出産までにはどれくらい時間がかかる?妊娠期間や平均出産週数も合わせて解説
出産予定日が近くなると、「いつ出産になるだろう?」とソワソワしますよね。
早く赤ちゃんに会いたくて仕方がない方、出産が不安でドキドキする方もいるでしょう。
出産予定日は10か月とされていますが、全員が予定日に産まれるわけではありません。
では産まれる週数が多いのはいつなのでしょうか?
平均出産週数、出産時の平均時間など、妊娠から出産までにかかる時間についてまとめました。
この記事の内容
妊娠から出産まで
妊娠期間には大きく分けて
- 妊娠初期
- 妊娠中期
- 妊娠後期
の3つあります。
また、出産する日によって
- 早産
- 正期産
- 過期産
に分けられます。
それぞれの期間についての説明と、平均出産週数について解説します。
妊娠期間
妊娠13週6日までの4か月を妊娠初期といいます。
妊娠0週0日は最後の月経の初日です。妊娠が成立するのは着床してからといわれていますので、実際にはまだ妊娠していない期間も妊娠期間として数えているということです。
月経から着床するまでの期間を「妊娠超初期」と呼ぶこともあります。
妊娠中期は14週0日~27週6日までの期間をいいます。
妊娠後期は28週0日から出産までの期間をいいます。
正常な妊娠持続期間が280日= 40週= 10ヵ月とされています。そのため妊娠後期は2か月前後の期間となります。
正期産、早産、過期産
- 正期産:妊娠37週0日~妊娠41週 6日
- 早産 :妊娠22週 0日~36週6日
- 過期産:妊娠42週以降
早産は赤ちゃんがお腹の中で成長している途中に出産となるため、生存率、発達に大きく影響がでます。出産日が正期産に近いほど、生存率が高くなります。
過期産となると、赤ちゃんを守る羊水の量が減り、胎盤の機能が低下するといわれています。現在は過期産になる前に、陣痛促進剤を使っての出産になるなどの対応がされており年々減少傾向です。
平均出産週数
日本産婦人科学会で2020年の出産統計をおこなっています。そこから妊娠週別の出産割合をだしたものがこちらです。
全体出産数 233,818件
- 37週 33,053件(14.1%)
- 38週 54,386件(23.3%)
- 39週 53,316件(22.8%)
- 40週 45,376件(19.4%)
- 41週 15,322件(6.6%)
正期産である37週~41週に出産する割合が全体の86.2%で、その中でも38週と39週の分娩割合は全体の46.1%と半数近くを占めています。
出産予定日は40週0日ですから、半数以上の方が予定日より前に出産していることになります。
出産当日、何が起こる?サインに行くタイミングは
出産当日は赤ちゃんが生まれるまでに、おしるし、破水、陣痛が起きます。 一般的にはおしるし→陣痛→破水の順番ですが、個人差がありおしるしがない方や気が付かない程度だった方、陣痛の前に破水が起こる方もいます。 どの順番でも大丈夫なよう、 心の準備をしておきましょう。
おしるし
赤ちゃんと羊水が入っている袋を卵膜といいます。この卵膜は出産までは子宮にくっついています。 出産が近くなると、卵膜が子宮の壁から剥がれその際に少量出血します 。 これがおしるしです。
おしるしの色や量には個人差があります。 色はピンクや茶褐色、量はおりものに少量混じる程度から生理と同じくらいの量がある方などさまざまです。
おしるしがあったからといってすぐに出産になるというわけではありません。「 出産に向けての準備が始まった」という状態なので、いつ陣痛が来ても大丈夫なように準備をしましょう。
破水
破水とは卵膜が破れて、中の羊水が体の外へ流れ出すことをいいます。
破水をするタイミングは子宮口が全開となり赤ちゃんが産まれるのが近い時ですが、 陣痛が来る前に破水をしてしまうこともあります。
破水をすると子宮と外部の通り道ができてしまい、そこから菌が入ってきてしまう危険性があります。そのため破水をしたらすぐに病院に連絡しましょう。汚れたからといってお風呂やシャワーは絶対にしないでください。
陣痛が来る前に破水した場合、 卵膜が破れた場所によって羊水が流れ出てくる量に違いがあります。 大量に出てくる場合はすぐに破水だと気づくと思いますが 、 少しずつ羊水が出てくる場合があります。「 破水かな?」「 尿漏れかな?」 と迷った時は病院に連絡をしましょう。
陣痛
陣痛は赤ちゃんを外に押し出そうと子宮が収縮することによって起こる痛みです。
最初は痛みの間隔は不規則ですが、だんだんと規則的になります。1時間に6回以上、10分以内の規則的な間隔になると陣痛と認められ、出産へと進んでいきます。
陣痛ははじめ生理痛のような痛みと感じる方が多いです。出産が進むにつれ痛みは強くなり、赤ちゃんが移動するとともに痛みのある部位も下の方へと変わっていきます。
分娩開始!どうやって赤ちゃんは生まれるの?
