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9トリソミーの症状とは?原因と検査方法を解説

染色体は普通、2本1組になっています。

9トリソミーとは、通常2本ある9番染色体が、3本になっている病気です。

世界でもまだ症例は少ないですが、発達遅延や骨年齢の遅れといった症状が分かっています。

今回は、9トリソミーの症状や原因、寿命について解説していくので、妊婦さんや旦那さんは参考にしてみてください。

9トリソミーの症状とは?

胎児に現れる症状には、言語発達障害・高口蓋といったものや、手足に現れる奇形などがあります。

そのため、超音波検査によって染色体異常が疑われる場合は、出生前診断により染色体の異常を調べることになります。

ここからは、胎児に現れる以下の3つの症状を解説するので、参考にしてみてください。

  • 小頭症
  • 発達の遅延
  • 骨年齢遅延

小頭症

症状の1つに、頭囲が小さいまま出生する小頭症があります。

頭蓋骨は5つに分かれており、通常はそのつなぎ目のところで成長します。

しかし、頭蓋骨のつなぎ目がくっついてしまうことで、頭が大きくなることができません。

また、小頭症で脳が小さいままの場合は、運動や精神的な発達の遅れもありえます。

発達の遅延

発達の遅延も症状の1つです。

杉岡太樹氏のドキュメンタリー取材を受けた患者は、5歳でハイハイと歩行器による歩行などができます。

その患者は、月に1度のリハビリや言語聴覚療法により、歩行動作や食べ物を飲み込む訓練を行っています。

確かに発達の遅延が見られますが、リハビリ療法によって改善していく場合もあるわけです。

骨年齢遅延

骨年齢の遅延も症状の1つです。

背骨の一部が形成されなかったり、正しい形にならなかったりします。

末節骨の低形成も無視できません。

末節骨とは、手足に5本ずつ先端に存在する骨のことであり、末節骨の発達が不十分だったり全く違う形で発達したりするわけです。

また、歯が生えるのが遅れたり、異常な形になったりする可能性も考えられます。

上顎犬歯や第二小臼歯が、歯肉やあごの骨に埋まることがありえるので、覚えておきましょう。

9トリソミーの症状とは?①主な原因

染色体異常はさまざまな要因によって起こります。

その中でも主な原因が、以下の2つです。

  • 染色体異常
  • ウイルス感染

ここからは、9トリソミーの原因である上記2つと、遺伝による染色体異常について解説するので、参考にしてみてください。

染色体異常

染色体の異常はさまざまな遺伝子の疾患の原因になります。

染色体は2本セットになっていますが、1本多いトリソミーと、1本欠けているモノソミーの2種類があります。

13・18・21番が比較的多いですが、9番含め他の番号の染色体異常も起こりえるわけです。

こういった染色体の異常は、薬物や放射線、高年齢の妊娠によって引き起こされます。

妊娠中に放射線の影響や薬物治療を受けたり、35歳以上の高齢妊娠だったりする場合は、出生前診断を受けておきましょう。

ウイルス感染

ウイルスへの感染も原因の1つです。

ウイルス感染は大きく分けて、ランダムな染色体異常と、特定の染色体に異常を起こすものの2つがあります。

ランダムな染色体異常としては、麻疹やセンダイウイルスへの感染が考えられるので、覚えておきましょう。

センダイウイルスとはインフルエンザウイルスの1種で、主にねずみに感染して肺炎を引き起こします。

そのため、妊婦さんは麻疹やインフルエンザウイルスに注意しなければいけません。

特定の染色体に異常を起こすものには、アデノウイルスがあります。

アデノウイルスは風邪の1種で、夏に流行するプール熱で有名です。

妊婦さんは夏風邪にも注意しましょう。

9番トリソミーは遺伝しにくい

遺伝によって発生する可能性は高くありません。

そもそも遺伝子異常には、親が何かしらの遺伝子異常を持っている場合と、突然変異によって発生する場合の2つがあります。

親の遺伝による染色体異常は構造の異常であり、数の異常は遺伝しにくいです。

