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妊娠初期症状がない?初期に現れる症状や注意点・不安解消法をご紹介

妊娠初期は流産の可能性が高いため、初期症状がなくて不安になる方も多いでしょう。本記事では、一般的な妊娠初期症状がどのようなものか、不安を解消する方法などをご紹介します。

妊娠初期症状がなくて不安な方や、妊娠初期の流産に気をつけたい方はぜひご覧ください。

妊娠初期症状がない方もいる!妊娠4か月までに現れやすい症状

妊婦さんの身体はめまぐるしく変化します。赤ちゃんができた喜びの一方で、赤ちゃんが健康に育っているのか、検診や出産にかかる費用はいくらなのか、将来のキャリアはどうなるのかなど心配事は尽きません。

妊娠初期症状の現れ方やおさまる時期には個人差があり、ほとんど症状を感じない方もいます。つい心配しすぎて強いストレスを溜めないよう、穏やかな妊婦ライフを過ごしましょう。

妊娠初期症状①|強い吐き気や嘔吐

つわりは、多くの妊婦さんが経験する妊娠初期症状の1つで、強い吐き気や嘔吐をともなう方もいます。以下の表で、代表的なつわりを5つご紹介します。

種類症状対策
吐きつわり吐き気や嘔吐急に吐き気を覚える胃のムカムカが継続する遠出しないようにする吐き気止めを処方してもらう
眠りつわりどれだけ寝ても眠気が続く倦怠感が強くなる周囲につわりの症状であると理解してもらう外の空気を吸ったり軽い運動をしたり気分転換をする
食べつわり空腹になると吐き気を覚える食べものの好みが大きく変化するすぐに食べられるものを常備しておくバランスよく栄養が摂るよう気をつける
匂いつわり匂いに過敏になる好みの匂いが変化する匂いによって吐き気を覚える人が多い場所は避ける心地よい香りのものを常備する
よだれつわりよだれの分泌が増える唾液を飲み込むと気分が悪くなる無理に飲み込みすぎない飴やガムを口に入れる

つわりの症状が重症化すると、母体や胎児の健康を阻害する妊娠悪阻(おそ)と診断されます。脱水症状や過度な体重減少などがある場合は、速やかに医師に相談しましょう。

妊娠初期症状②|胸の痛み

妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加します。これら2つのホルモンが授乳に向けた乳腺組織を活性化させる働きをするため、胸の張りやズキズキする痛みがしばらくの間続きます。

胸の張りや痛みが強いときは、締め付けのない柔らかい素材の下着を選び、胸を冷やすなどして対処しましょう。たとえば、冷たいタオルを1分~2分程度当てるなどの対応が有効です。

妊娠初期症状③|体調不良・微熱の継続

体調不良によるだるさや微熱の継続も、妊娠初期症状の1つです。風邪のような症状が長引いたり、微熱が続き体がだるくて動きたくなくなったりします。胎児の心配に体調不良が加わり、「苦しい」「しんどい」と辛い時期を過ごしている妊婦さんも多いでしょう。

妊娠による辛い症状が、いつまでも続くことはありません。辛いときは無理をせず、まわりに頼ることも必要です。安静にして、今だけの症状だと割り切ってポジティブに過ごしましょう。

妊娠初期症状④|マタニティブルー

マタニティブルーも、妊娠初期の妊婦さんに現れやすい症状です。妊娠初期は、ホルモンバランスの変化やつわり・だるさなどの症状からイライラしたり、感情的になりやすくなったりします。

また、不安が強くなったり、気分が落ち込んだりする方もいるでしょう。このようなストレスや不安が積み重なり、マタニティブルーになる方もいます。

妊娠中は妊婦さんの免疫力が低下し、感染症にかかりやすく母子感染のリスクがあります。ストレスを抱え過ぎるとマタニティブルーだけでなく免疫力も下がるため、ストレスや感染症には注意が必要です。

妊婦が抱える妊娠中のさまざまな不安や心配事

お腹の赤ちゃんがスクスク育っていくなかで、母体は日々変化し、さまざまな不安や心配事が出てきます。多くの妊婦さんが抱える不安は、以下のとおりです。

  • お金の不安
  • 胎児の健康への不安
  • 母体の健康への不安
  • 仕事の不安

この章では、それぞれの具体的な悩みをご紹介します。

お金の不安

妊娠・出産には、検診費用・入院費用・分娩費用・子育て費用などのさまざまなお金がかかります。出産や育児で、多くの方が対象となる可能性がある助成金を、以下の表でご紹介します。

