どうしておしるしが続く?おしるしの色や量と危険なサインについて。
「おしるしがあったけど陣痛が来ない。」「おしるしが何日も続いていて心配。」そんな方はいませんか。
おしるしは赤ちゃんの誕生が近づいたという大切なサインの1つです。
しかし、おしるしは何日も出続けることがあり、おしるしが現れてもすぐに陣痛が来るとは限りません。
また、おしるしに関して正しく知ることで、分娩の際に異常にいち早く気づき、素早く対処できるようになります。
ここでは、おしるしはどのようにして現れて、どのくらい続くものなのかを解説していきます。
この記事の内容
おしるしはどのくらい続くの?
おしるしが何日も続いてみられているけれど陣痛が始まらなかったり、継続的におしるしのような兆候が現れていると、「どうして陣痛が来ないのだろう。」「おしるしが続いているけど大丈夫だろうか。」と不安になる方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、おしるしはどのようにして現れて、どのくらい続くものかを解説していきます。
おしるしって何?
おしるしは、陣痛や破水と共に、お産のときにみられる兆候の一つとしてご存じの方も多いかと思います。
おしるしとは、医学用語では産徴(さんちょう)とも言います。
血性のおりもので、子宮壁の毛細血管が少しだけ破れた程度の出血であるため、多量の出血とは異なり、うすい血液を混じえた粘液性のおりものとなります。
なぜおしるしが見られるの?
お産が近づくと赤ちゃんの頭が少し下がり、赤ちゃんを包んでいる卵膜と呼ばれる袋の一部が子宮壁から剥がれます。
その際に、子宮壁の毛細血管と呼ばれる小さな血管が破れて少量の出血が起き、それをおしるしと呼びます。
そのため、おしるしというのは赤ちゃんが降りてきたことによって起こる正常な経過であり、「もうすぐ生まれるよ。」という赤ちゃんからのメッセージでもあるのです。
おしるしが続く期間について
おしるしは人それぞれであり、その有無や期間が異なることがあります。
一般的には、おしるしの後、通常は1日~2日で陣痛が来ると言われることがありますが、実際には個人差が非常に大きいです。
おしるしを経験しても、陣痛に至るまでに1週間以上かかることもありますし、逆におしるしを経験しないまま出産に至ることもあります。
おしるしが続くのはどうして?
おしるしが続くのは正常なことではありますが、出血量が多かったり痛みを伴ったりするときには、もしかするとおしるしではない何か別の原因で出血が起きているのかもしれません。
ときには赤ちゃんが危険にさらされているサインであることもあります。
ここではおしるしが続く原因について解説していきます。
常位胎盤早期剥離のリスク
常位胎盤早期剥離という名前を聞いたことがあるでしょうか。これは赤ちゃんやお母さんにとってとても怖い疾患であり、注意が必要です。赤ちゃんの脳性麻痺も、この疾患が原因となることが多くなっています。
胎盤というのはお母さんから赤ちゃんに栄養や酸素を運ぶ大切な役割をしていますが、まれに赤ちゃんが生まれる前に胎盤が子宮壁から剥がれてしまうことがあります。
これを常位胎盤早期剥離と呼びます。急な腹痛、持続的な痛み、多めの出血が特徴的です。これらの症状があるときは迅速に対応が必要となります。
前期破水のリスク
おしるしと思われる症状が前期破水である場合もあります。
おしるしとは異なりますので、入浴は避け、迅速に医療機関を受診する必要があります。
前期破水では、生臭い匂いがすることもあります。少量ずつ漏れることや、自分の意思で止められないということも特徴的です。
おしるしと前期破水を見分けるポイントとして、前期破水の特徴を覚えておくと役立ちます。破水によって羊水が減少し、赤ちゃんの心拍が低下する恐れや、産道感染症のリスクも高まります。
前置胎盤のリスク
前置胎盤とは、その名前の通り子宮の前の方、つまり入り口の方に胎盤が付着している状態です。
前置胎盤の場合何が怖いのかというと、出産が近づき、赤ちゃんが降りてきて子宮の入り口が開いてくると、胎盤の一部が剥がれ、そこから大量の出血が起こる可能性があるということです。
前置胎盤の出血の特徴は、お腹の痛みを伴わない突然の出血が起きたり、大量の出血が起きたりすることで、そのような症状がみられたらすぐに医療機関を受診する必要があります。
おしるしが続くときはどうする?
