妊娠したときの体型の変化は?産後の体型戻しについても解説
妊娠するとお腹の赤ちゃんの成長に伴い、妊婦さんの体型にも変化が生じます。
とはいえ、いきなりお腹が大きくなるわけではありません。
妊娠の初期や中期、後期など時間を経て徐々に変化するのが一般的です。
ここでは妊娠したときの体型の変化を解説します。
産後の体型変化や適正体重についても紹介するので参考にしてみてください。
この記事の内容
妊娠初期の体型の変化について
まずは妊娠初期の体型の変化について確認していきましょう。
妊娠初期はいつ頃
妊娠初期とは「妊娠13週6日」までの期間をいいます。
妊娠月数でいえば4か月にあたります。
微熱や眠気などの症状が出る方もいれば、ほとんど症状が出ない方などさまざまです。
胎児の状態
胎児はまだ小さい状態です。
妊娠15週末頃の時点では身長約15cm程度といわれています。これはキウイ1個分と同じくらいです。
お母さんの体型の変化
妊娠初期の段階では妊婦さんのお腹には目立った変化は見られません。
ただ外からの変化はなくても、胎児は日々成長します。
子宮が大きくなったり、羊水が増えたりしていくため体重は徐々に増えていくでしょう。
また、女性ホルモンの分泌も増えるため、胸が張ったり大きくなったりの変化を感じる妊婦さんもいます。
妊娠中期の体型の変化について
次に妊娠中期の体型の変化について解説します。
妊娠中期はいつ頃
妊娠中期とは「14週0日〜27週6日」までの期間をいい、「安定期に入った」といわれるのもこの時期です。
胎児もぐんぐん育っていくため、食生活をはじめとする生活習慣に注意が必要です。
胎児の状態
妊娠初期にキウイ1個分程度だった胎児は、妊娠中期になるとカリフラワーくらいの大きさまで成長します。
身長や体重に個人差はあるものの、中期になると外から見ても赤ちゃんがお腹にいると分かる方が多くなるでしょう。
妊娠16週目に入ると赤ちゃんの耳が聞こえるようになるともいわれます。
心音が大きくなると、寝たり起きたりを繰り返すなど、人間らしい生活を過ごすようにもなります。
お母さんの体型の変化
妊娠中期に差し掛かるとお腹の膨らみが目立つようになり、当然体重も増加します。
授乳の準備も始まるので、ブラジャーが苦しいと感じることもあるでしょう。
骨盤が開くようにもなり、それに伴いお尻も大きくなっていきます。
妊娠線が入るのも妊娠中期の特徴です。
お腹が大きくなり、皮膚が引っ張られることで縦線状の筋が現れるようになります。
妊娠後期の体型の変化について
次に妊娠後期の体型の変化について解説します。
妊娠後期はいつ頃
妊娠後期は「妊娠28週以降」をいいます。
赤ちゃんと出会えるのももうすぐです。
とはいえ、仰向けで寝るのが苦しい、腰痛で悩まされるといった妊娠後期ならではの悩みを訴える妊婦さんもいます。
つわりも治まり、お母さんの体調も安定してきますが油断は禁物です。
貧血や妊娠高血圧症候群が起こりやすい時期でもあります。
胎児の状態
胎児の身長は約40cmで、体重は約1600gにもなります。
出産時の大きさに最も近い時期です。
活発な赤ちゃんはお腹をポコポコ蹴ることも。さらに狭い子宮の中で寝返りを打ちます。
すべての臓器が完成するのもこの時期です。
臨月が近くなると赤ちゃんも出産に向けて準備を行います。
頭を下に向け、骨盤に下りてくるようになるでしょう。
お母さんの体型の変化
妊娠後期はお母さんのお腹もさらに大きく、体重も大幅に増えていきます。
姿勢もお腹を支えるような「反り身」になっています。
また、授乳の準備に向けて乳頭から「乳汁」と呼ばれる分泌物が出ることも。
臨月を迎える頃には腹囲が100cm近くに達する場合もあるようです。
産後の体型の変化について
赤ちゃんが産まれた後の体型はどのように変化していくのでしょうか。
「産後なかなか体型が戻らない」とならないよう、産後の生活にも注意が必要です。
ここでは産後の体型の変化について解説します。
産後の体型の変化について
赤ちゃんが産まれたからといって、すぐに体型が戻るとは限りません。
体重だけで見れば、妊娠前よりも増えていると感じるお母さんがほとんどです。
また、お腹の皮膚がたるんでしまい見た目が気になるといった声も聞かれます。
体型が妊娠前に戻る時期
体型が妊娠前に戻るのは半年程度です。
もちろん人によって個人差はあります。
分娩の影響で大きく開いた骨盤が戻るのは3〜4か月程度と言われています。
この時期にお尻の形が元に戻っていきます。
また、お腹の皮膚のたるみが目立たなくなるのは半年程度です。
ただし、胸の方は授乳時期の関係ですぐに戻ることはありません。
産後さらに大きくなる方もいます。
体型戻しは産後いつから?
