妊娠を心配しすぎかも?妊娠中に抱えやすい不安について解説|ストレスは胎児に影響を与えてしまうのか?
妊娠発覚後、初期症状が出ると心身の不調を感じやすいのです。「もしかして心配しすぎかも?」と不安に感じてしまう方もいるでしょう。
妊娠は期間が長いうえ、つわりや食べられるものも制限されるのが原因でストレスが溜まるのは珍しくはありません。
そこでこの記事では、妊娠中に抱えがちな不安、妊娠のストレス・不安が胎児に与える影響などを解説します。毎日、ちょっとしたことでストレスを減らすことができます。上手なストレスとの向き合い方を学んで、充実した妊娠生活を送っていきましょう。
この記事の内容
妊娠9週目のお母さんと赤ちゃんの様子は?
妊娠9週目になると、お母さんや赤ちゃんの様子にさまざまな変化が見られます。中には、母体や赤ちゃんの変化に戸惑ってしまう方もいるかもしれません。ここでは、下記の2つに分けてそれぞれの状態を詳しく解説します。
- お母さんの状態
- 赤ちゃんの状態
具体的にどのような変化が生じるのか把握しておきましょう。
お母さんの状態
お母さんは妊娠9週目になると乳房が大きくなります。これは乳腺が発達して脂肪が増えるためです。また、乳輪と乳首の色がよりはっきりと濃くなります。
身体付きも腰回りが大きくなり丸みを帯びてくるため、ゆったりとした服を選ぶとよいでしょう。ほかにも、下記のような変化が身体に現れます。
- 少量の出血
- 子宮のけいれん
- お腹が空きやすくなる
- 匂いの好みが変わる
- 子宮の圧迫によって頻尿になる
この時期は、つわりのピークを迎えるお母さんが多いため、無理はせずに身体をゆっくり休めましょう。
ほかにも、ホルモンの影響で気分の浮き沈みが起こり、落ちこみやすくなったり、イライラしやすくなったりします。まわりのサポートを受けながら、ストレスを溜め込まないようにしてください。
赤ちゃんの状態
妊娠9週目の赤ちゃんの大きさは、頭から臀部までで20mm〜30mmほど、赤ちゃんを包む袋である胎嚢は5.7cm、体重はわずか1g〜3g程度です。まだまだ成長途中であるものの、脳や心臓、肺などの器官が完成に近づきます。
また、手足の基本系ができはじめ、徐々に人の姿へと近づいていく姿をエコーで確認できるようになります。妊娠3か月目である8週目〜11週目を乗り越えると、早期流産のリスクも下がり一安心といえるでしょう。
妊娠中によくある心配・不安なこととは?
妊娠中は孤独を感じやすくなり、不安が絶えないお母さんも珍しくありません。特に金銭面や仕事、育児に対する不安を抱えている方が多くいます。
ここでは、それぞれの不安を詳しくご紹介します。妊娠中のお母さんが抱えがちなよくある心配・不安な内容をみていきましょう。
金銭面の不安
妊娠すると妊娠検診を定期的に行う必要がありますが、妊娠検診は保険適用外です。助成制度によって無料化されているところもありますが、自治体によって負担金額は異なるのが現状です。
さらに妊娠中に病気になれば、追加の検査でさらに出費が増えるでしょう。また、出産後も赤ちゃんの洋服やおむつなど、ベビーグッズにお金がかかります。
ただし、出産にあたって出産育児一時金や高額療養費制度といった公的制度を利用可能です。金銭面が心配な方は、どのような制度を利用できるのか、しっかりと確認しておくと安心です。
仕事の不安
働いている女性は、妊娠が仕事に与える影響への心配も大きいでしょう。妊娠中は、突然の体調の変化による欠勤や遅刻・早退がありえます。急に休んでも周囲がスムーズに対応できるように、事前に情報を共有しておくのも大切です。
また、身体に負担の多い仕事を無理に続けると、ストレスや不調につながります。時短勤務への切り替えを検討するのも一つの手段です。
今後のキャリアについて不安がある場合は、キャリアプランに向けた情報収集や育休中のキャリアアップについて考えてみると、不安を和らげるのに役立つでしょう。
赤ちゃんの健康
お母さんの流産に対する不安や自身の抱えるストレスが赤ちゃんに悪影響を与えないか、不安な方は多いのではないでしょうか。定期的に受ける妊娠検診は、赤ちゃんの形や大きさ・心臓の動きを把握して、異常がないか検査します。赤ちゃんの健康のために、検診のスケジュールをきちんと確認して受診しましょう。
