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切迫早産のリスクとは?手遅れになる前に症状や対策方法を知っておこう

切迫早産は、張り止めの薬や安静にしていることで治療できる可能性が高い症状です。

しかし、症状の発見が遅れたり、兆候がわからなかったりすると手遅れになってしまう場合もあります。

手遅れになると早産になってしまい、母子ともに危険性が生じるためリスクが大きいです。

本記事を参考に、切迫早産について症状やリスク、対策法を学ぶことで早期治療につなげることができるため参考にしてください。

切迫早産とは

早産の一歩手前の状態が切迫早産です。

どのような症状があるのか把握し、予防するための行動を学んでいきましょう。

切迫早産の症状とは

切迫早産を判断する上で、気づきやすい症状は「お腹の張り」です。

もちろん妊娠中はお腹が張りやすくなっているため、すべてのお腹の張りが切迫早産の症状というわけではありません。

気を付けなくてはいけないお腹の張り方は以下の通りです。

  • 普段よりもお腹の痛みが強い
  • お腹の痛みがなかなか収まらない
  • お腹がバスケットボールのようにカチカチになっている

このようなお腹の張りを感じた場合は、一度受診し確認してもらうことが大切です。

切迫早産にならないための予防策

切迫早産を予防するためには4つのポイントがあるのでご紹介いたします。

①性行為は控える

性行為による感染症は、早産につながる可能性があります。

感染症のリスクを避けるために、回数は控え、性行為を行う場合はコンドームを必ず使用しましょう。

②こまめな休息で疲れないように気を付ける

身体への疲労は、ストレスの原因になり、自律神経やホルモンバランスが乱れてしまいます。

その結果、お腹の張りが強くなったり、免疫力が低下したりと、悪影響を及ぼすため注意しましょう。

③虫歯を治療しておく

歯周病菌は、子宮を収縮させる効果がある可能性が高いです。

つわりが終わる「妊娠5ヶ月~8ヶ月」にかけて安定期に入るため、その間に歯科検診に行くことをおすすめします。

受診表があれば、1回は無料で診察してもらえるため、これを機に虫歯を治すといいでしょう。

④飲酒・喫煙は絶対にしない

飲酒・喫煙は血管を収縮させ、赤ちゃんに与える酸素や栄養の流れが悪くなってしまいます。

特にタバコは、自分が吸っていなくても副流煙により体内に吸収されてしまうため、パートナーにも協力してもらいましょう。

切迫早産を詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

切迫早産のリスク

切迫早産と診断された場合、その後どのようなリスクがあるのかわからない人も多いです。

危険性や可能性についてご紹介いたします。

切迫早産の危険性

切迫早産になると、早産への危険性が高くなることが一番のリスクです。

早産なってしまうと、生まれてくる赤ちゃんは未熟児であるため新生児医療を施されます。

臓器や器官が未熟であるがゆえに、合併症や感染症のリスクが高くなることや三大後遺症にかかりやすくなってしまう恐れもあります。

早く出産すればするほど、未熟児によるリスクが伴うため切迫早産には気を付けなくてはいけません。

切迫早産になる可能性は?

切迫早産と診断される確立は、妊娠中の女性のうち約15%と言われています。

意外と高い数値ではありますが、必ずしも早産へと繋がるわけではありません。

早期発見から治療を行うことで、完治することができるため、安静にしておくことがポイトです。

切迫早産のリスク因子

切迫早産のリスク因子は多数ありますが、その中でも今回は3つをご紹介いたします。

早期前期破水

出産に伴い37週目以降に破水することは問題ありませんが、それ以前に破水が発生すると早産のリスクがぐっと高くなります。

早期破水は子宮口が開いてしまい、全開になる前に破水してしまうことを言います。

本来は陣痛後に破水しなければいけませんが、早期に破水してしまうため危険です。

羊膜内感染

何らかの原因で、羊水や胎盤などに感染してしまうことを羊膜内感染と言います。

羊膜内感染になってしまうと、生まれてくる赤ちゃんに障害が発生するリスクが高くなります。

症状としては、発熱や子宮の痛み、おりものの変色などがあり、これらに該当する場合は注意が必要です。

多胎妊娠

多胎妊娠は、子宮の中に複数の胎児がいる状態のことです。

多胎妊娠になると、早産および生まれてくる赤ちゃんが合併症になってしまう可能性が高くなります。

複数の胎児が子宮内にいることにより、子宮が膨大し切迫早産の可能性が肥大します。

切迫早産の確率

上記でも触れましたが、切迫早産になる可能性は約15%です。

この15%のうち、早産になってしまう確率は約5%であるため、切迫早産と診断されても慌てる必要はありません。

適切な治療を行い、安静にしていることで60%以上の人は早産にならず、正期産に戻ることが可能です。

切迫早産以外に気を付けておきたい病気

妊娠中は切迫早産だけに注意を払っているわけにはいきません。

妊娠中は免疫力が低下してしまうため、感染症や妊娠高血圧症候群など、さまざまな危険性と向き合うことになります。

切迫早産以外にも、気をつけておきたい3つの病気について見ていきましょう。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

以前は妊娠中毒症として知られていましたが、近年「高血圧」が要因であることがわかり妊娠高血圧症候群と改名されました。

高血圧にならないためにも、日ごろの食生活は特に注意が必要です。カロリーや塩分など、摂取しても問題ない量を守り、健康維持に努めましょう。

家族や親族に高血圧の人がいる場合は、遺伝により発病する恐れもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

妊娠高血圧症候群について詳しくはこちらを参考にしてください。

妊娠糖尿病

糖尿病になってしまうと、赤ちゃんが合併症になる可能性が高くなってしまうので注意が必要です。

妊娠中は、何か食べ物を食べたくなる人が多く、つい甘いものを食べてしまいがちですが、糖尿病になるリスクがあるため、食生活を見直しましょう。

妊娠糖尿病について詳しくはこちらを参考にしてください。

感染症

妊娠中は免疫力が低下してしまうため、感染症にかかりやすくなってしまいます。

常日頃から、手洗い・うがい、アルコール消毒など感染症にかからないために予防が大切です。

特に性行為を行う場合は、感染症のリスクが高まるので控えるかコンドームをつけるか、対策してください。

まとめ

早産は生まれてくる赤ちゃんの合併症リスクが高まることから、予防することが重要です。

切迫早産にならないことが、早産への対処法となるため、「身体に負荷がかからないようにする」、「こまめな消毒で感染症を避ける」といった予防がカギとなります。

特に一番判別しやすい「お腹の張り」に意識をし、普段と異なる痛みを感じた場合、すぐに診断するようにしましょう。

切迫早産と診断されても、60%の人は完治できるため安静にしておくことが大切です。

症状や対策法を熟知しておくことで、リスクを回避することができるため、本記事を参考に知識を増やしていきましょう。

参考文献

・公益財団法人 日本産婦人科学会ー妊娠高血圧症候群

・公益財団法人 日本産婦人科学会ー妊娠糖尿病