おしるしが続くときはどのように対処したらよいのか解説していきます。
出血量やおしるしの状態を確認
一般的には薄いピンクや茶褐色、量は少なく、おりもののように粘り気があることが特徴として挙げられます。
しかし、おしるしには個人差があり、一概には言えないため、何か気になることがあれば医療機関に相談することが大切です。
特に、月経の多い日を超える量の出血で、血の塊などが混ざっていたり、サラサラとした鮮やかな色の出血だったりするときは、おしるしではなく異常な出血である可能性があるためすぐに診察を受けましょう。
お腹の痛みがあるか確認
おしるしは通常、痛みを伴わない出産の兆候です。
下腹部が頻繁に張り、その間隔が短縮していく場合、おしるしと共に陣痛が始まっている可能性があります。
また、陣痛はお腹が痛くなるときと、張りと痛みがおさまるときを周期的に繰り返すものであり、お腹が常に張りっぱなしで痛みが持続的に続くときは、胎盤早期剥離などの危険な状態である可能性が高くなります。
緊急に処置が必要な場合もあるので、すぐに病院にいきましょう。
破水はしていないか確認
赤ちゃんは卵膜という薄い膜に包まれていて、その中は羊水で満たされています。
この卵膜が破け、中にあった羊水が流れ出ることを「破水」と呼びます。
羊水は勢いよく流れ出るときもあれば、チョロチョロと流れ出ることもあり、尿漏れとの区別が難しいことがあります。
また、水っぽいおしるしが出ていると思ったら 破水だったということもあるため、破水かどうか判断がつかないときは医療機関に相談しましょう。
いつでも入院できるように準備を整えておく
おしるしがきても、妊婦さんによってはお産が開始するまでに1週間以上かかるときもあります。
しかし、そのような状況でも、なるべく遠出は控えることが大切です。
また、誰に病院まで連れて行ってもらうのか、自家用車かタクシーかなどを決めておくことで、いざとなったときに慌てずに病院に行くことができます。
入院に必要な持ちものを早めに準備しておき、家族にも置いてある場所を伝えておきましょう。経産婦さんの場合は、上のお子さんのお世話を誰が行うかなども決めておくと良いでしょう。
おしるしには個人差がある
おしるしが続いたり、続かなかったりするには個人差があります。
しかし何か少しでもおかしいと感じたときには医療機関へすぐに相談することが大切です。
おしるしが続く期間や量には個人差がある
おしるしは出産の3日前くらいから現れることが一般的ですが、出産の1週間前におしるしを経験する方もいれば、出産の前日におしるしが見られる方もいます。
中にはおしるしがない方も
出産の前には、必ずしも全ての妊婦さんにおしるしがみられるというわけではありません。
おしるしがみられないまま、あるいは気づかないまま陣痛が始まり、出産になることもあります。
おしるしがなかったからと言っても心配することはありません。
おかしいと思ったら病院へ
おしるしの色や量は人それぞれで異なるため、過度に心配する必要はありません。
ただし、おしるしや痛みが持続したり、出血量が多かったりするときは、母子の安全に関わる可能性もあります。
おしるしが現れたら、その期間や量をしっかりと観察し、違和感が持続する場合には産婦人科を受診しましょう。
自己判断に気をつけましょう
少しでも痛みや身体の不調が続くときは、自己判断せずにすみやかに産婦人科に連絡しましょう。
おしるしや下腹部の痛みを前駆陣痛と勘違いし、気づいたときには母子共に危険な状態になっていることもあります。注意が必要ですので、すぐに医療機関に連絡することが重要です。
まとめ
今回の記事では、おしるしが続くのはどうしてか、おしるしはどのくらい続くものなのかなど、おしるしの一般的な特徴を説明しながら、異常時のサインについても解説してきました。
おしるしは赤ちゃんに会えるときが近づいているサインであるとは言え、何日も続いていると心配になるかもしれません。
もちろんおしるしが正常な経過であることもあれば、そこに危険を告げるサインが潜んでいることもあります。
少しでもおかしいなと思うことがあれば、すぐに医療機関に相談するようにしましょう。
参考文献