また、ニコチン・アルコールは赤ちゃんの各器官形成に悪影響を与えます。妊娠中の喫煙・飲酒は控え、他の方法でストレス解消をはかりましょう。
自身の身体の健康
妊娠中は、ホルモンバランスの影響によるメンタルの変化や免疫力の低下があるため、身体について不安になるお母さんは多くいます。特に免疫力が低下するため、食中毒の可能性がある非加熱食品には注意してください。
また、妊娠でよく聞く「マタニティブルー」は感情の制御ができなくなるうえに、不眠や過食といった不調を引き起こします。マタニティーブルーは誰にでも起こる可能性があるものの、自然に改善されるケースがほとんどです。
もしも、マタニティーブルーや妊娠の悩みがある場合は1人でなんとかしようとせずに、パートナー・家族・友人など周囲の手を借りましょう。
妊娠のストレス・不安が胎児に与える影響
妊娠中にストレス・不安を抱えると、血管の収縮が起こり胎児の成長に必要な栄養素・酸素を十分に届けられなくなります。その結果、胎児が酸欠や栄養不足になり、発育に遅れが生じてしまいます。
具体的な確率ははっきりとしていないものの、胎児の脳が正常に発達していない場合、将来うつやADHDを発症するリスクをあげる可能性があります。
できるだけポジティブな気持ちで妊娠期間を過ごせるように、定期的にストレスを発散していきましょう。
妊娠中のストレス発散方法
妊娠中はどうしてもストレスを感じやすいため、自分に合った方法で上手に発散することが大切です。しかし、母体や赤ちゃんの健康に配慮する必要があるため、妊娠前と同じように趣味をめいっぱい楽しむのは難しいかもしれません。
そこで、妊娠中に気をつけたいポイントを踏まえながら、有効なストレス発散について紹介していきます。
好きなものを食べる
赤ちゃんの健康を優先して、食事内容を制限するお母さんもいます。しかし、つわりや体調不良で食事が進まないような場合は、食べやすいものを口にするようにしましょう。無理に食事内容を制限すると、母体にとってストレスを感じる原因です。
ただし、塩分の過剰摂取やバランスの偏りすぎた食事は、妊娠高血圧症候群につながるおそれがあります。妊娠高血圧症候群は重症化すると、流産のリスクが高まるため注意が必要です。
また、偏った食事や極端なカロリー制限による自己流のダイエットは禁物です。妊娠中のダイエットは医師の指示の下で行うのが前提であり、自己判断のダイエットはしないでください。
体を動かす
適度な運動は、メンタルの安定や肥満予防などの、さまざまなメリットが期待できます。元々身体を動かすのが好きだった方は、妊娠を機に運動を辞める必要はありません。散歩やストレッチを取り入れるだけで手軽にリフレッシュできるでしょう。
ただし、注意したいのは激しい運動や危険な運動です。特に長時間立ったままの運動や怪我をするリスクがある運動は、身体トラブルを起こす可能性があります。適度に体を動かし、疲労度に応じて休憩してください。
まとめ
本記事では、妊娠9週目の赤ちゃんとお母さんの状態や、妊娠中に抱えがちな不安・心配、ストレス発散方法についてご紹介しました。妊娠9週目はつわりのピークを迎える時期であるため、無理は禁物です。
また、ホルモンバランスによって気分が落ち込みがちになります。過度に心配しすぎず、パートナー・友人・家族など周囲に頼りながら乗り越えていきましょう。赤ちゃんと自身の健康を気にかけながら、快適な妊婦ライフを目指してください。
参考文献
・厚生労働省 – 妊婦健診
・SRL総合検査案内 – 梅毒定量TPHA
・保健指導マニュアル – 推定胎児体重と胎児発育曲線
・公益財団法人 母子衛生研究会 – 妊娠月別 胎児の様子とママのからだ
・e-ヘルスネット会 –「胎児性アルコール症候群」
・MSDマニュアル – 妊娠中の合併症の危険因子
・厚労省 – 妊娠中と産後の食事について
・時事メディカル – 妊娠中の生活の心得
・日本婦人科医会 – 飲酒、喫煙と先天異常
・Medical Note – 妊娠高血圧症候群