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高齢出産の場合は検査が必要?出生前検査を受けるべきなのか解説!

皆さんは高齢出産を決めた時、どんなリスクがあるのか、母体にどんな影響があるのか、産まれてくる赤ちゃんに影響はないか心配に思うことも多いのではないでしょうか?

そこでおすすめなのが、出生前検査です。出生前検査を行うことによって、産まれてくる赤ちゃんが障害を持っていないかどうかが分かります。 

高齢出産によるリスクや赤ちゃんへの影響、出生前検査について解説いたしますので、高齢出産に不安のある方はぜひ参考にしてみてください。

高齢出産によるリスクとは?

高齢出産にもなると、様々なリスクを心配する方も多いのではないでしょうか。

流産や難産、低出生体重児の可能性も高くなるなど、様々なリスクが考えられます。

それでは、高齢出産によるリスクについて解説しましょう。

流産や難産になりやすい

高齢出産をする場合、流産や難産になりやすくなります。

特に、流産の場合は妊婦が年齢を重ねているほど高くなるので注意が必要です。

妊婦の年齢が20代~35歳までであれば20%の確率で流産になる可能性がありますが、40歳で40%、43歳で50%、45歳~48歳で70%、49歳以上は90%の確率とされています。

年齢を重ねるほど流産になる可能性が高まるので、少しでも可能性を低くするためにも事前の検診や私生活の過ごし方が重要です。

低出生体重児の可能性も高くなる

基本的に産まれてくる赤ちゃんの平均体重は約3,000g程度です。

しかし、低確率で2,500g未満の赤ちゃんが生まれることがあります。この時生まれてきた赤ちゃんを低出生体重児と呼びます。

低出生体重児となる確率は、34歳までの出産であれば10%未満とされていますが、40歳~44歳で13%、45歳以上だと17%と可能性が高まっていくのが特徴です。

元々高齢出産ともなると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を引き起こす可能性が高く、その影響によって胎児の発育不全を初めとするリスクを伴うとされています。

高齢出産のリスクを下げる方法とは?

無事に赤ちゃんを出産できるようにするためにも、高齢出産のリスクを下げる方法を心がけることが大切です。

それでは、高齢出産のリスクを下げる方法を解説しましょう。

規則正しい生活をする

高齢出産のリスクを下げるためにも、規則正しい生活を心がけましょう。

食事内容は、そのまま胎児の健康を維持すると言っても過言ではないので、きちんと栄養バランスの整った食事メニューを続けることが大切です。

ストレスを溜め込まないように上手に発散する

過剰なストレスは胎児に送られる酸素や栄養の量が不足しやすくなるため、発育不全などの影響を引き起こす可能性があります。

したがって、ストレスを溜め込まないように、自分の好きなことや趣味、無理のない運動などで上手にストレスを発散しましょう。

妊娠検診を定期的に受ける

高齢出産ともなると、流産や難産といった様々なリスクがあるので、妊娠検診は定期的に受けるのがおすすめです。

特に発育不全の原因となる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症しないようにするためにも、妊娠検査は定期的に受けましょう。

生まれてくる赤ちゃんが障害を持っている確率はどのくらい?

高齢出産をするにあたって、赤ちゃんが障害を持って生まれてくる確率が気になる方も多いのではないでしょうか。

それでは、赤ちゃんが障害を持って生まれてくる確率について解説します。

29歳以下で出産する場合

29歳以下で出産する場合、赤ちゃんが障害を持って生まれてくる確率は、400分の1以下だと言われています。

高齢出産と比べると比較的低い数字であり、無事に出産できる確率も高いと言えるでしょう。

30代後半で出産する場合

30代後半で出産する場合、赤ちゃんが障害を持って生まれてくる確率は、83分の1とされています。

年齢を重ねていくにつれて障害を持って生まれてくる可能性が高まるため、より食生活やストレス発散などに気を使った対策が必要になるでしょう。

40歳以上で出産する場合

40歳以上で出産する場合、赤ちゃんが障害を持って生まれてくる確率は、53分の1以上です。

高齢になるほど無事に出産できる可能性が低くなるばかりか、無事に生まれたとしても障害を持って生まれてくる可能性が高いでしょう。

出生前検査とは?どんなメリットやデメリットがあるのか解説します

高齢出産に伴い、赤ちゃんが障害を持って生まれてくるかどうか知りたいなら、出生前検査を受けるのがおすすめです。

出生前検査はメリットがありますが、デメリットもあるので注意が必要です。

出生前検査にはどんなメリットやデメリットがあるのか、解説していきます。

出生前検査とは?

