・難産のリスク

流産に至っては35〜39歳で約17~18%、40歳以上で25~30%と年齢が上がるほど流産の確率が高くなります。

また、赤ちゃんの通り道である産道や子宮口は、年齢が上がると段々固くなる傾向に。

これにより早産や難産になりやすいといわれています。

高齢出産は気持ち悪くない!高齢出産ならではのメリット

高齢出産に引け目を感じることなどありません。

若い方の妊娠に比べたら気をつけるべき点があるだけで、赤ちゃんを授かったことはとても喜ばしいことなのです。

ここでは高齢出産ならではのメリットを解説します。

精神面や経済面でゆとりがある

赤ちゃんを授かるまでは夫と二馬力でがんばってきた方も多いのではないでしょうか。

そのため、資金面では十分な蓄えがあり、赤ちゃんを産んでからもお金で不自由することはほとんどありません。

経済面での余裕は精神面での余裕にもつながります。

食事を作るのが大変なときはテイクアウトを利用して、その分赤ちゃんのお世話に時間をかける。

そんなことができるのも長年仕事をがんばってきた実績があるからなのです。

仕事のキャリアを積んでから子育てに専念できる

出産の場では「高齢」とされますが、会社では次の役職者候補、もしくはすでに役職者となっている方も多いと思います。

上司からは期待されて、後輩・部下からは頼りにされる。35歳は社会では一番勢いのある時期といわれています。

そのため育休を取るのにしても、退職を選ぶのにしても、築いてきたキャリアは大事な財産です。

社会で学んだことを活かしながら子育てに専念できます。

高齢出産で気をつけるべき点は?

高齢出産はあらゆるリスクがありますが、普段から意識して気をつけていれば過剰に恐れることはありません。

ここでは高齢出産で気をつけるべきポイントを解説します。

生活習慣を整える

高齢出産に限った話ではありませんが、やはり妊娠時は生活習慣を整えるのが一番重要です。バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠。

この3つが整ってこそ、安心・安全の出産につながります。

生活習慣の乱れは自律神経の乱れを引き起こします。

そして女性ホルモンの分泌量の現象にもなるため、普段から生活習慣を整える意識を持ち続けましょう。

出生前診断を検討する

出生前診断を検討するのも1つの手段です。

高齢出産はダウン症のリスクが上昇しますが新型出生前診断(NIPT)では、ダウン症を含む染色体異常について把握できます。

赤ちゃんの状態を知って、必要な準備を行うための時間が欲しい。

そんな方はNIPTについて検討してみてください。

若いお母さんとも交流を図る年齢は周りのお母さんより少し上でも、子育て歴についてはほとんど同じです。若いお母さんとも交流を深めながら、楽しく子育てしていきましょう。

まとめ

高齢出産に対して嫌悪感を示す方は、残念ながら一定数存在します。

しかし、そういう方には「人にはいろいろな考えがある」と割り切ってしまうのがおすすめです。明らかに嫌なことを言われた場合は相手にする必要はありません。

自分がベストだと思う子育てをすればいいのです。

実際に高齢出産はそこまで珍しいものではなくなっています。

ダウン症や早産・流産の確率は高くなりますが、大事なのはどんな赤ちゃんでも責任を持って育てることです。

不安なことがあれば産婦人科医に気軽に相談しましょう。

参考文献

・公益社団法人日本産婦人科学会ー「妊娠適齢年齢」

・公益財団法人日本ダウン症協会ー「ダウン症のあるお子さんを授かったご家族へ」

・厚生労働省ー「不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会」

・厚生労働省心身障害研究ー「妊婦年齢別の早産及び低出生体重児」