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妊娠4週目の腰痛はなぜ?妊娠初期の体の変化

妊娠は女性にとって特別な時期であり、嬉しい出来事ですが、同時に大きな身体の変化も伴います。

妊娠初期である4週目には目に見えた体型の変化はありません。

しかし、腰痛に悩まされることがあります。

体型の変化に起因しない腰痛は、なぜ起きるのでしょう。

ここでは妊娠初期である4週目に起きる腰痛の原因や対処法、および注意点について解説します。

妊娠初期の腰痛を妊娠における体のサインとして理解することが大切です。

妊娠初期の身体の変化

妊娠初期に起きる腰痛の主な原因は、ホルモンバランスの変化や着床による子宮内膜の変化などによるものです。

妊娠したことにより、お腹の中で赤ちゃんを育てるための準備として身体の変化が急速に進むために腰痛がおきることがあります。

受精卵が子宮内に着床する時期

妊娠4周目は受精卵が子宮に着床する時期です。

受精卵が着床すると妊娠を継続するために子宮にはさまざまな変化が起こります。

女性の体内ではさまざまなホルモンの分泌が変化し、身体の準備が始まっているのです。

また、胎児の成長に伴い、子宮が大きくなっていくことによる腰痛も発生することがあります。

妊娠初期のホルモンの変化とは?

妊娠に伴い、リラキシンと呼ばれるホルモンの分泌量が増加します。このホルモンは筋肉を緩め、靭帯を緩める働きがあり、腰の周りの筋肉や靭帯が緩み、腰痛が引き起こされることがあります。

また、プロゲステロンと呼ばれるホルモンも急激に増加します。プロゲステロンは子宮内膜を整え、妊娠を維持する役割を果たしますが、同時に全身の筋肉を緩める作用もあります。このため、骨盤周辺の靭帯が緩み、腰部に負担がかかりやすくなるのです。

胎児を育てるための子宮の変化

受精卵が子宮内に着床すると、子宮は成長を始めます。

子宮が大きくなるにつれて、周囲の組織や臓器に圧力がかかってしまうのです。

特に、子宮は腰椎と言われる腰の背骨に近い位置にあるため、大きく成長することによって腰椎が圧迫されてしまい、腰痛の原因となります。

また、ホルモンの影響によって骨盤周辺の靭帯や関節が緩みます。

これは骨盤がやわらかくなることで、分娩時に出産をスムーズに進めるための準備です。

しかし、この緩みによって骨盤が不安定になり、腰部に負担がかかりやすくなり、腰痛が悪化してしまうことがあります。

痛みの場所は人それぞれ違います

妊娠4週目における腰痛の原因は、ホルモンや子宮の成長に伴うものです。

しかし、痛みはみんな同じではなく個人差があります。

どのような場所や痛み方があるのか知っておきましょう。

子宮の成長による痛みからくる腰痛

妊娠すると子宮はどんどん大きくなります。子宮の成長に伴い、子宮自体が引き伸ばされることによる痛みや子宮を支えるための靭帯が引き伸ばされることにより痛みが生じます。

それらの痛みが腰痛のように感じることがあります。

おしりの奥のほうや足の付け根、恥骨あたりが痛むと感じることも

恥骨周辺や足の付け根が痛いと感じることもあります。これは、プロゲステロンというホルモンが分泌され、骨盤周辺の筋肉が緩むことが原因です。

妊娠により大きくなるお腹を支えるため、また出産にむけ赤ちゃんの通り道を準備するために骨盤が少しずつ開き始めます。骨盤が開き始めることで、周辺の筋肉や靭帯に負担がかかり、痛みが生じることがあるのです。