トリソミーは数の異常で発症するので、遺伝での発生は考えにくいわけです。

9トリソミーの症状とは?②寿命について

同じ染色体異常でも、番号によって平均寿命が大きく異なります。

ここでは、9・18・21トリソミーの平均寿命について解説していくので、参考にしてみてください。

9トリソミーの平均寿命

ほとんどが生後すぐに亡くなり、4か月以上生存することはまれです。

ただ、患者が9歳まで生きた例があるほか、国内でも9トリソミーの患者が5年生きています。

そのため、必ずしも流産や死産になるわけではないわけです。

18トリソミーの平均寿命

寿命は数か月程度ですが、数年以上にわたって生存することもありえます。

18トリソミーはエドワーズ症候群とも言われ、18番染色体が3本存在する染色体異常です。

男女比は1:3で、女児に多い病気です。

21トリソミーの平均寿命

寿命は60年と、9・18トリソミーとは大きく異なります。

この数字は、合併症の治療技術が進んだことによるもので、以前より20年から30年程度伸びました。

21トリソミーは別名「ダウン症」とも言われ、600人から800人という比較的高い確率で発症します。

9トリソミーの症状は?③9トリソミーの種類

9トリソミーにもさまざまな種類があります。

  • フルトリソミー
  • モザイクトリソミー
  • 部分トリソミー

ここでは、上記3つの染色体異常について解説するので、参考にしてみてください。

フルトリソミー9

9番染色体そのものが重複している状態を指します。

分かりやすくいえば、9番染色体が1本まるごと重複しているわけです。

生存そのものが難しく、ほとんど数か月生存することはないようです。

部分トリソミー9

染色体の一部が重複している状態のことを指します。

通常2本1組の染色体が、一部だけ余ってしまっているわけです。

他の番号の染色体では影響が少ないものの、9トリソミーの場合は症例自体がまれであるため、まだ十分な情報がありません。

モザイクトリソミー9

モザイクとは1つの体に、染色体が正常な細胞とトリソミーの細胞が混在している状態を指します。

モザイクトリソミー9は、そのモザイクが9番染色体で起こっている、ということです。

日本にもモザイクトリソミー9の患者がいます。

9トリソミーの症状は?④検査方法

9トリソミーは出生してすぐ亡くなる場合が多く、生存できたとしても小頭症や発達の遅延といった障害が残ります。

そのため、さまざまな出生前診断によって診断するわけです。

9トリソミーを検査するには、以下2つの方法があるので、参考にしてみてください。

  • 超音波検査
  • 羊水検査

超音波検査

超音波検査は、出生前診断の非確定的検査の1つです。

そもそも出生前診断には、非確定検査と確定検査の2種類があります。

非確定検査は超音波やエコーといった、母体への影響が少ない検査を行うため、ほとんど流産のリスクはありません。

超音波検査では、NT(胎児の首の後ろのむくみ)を調べます。

NTが分厚いとトリソミーの可能性があるため、9トリソミーの可能性も分かるわけです。

ちなみに、超音波検査と採血検査を組み合わせた「コンバインド検査」というものもあります。

羊水検査

羊水検査は出生前診断の確定検査の1つです。

確定検査では、染色体異常がほぼ確実に判明します。

おなかに針を刺すため、流産のリスクがあることを覚えておきましょう。

羊水検査は、針を刺して羊水の中の染色体を取りだし調べる検査のことです。

羊水が増えてくる妊娠15週目から18週目に行われ、21・18トリソミーなど染色体の疾患が分かります。

9トリソミーも判明するため、非確定検査で染色体異常が疑われた場合は受けることになります。

まとめ

9トリソミーの症例はまれなので、そこまで神経質になる必要はありません。

しかし、9トリソミーは出生後すぐに亡くなることが多いものです。

我が子がダウン症やトリソミーになったらどうしようと不安な方、受けようか迷っている方は出生前診断を受けましょう。