助成金の種類対象者申請する場所
妊婦検診費の助成すべての妊婦各自治体の役所
出産育児一時金すべての妊婦各自治体の役所
児童手当すべての妊婦各自治体の役所
乳幼児医療費助成すべての保護者(所得制限あり)各自治体の役所
出産手当会社員・公務員会社
育児休業給付金会社員・公務員会社

上記で紹介した以外にも、国や各自治体、会社がさまざまな助成金や補助金制度を用意しているケースがあります。体調のよいときに詳しく調べておきましょう。

胎児の健康への不安

胎児と二心同体で生活している妊婦さんですが、お腹の中の様子を自分で確認するのは難しいでしょう。このとき、胎児が健康に育っているか確認するのが妊婦検診です。妊婦検診の頻度は、妊娠週数によって異なります。

妊娠週数妊婦検診の頻度
初診~妊娠3か月1週間~2週間に1度
妊娠4か月~6か月4週間に1度
妊娠7か月~9か月2週間に1度
妊娠10か月(臨月)~1週間に1度

わが子の成長を感じる待ち遠しいイベントである妊婦検診では、さまざまな検査が行われます。とても大切な検査のため、決められた期間にきちんと受けましょう。

もし、次の検診までに胎児の様子が気になって不安な方は、最後にご紹介する「心配事・不安の解消方法」を参考にしてください。

母体の健康への不安

妊娠すると身体が大きく変化するため、疲れやすくなります。妊娠以前のように動けず、戸惑いや不安を感じる方も多いでしょう。妊娠中は、免疫力の低下やホルモンバランスの変化で病気や感染症にかかりやすくなるので、注意が必要です。

なかでも感染症は、母体から胎児へうつる可能性があるため、特に注意しましょう。また、感染症のなかには早産や流産、破水につながる病気もあります。

妊娠中は無理に動いたり、人混みの多い場所へ出かけたりするのを避け、疲れたらすぐに休める環境を整えておきましょう。予防のため、マスクを着用するのも効果的です。

仕事の不安

仕事をしている妊婦さんのなかには、周囲に迷惑がかかっているのではないかと不安を感じている方もいるでしょう。同じように、長期休暇がキャリアに響くのではないかと心配な方もいるかと思います。

妊婦さんは、労働基準法で定められた産前休暇や産後休暇、育児休暇を利用して、体調優先で働く権利があります。

また、キャリアの停滞が心配な方は、1人で悩みを抱え込まず、会社や家族に相談し、自分の考えをしっかり伝えるのが大切です。保育園によっては、生後2か月~3か月の赤ちゃんを受け入れる園もあります。

早期の職場復帰を希望している場合には、希望の保育園を管轄する役所に問い合わせてみましょう。

妊娠初期症状がない?心配事・不安を解消する方法

お腹の赤ちゃんが心配な方にご紹介する1つめの不安解消法は、心音グッズです。ご家庭で気軽に赤ちゃんの心臓の音を確認できるアイテムで、ベビー用品店やオンラインショップで購入できます。心音グッズによっては、使用できる期間が決まっているものもあります。

2つめの不安解消法は、赤ちゃんの健康や疾患に不安がある方向けの「出生前診断」です。NIPT(新型出生前診断)では、21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー(エドワーズ症候群)などの遺伝子疾患検査が可能です。妊娠10週から受けられるため、受けたい際は早めに予約しましょう。

まとめ

妊娠初期症状の現れ方は個人差があるため、初期症状がほとんどないまま出産される方もいます。妊娠・出産には喜びとともに、さまざまな不安や心配事が付きものです。しかし、過度な不安はストレスになり、妊婦さんと赤ちゃんによくない影響を与えるケースもあります。

この記事を参考に、日々の不安や悩みは身近な方に相談しながら解消し、穏やかな気持ちで妊婦ライフを送りましょう。

参考文献

・公益社団法人日本産科婦人科学会倫理委員会ー母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針

・日本産婦人科医会ー1.総論