いつから安定期に入るの?妊娠安定期の時期や妊婦の変化、気をつけるべきことを解説
皆さまの中には、「安定期っていつからいつまでなの?」「安定期でも流産する可能性があるのか不安」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこで今回は、このような心配事を持つ方のために、安定期の時期、起こりやすいマイナートラブル、流産の確率などを解説します。
安定期を無事に過ごすために知識は欠かせないものです。
安定期に気をつけるべきことや過ごし方をわかりやすくまとめておりますので、お悩みの際はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
妊娠の「安定期とは」
安定期の意味や安定期がいつからいつまでなのかを説明いたします。
安定期とは
安定期は、胎盤が完成し、妊婦さんのホルモンバランスが安定してきた時期のことを指します。
安定期はいつからいつまでを指すの?
安定期とは、一般的に妊娠16週から妊娠中期が終わる妊娠27週までを指します。
安定期の母体の状態
安定期の母体の状態や変化を解説いたします。
見た目
子宮は大人の頭と同じくらいの大きさになるため、お腹が目立ち始める妊婦さんもいます。それに伴い、妊娠線ができてくる方もいます。
また、ホルモンの影響から体内の水分量が増え、下半身を中心に浮腫みやすくなり、胸が膨らむ方もいます。
つわり
胎盤が完成し、ホルモンバランスが安定することで、つわりも落ち着いてくる方が多いです。
胎盤
妊娠4ヶ月の終盤に胎盤が完成してきます。
完成した胎盤からは、母乳を作るための性ステロイドホルモンが分泌されます。
安定期に胸が膨らむ妊婦さんが多いのは、この性ステロイドホルモンが要因です。
胎動
安定期を迎える妊娠16週頃から胎動を感じ始める妊婦さんもいますが、妊娠20週頃から感じる方が多い傾向にあります。
胎動の感じ方は人それぞれで、腸が動いているように感じる方や気泡がポンポンと弾けるように感じる方などがいます。
安定期の過ごし方
安定期の過ごし方や安定期におすすめな妊娠中の行事をご紹介いたします。
適度な運動
安定期には、適度に運動することをおすすめします。
適度な運動は妊婦さんの気分転換になるうえ、出産にむけた体力づくりにもなります。
妊婦さんに特化したマタニティスイミングやマタニティヨガなども良いでしょう。
バランスの良い食事
厚生労働省によると、安定期の食事量は妊娠初期に比べて1日に250kcal多く摂るように推奨されています。
特に鉄分やタンパク質は積極的に摂るように心がけましょう。
虫歯治療
母子手帳をもらう際に、歯科検診の補助券がもらえます。そのため、妊娠中に一度は歯科検診に行く方が多いでしょう。
赤ちゃんが生まれたら、しばらく歯医者に行く時間が持てないことから、妊娠中に虫歯治療をしたいと思う方もいるでしょう。
しかし、妊娠初期は長時間過度な緊張状態にあり危険なため、応急処置程度に済ませることが多いです。
また、妊娠後期は長時間同じ姿勢でいることが妊婦さんの負担になるため、長時間に渡る処置は一般的に行いません。
虫歯治療をするなら、安定期にしましょう。
両親学級
妊婦さんの体調が比較的安定している安定期なら、両親学級にスムーズに参加できることでしょう。
両親学級では、妊娠・出産・育児について学んだり、施設によっては父親が妊婦体験をしたりすることも可能です。
病院によっては、両親学級に参加することが立ち会い出産の条件となっていることもあります。
マタニティフォト
貴重な妊娠期間を記念に残すために、マタニティフォトを撮る方が多くいます。
マタニティフォトを撮るなら、体調の安定している安定期に撮るのがおすすめです。
安定期に気をつけるべきマイナートラブルとは?
安定期に起こりやすいマイナートラブルをご紹介いたします。
貧血
安定期は、胎児がより大きく成長します。
それに伴った鉄の貯蔵や赤血球量の増加により鉄の必要量が増えるので、貧血が起こりやすくなります。特に妊娠中に多い貧血は、鉄欠乏性貧血です。
腰痛
前述したように、安定期に入ると胎児がより大きくなるため、それに合わせておなかも大きくなります。妊婦さんは大きくなったおなかを支えるために、腰を反りがちになるため、腰痛が起こります。
便秘
赤ちゃんの成長に合わせて子宮が大きくなり、腸を圧迫するため、腸の活動が鈍って便秘になりやすくなります。
動悸・息切れ
安定期は赤ちゃんに送る血液量が増えるため、心拍数が上がり、動悸や息切れすることが多くなります。
また、赤ちゃんの成長に合わせて子宮も大きくなり、内臓を圧迫することで、息苦しさを感じます。
体重増加
つわりが落ち着く妊婦さんが多く、つわりからの開放感からついつい食事量が多くなってしまう傾向にあります。
著しい体重増加は、妊娠高血圧症・妊娠糖尿病などさまざまなリスクを高めます。
安定期に気を付けるべき病気とは?
安定期に気を付けるべき病気や症状を解説いたします。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週から起こる病気です。
妊娠高血圧症候群は胎児死亡・胎児発育不全など胎児にさまざまなリスクを及ぼします。
また、脳出血・腎臓機能障害など、胎児だけではなく、母体にもさまざまな病気を引き起こす可能性があります。
安定期に入ると、つわりが落ち着いて食欲が増すため、体重が増加する妊婦さんが多くいます。
急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性が高くなるので、体重管理に気を付けましょう。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症とは、陣痛がないにも関わらず、子宮口が開いてきてしまう病気です。
痛みがないだけでなく、性器からの出血もなく、自覚症状のない方がほとんどです。
気付くのが遅くなると、早産や流産のリスクを高めます。
妊婦健診を欠かさず、定期的に子宮頸管を測ることが予防につながります。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠以前は糖尿病でなかった方が妊娠してから初めて起こる糖代謝異常です。
妊娠糖尿病になると、奇形児や巨大児が生まれる可能性があります。バランスの取れた食事や適度な運動で予防しましょう。
前置胎盤
前置胎盤は胎盤が通常よりも低い位置にあり、子宮口を塞いでしまう状態です。
経膣分娩ができないため、ほとんどの場合が帝王切開になります。
流産
「安定」という言葉が入っているため、誤解されやすいですが、流産の可能性は減るものの、必ずしも流産しないというわけではありません。
安定期の流産の原因
安定期の流産は、生活習慣やストレスが原因です。過度なストレスは、後期流産の可能性を引き起こします。
また、安定期だけでなく、妊娠中ずっと気を付けなければなりませんが、喫煙・飲酒・カフェインの多量摂取・激しい運動はしないようにしましょう。
安定期の流産の兆候
以下のような症状が表れたら、流産の兆候かもしれません。
- 出血
- おりものの変化
- 腹痛
- おなかの張り
- 腰痛
安定期の流産の確率
安定期の流産の確率は、約15%です。
流産の80%以上が妊娠12週未満で起こっています。
安定期に気をつけるべきこと
つわりが落ち着き、家事や仕事を頑張り過ぎてしまう妊婦さんが多い時期です。
安定期に入っても体調に気をつけて、家事や仕事は無理のない範囲で行いましょう。
まとめ
安定期は妊娠初期の不安定な体調やつわりが落ち着いてくる時期です。
「安定」という言葉が入っているため、勘違いされやすいですが、流産の可能性は15%あり、流産しない時期という意味ではありません。
また、安定期でもマイナートラブルや病気になることがあるため、つわりが落ち着いたからといって頑張りすぎないようにしましょう。