腰痛の原因概要

妊娠4週目の腰痛の原因の多くは、妊娠に伴うホルモンの変化によるものです。

妊娠初期では、女性の体内で多くのホルモンの分泌が増加します。

特にプロゲステロンとエストロゲンといったホルモンの量が増えることで、筋肉や靭帯の緩みが引き起こされます。

これにより、腰周辺の筋肉や靭帯が過度に伸びたり緊張したりすることが腰痛の原因となるのです。

骨盤周辺の靭帯の緩みや関節の緩み

妊娠に伴い、子宮が成長するために骨盤は徐々に広がり始めます。

この骨盤の変化は、妊娠初期から始まり、骨盤の広がりによって、骨盤周辺の関節や靭帯にかかる負担が増加し、腰痛が生じることがあります。

子宮の成長による痛み

子宮の成長に伴って子宮周辺の筋肉が伸びることがあります。

この筋肉の変化は、骨盤の安定性を保つために必要ですが、一方で腰痛を引き起こす可能性もあります。

筋肉が伸びることで、腰部の筋肉にも負担がかかり腰痛の原因となることがあるのです。

妊娠初期の腰痛の対策

腰回りを温める

温かいシャワーやお風呂に入ることで、腰まわりの筋肉を温めることができます。

温まることで血流が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、腰痛が緩和します。

ただし、湯船に入る場合は熱すぎない適切な温度になるようにしましょう。

また、寒い時期には腰周辺にカイロを貼るなどといった工夫で、できるだけ腰回りを冷やさないことも大切です。

肌着の上からカイロを貼るなど、低温やけどに注意して使用しましょう。

軽いストレッチや妊婦に適したエクササイズ

妊婦向けのヨガやエクササイズを行うことで、筋力を強化し、腰痛を緩和することができます。

運動することで血行が良くなるので、腰痛をやわらげる効果もあります。

体調に配慮しながら、無理のない範囲で行いましょう。

サポートウェアの利用

妊娠時の腰痛には、サポートベルトやマタニティ用の骨盤ベルトなどを使ってみましょう。腰部分の負担をサポートしてくれるので、腰痛が軽くなるでしょう。

適切な場所に適切な強さでつけることが大切です。

サポートベルトや骨盤ベルトをつける場合には、産婦人科の先生や助産師などに相談の上、適切なサイズのものを選び、正しく装着しましょう。

姿勢を意識する

日常生活の中で、姿勢を意識することも大切です。

妊娠中はお腹の中に赤ちゃんがいるため、体重のバランスが変わります。

これにより姿勢が変化し、腰に負担がかかることがあります。

例えば、座るときには背もたれがある椅子を使用し、背中をしっかりと支える。

ベッドに寝るときは腰をサポートするために枕やクッションを適切に配置する、といったことも有効です。

また、重いものを持つ際には、しゃがんで拾ったり、腰を曲げずに膝を曲げたりするといった工夫も、腰への負担を軽減するのに役立ちます。

腰痛がひどい場合には医師に相談しましょう

妊娠初期に腰痛が発生することは一般的です。

しかし、人により症状の度合いや感じ方は異なります。

自分自身と赤ちゃんの健康を守るために適切なケアを行いましょう。

腰痛が強くなったり、他の症状と合わせて不快感を伴ったりする場合は、医師に相談することをおすすめします。

医師は個々の状況に合わせた適切なアドバイスや治療法を提供してくれます。

痛みがひどい場合には流産の可能性も

腰痛に加えて、出血や下腹部の強い痛みがある場合には、流産などといったトラブルの可能性があります。

早急に受診しましょう。

我慢できないほどの痛みや気になる腰痛がある場合には医師に相談を促す

腰痛が悪化し、痛みで歩くこともままならない、横になるのも苦しいなどといった症状がある場合には、産婦人科の医師に相談の上、整形外科を受診するなどの対策をとりましょう。

まとめ

妊娠4週目での腰痛は、妊娠初期の身体のさまざまな変化によって引き起こされるものです。

適切な姿勢や適度な運動、サポートウェアの利用といったセルフケアで対策しましょう。

腰の痛みがひどい場合は、適切な治療が必要な場合もあります。

痛みがひどい場合や心配な場合は、担当の医師や助産師に相談することをおすすめします。

参考文献

・厚生労働省-女性労働者の 母性健康管理のために