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妊娠7か月|時期による胎動の変化と胎動が少ないと感じたときの対応|赤ちゃんは大丈夫?

妊娠7か月に入ると胎児の行動が活発化し、その胎動を明確に感じられます。一方、その強さや頻度は妊娠の時期によって変化するのが一般的です。

胎動が激しくても弱くても、赤ちゃんは大丈夫なのでしょうか?

今回は、妊娠7か月の胎児の様子や時期別の胎動の変化、そして胎動が少ないと感じたときの対応方法を詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

妊娠7か月の特徴|胎児の大きさや胎動

妊娠7か月目(24週〜27週)の胎児の身長は約35cm、体重は約1000gほどに成長しています。目や口、そして耳の機能が発達し、周囲の音に反応するようになるのがこの時期の特徴です。

また、胎動が活発になり、妊婦のお腹を強く蹴ったり、グッと押したりするような動きを感じやすくなります。羊水の量も増え、その中を胎児が活発に動き回るため、胎動を感じる頻度も増えるはずです。

胎児の成長にともない、妊婦のお腹はますます大きくなり、仰向けで眠るのが苦しいと感じる方もいるでしょう。また、腰痛や妊娠線など、お腹が膨らむことによるトラブルも増える傾向にあります。

妊娠時期ごとの胎動の感じ方の違い

胎動は、胎児の成長の証であり、体の調子をチェックする大切な指標です。一方、各時期においてその感じ方は異なります。

ここからは、妊娠の経過にともなう胎動の変化を詳しく解説します。

妊娠初期(~4か月)

妊娠初期(4か月頃まで)は胎児の力がまだ弱いため、胎動を微細な動きとして感じることが一般的です。人によって感じ方は異なりますが、腸内を空気が流れているような感覚や、小さな魚がお腹をつついたりくねくねと動いたりするような感覚があります。

この時期の子宮はまだ小さく、多くの場合、胎動はおへその下から恥骨あたりで感じられます。

妊娠中期(5か月~7か月)

妊娠中期(5か月~7か月)になると、胎動を力強く感じるようになります。胎児の手足が発達し、関節を自由に動かせるようになるためです。具体的には、お腹がぐっと押されたり、ぼこぼこと蹴られるような感覚があるでしょう。

また、お腹の中でこまめに動いているため、泡が動いているような感覚やピンポン玉が転がるような感覚を覚える方もいます。時折、跳ねるような動きを感じる場合もあるでしょう。

妊娠後期(8か月~9か月)

妊娠後期(8か月~9か月)に入ると、胎動がさらに強くなり、痛みをともなう場合もあります。また、胎児が成長し力強さが増す一方で、子宮内で動けるスペースは狭くなっていきます。そのため、妊娠中期に感じられた活発な動きは徐々に少なくなってくるでしょう。

胎動の感じ方は人によって異なりますが、胎児が激しくお腹を突くと、お腹が破れるような痛みを覚える方もいるでしょう。

臨月

臨月に入ると、胎児の成長だけでなく、出産に向けて胎児の位置が骨盤の方に下がってくることで、その動きが制限されます。以前よりも、大きな動きを感じることは少なくなるでしょう。しかし、胎動がゼロになるわけではありません。ほとんどの場合、定期的に感じられるものです。

そのため、臨月においてはこれまで以上に胎動の様子を気にかける必要があります。もし胎動が一切なかったり、あるいは以前と比べて極端に弱いと感じたりした場合は、急いで産院に連絡しましょう。

妊娠7か月|胎動が少ないと感じたときの行動

胎動が急に感じられなくなったり、弱くなったりすると、不安を感じる方は少なくないでしょう。そんなときは、どのように対処すべきでしょうか。

胎児の健全性を示す1つのバロメーターとなる、胎動が少なく感じたときの対応策をまとめてみました。1つずつみていきましょう。

1.まずは安静にして胎動があるかをチェック

胎動があまり感じられないときは、まずは安静にして、胎動の確認を行いましょう。横になり、胎児の動きを感じやすい体勢になるのがポイントです。

個人差はありますが、胎児はおよそ20分間隔で睡眠と起床を繰り返しています。眠っている間は胎動が少なくなるため、動き出すまで落ち着いて待ってみましょう。およそ1時間以内を目安に、胎児の動きを感じられれば問題はありません。

