リンカルに染色体異常の予防効果はあるの?先天性異常を予防する他の方法もご紹介
産み分けができると話題になっているリンカルですが、実は染色体異常予防にも効果があると言われています。
しかし、「リンカルが染色体異常予防に効くというのは本当なの?」「リンカルは染色体異常以外の先天性異常にも効果はあるの?」といった疑問を持っている方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、リンカルがどうゆう仕組みで染色体異常の予防に効くのか解説します。
リンカル以外にも先天性異常を予防する方法も併せてご紹介するので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
先天性異常とは?
まずは先天性異常の種類・原因・確率をご紹介いたします。
先天性異常とは
先天性異常とは、生まれつき赤ちゃんに異常がある疾患のことです。
さまざまな臓器で起こる可能性があり、症状の重さなども人それぞれです。
先天性異常の種類
先天性異常は、大きく5つに分類されます。
- ダウン症症候群
- エドワーズ症候群
- パトウ症候群
- 先天性代謝異常
- 先天性疾患
先天性異常の原因
先天性異常の原因は、以下のとおりです。
- 染色体異常
- 遺伝子因子
- 環境因子
- 催奇形因子
- 複数因子
染色体異常
染色体異常とは、卵子や精子ができる過程、受精卵の分裂時に染色体に異常が発生することです。
染色体異常は突然変異で起こる可能性が高い傾向にあります。
遺伝子因子
両親のどちらか、または両方が先天性異常の遺伝子を持っている場合、胎児に遺伝する可能性があります。
必ずしも遺伝するとは限りませんが、先天性異常の約20%が遺伝子因子だと言われています。
環境因子
環境因子とは、有機臭素系化合物、ダイオキシンなどの化学物質、風疹・トキソプラズマなどの妊娠中の感染症などを指します。
環境因子は、先天性異常の約5%を占めます。
催奇形因子
催奇形因子とは、放射線・レントゲン・アルコール・タバコなどのことです。
催奇形物質にさらされると、母体を通じて赤ちゃんに影響を及ぼしてしまい、先天性異常を引き起こす可能性を高めてしまいます。先天性異常を持つかどうかは、催奇形物質がさらされた時期・期間・量によって決まります。
多因子遺伝
複数因子とは、複数の遺伝子の異常や生まれた後の環境によるものです。
複数因子は先天性異常の約50%を占めます。
先天性異常の赤ちゃんが生まれる確率
環境省の調査によると、年齢に関係なく、先天性異常を持った赤ちゃんが生まれる確率は、3〜5%と言われています。
その中でも染色体異常は高齢の妊婦さんに多い傾向にあります。
代表的な染色体異常
代表的な先天性異常をご紹介いたします。
ダウン症候群
ダウン症候群は、通常2本である21番目の染色体が3本になることで生じます。800人に1人の割合で生まれ、その確率は母体の年齢が上がるとともに上昇します。身体的には吊り目・低い耳・大きな舌・低い鼻といった特徴が見られ、筋肉の緊張が弱いため口は開きっぱなしになっている傾向にあります。
また、発達障害があり、成長スピードも遅いですが、他の染色体異常に比べると寿命は長く、平均寿命は60歳で、適切な対応を取れば社会生活を送れます。
エドワーズ症候群
エドワーズ症候群は、通常2本である18番目の染色体が3本になることで生じます。6000人に1人の割合で生まれ、男児よりも女児に多い傾向にあります。身体的には小さな頭・耳の形や位置が異常・足の親指が短い・足の裏が内側に向くといった特徴が見られます。
また、重度の発達障害があり、重い合併症を伴うため、1年以上生きられる割合は10%にも及びません。
パトウ症候群
パトウ症候群は、通常2本である13番目の染色体が3本になることで生じます。1〜2万人に1人の割合で生まれます。身体的には小さな頭や眼球・口唇裂・口蓋裂といった特徴が見られます。
また、重度の発達障害があり、重い合併症を伴うため、生後1ヶ月の生存率は約50%、生後1年の生存率は約10%です。
リンカルとは
リンカルとは何か、どんな効能があるのかご紹介いたします。
リンカルとは
リンカルの正式名称はリン酸カルシウムといいます。
リン・カルシウム・鉄が含まれたカルシウム剤で、先天性異常の予防や男の子の産み分けができると言われています。
リンカルが先天性異常予防になる理由
リンカルが先天性異常予防に使えるのは、赤ちゃんの脳の発育には、カルシウムが欠かせないためです。
妊娠中にカルシウムが不足すると、赤ちゃんの脳の発育に悪影響を与え、無脳症などの先天性異常を引き起こす可能性があると考えられています。
そのため、カルシウム剤であるリンカルを摂取することは、先天性異常の予防になるとされているのです。
先天性異常を予防する他の方法は?
