双子でも出生前診断・NIPTはできる?安全性や受けられない時の理由について解説
出生前診断・NIPTは赤ちゃんが健康であるかを確認できる検査で、病気や染色体異常の有無を調べることができます。
検査に興味を持ち、受けるべきか迷っている方の中には、双子の赤ちゃんのお母さんもいるのではないでしょうか。
今回は、双子でも出生前診断・NIPTを受けられるのか、検査の安全性と受けられない時の理由について解説します。
この記事の内容
双子でも出生前診断は受けられるのか
高齢出産では、先天的な異常がある赤ちゃんが生まれる確率が高いことから、出生前診断を検討する方が増えています。
検査項目も増え、より詳しく赤ちゃんの様子を診断できるようになりました。
出生前診断・NIPTは受けられる
双子の赤ちゃんのお母さんは、単胎妊娠と比較すると体調不良に陥りやすく、合併症の危険性があるなど心配事が多くなります。
リスクを考えると、出生前診断は受けられないかと、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
超音波検査で何らかの異常が見られた場合には、NIPT検査で双子の染色体異常を調べられます。
多胎児の場合には受けられない
双子でも出生前診断を受けられますが、三つ子など多胎児は受けられないことが多いです。
また、双子の場合には、検査自体を受けていない・断るクリニックもあるようです。
病院の規模によっては、リスクの高い双子の検査までを受ける余裕がないケースもあります。
事前に、双子の出生前診断・NIPTが受けられるクリニックなのかを調べておくと良いでしょう。
確定検査は受けられないことも多い
非確定検査はお母さんの体にも負担がなく、流産リスクが少ないので35歳以上の妊婦さんには受検をすすめるクリニックが増えています。
妊婦さんから採血し、特別な検査機関によって超音波検査と合わせて判断されます。
NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症の感度が99%以上、陰性的中率は99.9%以上と信憑性が高いのが特徴です。
しかし、双子の場合NIPTで陽性反応が出ても、どちらの赤ちゃんに異常があるのかまでは判断ができません。
さらに詳しく、染色体異常検査ができる絨毛検査や羊水検査は、流産の危険性が高いために双子の場合は実施しない傾向にあります。
出生前診断・NIPTでわかる双子の疾患とわからない疾患
出生前診断で確認できるのは外見の異常であり、内臓や骨に異常がないかなど限られてしまいます。
新型出生前診断であるNIPTは、お母さんの血液を採取し、赤ちゃんに疾患があるかどうかを調べられます。
染色体異常
健常な赤ちゃんの染色体は、常染色体(2対×22)と、性染色体(XY, XX)の46本がそろっています。
21番染色体が3本あり、筋力低下や成長障害、内臓疾患の合併症を抱えて生まれてくるのがダウン症です。
その他には、発育不全のために流産することが多い18トリソミー(エドワーズ症候群)などもあります。
染色体異常は赤ちゃんの命にも関わる重大な疾患であり、成長に大きく影響するだけでなく、家族の精神的な不安にもつながります。
発達障害などはわからない
自閉症やアスペルガーなどの発達障害は、染色体などの遺伝子情報からは診断できません。
遺伝的な障害であるとも言われていますが、脳に何らかのエラーが起こり、コミュニケーション能力が発揮できないと考えられています。
先天的な疾患ではありますが、出生前診断やNIPTでは調べることができないのです。
双子の出生前診断・NIPTを受ける場合の注意点
双子の出生前診断・NIPTを検討しているのであれば、いくつかの注意点を把握しておきましょう。
ここでは、双子だから知っておきたいポイントを解説します。
35歳以上の妊婦は受けることが好ましい
NIPTは任意ですから、単胎妊娠・双胎妊娠にかかわらず、ご両親が受けたい気持ちがあれば受けられます。
病院で積極的にすすめることは少ないですが、妊婦さんの年齢が35歳以上の場合には受けることが好ましいでしょう。
高齢妊娠・出産は、赤ちゃんにリスクが高いイメージがありますが、お母さんの体にも負担がのしかかります。
妊娠高血圧や出産リスクも、年齢が上がるほどに高くなります。
それを考えると、赤ちゃんが元気に育つか・異常がないかを調べることは、母子の命をつなぎ守ることにもなるのです。
NIPT検査は赤ちゃんの異常確率を高い精度で判断できます。
どちらに異常があるかはわからない
NIPTは、お母さんの血液から赤ちゃんの染色体を調べる検査です。
赤ちゃんを直接調べられる検査ではないため、双子のどちらに異常があるのかを判断できません。
陽性判定が出た場合、異常の可能性はどちらにもあります。
確定診断は双子では受けられませんので、これ以上の判断はできなくなります。
NIPTの検査費用とは
NIPTを検討するのであれば、詳しい料金についても調べておきましょう。
ここからは、NIPTの相場と確定診断などの費用について解説します。
NIPTの費用相場
医療機関により費用に差はありますが、8万円から20万円程度と覚えておきましょう。
クリニックによっては、より精度の高い検査を行っていて、染色体の本数とトリソミー判断、微小欠失症や胎児の性別判定も行えます。
NIPT以外の出生前診断の費用相場
15週目に入れば行える、母体採血マーカーは2~3万円で受けられます。
超音波検査は妊婦検診で行われますので、必要はないでしょう。
NIPTで陽性反応が出た場合にすすめられる、確定診断は絨毛検査、羊水検査で10~20万円です。
羊水に針を刺して検査する方法で、流産の危険性が高いため注意してください。
NIPTを受けられる場所
染色体異常などを調べるためには、NIPT検査がおすすめですが、クリニックならどこでも受けられるわけではありません。
出生前診断は産婦人科
出生前診断は、病院で行われる超音波検査や心拍数モニターです。
妊娠検査薬で着床が確認されたら、産婦人科を診察し超音波検査で胎嚢があるかをチェックします。
ここでは単胎児か双子かをモニターで確認し、赤ちゃんのサイズや最後の生理から出産予定日が割り出されます。
定期的な妊婦検診では、赤ちゃんの成長する姿を見られると同時に、外見に異常が見られないのかを診断します。
NIPTの認証施設とは
NIPTを実施する施設として、一定の基準を満たしている医療機関および検査分析機関のことを指しています。
日本医学会連合によって認証された施設で、染色体異常に関する専門的な知識を持つ医師や専門家が在籍しています。
NIPT認定施設で検査できるのは、21・18・13トリソミーの3つのみです。
遺伝カウンセリングが義務化されているなど、検査後の夫婦を手厚くサポートしてくれます。
NIPT JAPANの提携クリニック
NIPTは検査会社によって検査の範囲が異なりますが、NIPT JAPAN提携クリニックでは幅広い検査が行えるのが特徴です。
全染色体検査・微小欠失症検査、性別検査までができ、年齢制限がなく、妊婦さん1人でも検査を受けられるのが特徴です。
まとめ
染色体異常は高齢出産になると確率が高くなると言われ、NIPT検査を推奨しているクリニックもあります。
双子でも出生前診断・NIPTを受けられますので、夫婦でよく話し合い検査を受けるようにしましょう。
診断後には、苦しい現実に立ち向かい難しい判断が必要になる可能性もあります。
NIPT認証施設では、検査の前後に夫婦でカウンセリングを行っていますので、安心して受検できます。
もちろん、NIPT認証施設以外でも専門機関で検査を行っていますから、お住まい近くの医療機関を調べておきましょう。
参考文献
・厚生労働省-みんなで話そう 新型出生前診断はだれのため?