もし、安静にしても動きを感じられなかったり、普段と違う動き方を感じたりした場合には、産院への連絡が必要です。

2.胎動を感じなかったら産院へ相談

安静にして様子を見ても胎動がなければ、具体的な状況を産院に伝えましょう。強さや頻度、最後に胎動を感じた時間などを詳細に伝えることで、医師からより適切なアドバイスを受けられるでしょう。

たとえ夜中であっても、遠慮せず産院へ連絡しましょう。何か異変が起きているケースも考えられます。また、このような緊急時に備えて、産院やタクシーの連絡先は必ず控えておきましょう。

3.指示に従い受診

医師の指示に従い、必要であれば産院に向かいます。胎児の様子を確認するために、産院で行う診断方法はさまざまです。

エコー検査で子宮内の様子を確認したり、NST(ノン・ストレス・テスト)で心拍を調べたりして、胎児の様子に変化がないかを確認します。NSTは、妊婦のお腹にセンサーを当て、胎児の心拍数の変化を調べる検査です。痛みはなく、母子ともに負担がかからないため、安心して受診できます。

心配になったら胎動カウント

「胎動カウント」は、胎児がどれくらい活動しているかを把握するための簡易的な方法で、自宅でも簡単に実施できます。胎動を10回感じるまでの時間を記録する「10回胎動カウント法」がよく知られており、通常はおよそ30分前後で10回カウントできます。

しかし、10回のカウントに2時間以上かかる場合は、産院へ相談しましょう。何らかの原因で、胎児が弱っている可能性も考えられます。

妊娠7か月の妊婦が知りたいQ&A

妊娠7か月に進むと、胎児の活発な動きがよりはっきりと感じられるでしょう。しかしながら、その特徴や感じ方は人それぞれです。

ここからは、よくある質問とその回答をご紹介します。

逆子の胎動はどう違う?

通常、胎児の頭は妊婦の足の方を向いているため、胎動は妊婦のお腹の上の方で感じられるものです。

一方、逆子は頭の位置が通常と反対で手足が下に向いているため、下腹部や恥骨付近で胎動を感じます。逆子であっても、およそ妊娠30週頃までは、くるくるとお腹の中を回っている間に自然に治っている場合も多いため、それほど心配はいりません。

ほかの妊婦より胎動を感じにくい

胎動の感じ方は個人によって差があります。皮下脂肪の多い方は、やせ型で皮下脂肪の少ない方と比較すると感じづらいでしょう。

また、羊水の量によっても感じ方が変わってきます。羊水が少ない場合は胎児の手足が子宮壁に接触しやすいため、胎動をより直接的に感じやすいようです。

このように、体型やお腹の中の様子によって、胎動を感じにくい場合があります。定期的に胎動があれば基本的には問題ありませんが、気になる方は産院に相談してもよいでしょう。

妊娠7か月注意することは?

妊娠7か月に入る妊婦の方にとって、体調管理は大変重要です。特に、食事の量やバランスには注意を払いましょう。急激に体重が増えないよう、食事量の調節に努めましょう。

また、軽い運動やウォーキングも健康維持に有効です。ただし、どの程度の運動なら許容されるのかは妊婦の状況により差があります。必ず医師の指示に従うようにしてください。

まとめ

妊娠7か月ごろになると、胎動が活発化し、胎児の存在や成長を直接実感する機会が増えます。その動きは臨月が近づくにつれ、次第に少なくなる傾向があります。

しかし、急に胎動がなくなった・弱くなったと感じた場合は注意が必要です。何らかの異変が起きているケースも想定されるため、まずは安静にして胎動を確認しましょう。それでも動きが感じられなければ、産院に連絡してください。

胎動を通じて行う胎児とのコミュニケーションは、妊娠中にしか体験できない特別なものです。この時期を大切に、温かい親子の絆を深めながら、出産までの生活を楽しんでください。

参考文献

・公益社団法人日本産婦人科医会 – 胎動が多いか少ないかわからないです

・公益社団法人 日本産科婦人科学会/公益社団法人 日本産婦人科医会 – 産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020