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胎動はいつから感じられる?どんな感じ?胎動を感じない場合はどうしたらいい?

胎動とは、妊娠中にお腹の中で赤ちゃんが動くことをいいます。

妊娠すると「胎動」はいつ感じられるんだろう、と気になる方も多いと思いのではないでしょうか。いつから胎動が感じられるか、胎動とはどのようなものなのか解説していきます。

いつから胎動は感じられる?

胎動を感じる時期には個人差があり、初産婦・経産婦なのかによっても変わってきます。

胎動を感じる時期には個人差がある

赤ちゃんが子宮の中で動き始めるのは、約2㎝の大きさになった妊娠8週ごろです。このころは、ちょうど赤ちゃんが2頭身から3頭身に変わり手足が伸びてくる時期です。

妊婦健診のときに、超音波の検査で赤ちゃんがかわいい手足をもぞもぞと動かす様子が確認できると思います。

ただ、それはすごく小さな動きなので、妊婦さん自身が感じることは難しいです。

やせ型の方や、羊水が少ない方は早く胎動を感じやすいと言われていて、胎動を感じる時期には個人差があります。

初産婦の場合

胎動を感じられるようになるのは、早い方で妊娠15~16週、大体の妊婦さんは妊娠18~20週頃と言われています。

赤ちゃんの体が大きくなり、手足の力が強くなると、よりはっきり感じられるようになってくるはずです。

初産婦の場合は「胎動」を経験するのが初めてなので、最初は分かりづらいかもしれません。

最初のころの胎動は、

  • ぽこぽこ動いた感じがする
  • 消化するときのようにお腹が動く感じ
  • 小さな魚がぴょんと跳ねる感じ

などと表現されることがあります。

経産婦の場合

経産婦さんは「胎動」の感じ方を知っているため、初産婦さんよりも2週間程早く胎動に気付くことがあります。

胎動を感じるのは遅くても問題ない

妊婦健診で赤ちゃんが元気だと確認してもらえているのであれば、胎動を感じられる時期が遅くても心配する必要はありません。他の人と比べて焦らなくて大丈夫です。

妊娠中はママがストレスを感じずに過ごすことが大事なので、どんな風に赤ちゃんが過ごしているのかな、などと想像しながら、リラックスして待ちましょう。

胎動の感じ方とは?

妊娠週数や、赤ちゃんの姿勢によって胎動を感じる位置や感覚は違います。

時期による違い

妊娠初期は、子宮の位置もお腹の下の方にあります。そのため、下腹部あたりで動きを感じることが多いようです。

また、お腹が大きくなり、赤ちゃんも成長してくると、お腹全体で動いているのを感じられるようになってきます。

赤ちゃんの位置による違い

赤ちゃんがだんだん大きくなってくると、赤ちゃんがいる場所や向きによっても胎動の感じ方が変わっていきます。

赤ちゃんの頭部が下にある場合(頭位)だと、足が上の方にあるので、ママのおへそのあたりで動いたり、胃のあたりをけられたりすることがあります。

反対に、赤ちゃんの頭部が上にある場合(逆子)だと下腹部あたりをけられると感じることも多いようです。

妊娠時期による胎動の変化

赤ちゃんの成長により胎動がどのように強くなっていくかを説明していきます。

妊娠初期

最初は、お腹がぽこぽこする、と表現されることが多いです。羊水という水の中に赤ちゃんは浮かんでいるので、動きの伝わり方として、腸が動いた感じ、と表現するママもいます。自分の体の内側で赤ちゃんが動いているのを感じられると、改めてここに赤ちゃんがいるんだなと実感がわくのではないでしょうか。