リンカル以外にも先天性異常を予防する方法があります。
では、他の方法をご紹介いたします。
葉酸
葉酸は、先天性異常の1つである神経管閉鎖障害を予防する効果があります。
神経管閉鎖障害は、妊娠中に葉酸が不足することで起こるからです。
神経管閉鎖障害は脳・脊椎・脊髄に異常をきたす病気であり、以下の3種類に分けられます。
- 二分脊椎
- 無脳症
- 脳瘤
二分脊椎
二分脊椎は、足側の神経管が閉鎖しなかった際に起こり、以下のような症状が表れます。
- 運動障害
- 排泄障害
- 無呼吸
- 嚥下困難
無脳症
無脳症は、神経管閉鎖障害の中で最も重い病気です。
神経管の頭側が閉鎖しなかった際に起こり、以下のような状態になります。
- 流産
- 死産
- 生後間も無くして死亡
脳瘤
脳瘤は、神経管の閉鎖不全で起こり、以下のような症状が表れます。
- 水頭症
- 知的障害
- 発達の遅れ
予防接種
妊娠前に風疹の予防接種を受けることで、先天性異常を予防できます。
妊娠中に風疹に感染すると、先天性異常の1つである先天性風疹症候群を引き起こします。先天性風疹症候群は、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 難聴
- 先天性心疾患
- 小頭症
- 白内障
ヨウ素を摂取量に注意する
妊娠中のヨウ素不足は、先天性異常の1つである先天性甲状腺機能低下症を引き起こすリスクがあります。
ヨウ素を含む代表的な食べ物は、ワカメや昆布などです。
ただし、ヨウ素は摂取し過ぎると甲状腺機能の低下に繋がります。
1日の摂取量が0.13mgを超えないように気を付けましょう。
ビタミンAを控える
ビタミンを摂ることは良いことだと認識している方が多いかもしれませんが、妊娠中のビタミンAの過剰摂取は、催奇形因子につながると言われています。
ビタミンAの過剰摂取で引き起こされる先天性異常の代表例は、耳の形態異常です。
1日の摂取量が1,500μgREを超えないよう注意しましょう。
水銀を控える
妊娠中に水銀を摂ることは、胎児の中枢神経系に影響を及ぼします。
水銀の濃度が高い食べ物の代表例は、カジキやマグロです。
1週間の摂取量は50~100gに抑えましょう。
まとめ
リンカルとは、先天性異常を予防するためのカルシウム剤です。
妊娠中のカルシウム不足が胎児の脳の発育に影響を及ぼすことから、飲まれるようになりました。
他にも、葉酸・予防接種・ヨウ素の摂取量を守ること・ビタミンAや水銀を控えることで、先天性異常の予防になります。
先天性異常は年齢に関わらず、3〜5%の妊婦さんがなるといわれているため、妊娠前・妊娠中に予防しましょう。
参考文献
・厚生労働省ー21トリソミーのある方のくらし
・厚生労働省ー神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について
・厚生労働省ー感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について