妊娠7か月の妊婦さんがストレスを抱える理由|原因や胎児への影響、発散方法について
妊娠7か月は妊娠中期にあたる時期で、体の変化だけでなく産後に向けて環境の変化も大きい時期です。それにより、多くの妊婦さんが少なからずストレスを抱えています。妊娠前であれば気に留めることもない些細なことで、イライラしてしまうこともあるかもしれません。
本記事では、ストレスを抱える妊娠7か月の妊婦の方に向けて、ストレスの原因や発散方法・胎児への影響について解説します。心身ともに健康な状態で出産にのぞむためにも、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
【妊娠7か月】ストレスを感じやすくなる理由と5つの原因
妊娠してから「感情の起伏が激しくなった」「気持ちが不安定」など、メンタル面で変化を感じた経験はありませんか?このような変化には、以下のような理由が挙げられます。
- 女性ホルモン(プロゲステロン)の変化
- 自律神経の乱れ
妊娠中に分泌量が増えるプロゲステロンは、気持ちのゆらぎを起こしやすいホルモンで、なおかつ自律神経の機能調節にも関与しています。自律神経の乱れは、頭痛や不眠など心身の不調につながるケースも多く、辛い場合は担当医への相談も検討しましょう。
ここからは、妊婦さんがストレスを感じる理由を5つご紹介します。
1.お腹が大きくなったことによる張り
妊娠7か月は、お腹が大きくなり妊婦さんらしい体型になってくる時期です。これにより、外見の変化や妊娠線の出現・マイナートラブルによる辛さも出てくるため、ストレスに感じる方も多いでしょう。また、出血やお腹の張りなどの症状も、心配や不安を感じ、ストレスにつながります。
疲れやストレスは、お腹の張りを引き起こす要因の1つでもあります。お腹の張りにストレスを感じ、その影響でお腹が張らないためにも「お腹の張りは生理現象」だと気持ちを大きく持っておきましょう。
2.妊婦生活の行動制限
妊娠中には、以下のような行動に制限や注意が必要になります。
- 禁酒と禁煙
- カフェインや生もの
- バランスのよい食事
- 体重管理
- 薬剤の使用
赤ちゃんのために大切だと分かっていても、慣れない行動にストレスがたまる可能性があるでしょう。周囲がよかれと思ってしてくるアドバイスも、うっとうしく感じる場合もあるかもしれません。
ストレスになり過ぎないように、自分のペースで、代替案などを考えて取り組むとよいでしょう。
3.妊娠中の体の変化によるつらいマイナートラブル
妊娠7か月は、妊娠中期の後半です。状態が安定している時期で、安定期とは呼ばれるものの、お腹も大きくなりマイナートラブルに悩む方も多くいます。
この時期のトラブルで多いのは、お腹が大きくなることで起こる腰痛や背部痛、つわりのぶり返し、むくみなどです。また、ホルモン変化により起こる、便秘や胸の張りなどもあります。
身体的な不調は、誰にとってもストレスです。かかりつけの産婦人科でアドバイスや処方を受けられる可能性もあるため、辛い場合は一度担当医に相談しましょう。
4.お金の悩み
妊娠すると、さまざまな場面で出費が重なる場合があります。事前に必要な費用を準備したいものの、出産方法や医療機関などにより金額が変わるため、予想がしにくいのが難点です。このようなお金に関するストレスを抱える妊婦さんは多いでしょう。
しかし、実際は国や自治体から入ってくるお金もあるため、心配し過ぎる必要はありません。医療機関でも、妊婦健診や出産費用の手出しの目安については教えてもらえます。不安であれば、事前に確認し準備しておくとよいでしょう。
5.出産後の子育ての悩み
妊娠すると、母親・父親へと役割が変わるため、その変化にプレッシャーを感じる場合があります。下の子どもがいる家庭では「赤ちゃん返りしたらどうしよう」「2人一緒に面倒が見れるだろうか」などの不安もあるでしょう。
このような出産後の悩みも、ストレスになりやすい要因の1つです。産後に負担を抱えないためにも、親族へのサポート依頼・自治体のサポート体制の確認などを、妊娠中から準備しておくのが大切です。
【妊娠7か月】妊婦さんのストレスは胎児にも影響を与える!