妊娠中期

妊娠16~27週になると、「胎動」をしっかり感じられるようになるでしょう。

妊娠16週では赤ちゃんの体重は150gくらい、妊娠27週には1000gくらいまで成長します。

赤ちゃんの体重がどんどん増える時期なので、動きを感じやすくなります。

赤ちゃんの動いている位置がわかったり、しゃっくりをしてピクピクッと震えているのをお腹越しに感じたりすることも増えてきます。

また、赤ちゃんの動きで膀胱が刺激されて、尿意を感じるということもあります。

妊娠後期

妊娠28週以降は、外からでもハッキリ赤ちゃんの動きがわかるようになり、力強いキックやパンチで痛みを感じる方もいます。

足がここにあるんだな、とわかることもあるかもしれません。

臨月

妊娠36週以降の臨月には赤ちゃんも大きくなり、胎動も上はママの肋骨、下は子宮口や恥骨の方までぐっと感じるようになってきます。

出産が近くなると、胎動が少なくなると聞いたことがある方もいるかもしれないですが、スペースが狭くなって動きは小さくなってしまっても、胎動が全然感じられなくなってしまうことはありません。

胎動が少ないとき

胎動が感じられるようになった妊娠中期以降で、いつもより胎動が少ないと感じた場合の対処法や病院受診について説明していきます。

胎動が少ないときどんなことが考えられる?

赤ちゃんは短いサイクルで寝たり起きたりをくり返していますが、起きている時間であれば、30分に10回以上の胎動が感じられます。

ただしそれは、ママが横になっていて胎動を感じやすい状況の場合であり、仕事や家事などで動き回っている場合は、胎動を感じにくいということもあるかもしれません。

しかし、元気に動いていたのに急に胎動が少なくなったり、全く感じられなくなったりした場合は、要注意です。

赤ちゃんに何らかのトラブルが起こっている可能性があります。

ただし、出産に向かって胎動は徐々に少なくなる傾向も考えられます。

自己判断せず、かかりつけの病院に連絡して、相談してみましょう。

対処法

胎動がいつもと違ったり、出血をともなったりする場合は、常位胎盤早期剝離やのトラブルの可能性があります。赤ちゃんの命に関わる可能性があるので、すぐに病院を受診する必要があります。

胎動カウントについて

ここからは、胎動カウントについての説明です。

胎動カウントとは

胎動カウントとは、ママがお腹の赤ちゃんの動きを観察することで、赤ちゃんがすくすく成長しているかどうかを確認するためのものです。妊婦健診の間の、自宅での健康チェックという意味合いもあります。

胎動カウントの方法について

はっきり感じられた胎動を、10回数えるのにかかった時間を計測する「10カウント法」が一般的です。

病院によって勧められる時期は違いますが、妊娠30週くらいから始める病院が多いようです。

「ポコ」「ポコポコ」と感じる赤ちゃんの手足の動きや、「ぐるぐるぐる」という体全体の動きを1回と数え、しゃっくりはカウントしません。

10回数えるのに30分以内であれば問題ありません。

30分以上かかるようであれば、時間をずらしてもう一度やってみましょう。

1時間以上かかるようなら、かかりつけの病院に相談してみてください。

胎動についてよくある質問

どんな時に胎動が感じやすいですか?

胎動はママがリラックスしてベッドやソファーで休んでいる時に感じやすいです。

胎動を感じにくいなと感じた場合は、横になってゆったり過ごしてみる、お腹を優しくマッサージして赤ちゃんに話しかけてみるのもおすすめです。

お腹の中でも耳は聞こえているので、話しかけたらキックを返してくれるかもしれません。

お腹の中で、赤ちゃんはどんな動きをしているの?

赤ちゃんは手足を曲げ伸ばししたり、体全体でぐるんと回ったりしています。

定期的にピクッと動くときは、赤ちゃんがしゃっくりをしています。

また、胎動として感じることはないですが、指を動かしたり、呼吸様運動といって呼吸の練習をしたりしています。

まとめ

出産するまで赤ちゃんの姿は見えませんが、赤ちゃんはお腹の中で自由に動き回って過ごしています。胎動が感じられるようになるまで、赤ちゃんは元気かなと心配になることもあるかもしれませんが、毎日胎動が感じられるようになると安心できるようになります。胎動を感じられるようになったら、蹴られたところをなでてみたり、赤ちゃんに話しかけたりしてみましょう。

参考文献

公益社団法人日本産婦人科学会「女性の健康Q&A」 – 妊娠・出産

産婦人科診療ガイドラインー産科編2020 – 産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2020