自然分娩
体型戻しをいつから始めなければいけないという基準は特にありません。
ただし、産後6か月以内を目安に考えるお母さんが多いようです。とはいえ、産後6か月を過ぎたからと言って焦る必要もありません。
自分の体調と相談して無理のない範囲で体型戻しを始めるのがベストです。
帝王切開
帝王切開で分娩した場合、無理に始めるのは避けましょう。
自然分娩よりも痛みが長引くケースが多く、体への負担もかかります。
無理して体型戻しを行うのは、骨折した状態で全力疾走するようなものです。
産後1〜2か月はしっかり休み、体力を回復させてから体型戻しを始めましょう。
産後の体型戻しの方法とは?
骨盤の開き
最初は体に負担がかからないエクササイズから始めましょう。
産後ヨガもおすすめです。ヨガは深い呼吸をしながら体を動かすので、心身ともにリラックスできます。
骨盤の開きが気になる場合は、接骨院や整骨院、整体などに相談するのもいいかもしれません。
産後向けのメニューが充実しているので、効率よく骨盤の開きを戻せます。
ただし、産後の骨盤矯正は「怪我による治療」に該当しないため、保険が適用されません。掛かる費用もそれぞれ異なるので、施術内容をよく確認してから依頼しましょう。
恥骨結合離開
恥骨結合離開とは、恥骨結合部にかかった負荷により結合部が離れてしまうことです。
これは出産時に強くいきんだり、急激な陣痛を感じたりしたことで起こります。
整骨院や接骨院、整体に行けば施術を受けられますが、重度の場合は整形外科に相談するのがベストです。病院で手術が必要だと判断された場合は保険の適用となります。
正しい姿勢
産後に体型を戻すには、日々正しい姿勢を心掛けることも大切です。
赤ちゃんを抱っこする際はなるべく真っすぐ立つこと、脇を締めて、肘は90度になるように曲げましょう。
赤ちゃんを肘の近くで支えるようにすると、正しい姿勢をキープできます。
妊娠中の適正体重は
妊娠中の適正体重については「厚生労働省」が詳しく解説しています。
ここではその内容について紹介します。
妊娠全期間の推奨体重増加量
妊娠全期間の推奨体重増加量については、妊娠前の体型によって異なります。
まずはBMI(Body Mass Index)の数値を計算しましょう。
体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算できます。
- 18.5以下:痩せ
- 18.5以上25.0未満:普通
- 25.0以上:肥満
「痩せ」の場合は9〜12Kgの増加に留めるのが理想です。
「普通」は7〜12Kg、「肥満」は5Kg程度の増加に収めるように気をつけましょう。
妊娠中から末期の1週間あたりの推奨体重増加量
BMI指数で「痩せ」「普通」にあたる場合、1週間あたりの推奨体重増加量は0.3~0.5Kg程度といわれています。「肥満」の場合は個別に担当の産婦人科医と相談しましょう。
内部リンク:妊娠中に体重を増やしすぎない方法についてはこちら
内部リンク:妊婦さんの痩せすぎによる赤ちゃんの影響についてはこちら
まとめ
赤ちゃんがお腹にいる以上、体型が変化するのはごく自然のことです。
とはいえ太り過ぎや痩せ過ぎは、母子ともにリスクを抱えてしまうので注意が必要です。
厚生労働省が推奨する適正体重をできるだけ維持しましょう。
体力が回復したら軽いエクササイズから体型戻しを始めるのがおすすめです。
不安なことがあれば産婦人科の先生に気軽に相談してみてください。
参考文献
・厚生労働省-妊娠前の体型を考慮した望ましい体重増加量