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妊娠8か月は便秘になりやすい?原因と対処法を解説

妊娠8か月になると、いよいよ出産まであと少しです。

赤ちゃんを迎える準備も済ませ、赤ちゃんが産まれてくる日を楽しみにしている方も多いでしょう。

とはいえ、引き続き体調の変化には気をつけなければいけません。

とくに妊娠8か月になると胎児が大きくなるため、便秘に悩む方は増えてきます。

なぜ妊娠8か月には便秘に悩む方が増えるのか、その原因と対処法を解説します。

妊娠8か月で便秘になる原因とは?

今まで便秘とは無縁の生活を送っていた方も、妊娠8か月になり便秘に悩むようになったと医師に相談する方もいるようです。

なぜ妊娠8か月になると便秘に悩む方が増えるのか、主な理由を3つご紹介します。

大きくなった子宮が腸を圧迫する

妊娠後期になると、胎児の成長によって更に子宮が大きくなり、それが原因で周辺の臓器を圧迫します。

圧迫されると便が滞り、便秘を引き起こしやすくなるでしょう。

また強くいきむと破水が起こり、赤ちゃんが出てくるのではと心配で腹圧をかけることに抵抗を感じる方もいます。

便でいきんだことが原因で、破水になることはほとんどありません。

反対に排泄を我慢すると便は硬くなり、出しにくくなります。

腹痛や張りの原因になるので、気を付けましょう。

運動や水分の不足

妊娠8か月は大きくなったお腹で体を動かしにくくなるので、運動不足になります。

運動不足になると筋力が衰え、便を押し出す力が弱まることも便秘の要因です。

おすすめの運動はウォーキングです。歩くことで腸が刺激され、蠕動運動が起こります。

運動不足だけではなく、便秘も解消されるでしょう。

また、水分が不足しても便が硬くなるので出しにくくなります。1日2Lを目安に、小まめに摂取するようにしましょう。

自律神経が乱れる

自律神経とは興奮した時に優位になる交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経の2種類あります。

仕事のストレスや産前産後の不安、仕事やパートナーの不満は交感神経が優位になり、腸の蠕動運動の働きが弱まるでしょう。

軽い運動をしたり、アロマオイルを使ったりストレス解消法はたくさんあります。

グレープフルーツやオレンジ、フランキンセンスはストレス解消に効果があり脳からα波が分泌されリラックス効果を得られます。

ただし、妊娠中に使用できないアロマオイルもあるので、注意しましょう。

妊娠8か月に便秘が悪化することで起こる症状とは?

お腹が大きくなると、つい強くいきむのをためらってしまう方もいます。

しかし、便意がきた時に排泄をしないと便秘を悪化させる可能性が高いです。

こちらでは、便秘が悪化するとどうなるのか解説します。

強い腹痛を感じる

腸内に便が長く留まると、便が発酵してガスが貯まります。

このガスが腸内に貯まるとお腹が張るため、強い腹痛を感じる原因になるでしょう。

中には強い腹痛を陣痛と勘違いし、病院へ駆け込む方もいます。

痔になりやすい

大きくなった子宮の圧迫によって、肛門周りの血流が悪くなります。

血管内に血液が溜まるとうっ血し、いぼ痔ができやすくなるでしょう。

いぼ痔自体は痛みを感じませんが、硬くなった便でつぶれたり切れたりすると出血し、人によっては痛みを感じます。

更に便が固くなると切れ痔になりやすい

便が腸内で留まる時間が長くなるほど、便の水分は失われていきます。

硬くなった便を出すと、その刺激で肛門が切れ、切れ痔になることがあります。

切れ痔になると多くの方は痛みを感じ、また切れるのではないかと排便を躊躇しがちです。

しかし、便は出さなければ硬くなり、出した時にまた切れてしまうのでしっかり出すようにしましょう。

妊娠中に便秘薬を使用してもいいの?

水分を取ったり運動をしたり、色々対策をしても便秘が解消されない場合、便秘薬の服用を検討する方もいるでしょう。

しかし、妊娠中に便秘薬を服用していいのか、胎児に影響がないのか気になります。

こちらでは、妊娠中に便秘薬を服用していいのか解説します。

医師に処方してもらう

便秘に悩んでいる方は、医師に便秘薬を処方してもらいましょう。

妊娠中でも胎児に影響のない、弱い便秘薬を処方してくれます。

薬以外にも、水分をしっかり補給をしてください。

市販薬を勝手に服用しない

市販の薬には、母体や胎児の発育に影響を及ぼす成分が含まれている薬があります。

インターネット上では、妊娠中に服用できる薬の情報が掲載されていますが、中には根拠のないデマ情報が流れていることがあります。

市販薬は自己判断で、服用しないようにしましょう。

妊娠8か月でもできる便秘解消の運動とは?