ストレスなく妊婦生活が送れるのがベストですが、なかなか簡単ではありません。そして、妊娠中のストレスは胎児にも以下のような影響を与えます。
- 胎児が酸欠・栄養不足になる可能性がある
- 神経機能への障害や低体重のリスクを高める
- 神経系の発達に影響を与える恐れがある
母体のストレス状態が続くと交感神経が優位になり、胎盤やへその緒への血流が流れにくくなります。胎児への酸素や栄養を十分に送れず、酸素不足や発育の遅れが起こる可能性があるのです。
また、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは、通常胎盤を通過しません。しかし、何らかの胎盤の異常が胎児へ伝わると、神経機能への障害や低体重・神経系の発達リスクを高めるため、注意が必要です。
妊婦生活での上手なストレス発散方法とは?
ストレスによる胎児へのリスクを避けるためにも、上手く発散させることが大切です。ここでは、妊娠中のストレス発散方法を5つご紹介します。参考にしてください。
友人やかかりつけの産科に話す・相談する
ストレスで辛いときは、話を聞いてもらうだけでも、気持ちは楽になりストレス解消につながります。友人に連絡をとったり、出産経験のある友人や先輩に話を聞いてもらったりしてもよいでしょう。
一緒に住んでいる家族に話を聞いてもらえれば、ストレスの原因への理解を得られる場合もあります。それでも改善しなければ、担当医に相談するのも1つの手です。早めに相談することで、赤ちゃんへのストレスの影響も抑えられるでしょう。
涙をたくさん流して泣く
泣くことはストレス発散に効果的だとされています。涙を流して泣くことは、リラックス効果や疲労回復効果を得られる上、簡単に試せる方法のため取り入れやすいです。
まずは、辛さを感じたときや、夫婦喧嘩をしたときに我慢せずに涙を流してみましょう。自分の感情や悩みで泣くことに抵抗がある場合、映画やドラマ・本を活用すると泣いたあとのスッキリ感が期待できます。
マタニティヨガやウォーキングなどの軽い運動をする
運動もストレス発散には有効な手段です。ストレス発散以外にも、妊婦さんが運動する目的として、肥満予防や体力・持久力の向上、気分転換などがあります。妊娠中は、マタニティヨガやウォーキングなど、気持ちいいと感じる程度の軽い運動がよいでしょう。
外で体を動かすと、日光を浴びて幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が活発になります。セロトニンには、心を安定させる効果や夜の睡眠の質を高める効果があり、心身ともに健康な状態へと導いてくれるでしょう。
カフェやショッピングで気分転換する
出産後には難しい「お気に入りのカフェでのんびりする」「豪華な食事を楽しむ」などの時間を過ごすのも気分転換になります。また、ワクワクした気持ちでベビー用品の準備をするなど、ショッピングを楽しむのもよいでしょう。
楽しい時間・好きな時間を過ごすことで、ストレス発散になります。後悔のないように、産後にはなかなかできない時間をぜひ楽しんでください。
音楽やお風呂などでリラックスする
リラックス時間を過ごすと、ストレス解消だけでなく、自律神経の働きを整えて調子がよい体へ導いてくれる効果もあります。お風呂やアロマ・音楽鑑賞など、どんなことでもよいので、自分が安心できる時間・空間で癒されながらストレスを発散しましょう。
妊婦の時期はあっという間に過ぎてしまうため、お腹に赤ちゃんがいる時期を積極的に楽しむことが大切です。
【妊娠7か月】夫・パートナーへのアドバイス
妊娠中ストレスを抱えていると、夫やパートナーにイラつきを覚えることもあるでしょう。出産をよいものにするためにも、夫・パートナーの方は以下のアドバイスを意識してください。
- 手伝う感覚を捨て当事者意識を持つ
- 感謝の気持ちを忘れない
- マイナートラブルの大変さを理解する姿勢を持つ
- 助成金や産後の手続きなどについて下調べをする
自治体によっては、父子手帳を配布しているところもあります。また、病院や自治体が開催する両親教室もあるため、これらで出産や育児について知識をつけるとよいでしょう。
まとめ
妊娠7か月は安定期と呼ばれる中期にあたりますが、お腹が目立ちマイナートラブルが辛い時期でもあります。出産に向けて心や環境の準備を行い、心身ともにストレスを感じやすい時期です。
しかし、妊娠中のストレスは胎児にも影響を与えます。自分にあったストレス発散方法で、上手に発散しながら母子ともに健康な出産を目指しましょう。
参考文献
・保健指導ソースガイド – 妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に遺伝子レベルで解明
・国立研究開発法人科学技術振興機構-妊娠中のストレスとストレス対処に関する研究
・国立研究開発法人科学技術振興機構-情動性の涙のストレス緩和作用に関する研究