出生前検査とは新型出生前診断のことで、お腹の赤ちゃんの染色体数異常を調べる検査です。

厚生労働省の「国内における出生前検査受検に関する実態調査の施設アンケート」によると、2018年において出生前検査(新型出生前診断)の実施件数は12,893件です。2019年度の出生数は約86万人であることから、全体のおよそ1.4%程度の妊婦さんが出生前検査を受けていることになります。

出生前検査を受けることで障害があるかどうかが分かり、妊娠中に出産に向けた準備がやりやすくなるでしょう。

出生前検査のメリット

出生前検査を受けるメリットは、以下の通りです。

・障害があるかわかる

出生前検査によって染色体異常があるかどうかが判断できるため、どんな障害を持って生まれてくるのかわかるのがメリットです。

どんな障害があるのかがわかれば、事前に赤ちゃんに合わせた環境が整えられます。

また、新型出生前診断は妊娠初期の10週目から受けられるため、障害児やその家族が受けられる社会的サポートや助成金について調べられるのがポイントです。

・母胎へのリスクが少ない

新型出生前診断は母胎へのリスクが少ないというメリットがあります。

新型出生前診断は採血だけで検査ができるため、お腹の赤ちゃんに刺激を与える心配がありません。

出生前診断なら他にも羊水検査や絨毛検査がありますが、妊婦さんのお腹に直接針を刺して検査するので大きく負担をかけてしまいます。お腹にいる赤ちゃんにも大きなリスクがある上に、非常に低確率ではありますが流産や出血に繋がる可能性もあるでしょう。

しかし、新型出生前診断ならほとんどリスクがないため、安心して検査が受けられます。

出生前検査のデメリット

出生前検査を受けるデメリットは、以下の通りです。

・検査で分かる障害には限りがある

出生前検査はこれから生まれてくる赤ちゃんに障害があるかどうかわかりますが、わかる障害には限りがあるのがデメリットです。

たとえばダウン症やエドワーズ症候群、パトウ症候群は先天的な染色体・遺伝子異常なので出生前検査で判明します。しかし、自閉症やアスペルガー症候群を初めとする発達障害や視覚・聴覚などの身体的な障害はわかりません。

また、その他の染色体・遺伝子異常に関してもわからないことがあるため、受診する検査機関を比較する必要性があるでしょう。

・検査費用が高い

出生前検査は保険適応外なので、基本的に検査費用が高いのがデメリットです。

検査機関によって差がありますが、基本的に1回の検査で「3〜20万円」ほどかかります。もしも障害があることがわかった場合は「人工妊娠中絶」も選択肢に入りますが、中絶する場合は「約10〜15万円」が相場です。

どうしても受けたい場合は、検査項目を最小限にして費用を抑えてくれる検査機関を探すのがおすすめです。

高齢出産で一人目と二人目以降の違い

高齢出産で一人目と二人目以降の違いは、年齢を重ねていくにつれて先天性の疾患や流産、合併症などのリスクが高まることです。

ただでさえ流産や難産、障害を持つ可能性が高まっているため、二人目以降も考えているならこれまで以上に対策する必要性があるでしょう。

出生前検査を受けた方の声と受けなかった方の声

出生前検査を受けることで妊娠中に赤ちゃんが障害を持っているのかが分かりますが、検査を受けた方と受けなかった方がいます。

なぜ出生前検査を受けたのか、なぜ受けなかったのか、それぞれの意見を聞いてみました。

出生前検査を受けたの声

出生前検査を受けた方の声は、以下の通りです。

「38歳でNIPTを受けました。

高齢出産で、前回の妊娠が22トリソミーで流産したから。 実家から遠く離れた場所で育児をすることが決定しており、夫は激務で頼れないため、障害がある子を育てる自信がなかったため。」

「2人目の妊娠をした時にNIPTを受けました。妊娠直後で当時もう43歳とかなり高齢だったので、やはりどうしても染色体異常の割合が高く、もし障害を持った子どもだったら本当に育てていけるのかととても思い悩み、もし陽性だった場合にはどうするかも予め夫婦で決めてからNIPTを受けました。」

「39歳で初めて妊娠して、胎児に危険があることを承知の上で羊水検査を決断しました。家庭の事情などを考えると、しかたないと思いました。 胎児(子ども)に対して罪の意識はありました。今思っても辛い決断でした。」

出生前検査を受けなかったの声

出生前検査を受けなかった方の声は、以下の通りです。

「病気や異常がわかった時、産むのか産まないのか、とても悩むだろうと思って受けませんでした。異常がわかるだけではなく、胎児のうちに治療をしてなおせるのであればいいなと思います。羊水をとると流産の可能性があるというのも受けなかった理由のひとつです。」

「妊娠初期はする気持ちがとても強かったです。 障害がある子を育てる自信もお金も環境もないと思っていたからです。」

「出生前検査を受けたとしても、もし異常があった時にとても悩むと思いました。後悔するかもしれないとも思いました。」

まとめ

高齢出産は若い方よりも出産や生まれてくる赤ちゃんが障害を持つといったリスクがあるので、出生前検査を受けて出産に備えて早めに準備を始めるのがおすすめです。

出生前検査であれば障害を持っていたとしても妊娠中に、出産後に向けた準備ができます。障害についての知識を得る時間もあるため、出産に向けた準備がやりやすくなるでしょう。

高齢出産は様々なリスクがあるので、無事に出産できるようにする準備も大切です。ストレスフリーな環境作りやバランスの取れた食生活など、できることはなんでもやることが大切です。

参考文献

・厚生労働省-国内におけるNIPT受検に関する実態調査の施設アンケート調査報告書