妊娠中の便秘を解消するには、軽度の運動が必要です。

ゆったりとした運動は副交感神経が優位に立ち、リラックス効果も得られるでしょう。

こちらでは、妊娠中でもできるおすすめの運動方法を解説します。

ウォーキング

ウォーキングは、いつでも好きな時に始められる運動です。

軽い有酸素運動で腸を刺激し、蠕動運動が活発になります。

また、ウォーキングは血糖値の上昇を穏やかにするので、妊娠糖尿病の改善にも効果を発揮するでしょう。

マタニティヨガ

マタニティヨガとは、妊婦さんでもできるようプログラムされたヨガです。

これまでヨガの経験がない方でも、無理のない動きで行えます。

呼吸法によって乱れた自律神経を整え、柔軟性を強化し筋力アップにもつながります。

マタニティピラティス

マタニティピラティスとは、腹式呼吸とストレッチを中心としたエクササイズです。

体幹を鍛えて骨を正しい位置に戻します。

便秘のほか、急激な体重増加や体がだるい時にもおすすめです。

妊娠8か月の辛い便秘は食事改善で解消できる

妊娠中は、なるべく薬を使わず治療をしたいと考えている方も多いでしょう。

便秘を改善するには、毎日の食事が重要です。

妊娠中は以下のものを積極的に摂取し、便秘を予防しましょう。

食物繊維を積極的に補う

食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2つがあります。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくしたりします。

不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸内の動きを活発化させるためどちらも欠かせない食物繊維です。

水溶性食物繊維は海藻やモロヘイヤやおくら、こんにゃくに含まれ不溶性食物繊維は根菜類やきのこ、豆類に含まれています。

水分をしっかり取る

妊娠8か月になると胃が圧迫され、水分の摂取が難しくなる方がいます。

また、妊娠中はむくみやすいので意識的に水分を減らしてしまう方もいるでしょう。

しかし、妊娠中は血液の量が増えるため体内の水分が不足すると血栓ができやすくなります。

1日に必要な水分量は経口摂取からの場合1.5Lの摂取が理想です。

水だけではなく、水分を含んだ果物や汁物からも水分を摂取するようにしましょう。

ヨーグルトを食べる

ヨーグルトの中にはビフィズス菌が含まれており、腸内環境を整える働きをします。

腸内に悪玉菌が増殖すると、ガスが貯まったり便が出にくくなったりしますが、善玉菌が増えることで便が出やすくなるでしょう。

ただし、市販のヨーグルトには糖分が含まれています。

便秘予防でたくさん食べると、糖分を取りすぎるため妊娠糖尿病のリスクが高まります。

大量に食べるとお腹が緩くなり、腹痛の原因になります。

1日1パックまでと決め、食べすぎないようにしましょう。

妊娠8か月で便秘を悪化させる生活とは?

妊娠中は便秘になりやすく、日常生活の中で食事や運動には気を付けなければいけません。

しかし、ちょっとしたことですぐに便秘になることもあります。

こちらでは、便秘を悪化させる生活について解説します。

朝食を抜く

朝食を抜くと腸内の蠕動運動が起こらず、便意も感じません。

このような生活が当たり前になってしまうと、便秘になってしまいます。

忙しくてもヨーグルトやバナナなど、簡単に食べられるものを口にしましょう。

水分が不足

むくみを気にして水分を自主的に制限する方もいますが、水分が不足すると体内で老廃物が溜まり、むくみの原因になります。

特に夏は汗をかきやすく、水分が不足しやすいです。

朝起きたら、コップ一杯の水を飲むようにしましょう。

食物繊維の不足

食物繊維が不足すると、便のかさが増えなかったり腸内を刺激して蠕動運動が起こらなかったり、排便に影響を及ぼします。

便の色が黒に近い方は、悪玉菌が優位になっている証拠です。

黄色や茶色っぽい便は善玉菌が優位になっており、腸内環境は良い状態と言えます。

妊娠8か月になると、食事も一気に食べられない方もいます。

小分けにして食べることをお勧めしますが、その際食物繊維をたくさん含んだ根菜類やキノコ類、海藻類を積極的に食べましょう。

まとめ

妊娠中は胎児が腸を圧迫するので、便秘とは無縁の生活を送っていた方も便秘になる可能性は高くなります。

多くの場合、食事改善や運動、水分の摂取などで改善されるでしょう。

しかし、食事改善や運動を取り入れても便秘が改善されない方もいます。

その場合、医師に相談すると妊娠中の方でも飲める便秘薬を処方してくれるため、辛い方は医師に相談しましょう。

参考文献

・日本赤十字社-食物繊維について

・徳島県医師会-妊娠と便秘症

・日本スポーツ振興センター-妊娠期について