分娩は第1期から第3期の期間に分けられます。 その中で特に出産の時間を左右するのは分娩第1期です。
分娩第1期は個人差がとても大きい期間で、長い方であれば 30時間近くかかることもあります。
分娩第1期
分娩第1期は分娩開始から子宮口全開までの時間です。
分娩開始とは陣痛が10分間隔の規則的な痛みとなった時です。この時、痛みは30秒~90秒ほど続きます。
平均所要時間は、初産婦で10~12時間、経産婦で4~6時間です。
出産の中で分娩第1期が一番長く時間がかかります。痛みと痛みの間に睡眠を取ったり、食べやすいものを無理のない程度に食べる、水分補給をこまめに行いましょう。お母さんの体が疲れることで微弱陣痛になりやすく、出産の時間が長くなってしまうこともあります。
分娩第2期
子宮口全開大から赤ちゃんが産まれるまでの時間をいいます。
痛みは2~4分ごとに起こり、40秒~90秒ほど持続します。痛みが出る場所も赤ちゃんの移動とともに下の方へと移動し、膣や会陰、肛門のあたりが痛くなります。
平均所要時間は、初産婦で1~2時間、経産婦で30分~1時間となります。
分娩第3期
赤ちゃんが生まれた後、胎盤が出るまでの期間を分娩第3期といいます。
胎盤が出るときに軽い痛みがあります。
平均所要時間は初産婦で15~30分、経産婦で10~20分です。
出産の種類について
出産の種類は
- 経腟分娩
- 帝王切開
- 無痛分娩
です。
それぞれ解説していきます。
経膣分娩
赤ちゃんが産道を通り、膣から産まれることを経腟分娩といいます。 状況によって陣痛促進剤などを使った場合も経腟分娩とされます。
帝王切開
経腟分娩が難しいと判断された場合、 お母さんのお腹を切開して赤ちゃんを取り出す方法です。
帝王切開になる理由には多児妊娠、前置胎盤、分娩停止などさまざまあります。
無痛分娩
経腟分娩の際の陣痛による痛みを和らげる方法として、麻酔を使用する無痛分娩があります。
メリットとして痛みを和らげる他に、体力の消耗や血圧の上昇を防ぐことができるなどがあげられます。
デメリットとして麻酔の影響で陣痛が弱くなり分娩時間が長くなる可能性や、麻酔の副作用がある可能性があります。
無痛分娩の場合、 数万円から十数万円ほどの追加料金がかかります。
まとめ
出産に関係する時間をメインに解説しました。
出産する週数や、出産にかかる時間、そのほかの出産に関わるすべてのことは個人差があります。
出産は、人それぞれ違います。平均はこれくらいだから、といって自分のお産がそこに当てはまらないと落ち込むことはありません。
出産予定日を過ぎていても赤ちゃんが元気なら焦らず、かかりつけ医と連携を取りながら、リラックスして待ちましょう。